2013-07-29

視写を始めて2ヵ月/「こんな簡単な問題も分からないの?」

夏休みはディスレクシアの子にとってはsummer slide(「夏のすべり台」、それまでコツコツ積み上げてきた成果を忘れ去ってしまう時期(泣))らしいので、1日1時間と決めて算数・視写・書き取り・音読の勉強を続けています。




視写は6月から週1回10分続けています。
7月上旬には、間違いはあっても300字書けるようになりました。





遊びに行ったり合宿があったりで少し間があくと、あっという間に書けなくなりました。。
最後は同じ行を繰り返して書いてます。


視写は一応習慣化したのですが、いま最大の課題は別のところにあります。

子は終業式の日、しくしく泣きながら、社会の教科書を目の前に放り出して
「ここに書いてあることが全然わかんない。
読むのをあてられると「読み方が変」ってみんなに笑われるし。
読んでも全然意味がわかんない。ちんぷんかんぷん。」
と告白しました。
本当は社会的事象に関心のある子なだけに、社会の教科書が分からないのは本人にとって屈辱のようです。



試しに社会の教科書を1ページ読ませると、声には出せますが、内容がまったく頭に入っていないようです。


「サピに行ってる子に
『こんな簡単な問題も分からないの?』
ってバカにされて、笑ってごまかしてるけど、
本当は分からないのがくやしい(泣)。
ぼくはこのまま、ずっとバカなの・・・?」とも言います。

家では、自分がディスレクシアであることに納得して、こつこつ読み書きの勉強を続けています。
学校の担任も、完璧ではないものの、少なくとも子を精神的に追い詰めてはいないようです。
でも、ここへきて「クラスメートの言葉」という新たな難問が出てきました。



子の小学校は中学受験熱が高く、クラスの半分以上が受験します。
そんななか、本人の意志により友達にはディスレクシアだと一切言っていない子は、クラスメートにバカにされることも増えてきたようです。

子の名誉のために言うと、勉強以外の場では子は社交的でリーダータイプ、むしろ人気者です。
社交性と勉強のできなさのギャップが激しいことも、周囲の子から厳しい言葉が飛んでくる原因になるようです。
「『もっとがんばりなよ』『もっと字をきれいに書きなよ』とも言われる。でもこれは励ましだから」とも言っていました。
そのセリフは、ディスレクシアの子には最大の禁句のはず。
心の中では、どんなにか悔しい思いをしていることでしょう。



「こんな簡単な問題も分からないの?」は、中学受験組のクラスメートが家で親に言われているセリフに違いありません。
親に言われた言葉がストレスになり、それをそのまま自分よりできない人にぶつけているのでしょう。

実は私も中学受験経験者なので、中学受験がいかにストレスフルな経験かはよくわかります。
でも、だからこそ言いたい。
人を見下して「自分はできる側の人間」と選民意識にひたるための勉強なら、なんの意味もないと。



子は友達の言葉に相当へこんでいますが、字を忘れないための勉強を黙々と続けています。

9 件のコメント:

  1. 矢可部杏子2013年7月30日 20:10

    子君、頑張れ~\(^0^)/

    うちも近い将来来るんだろうな。。。
    もう似たような発言で傷つきはじめているので、たくさん悔しい思いをするはず。。。

    ポジティブに生きる。
    たくましさ。
    悔しさを努力に変えているのでしょう。

    ディスレクシアの著名人の共通点は悔しい思いを努力に変える力強さを持ち合わせている事。
    堪えられるからこそ与えられたのかな?と。

    うちの子も社会科ぼろぼろです。
    方向感覚はバツグンにいいし、記憶力もいいのに、興味のなさなのか、地名を覚えたり、フィールドワーク的なものは苦手です。
    この夏、彼は社会科の復習が課題です。
    教材研究が嫌で教職を断念したのに、まさか、自分の子で苦戦するとは。。

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  2. わかってくださりありがとうございます(泣

    いま発達障害のセミナーで神戸に来ています。参加している先生たちも講師も発達障害ぽいので身につまされてるんですがそれはさておき、

    この子はディスレクシアだと気づいた教師(実は児童英語や塾の先生が第一発見者になることが多いようなのですが、そんな教師にできることは限られている。親(特に父親)は否定するし学校も頑張ってるけどまだまだ。そんななかで民間の教師の役割は「カリスマティックアダルト」つまり「この人が自分を信じてくれたから今の自分がある」という存在でいることだ、という話を講師がされました。
    子がそういう先生に出会ってほしいと思う反面、子のディスレクシアを受け容れている親は、カリスマティックアダルトな側面を持った親にならないといけないなとも思いました。。

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    1. すみません続きです。
      ディスレクシアの子は早くから学校でたくさん挫折経験をしているのだからうんとほめてあげないととも。
      まさしく「ポジティブに」ですね。

      あのあと担任には上の話を伝えたところ憤慨してくれました!

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  3. 矢可部杏子2013年8月5日 19:48

    ほめられる点、ここがうちは難しさがあって、下の子との兼ね合い、勉強面以外の生活面においてもボーダーライン上の子なので、ほめる、が、難しい。
    自己肯定感をあげることが、ディスレクシア最大の薬だと思うのですが、そこがなかなか…
    今日もその点を宇野先生に指摘されて私の夏休みの宿題が増えました(汗);

    担任の先生の理解を得られることも自己肯定感upには必要不可欠です。
    問題を見過ごさない事、改善をはかること。
    私ももじこさんを見習わねば。。。

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    1. いやいや、まだまだですよ。。

      宇野先生の話、とても興味あります!今度教えてくださいね^^

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  4. 社会の教科書は読んでやれば意味はわかるのでしょうか?

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    1. はじめまして(ですよね?)。
      どうぞよろしくお願いします。

      教科書に限らずどんなものも、一回音読してやればたいていは意味がわかります。
      ただ、書き手の立場があいまいだったり、あたりさわりのない内容だったりすると「何がいいたいの?」という感じになります。
      そして、文科省検定済の社会の教科書はこれにあてはまることがけっこう多かったりします。。

      今日も国語の読解問題を読んであげたら、問題自体はすぐに解きました。5分10分くらいで終了です。
      黙読させると、小一時間はかかり、最後には「あ゛~~」とかんしゃくを起こすこともけっこうあります。。

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  5. バーバモジャ2013年8月16日 22:38

    いつも匿名でごめんなさい、はじめましてではないです。
    以前から匿名で書きこんでいたものです。名前つけました。ややこしいですよね。

    読んでやっても分からない場合と、読んでやったらわかる場合は対応が違いますよね。

    体験からですが…

    文章は高学年になってくると、話し言葉には出てくる頻度の少ない単語や文体が多いために大変な部分もあったり(だから漫画ではこのへんは決して補えない)、ディスレクシアの人は読みにくい部分を想像力で補って読み進むために(勝手読みとかもそのせい)ストーリー性のない文章を読んで理解することが苦手だったりします。
    もし、読みの練習をされているならば最初はストーリー性のあるお話→慣れたら時々説明文も取り入れて、とステップアップしていくことを意識されたらいいかもしれません。
    いずれにせよ、読む前に必ず、単語や文体を事前に音声で知っている(自分で読んだ経験でも、他人に読んでもらった経験でも、テレビやラジオなどの音声からでも)、ということが理解しながら読み進めることができる大きな鍵となるようです。

    少しでも参考になる部分があれば幸いです。

    息子さんの学習が少しでもやりやすくなることを願っています。

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    1. これは失礼しました!我が師だったとは。これからはバーバモジャ師と呼ばせて頂きますm(_ _)m。

      子は、安藤百福伝のように完全に大人向けの文章であっても、興味があれば理解できます。
      でもご指摘のとおり、これはストーリー性が非常にある文章ですね。
      8月に入ってからというもの、私が旅芸人のような生活で、しばらく音読からは遠ざかっていましたが、上のバーバモジャ師のアドバイスを意識して次の本を選んでみます。
      ありがとうございます!

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