2014-06-18

ジョリーフォニックスその6:中1ショックはきっと克服できる

ジョリーフォニックスの進捗をなかなか報告できずにいました。
6年生になってからは、漢字・読み練習・算数・社会に時間を取られ、英語まで手が回らなかったのです。。。

6月に入り、2ヶ月近くのブランクを経て、ようやく再開できるようになりました。

最近は、字を書くことに取り組んでいます。
1回の勉強の流れはこんな感じです:

1)ジョリーの基本42字をランダムに読んでもらう(3分)

二重母音があやしいですが、それ以外は読めます。
小3(まだディスレクシアと知らなかった頃)にローマ字がまったく覚えられなかったことを思えば、定着率はずいぶん上がりました。ジョリーを使うと「文字-音」対応の定着率はとても高いです。


2)文字を書く練習(15分)

ジョリーフォニックス専用のワークブックを使います。

Jolly Phonics Extra(ジョリーフォニックス一式セット)に入っています。

Jolly Phonics Extra
これを書いている時点では、アマゾンでとんでもない値段がついていますが、
本来は確か3万円弱でした。


a penではなく、pと書くつもりがqになりかけてやめたのです。
単独の字は、意外と書けます。
「今からこの絵を言うから、/n/の音が入っていないのを選んでね」も、できます。
そういう意味では、いわゆる「セグメンティング」(単語を聞いて、そこに含まれる音を分解する能力)は、ジョリーに取り組むなかで、少しずつできるようになってきているようです。

「じゃあ、これから言葉を言うから、書いてみてね」に対しては・・・
nestをこちらで/n//e//s//t/と分解すると、ようやく書けます。
書けても、ものすごくつらそうで、1語書くたびにぐにゃぐにゃしています。
それでも、今日は5単語書いてくれました。

ちなみに「意味」ですが、上の絵を見て自分で英語が言えます。
つまり、「オト」よりも「意味」よりも、「字」は後回しなのです。



一応、字の高さも教えてあるのですが、思い出しながら書くとこんな感じに。

3)文章を聞く・読む(15分)

最後に、文章を少し読みます。
一式のセットに含まれている本を使います。

We areのような規則的でない読み方の単語は、
ちょっと間があくと、もう読めなくなってしまいます。
まず私が読んで聞かせ、意味を言います。
(読み上げには、トーキングペンを使うこともできます。)
それから、子供に声に出して読んでもらいます。
私が読んだ内容を覚えていることは決してなく、ゆっくり、ゆ~っくり、解読していきます。
発音は、けっこう細かく直します。

以上で1回分です。


☆  ☆  ☆



去年(5年生)の8月末にジョリーフォニックスで英語の勉強を始めてから、10ヶ月が経過しました。
途中、通算3ヶ月ほどブランクがあったので、実質的には7ヶ月ほどです。

直観的な印象ですが、非ディスレクシアの子と比べ、4~5倍は時間がかかっている気がします。
単独の文字はまだしも、二重母音、単語となるにつれ、定着が大変になってきました。
漢字よりも、カタカナよりも、定着がはるかに悪いです。

最近、中1のディスレクシアの子をお持ちの方から、続けてご連絡を頂いています。初めての英語の定期試験の結果にショックを受けたこと、想像にあまりあります。
うちも来年どうなることかと、覚悟しています。

ディスレクシアは日本語よりも英語にはるかに出やすいため、「中1ショック」(中1で英語が始まり、はじめてディスレクシアだと発覚)とも呼べる状況がある・・・というのは、LD学会などに行けば大いに問題になっているのですが、現場ではまだまだ知られていないようです。
何しろ、私の知る限り、中学の英語教員は(塾講師も)、フォニックスを知らない場合のほうが多いくらいなのですから。
フォニックスを知らないということは、英語の一つひとつの文字をどう発音するかを教えていない、教える必要性を認識していないわけで、そのような教員がディスレクシアについて知っているはずがありません。


ジョリーフォニックスを実質7ヶ月続けて思うのは、

・ディスレクシアの場合、非ディスレクシアの数倍の時間をかけないと定着しない。
 逆に言えば、数倍の時間をかければ定着するので、腹をくくって反復練習あるのみ。
・定着には、ジョリーフォニックスは今のところ非常に効果的です。中1なら、今からジョリーに取り組むのは全然遅くないです(場合によっては中2・中3や高校生でも)
ディスレクシアにとって一番つらいのは、単語を聞いて書き取る(=ディクテーション)こと。なのでこれは最後に。
・単語を聞いて意味を言う(文字を介さない)のが、ディスレクシアにとっては一番簡単。
・オトの全体像(単語なりフレーズなりの全体の感じ、リズム)をまず真似て、それから細部を詰めるようなアプローチをする。
これは「音韻認識」の苦手ゆえなので、あまりこの方法に頼るのはよくないのでしょうが、リズムを取りながら全体→細部の順を意識すると、比較的覚えやすいようです。

中1ショックは、今から始めて夏休みを費やせば、かなり克服できると信じます!

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過去記事
ジョリーフォニックスを試してみる・その1
ジョリーフォニックスその2・「音→動作→文字」の回路をつくる
口で言えればアルファベットも書ける?!
ジョリーフォニックスその4・例外を使って規則を定着させる
ジョリーフォニックスその5:非ディスレクシアとの習得の違いを目の当たりにする

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