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どうやら、ニュースZEROという夜の報道番組で、俳優オーランド・ブルームのインタビューが放映され、そこで彼が自身のディスレクシアについて語り、「ディスレクシア」を多くの人が検索したようです。このページの一番下にカウンターを設置してみましたのでご興味のある方はどうぞw
そのときの映像は検索しても出てこなかったたのですが、別の対談の映像が出てきました。
これが、とてもディスレクシア的な内容だったので、以下に訳してみました。
人の顔と名前がほんっと~に一致しない私は、オーランド・ブルームも今までよく分かっていなかったのですが、
話している様子を聞いていると、この方、思っていることをすごくストレートに出している印象を受けます。心がすごく近くに感じられると言うか・・・
個人的には、これこそがディスレクシア(芸術)最大の特徴だと思っています。
--7~8歳の頃の自分に何と声をかけたいですか?
夢を諦めるな、自分がバカだとは決して、決して思ってはならない。
他人に「バカだ」と言わせてはならない。
これは人格の問題でしょう。
この巨大な障害物を、大きなことを成し遂げるために越えなければならないハードルにするべきです。
このハードルを越えられれば、その分だけ人より遠くに行ける。より高い到達点に達するには、障害物が必要なのです。何というか・・・オールAで順風満帆な人生でも、麻薬に溺れることもあるし・・・とにかく、
ディスレクシアという山を乗り越える挑戦は・・・(ちょっと感極まった感じで考え込んで)
自分の人生の主導権を握り、自分を人生の勝者にしてくれるもの。
--宿題は大変でしたか?という質問が11歳の子から来ています。
悪夢でした。宿題はいつだって大変なことでした。エッセイ、論文、自分の考えを紙にまとめること、全部本当に大変で。でもとにかくベストを尽くすこと、そしてこの先の人生に何かが待っていると信じること、それが何かすぐに分からなくても。
オーディオブックは役に立つかも。あと自分はタイピングが今もできないけど、若い時に練習していたら役に立ったと思う。テクノロジーは役立つと思う。話しかければ文字にしてくれるコンピューターがあったらいいのにと昔から思っていたけど・・・
--ありますよ(会場からも口々に)
えっ本当に?どこに行けば買えるの?
--1年生の先生(first
grade teacher)のことを覚えていますか?
初めて会った偉大な先生(first
great teacher)?(会場大笑い)・・・1年生の先生、覚えてないです。
※gradeとgreatを聞き間違い!なんとディスレクシア的。
--学校は大変でしたか?
ずっと大変でした。一度通知表に「外を見るのとハムスターのケージを覗き込むのをやめさえすれば、おそらく賢い子だと思うのだが」と書かれたのを覚えていて。僕はとても気が散りやすくて・・・あととてもケガの多い子だった。事故がすごく多かった。
--どんな骨を折りましたか?
本当に多くて。頭蓋骨を数回、両足、背中、鼻、手の指、足の指、手首、腕(会場から笑い)などなど。4歳の頃、木から落ちて腕を折ったり、スツールから落ちて頭蓋骨にひびが入ったりで、僕があまりに入退院をくり返していたので、退院時に母は「息子さんのことを愛してますか?」と聞かれたほど(会場大笑い)。もちろん愛してくれてました。でもとにかくケガが多くて。
--いつも動いていた。
そうですね。
--ディスレクシアの他に、多動だと言われたことはありませんか?
いえ。ディスレクシアだって当時は知られてなかったですし。
7歳の時に初めてディスレクシアの診断を受けたとき、IQテストやパズルをたくさん受けて・・・7歳にとってはけっこう面白かったけどね・・・かなりIQは高かったらしい。そのことは大きくなって母から聞かされて嬉しかった。
でも読みと綴りは本当に大変だった。最初に行った学校はとても教育熱心(educationalを言えずに何度もつっかえる)母は僕のためにと思ってその学校に入れたが、合わずに喧嘩になってやめた。11歳の時。
そうして転校した学校はディスレクシア用のコースはなかったが、早退してディスレクシアの授業に出ることを許してくれた。その授業で筆記体を学んだ・・・いまでも最大の問題は、
言葉よりも思考の方が早いので言葉が出づらいこと・・・話すのもそうだし、それ以上に書くのが思考に追いつかない。
思いはたくさんあるんだけど、それを心にあるように紙に書くことができなくて・・・
--学校では良い子でしたか。
僕はイライラしていることの多い子だった。
学習障害だと、自分がバカだと感じる。僕は自分がバカじゃないと心のどこかで分かっていたけど、読み書きがつらくてそれが大きな足かせになっていた。
母が「ディスレクシアは才能(gift)でも、crust of bear?でもあるのよ」と言われたとき・・・
--つまり評価は良かった、それとも悪かった?
評価ではIQは高かった、だから母は「ディスレクシアは特別なこと」と思わせようとした。でも・・・それは隠したい種類のことだった。僕はディスレクシアをできるだけ級友から隠そうとした。
--友達からはバカだと思われていた?
何回か喧嘩はしたかも。僕は自分をバカだと思っていなかったし。
試験勉強はとても努力した。いわゆる、学校教育の次の段階に進むための試験では。でも教育をしっかり受けたとは思っていない。
偉大な文学を読んでいないことをとても残念に思う。
演劇学校ではじめて本当に教育を受けていると感じた。シェイクスピアやダンテなどの偉大な詩人に初めて接したから。それまでの学校は自分に合わなかった。投薬は受けたことはない。ただ筆記体を学べただけで。
※ディスレクシアには筆記体のほうが書きやすいとは、ジョリーでも聞いたことがあります。
※「思考に字を思い出すのが追いつかない」。これはディスレクシアからよく聞きます。
「思考に言葉が追いつかない」は初めて聞いたかも。
※うちも、止まっている自転車の列に走り込んで衝突したり(笑)、プールに初めて入った日に調子に乗って溺れたり(笑)小学校に上がる前は、ほんといろいろありました。
演劇学校時代からなぜかエージェントがいたんだけど・・・あるとき、舞台上でセリフがまったく出てこなくて固まってしまったことがあった。今思えばそれは緊張というより、ディスレクシアと関係があったんだろうけど。
それ以来、表から裏まで徹底的に準備してから、舞台に臨むようになった。
エージェントに「台本は3日前には欲しい」と強く言うようになった。台本を読みながら寝て、次の朝起きてすぐ読むと、自分の中に浸透していくのが分かった。それを2晩繰り返す必要があった。
映画業界は台本の変更が多いので、大変な部分がすごく多いんだけど・・・
--台本は読めますか?
演劇学校の3年間で、どうやってかは分からないが、音読ができるようになった。ミルトンの『失楽園』のように
映像が鮮やかに浮かぶ小説なら、意図とつながることができる。ある先生の教えが特に役立った。英語が話せず通訳を介しての授業だったんだけど、演者の魂まで見透かすような人で、この先生から、
字面ではなく意図を覚えることを学んだ。セリフ読みもさせてくれなかったほど。これは役に立った。
※字面ではなく、登場人物の思い(thoughts)を読むというのは、いかにも映像思考型なディスレクシアらしいエピソードです!
※前の話とあわせると、文豪の作品、それもイメージ喚起力の強い作品を朗読することで、きっと彼は読めるようになったのでしょう・・・
僕はコンピューターがとても下手で。幸運にも助手を雇える立場にあるけれど。助手のおかげで永遠に続くもぐら叩きのような一日を何とか終えることができる。気が散りやすく、やらなければならないことができないことがとても多い。
--趣味の読書はしますか?
寝る前にしようと努力している。
台本を読むのにもすごく手間がかかるし・・・
緑の紙だと読みやすいので、台本もそうしてもらうよう頼んでいる。白い紙だと紙の上で焦点が定まらない。
とっちらからないよう心がけていて、昔よりうまくなった。
役を与えられたら、徹底的に分解してから、スクリーン上でそれを再現するためにあらゆることをする。カメラの前でそれに命を吹き込むためにあらゆることをする。それが俳優業の面白いところ。
※字を読むために、字面の言わんとすることを徹底的に分析し、内容のほうから字を推測しているのでしょう。
恐ろしい回り道ですが、いかにもディスレクシア的な読み方だと思います。
その読み方が、演じるためにも役立っているのですね。。