2014-12-24

世界仰天ニュースのディスレクシア特集+裏番組でも

「仰天ニュース」のディスレクシア特集がyoutubeにアップされているとのお知らせを頂きました。
匿名さん、ありがとうございますm(_ _)m






個人的には、竹田契一先生(LD学会の重鎮)が、
ディスレクシアは医学ではなく、教育の問題
と言い切っていたのに、我が意を得たりと思いました(←何様(笑))。



こんなコメントも頂きました:
この週末、1週遅れて「仰天ニュース」が放映されました。迷ったのですが、思い切って息子と高校生の長女と見ました。息子は真剣な顔つきで、画面に釘付けになりました。小学生時代のエピソードでは,「むかつく!この先生」と怒りも見せたり。番組が終わると、「俺もこれだよ!ひらがなは大丈夫だけど、漢字が覚えられないんだ!」と、笑顔で興奮気味に話しかけてきて・・「この人の気持ちがよくわかるの?」「うん!」。傷ついたという感じでもなく、「俺より困っている人もいるんだね~学校の先生は昔からわかってくれないんだね~」みたいな感じで、けろりとしているんですが・・専門家の人が「障害ではなく特性です」といってくれたのも良かったです。
その反応を見て、もじこさんのブログに私が出会ったことを話し、この記事も見せてみようかなと思っています。幼い6年生ですが、同い年の子ががんばってる姿をみたら、刺激になるかな・・と。番組内のつるのさんのように「そっか~おれは勉強しなくていいのか!」に流れてしまう可能性もある子なんで(泣笑)
バラエティーの中で重くならずに放映してくれたのも、息子にはよかったです。こうゆうう番組が増えるといいですね。主人にも録画を後で見せたら、やっと息子の特性を理解して受け入れてくれた感じです・・・テレビ一族の我が家には効果的な番組でした!
明るい感じでの"告知"にも使えるとのこと。
告知派※の私にとっては、嬉しい限りです。

※ちなみに、わたくし的には「ディスレクシアの告知」とは、
「××は字が苦手だけど、クラスに1人か2人しかいない、
特殊な能力を持ったほんとにすごい子なの。」
「進化した人類がクラスに紛れ込んでいるようなものなの。
でも地球の字が苦手みたいだから、頑張って毎日練習しようね」
と伝えることを意味します。(本気です。)


また、同じ12月10日は、裏番組であるNHKニュースウォッチ9でも、
なんとディスレクシアの小特集があったようです。見たかった…

頂いたご報告より。ありがとうございます:

NHKニュースウォッチ9を見ていたら、東大先端研の中邑先生のプロジェクトをやっていました。
色々な事情で、学校には適応できないのだけど、突き抜けた能力を持つ子供たちを集めて、各界の一流の講師を招いて、その子たちを育てる、というものです。
出てきた子供たちの中で、あきらかにディスレクシアの6年生の男の子がいました。
その子は、一度見ただけで映像をぱっと記憶し、スケッチブックにその絵を描くことができます。1日にそれこそ何十枚も描くこともあるそうです。しかし、文字はひらがなも十分には書けないため、学習から落ちこぼれ、学校にも行けなくなってしまったとのこと。実際に「あいうえお」と書くところを放映していましたが、非常に苦労しながら書いているのがよくわかりました(やはり、ちょっと驚く映像ですね)、
そのニュースでは、主題が「不登校」とか「学校への不適応」だったため、ディスレクシアという用語は出ませんでしたし、それ以上の深堀りはありませんでしたが、中邑先生は色々なアプローチで、この方面の研究を進めているようですね。
以上、非常に簡単ですが、ご報告でした。

追記(15/01/01)
上のプロジェクトはこれだと、教えて頂きました。ありがとうございます:
異才発掘プロジェクトがスタート 第一期生に全国から15人

2014-12-20

「ディスレクシアでそこそこできる子は、同級生の2~3倍は努力している」

2eニュースレター」で見た記事を訳しました。

著者のケリ・サンドマン=ハーリー博士は、
アメリカ西海岸でディスレクシア研究所を運営しているようです。

2eは直訳すると「二重に例外的」、
発達障害であり、かつギフテッド(=定義がいろいろあるようですが、
ざっくり言えば特定能力で突出して優秀だということ)言うようです。

当ブログで反響の最も大きい記事、「隠れディスレクシア」も
もとは「2eニュースレター」に寄稿された文章です。
つまり、英語圏では隠れディスレクシアはギフテッドの特徴のひとつ
ということになっています。

しかし・・・ここからは私の仮説ですが、
アメリカの2e教育で言われていることは、
日本では2eに限らず、ディスレクシア(英語)教育全般に多くのヒントをくれる
と実感しています。

「日本のディスレクシアは、中学に入って英語の学習が始まるまで
ディスレクシアに気付かずに過ごすことが少なくない」
という、日本語ならではの状況と関係しているような気がします。

なので、以下の記事で「2e/ギフテッドでディスレクシア」とある箇所は、
こと日本のディスレクシアの英語学習という面については、
「学校の勉強にそこそこ追いついている、問題行動のないディスレクシア」
と読み替えてよいと思います。


<要旨>
・2eでディスレクシアの生徒は、同級生と同じ成果を出すのに、2~3倍は努力している。
・自分の本当の語彙力で書けないので、作文の成績は悪い
・2eでディスレクシアかどうか、4分間の音読で判断する「読みアセスメント」
・書くことを支援するテクノロジー紹介
・2eでディスレクシアがどう感じているか、英作文のシミュレーション
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ギフテッドかつディスレクシア:2eについて
ケリ・サンドマン=ハーリー
20141210
原文→

皆さんにジェニーを紹介したい。中学2年生で成績は良好、いや優秀と言っていいくらいだ。先生たちによれば、人あたりがよく、決まりを守る、賢い生徒、ただ、ちょっと大人しいという。考えることは複雑で面白く、いつもベストを尽くそうとする努力家だ。

なぜ私は、彼女の話をしたいだろうか? 私がジェニーに関心を持つのは、彼女は先生達に「中の上の生徒」との印象を与えるために、同級生の23倍は努力しているからだ。

ジェニーは2e、つまりディスレクシア(とディスグラフィア)であり、かつ知的ギフテッドだ。
このことは、同級生が45分で終わる宿題に、彼女は3時間かかることを意味する。何かを書けば34回書き直すまでは誰にも見せない。書くときはスペルミスを避けるために短い単語を選ぶ。
そこまでしてもなお、彼女は自分の本当の語彙力のレベルで書くことができないので、作文の成績は悪い

ジェニーの現在の良い成績は、ディスレクシアにもかかわらず(またはディスレクシアのおかげで)我慢を重ねたおかげだ。これはもちろん称賛すべきことだ。だが、ジェニーが同級生と公平に競えるよう対応策を取ってもらえていたら、彼女はもっと良い成績を取るはずだ。そうすれば、彼女は従来の方法で読み書きできることではなく、自分が実際に理解していることをアピールできるはずだ。
彼女は成績も悪くなく、問題行動もないが、だからと言ってIDEA(障害のある個人教育法)のアコモデーション(合理的配慮)が不要という意味ではない。ディスレクシアの生徒がどのように学んでいくのかを考える際には、私たちは「箱の外に出る」、つまり従来の枠組みにとらわれない発想が求められる。


◆音読による読み能力アセスメント
ジェニーは、表面的には読めているように見えるし、合理的配慮が必要には見えないが、細かく見れば彼女の苦労が分かる。

そのひとつとして、読みに伴う疲労に関するデータを集めてみたい。
ひとつの方法は、生徒に学年並みの内容の長文を、4分間読んでもらうというものがある。
・1分経過ごとに、現在読んでいる場所に印を付けていく。
・4分後、毎分ごとに読んだ語数を数える。

ディスレクシアの生徒の多くから、このような疲れ方をしている証拠が得られる:

正しく読めた単語の数
0:00-1:00       106
1:00-2:00       96
2:00-3:00       85
3:00-4:00       45


◆合理的配慮のテクノロジーを使って/使わずに書く
作文については、ジェニーは次のような感じの文章を書くだろう:

I went on a trip with my mom and dad.
(パパとママと旅行に行きました)。

特に問題はないように見えるかもしれない。
だが、実は彼女はこのように書きたかったとしたら?

Last weekend, my family and I visited the Grand Canyon. It was beautiful with deep canyons and breathtaking views. I enjoyed the time with my family and look forward to our next vacation.
(先週、家族とグランドキャニオンを訪れた。深い渓谷に息を呑むような景観がとても美しかった。家族で楽しい時間を過ごすことができた。次の休暇が楽しみだ。)

なぜ、彼女が本当はこう言いたかったと分かるのか。 
それは、彼女の話し言葉と書き言葉の言語能力の差の大きさで分かるのだ。

つまり、2eの生徒の書くことの困難についてのデータを集めるもう一つの方法は:
1)まず、誰の助けも借りずに1人で何かを書いてもらう
2)書きたいことを言ってもらい、それを文字に起こしてあげる。
3) 1)2)の語彙の選択、文法、概念の複雑さを比較する。

1)2)のどちらが、その子の知的能力を表していると言えるだろうか

◆支援テクノロジー
こうして、ディスレクシアかつ知的にギフテッドでもある生徒を、見抜くことができた。次に、試合のフィールドを公平にし、非ディスレクシアの同級生と同程度の努力で競争できる環境を整えることが求められる。
そのために導入できる支援テクノロジーの例:

オーディオブック
音声認識
ライブスクライブペン(Livescribe Smartpen
キーボード入力を許可する
板書の内容を渡す
板書の撮影を許可する

訳注:ライブスクライブペン。
ペンとノートがiPhone/iPad上のEvernoteに連携しており、
そのほかOCRとボイスレコーダーが付属しているとのこと。
これは使えるかも?!

◆ディスレクシアが作文においてどう感じているか、
簡単なシミュレーション
ここで、皆さんにも簡単な課題を試していただこう。
今朝何をしたか、一瞬考えて書いてみてほしい。

ただし、次の言葉は使えない:a, the, of, and, is, or
(訳注:日本語だと、「は、が、を、の、と、や、~だ」あたりに相当)
これらは、これから書くことの中に一切使ってはならない。

書き終わってから、この記事の続きを読んでほしい。

======== 

手ごたえはどうだろうか?

このシミュレーションを私は何度も行ってきたが、その経験から「この課題は簡単ではない」と皆さんが思っていると確信している。
実は「簡単」と最初に言ったのも実験の一部なのだ。実際に着手する前から「そんなの、何の問題もなくできるはず」と思い込んでほしかったので、あえてそう言ったのである。

おそらく、今あなたが書いた内容は、あなたの知的能力を正しく反映していないはずだ。
(訳注:英語では、a/theが正しくない文は、すごく稚拙に見えます)
もし、そんな状態で書いたものだけが、成績の基準になったとしたら…?

これがアメリカの学校現場の現実だ。つまり、アメリカの公教育制度は、生徒が持てる能力を完全に発揮していることを確かめる仕組みになっていない。だが、ディスレクシアの生徒が持てる能力を発揮できずにイライラが募れば、自尊感情を大いに傷つけることになる。

だが、これからは違う。これを読んでいるあなたは、ディスレクシアの生徒の気持ちを実感できたからだ。共に力を合わせて、ディスレクシアと知的ギフテッドの生徒に特徴的な「沈黙」の文化を変えることができる。
こうした生徒たちは公平を求めているだけで、それ以上は求めていない。そして、公平が必ずしも平等を意味しないことは、アメリカ人なら誰でも分かっているはずだ。

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最後のシミュレーションテストは、ディスレクシア的な英語の難所について
「やっぱり!」なことを言っていると思いました。
これについては改めます。

2014-12-18

小学生向け視写教材・音声教材いろいろ

小学生の視写教材について、ご質問を頂きました。

コメントでちゅら海さんが書かれていた
うつしまるくんを宿題に出してもらうよう、学校の先生に頼む
は、その手があるかと。うまいアイデアだと思いました!
(うつしまるくんは、学校だけに販売する、書店取扱のない商品です)

うちは最近、薄い問題集を、天声人語ノートに貼って使っています。

『朝5分ドリル』
5~10分で視写するのに、ちょうどいい分量です。
内容も、ニュース、歴史、小説、カタカナ多め/漢字多めなど、
いろいろ入っています。

1学年下の教材から始めました。

今は6年生のものを使っています。
PCメガネをかけ出したら、最後まで書き通すことができるように。
(よく見るといろいろ間違ってますが)


手順
1)設問を解く(問題集の指示通り、最長5分で)
2)視写する(10分。書き終わったら2周目に入る)
3)音読してもらう(視写した字のほうを。これが読めない。。)

この教材を見つける前は、小学生新聞を使っていました→
視写教材としてはとても良いですが、毎日の素材選びがけっこう面倒なので
今はありがたく問題集を使っています。

小説が好きな子なら、長い小説を少しずつ視写するのも良いと思います。

視写は、毎日地道に続けて、習慣化することが大事だと感じています。
大学受験生や大人での効果を見て以来、最近は毎朝行っています。


☆追記(14/12/19)
さる方から情報提供を受けました。教材比較写真を載せておきます。
ありがとうございます!

◆うつしまるくん

うつしまるくん(1年生)。
「ていねいにはやく」はディスレクシアには無理かも・・・


ディスレクシアだと、最初のうちは学年相当の視写は難しいかも、とのこと。
確かにそうかも・・・うちのやつが1年のとき、この視写が宿題だったとしたら、
相当つらかっただろうと思います。



「グレーゾーンの子どもに対応した作文ワーク」


初級・中級・上級があります。
単語、機能語、音便(「っ」「ょ」など)を正しく書く練習、
そして単文、複文の視写・・・という徹底したスモールステップ構成です。
うちでは3年3学期から4年1学期に(途中まで)解きました。
今見ると、全部解けばよかったと思う、充実の内容です。

「グレーゾーンの子どもに対応した作文ワーク 初級」で
うつしまるくん(1年)と同じくらいかも?


◆「読み書きが苦手な子どもへの<基礎>トレーニングワーク」
「読み書きが苦手な子どもへの<基礎>トレーニングワーク」
このシリーズはよく出来ています。
ディスレクシアだと分かったら、学年問わず一度戻ってみるのがおすすめ


これもおそらく、4年生か5年生の時の字。
たしか、漢字学習と並行して、疲れたら1ページだけこの本から練習、
という使い方をしていたように記憶しています。

当ブログは視写推しですが、それでもあえて言いたいのは、
視写は、ディスレクシアな子の発達段階によっては、すごくつらいので、
嫌がるようなら無理強いはいけないということです。

そのうち、ディスレクシアでも視写が楽しいと思える時期が来るようです。
そのときが、視写の取り組み時なのでしょう。

☆  ☆  ☆

ついでに、音声教材について、知っていることを書いておきます。

・「中学英語の教科書ガイドについているCDを何度も聞かせています
と、さる方からメールで教えて頂きました。
なるほど!ありがとうございます。

・ディスレクシア支援を行っているNPO「エッジ」のサイトでは、
ディスレクシアだと自己申告すれば、
小中学校の教科書の音源を無料でダウンロードできるようです。
私はまだ使ったことがないですが、非常にありがたい教材だと思います。

・うちは、小学校の国語の音声教材として、
オーディオブック販売サイトFeBeをチェックしたり、youtubeを探したりします。

FeBeはプロの朗読なので、さすがのうまさです。
ディスレクシア的には、聞いているとありありと映像が浮かぶようです。
子供は「トロッコ」を聞いたときに「怖い(´Д`;;)」と震えてました(笑)。

『脳が良くなる耳勉強法』

FeBe創業者が語る、聴覚を使った勉強法。

神奈川の私立中高に入るも偏差値30まで落ち、
そこから耳勉強法を編み出して東大に合格との経歴からは、
この方もディスレクシアなのかも、、という気にさせられます。

本人がブログに出してくれと言うので、失礼します。
「やまなし」はFeBeで聞いてから、学校の授業に臨んだところ、
先生の言っていることもよく分かったそうです。

2014-12-17

ディスレクシアの子をほめるということ

最近の当ブログでは、「ディスレクシアな子への接し方が難しい」が
もっぱらの話題になっておりますが、、

わたくし、予備校講師としては大変にほめる部類のようです。
あまりにほめるので、一度など某巨大掲示板で
「××講師はほめすぎる」と批判されたことも(! ̄д ̄)

でもどんな生徒でもほめられたいものだという、自信が私にはあります。
開成だろうが麻布だろうが、東大理III志望だろうが・・・

そんな「ほめ系講師」を自認していた私が、
小3で担任から「補助教員が必要かも。特別支援学級も視野に」と言われ、
青天の霹靂でびっくりしていると、さらに
「お母さん!もっともっとほめてあげて下さい」
と言われたときは、逆ギレしそうになりました。

「は?この子のどこをほめたらいいの?!」
とさえ思いました。

当ブログでも何回か白状していますが、ディスレクシアと知らない頃は
私は子のことを相当罵倒して追い詰めていました。

「お母さん!××君はほめ言葉にからからに飢えてますよ。
小さなことでも、どんどんほめてあげて下さい」

そう言われて、途方に暮れました。

なんで私が「ほめ足りない」などと、言われないといけないのか・・・


不思議ですよね。
職業的には、すごくほめる講師だと思うのですが、
自分の子には、それを実践できていなかったのです。

自分の子供への言動と、なんでそんなことを言ってしまうのかを、
よくよく振り返りました。

私の場合はどうやら、勉強だけが取り柄で学校になじめなかった昔の自分を
正当化したい気持ちがあったようです。
それを、罪のない子供にぶつけていたのです。
実に恥ずかしいことです。

私が罵倒しないようになると、子供もどんどん落ち着いていきました。
それどころか、「僕はディスレクシアなんだから」と、
周囲から受ける多少の誤解は受け流せるようになりました。
ほんとに強い子です。
あの日以来、子も親もずいぶん変わりました。

☆  ☆  ☆

ディスレクシアの子をほめるのは、心構えによっては
「は?」と思うくらい大変なことだと、よく分かります。。

これをお読みの、ディスレクシア児の扱いにお困りの方に提案したいのは:

・「この子はまったく違う物の見方をしている。
映像で、あるいはより多次元的に世界を理解しているので、
それを文字という二次元に落とし込むのに大変な苦労をしている」と考える。

そう考えると、す~っと落ち着きます。
(というか、実際そういう理解の仕方をしている人種なのです)

・学校の先生から子供に言ってもらいたいことを、自ら実践する。

担任の先生から子供に対し、どのような言葉をかけてもらいたいでしょうか?

「自分の子を言葉で追い詰めてもらいたい」と思う親などいないはずです。
むしろ「いいところを見て、ほめてほしい」と思うはずです。
それを、自ら子供に対して実践するということです。

☆  ☆  ☆

以上が、この秋くらいまでの境地です。

ここから、話の次元がまったく変わります。すみません。



9月末、当ブログで最も反響の大きな記事である「隠れディスレクシア」の
エイデ博士夫妻から連絡を受けたことは、前に書いた通りです。

そうするなかで、夫妻には17歳の娘さん(弱いディスレクシア)がいたこと、
10歳の頃に肺がんが見つかり、闘病生活を送っていたこと、
そして今年の母の日の直前に亡くなられたことを知りました。。

Dyslexic Advantage(ディスレクシアであることの利点)執筆は、
娘さんのガン闘病生活と並行していたとは
(TДT)(TДT)

夫妻は娘さん亡き後も、ますます盛んに
ディスレクシアの能力を世間に広める活動を続けておられます。
その無私で前向きな心には、ほんとうに胸を打たれます。

以来、

- もし自分が、ディスレクシアな子に死なれてしまったとして、
ディスレクシアな生徒をどうにかしたいと思えるだろうか?

- 子や生徒の、未来を思い描いての言葉をかけているだろうか?

- エイデ夫妻に恥じない接し方を、子や生徒に対してできているだろうか?

そんなレベルで自問するようになってしまい、
正直、子をほめるなんて、あまりに簡単なことになってしまいました(苦笑)。

いまや寝る前に「生まれてきてくれてありがとう。今日も本当にえらかったね」
という言葉が自然に出るレベルです(泣き笑い)。

でも実のところ、こんな根源的なレベルでほめてようやく、
ディスレクシアに字の練習をさせるという過酷な一日の終わりが、
精神的にトントンになる気もしています。

2014-12-12

10歳のディスレクシアかも?な息子さんについてのご質問とコメント

昨日今日で初めてお越しの方々、ようこそいらっしゃいました。
ここはディスレクシアの親と当事者が主に集まっています(と思います)。
まだまだ知られていない「ディスレクシア」の学習法・対処方法について、
できるだけ具体的かつ建設的に探っていきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。

先日の「世界仰天ニュース」後のアクセスはすごかったです。
放映中の1時間に1万アクセス、翌朝までにもう1万アクセスがありました。
延べ2万人が新たにディスレクシアを知ったならよかったです。
なお、99%が「ディスレクシアのチェックテスト」に来ました。


以下の質問に、てぷさんから非常に有意義なコメントを頂きました。
ここに集う方にぜひ読んで頂きたい内容ですので、こちらに上げておきます:

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匿名 さんが投稿「【まとめ】ディスレクシア自己診断テスト5本にコメントを書き込みました。 


はじめまして。10歳の息子について質問させてください。読みについては問題はないのですが、書くことがとても苦手です。ノートは誤字脱字だらけです。漢字を覚えるのも大変です。ただ何度も練習すれば覚えられます。教育センターで検査してもらったところ、黒板を書き写すことや文字については困難を感じているとの診断でしたが。特にその後のフォローや訓練の提案はありません。子供用のディスレクシア診断では13個でした。これは単に字が汚いだけで、ディスレクシアではないのでしょうか?
よろしくお願いします!

----------------------- 
てぷ さんが投稿「【まとめ】ディスレクシア自己診断テスト5本にコメントを書き込みました。 
匿名さん

息子のかつての姿に似ているので気になってコメントします。

うちの場合は、話し方が年齢の割にたどたどしく、本は読めなくはないけど親に読んでもらいたがる、
マンガや子供向けの自然科学系の雑誌などは大好きでいくらでも読む、というタイプでした。

字を書くことは入学当初から苦手で、成績表の書字の項目は「がんばろう」ばかり、
気心の知れた友人(教師)に「それって、ふつう外国籍の子にしかつかない」と言われて唖然。

でも、授業態度はいいし発言も積極的、理解も悪くないということで、
親も先生も「書くことさえもうちょっと頑張れば問題なし」という認識でした。
集中力に欠けるのも「男の子ってそんなものらしい、少しずつできるようになるだろう」と思っていました。

4
年生になって、それまで家庭で繰り返し書かせてなんとかなっていた漢字がいよいよどうにもならなくなりました。

今思えば、ここが分かれ目だったと思います。もじこさんが紹介してくれているような、何度も書かずに口で言って覚える漢字カードで取り組めばだいぶちがったのだろうと思います。

残念ながらうちの場合は親にも学校にも知識がなく、テストのたびに居残り学習をさせられ、何度も書いては追試、合格するまで終わらないみたいなことが続きました。

「人の何倍もかかるけど繰り返しやればできる」という既成事実が積み上がっていく、子にとっては救いのない状況だったと思います。

勉強そのものに対するやる気が失われ、そのうち担任を嫌って登校しぶりをするようになりました。
今だから言えるのですが、10歳あたりというのは、周囲に気付かれにくい発達凸凹を抱える子にとっていよいよ大変になってきて二次障害の危険が高まる最初の時期なのかもしれません

漢字や作文に追い立てられるつらさ以外に、運動が苦手、連絡帳が穴だらけで忘れ物が多い、しょっちゅうものをなくす、発言が多い割に話し方が今ひとつ不明瞭orまだるっこしいなど、次第に子を蔑む空気がクラスに広がってきて、学校そのものが非常につらい場所になりました。
幸い、心ある担任のクラス指導や子の努力(人と積極的に関わる)もあって、仲の良い友だちができて笑顔で卒業しました。

ディスレクシアかどうかをはっきりさせるのは実際には難しいし時間がかかると思います。

うちは色々あって今年の夏にようやくWISCとスクリーニング検査・読み書き検査を受けましたが、書くことに対する強い疲労感と苦手意識はあるものの明らかな音韻処理の障害は認められませんでした。
不注意や自閉症スペクトラムの可能性も考えられる、暫定的な学習障害疑い、次回の診察は半年後です。

検査結果が出た頃、うちの子はといえば、中1ショックから家で寝込んでいました。学習面、体力面、対人面、すべてにおいて新しい環境に適応できなかったのです。

もちろん、ここまで対応が遅れたことでわたしはずいぶん自分を責めました。
まったく気づかなかったというより、なんかおかしいと思っているうちにどんどん色々な問題が出てきてしまったからです。

幸い、子は学校を変わって少しずつ元気を取り戻しつつあります。

子どもを誰より間近に見て長い時間を一緒に過ごしている家族の直感は、たとえ今の時点で確証がなくとも重要なことだと思います。

二次障害が起こって初めて「やっぱりそうでしたね」みたいなのは悲しすぎますから。。。 

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ですよね 。・゚・(ノД`)・゚・。

「しばらく様子をみましょう」は、ポリープか何かならともかく、
ディスレクシアを判断する場合には、害にしかならないと思います。

①ディスレクシアかも?と親が思い、
すぐディスレクシアに合った学習を補充し、
仮にディスレクシアでなかったとしても、それが害になることはありません。
ディスレクシアに優しい学習法は、すべての子に優しいからです。

②しばらく様子を見た結果として、
周りの子より読み書きできないのがどう見ても明らかになり
「ああ、やっぱりディスレクシアでしたね」と分かっても、
「じゃあ手術してとっちゃいましょう」とはいかないのですから。

てぷさんの言う通り、家族が見て「あれ?おかしいな?」と思ったら、
それなりに手を打ち始めて、悪いことは何もないと思います。

じゃあ何をすればいいか?は当ブログの1大テーマです。
医師も教師もまだ模索している最中です。
まずはこのあたりからご覧頂けると幸いです→

てぷさん、もう自分を責めてはいないと思いますが、
そっちに行っちゃダメですよね(T T)

おっしゃっていた通り、
ディスレクシアの子に合った環境に出会うと、そこから人は変わりますよね。
それもけっこう劇的に。
そのことを私は、ここに集う方々や生徒から教えてもらいました。

2014-12-09

ブルーライトをカットするメガネがディスレクシアに効果あり?


この記事は、もう少し効果を検証してから書くべきなのかもですが、
かなり脈ありな気がするので、出してしまいます。

~~~~

ここ2~3週間、アーレンシンドロームに興味を持って調べていました。

きっかけは、ディスレクシアの大学受験生(みずさん)からの相談でした。
みずさんは、白い紙がまぶしい、字が渦を巻いて見えると言いました。

前々記事(アーレンシンドロームのチェックテスト)で書いた通り
ディスレクシア全員がこう訴えるわけではありません。
そこで、「アーレンというものがあるよ」と紹介したのです。

緑のルーズリーフだと楽、青いクリアシートをかけると読みやすい、
といったことを、彼女は発見していきました。
他の人も自分と同じように、紙をまぶしく感じていると思っていたそうです。
いろいろ話すうちに、自分は多分アーレンだと本人は確信しました。

でも、センター試験を来月に控え、検査に行くのは時間的に無理です。
それに、仮にアーレンメガネを作ったとしても、
大学によっては募集要項に「サングラス禁止」と書いてあり、
(たぶん「顔を隠してはならない」という意味で、
光過敏症の受験生の存在は想定外でしょうが)
そのメガネをかけて試験に臨むことは、おそらくできません。

そこで彼女が「ギラつきを抑えているようで、見え方がだいぶ改善する
と探してきたのが、PCやスマホから出るブルーライトをカットするメガネ↓

JINS PCメガネ
いろんな色のフレームがありますが、レンズに差はないそうですby店員さん

ブルーライトを45%カットするものと、50%カットするものがあります。
50%だと、傍目からもほんのり色が入っているのがわかりますが、
そちらのほうが、まぶしさを緩和する効果は高いようです。

「文字が突き刺さる感じが軽減する」
「行間の白い部分に目が行っていたのが、文字を捉えられるようになる」

とのこと。いい感じではないでしょうか!

☆  ☆  ☆

さっそく、うちでも試してみました。

前記事に書いたように、うちの子は、
「文字が渦を巻いて見える」「突き出て見える」系のことは言いません。

しかし!上のメガネ(45%)をかけてみると、
「あ、これいい。紙がまぶしくない。目が疲れない」
と、本人は即座に気に入った様子です。

まだ今日一日試しただけなのですが、
「学校でプリントを見るのが楽だった」と言いながら帰ってきました。

そして・・・とりあえず視写と算数を解いてもらいましたが、
視写はいつもの倍の時間にわたって書き続け、
算数は正答率が大幅にアップしました。
もともとメガネに憧れもあり(笑)、本人は上機嫌です。

駅ビルやamazonで買える3900円の度なしメガネで、
ここまでの効果があるとは・・・

子については、あまりの劇的効果に私のほうが信じられないでいますが、
しばらく続ける予定です。

☆  ☆  ☆

調べると、アーレンさんは
「色のフィルターやレンズを使うと、自閉症の見え方が大きく改善する」
と、すでに80年代から提唱していたようです。

「自閉症だったわたしへIII」


 その効果を証言している訳書も、すでにあります。

 自閉症の当事者が自らの世界を言葉で説明した本のはしり、

 「自閉症だったわたしへIII」です。

 この本は、見方によっては、
 アーレンによって世界の見え方が一変する過程を綴った手記です。

たとえば、

「ある色や組み合わせでは、文字が私の方に向かって飛び出してくるみたいだった。それで意味がつかみやすくなるわけでもない。また別の色では、単語が踊り出したり行がジャンプしたり、ところどころ文字が消えてしまったりした。さらにある色では、ただページに色がつくだけで、なんの変化も効果も現れなかった。
ところが突然、これまで感じたことのない衝撃に、わたしは襲われたのだ。あまりにも圧倒されて、私はがたがた震え、泣き出した。シートは、新しい組み合わせで置かれている。それを通すと、読めるのだ。直接、意識を保ちながら、何の苦労もなく。すべての意味が、頭に入ってくる。生まれて初めてのことだった。読みながら、場面が頭に入ってくる。読んでいる物語の世界が見えてくる。登場人物も、ひとりだけでなく全員が見える。・・・読みながら、自分の声も聞こえる。内容に合わない、ただ練習しただけの抑揚など、もうどこにもない。・・・今聞こえてくるのは、自然な声。内容を頭で想像しながら、楽しんで何かを読んでいる人の、流れとめりはりのある声だ。」

(『自閉症だったわたしへIII』新潮文庫、河野万里子訳)

このように、非常に劇的な変化がある場合もあるようです。

しかし調べると、
海外の学会では、その効果に根強い反論があることも分かりました。


2014年の論文の抄訳(原文):

色、カラーフィルム、読字・読解力
本稿では、文章を読む際に色が持つ役割について調べる。カラーフィルムを紙の上にかぶせて読むことで、流暢性と速度の両方に良い影響を与えると主張されてきた。こうした影響はいわゆる「ミアーズ=アーレン・シンドローム」の人、すなわち、読んでいる最中に疲れ目および/または視覚的な歪み(色や形、動きの幻影)を経験する者において、特に顕著といわれる。この状態は一般人口の1214%、ディスレクシアの最大46%に関係するとされる。このため、ディスレクシアの抱える読み困難(流暢性、速度)の一部の側面の回復策として、カラーフィルムは幅広く使われている。にもかかわらず、カラーフィルムがディスレクシアにとってどのような方法で効果を発揮するかは明らかとなっていない。また、一部の研究者によれば、カラーフィルムの効能を支持する研究結果は、控え目に言っても反論の余地があると言う。それどころか、ミアーズ=アーレンシンドロームの本質そのものにも異議が唱えられている。本稿では、関連文献を詳細かつ批評的に振り返る。
☆  ☆  ☆

私はここで、峯松先生の受け売りなのですが、

「人間の言語能力について考えるとき、
脳までいかなくても、音や耳の仕組みから説明できることはたくさんある

技術者というのは、ある技術の理論的説明が確立していなくても、
それが役に立つのなら、どんどん実用化するべき

そして「音も光も、波動という点では同じ

という言葉に沿って進みたいです。

つまり、
現にアーレンやPCメガネで見えやすくなったと感じる生徒がいるのなら、
その理論的裏付けはともかく、積極的に使うべきだ、ということです。

みずさんありがとう!うちでも続けて、また報告します!


2014-12-08

告知2件

朝日新聞に、東大先端研がディスレクシアの検査を郵送で受け付けるとの記事が:

2014/12/5 朝日新聞
この「検査キット」はURAWSSですね
http://www.eduas.co.jp/buriki/eval/charge/

うちも、5年生の1月に、買って試してみました。その時の記事はこちら→




東大先端研の活動は本当にすばらしいと思います。
うちの子に役立つものを開発して下さったら、ぜひ使ってみたいと思ってチェックしています。

しかし、厳しい意見になりますが、少なくとも大学受験生は
「書けなくてもITで代用できればいいよね」とは思ってないです。

まず、入試でITを使えない限り、その意見が変わることはないでしょう。

そもそも、ディスレクシアな受験生・大学生と話をすると、
「正しい漢字で、きれいな字で書きたい」という思いは驚くほど強いです。
「書けなくてもいいじゃない、普通の人も漢字は間違うよ」と力説しても、
のってくる子はまずいないです。

ここから、彼ら彼女らは字を書くことをまるごと免除されたいのではなく、
誤字を多めに見てもらいたいだけなのだと分かります。
書字欲(?!)とは、意外と強い欲求のようです。


☆  ☆  ☆

もう一つ。
水曜夜に、井上智さんを追ったドキュメントが放映されるようです。
さきさん、情報提供ありがとうございます!


ザ・世界仰天ニュース
日テレ系列 12月10日(水)夜9時~9時54分放送

「1962年大阪で生まれた井上智さんは、いつも明るく元気で小学校では友達と活発に遊んでいた。しかし授業になると…聞いたことは理解が早いが文字がすらすら読めず、間違うことが多かった。そして書くことも困難だった。実はこの時、井上さん自らも家族も気付いていないある障がいに苦しんでいたのだ。 
井上さんは自らが抱える障がいにつて「皆ができて当たり前のことが自分にはできない。生きていくのは大変。書けないということで、信用されない。たかだか文字だと皆言うけど、それは書けるから…」と語る。 
字が書けない…井上さんが歩んだ壮絶な人生とは!?」

本も超おすすめ

井上智さん、LD学会でもご登壇され、半生を語っておられました。
会場外の席で一部を、音声で聞いただけでしたが、
それだけでも切なさとエンパシーに満ちあふれたお方だと、よく分かりました(T T)


井上さんのディスレクシア啓発活動を本当にありがたいと思うからこそ、ここではあえて憎まれ役的指摘をいたします:



井上さんはちょっと話を伺うだけで大変聡明な方だと分かりますが、
それでいて、そこまで字が書けないのは、
やはりネグレクトの影響がかなり影を落としていると推察いたします。
(そのことは、上の本では割愛されていますが、
本のもとになったサイトには書かれています。
個人的には、お母様とのことは、一番号泣しながら読んだ部分でした)

井上さんは、非常に強く二次障害が出たケースではないかと思います。

気付いたそのときから適切な指導をすれば、
ディスレクシアの子でも、かなり読み書きできるようになります。
それには、本人と親の努力、理解ある教師との出会い、
大変な時間と手間、そして日本の現状ではある程度の経済力など、
さまざまな要素がからんできますが・・・
それでも、それなりに読み書きできるようになることは確かです。


井上さんがディスレクシアの典型例と思われすぎることで、
努力と訓練で読み書きできるようになったディスレクシアの子が、
「あなたはこんなに読める(書ける)んだから、ディスレクシアじゃないでしょ」
と言われ、必要以上にハードルが上がることを、私は恐れます。


・・・と書いて、数日後に炎上しないといいのですが。
放映はあさって。楽しみです!

2014-12-01

アーレンシンドロームのチェックテスト

ディスレクシアの人の話を聞いていると、

・特定の背景色は非常に見づらい/見やすい
 (こんな感じ→
・字が渦を巻いて見える
 (「ディスレクシア」で画像検索→すると、いっぱい出てきます)
・特定のフォントや文字色は見づらい/見やすい
 (当ブログでは、読者の方から「ちかちかして読めない」との指摘を受け、
 蛍光ペン・青色文字の使用をやめました。)
・紙がまぶしくて読むのがつらい

と訴える人がいます。

そういう人は、「アーレンシンドローム」の可能性があるらしいです。
これまた、ディスレクシア以上に知られていないようですが、、

専用の眼鏡を作れば読みやすさがかなり改善するらしいので、
もし、アーレンシンドロームの可能性があるなら、
調べてみる価値はありそうです。

「アーレンシンドローム」のチェックテストを訳しました。

☆  ☆  ☆

うちの子はこれではない気がします…
と思いながら短いバージョンを試してみたところ
「薄暗い光のもとで読むのを好む」に「はい」と答え、
「まぶしいのは嫌い。だから、いつも影を作って暗くしてるんじゃん」
と。初耳です ( ̄д ̄)

ただ、このチェックテストだと、
ディスレクシアの人(と運転が下手な人)は
基本的にアーレンシンドロームである、となりそうですが、、、
う~む、本当にそういうことなのか・・・?

アーレンシンドロームとは
(筑波大附属大塚特別支援学校内のページ)では、
「光に関する感覚過敏を持っており、光がまぶしく見える、
本を読むと文字がよく追えない、
目を使うと疲れるなどの症状があります」
と説明されています。)

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アーレンシンドロームのチェックテスト:
短いバージョン
(原文はこちら→★)
以下に「はい」か「いいえ」で答えて下さい。

  1. 単語や行を飛ばしてしまう
  2. 同じ箇所を何度も読んでしまう
  3. どこを読んでいるか、わからなくなる
  4. 読んでいる最中、気が散りやすい
  5. 間に頻繁に休憩を入れる必要がある
  6. 長時間読み続けるほど、読むのが大変になる
  7. 読んでいると頭が痛くなる
  8. 充血/涙目になりやすい
  9. 読むと疲れる
  10. まばたきが増えたり、目を細めたりする
  11. 薄暗い光のもとで読むのを好む
  12. ページに顔を近づけて読む
  13. 指かマーカーをあてている
  14. 読んでいるとむずむずする、体を動かしたくなる、何かをいじりたくなる
「はい」が3つ以上で、アーレンシンドロームの可能性があります。

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アーレンシンドロームのチェックテスト:
長いバージョン
(原文はこちら→
以下に「はい」か「いいえ」で答えて下さい。
過去、学生時代、または現在の、いずれについて答えてもかまいません。

◆あなたは光過敏ですか?
  • 日光を不快に感じる
  • グレア(まぶしい光)を不快に感じる
  • 頻繁にサングラスを着用する
  • 明るい光/蛍光灯の光を不快に感じる
  • 明るい光/蛍光灯の光のもとだと、不安を感じる
  •       〃               頭痛・腹痛になる
  •       〃               むずむずする
  •       〃               聞き取りが困難になる
  •       〃               パフォーマンスが落ちる
  • 何かを読んでいるとき、光が足りないと感じる
  • 何かを読んでいるとき、光が多すぎると感じる
  • 薄暗い光のもとで読むのを好む
  • 手や体で、ページに影を作って読む

◆読み困難のタイプ
以下にあてはまるものはありますか?
  • 単語や行を飛ばしてしまう
  • 同じ量を何度も読んでしまう
  • 間に休憩を入れないと読めない
  • つっかえつっかえ読む
  • 小さな単語を無視してしまう
  • 読解力が低い
  • 長時間読み続けるほど、読むのが大変になる
  • どこを読んでるか見失わないよう、指かマーカーをあてている
  • 読むことを避ける
  • 趣味の読書を避ける
  • 意味を理解するには、何度か繰り返して読まなければならない
  • 文字や数字が反転する

◆コンピューターを使っている時、画面上で何かを読んでる時
以下に当てはまるものはありますか?
  • 目をこする
  • 顔を近づける、または遠ざける
  • 目を細める
  • 目を大きく開く
  • 間に休憩をはさむ
  • グレア(ぎらぎらした輝き)を避けるため、体の位置を変える
  • 片目を閉じるか覆う
  • 頭を動かす
  • 一語ずつ読む
  • 速読ができない

◆疲れ方
以下のような時、緊張感、疲れ、頭痛が起きることがありますか?
  • 何かを読んでいる時
  • 何かに耳を傾けている時
  • 紙と鉛筆を使った作業をしている時
  • コンピューターで作業している時
  • TV、映画、ライブステージを観ている時
  • 何かを写している時
  • 算数・数学の宿題をしている時
  • ゲームをしている時
  • 宿題で長い文章を書いている時
  • 視覚を多く使う作業(刺繍、縫い物、クロスワード、木工、はんだごてetc.)をしている時
  • 明るい光・蛍光灯の光のもとで作業をしている時
  • ストライプ、模様、明るい色、コントラストの強い色を見た時

◆(英語の)書字について
以下に当てはまるものはありますか?
  • 右か左に大きく傾いた字を書く
  • 語と語の間、字と字の間にスペースがないか不均等
  • 文字の大きさがばらばら
  • 行に沿って書くことができない
  • 単語、文字、コンマやピリオドを抜かしてしまう

◆注意力・集中力
以下に当てはまるものはありますか?
  • 読み書き時の集中に問題がある
  • 読み書きする最中、すぐに気がそれる
  • 何かに集中して聴こうとすると、すぐに気がそれる
  • テストを受けている時、すぐに気がそれる
  • 授業中や講演の最中に、ぼ~っとして別のことを考えてしまう
  • 目の前の作業に集中できない
  • 作業をなかなか始められない
  • マークシートでの解答が困難

◆板書を写す
本、黒板、ホワイトボード、パワポを写すとき、当てはまるものはありますか?
  • どこを写していたか分からなくなる
  • 言葉を抜かしてしまう
  • 写すのが遅い
  • 最後まで書き終わらない
  • ケアレスミスが多い
  • まばたきが増える、目を細める
  • 見失ったところに再び焦点を合わせるのが難しい
  • パソコンを使って写すのが難しい(パソコンに写す/パソコンの画面から写す)

◆作文
以下に当てはまるものはありますか?
  • 構成が整っていない
  • パンクチュエーション(コンマやピリオド)に問題がある
  • 推敲できない
  • 単語や文字の抜けがある
  • 書いたあと、読み直さない
◆算数・数学
以下に当てはまるものはありますか?
  • 桁をそろえる時に間違う
  • 数字を正しい行で見ることが困難
  • ケアレスミスが多い
  • 数列を使った作業の際には、指、方眼紙などのガイドを使う
  • 記号、数字、小数点を見落とす
  • 数字が反転する

◆音楽
以下に当てはまるものはありますか?
  • 譜面の読みに問題がある
  • 譜面を見ながらよりも、暗譜して演奏することを好む
  • 耳コピを好む
  • 音符を追うのに指を使う
  • 譜面を見ていていまどこを弾いていたか見失う
  • 音符を読むのが困難、または音符と歌詞を一緒に読むのが困難
  • 音符を解釈するのが困難
  • 一生懸命練習しているにもかかわらず、あまり進歩しない

◆遠近感
以下に当てはまるものはありますか?
  • エスカレーターへの乗り降りが困難
  • 不器用
  • テーブルの端やドアのつっかえ棒につまづく
  • 階段の上り下りでつまづく
  • 距離感の判断が困難
  • ものを間違って蹴飛ばしたり、ぶつかって落としたりする
  • 子供の頃、けがが多かった。すねに傷が絶えなかった
  • 誰かと並んで歩いていると、その人に寄っていってしまう
  • 歩いていると、くらくらしたり、ふわふわした感覚になる
  • 高所恐怖症

◆スポーツ
以下に当てはまるものはありますか?
  • ゴルフ、野球、テニスなどで、飛んでいるボールを目で追うのが困難
  • TVでゴルフ、サッカー、バスケの試合を見ていて、ボールを目で追うのが困難
  • テレビでスポーツ観戦している時、ボールは追えるが、それ以外のものが見えなくなる
  • ボールをキャッチしたり、打ったりするのが困難
  • ビリヤードが難しい
  • 野球やテニスをしていて、ボールを打つのが難しい
  • 自転車に乗るのが困難
  • 縄跳びが困難。間違ったタイミングで飛んだり、(大縄に)間違ったタイミングで飛び込んだりする
  • バレーボールやフォースクエア(田の字に区切った4つの枠にそれぞれ1人が入り、ボールをワンバウンドで投げ合うゲーム)が苦手
  • うんてい(雲梯)で、棒から棒へと移るのが難しい

◆運転
以下に当てはまるものはありますか?
  • 縦列駐車が難しい
  • 駐車する時、前の車にぶつかりそうな気がする
  • 対向車が来るとき、右折するタイミングをはかるのが難しい
  • 車線変更が不安
  • 車線変更をする時、人一倍注意を払う
  • 車線変更をする時、同乗者が緊張している
  • 同乗者から「前の車に寄りすぎ」と指摘される
  • 慎重すぎる:前の車との車間距離を取り過ぎる

◆乗車中の疲労
以下に当てはまるものはありますか?
  • 自動車に(運転者としてでなく)乗っていると、眠くなる
  • 運転していると眠くなる
  • 車体の光の反射を不快に感じる
  • 前の車のリアウィンドウ(後ろの窓)の、光の反射を不快に感じる
  • 雨や雪(の反射)の中を運転するとストレスを感じる
  • 夜間の運転を避ける
  • 夜間、ヘッドライトや街灯を不快に感じる
  • 車のテールランプを不快に感じる
  • 赤・青の信号を不快に感じる
  • 夜間は視力が低下する

「はい」が3つ以上あるセクションが1つでもあれば、アーレンシンドロームの可能性があります。


詳しくはこちら:
『アーレンシンドローム』


アーレンとディスレクシアの関係は、なかなか微妙なようです。
それについては、次の記事で訳すことにします。