2012-05-18

聴覚処理の異常がディスレクシアの背景に

Listen Up: Abnormality in Auditory Processing Underlies Dyslexia
(聴覚処理の異常がディスレクシアの背景に)
ScienceDaily, 2011/12/21


の訳です。
ディスレクシアが、音声言語処理能力の欠陥と関係がある?!と言ってます。

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ディスレクシアは、文字を正確に意味・音に結びつけ識別することに困難を覚える。ディスレクシアには音声言語の音の処理の混乱が病理として背後にあると示唆されてきた。だが音声言語の音処理の混乱の仕組みや、これが読解力にどのような形で影響を及ぼすのかは、明らかになっていなかった。このたび「ニューロン」誌1222日号(Cell Press発行)掲載の研究によると、聴覚信号の処理における特定の異常によってディスレクシアの主な症状が説明できることが明らかになった。


同論文の主著者であるAnne-Lise Giraud博士、Franck Ramus博士(フランス、パリ高等師範学校)は次のように語っている。

「ディスレクシアの子供の大半について、ディスレクシアの主な原因は音声言語に含まれる音の処理の欠陥に関係していることは広く認められている。またディスレクシアには主に(1)音声言語に含まれる個々の音に注意を払うのが難しい、(2)実際には存在しない語や数のリストを繰り返して言う能力が限られている、(3)絵・色・数をいくつもできるだけ素早く挙げるように言われると早くできない----3点の症状があることもよく知られている。だが、こうした症状の根底にあるものは何なのか、明確にされてこなかった」

同博士らは、「サンプリング」と呼ばれる脳の聴覚処理の初期段階について、その異常がディスレクシアに関係するかどうか調査した。調査では、音素(語を構成する音の最小単位)の初期処理の異常が、話し言葉の処理に直接影響している可能性があるとの説について調べた。

調査によると、ディスレクシアにおいては、音素と関係する聴覚リズムの通常の脳での処理が左聴覚野で欠落していること、またこの欠落が音声言語の音処理の方法と関係していることが明らかとなった。さらにディスレクシアは、言語記憶を間接的に阻害する高周波リズムに対し、通常の人と比べて高い応答性を示した。こうした「オーバーサンプリング」が、音声言語の音の表象の乱れにつながっている可能性がある。

「われわれの研究結果は、ディスレクシアの人々の左聴覚野は、音声言語の音に最適な非常に幅の狭い周波数の変調への応答性が低く、より高周波への応答性が過度に高いことを示唆している。また高周波への応答性が過度に高いことが言語の短期記憶の低下に関与している可能性もある。まとめると、我々のデータは、ディスレクシアの聴覚野は、音声言語処理のニーズに合わせた微調整が通常の人と比べて劣ることを示唆している」(Giraud博士)。
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ディスレクシアは読み書きだけでなく、聞き取りの問題もあるのか・・・

子も学校の先生から「口頭で全員に指示を伝えるようなときに、戸惑っている様子をよく見せる」とも言われており、、このことでしょうか??