2014-10-01

ディスレクシアな研究者が振り返る、中高時代の勉強方法

前記事に対し、komariさんから、大変有益なお返事を頂きました。
ありがとうございます!

komariさんは生物系研究者で、ご本人曰くディスレクシアです。
これまでも当ブログに、自己分析のできる大人ディスレクシアとして、
勉強方法について実に貴重なコメントを頂いています。
これを機会に、頂いたコメントを改めて並べてみました。
なんとも読み応えがあります!
(komariさん、不都合がありましたらご一報ください)


「隠れディスレクシア」へのコメント


はじめまして。 ディスレクシアで検索していてブログにたどり着きました。
ずっと、どうやら人とは違った理解の仕方、勉強の仕方をしているらしいと感じていましたが、ようやく去年、ディスレクシアではないかと思い至りました。 ようやく長年の謎が解けた!とほっとしたところがありました。
とはいえ、本を読むのは好き、英語も長文読解は得意ですし、勉強は割とできる方だったので、本当にそうなのか分からないところもありましたが、この「隠れディスレクシア」を読んで、まさにコレ!と思いました。
スペルミスは多い、設問は読み飛ばし、何度ケアレスミスで点数を落としたことか。 
過集中、左右の区別が困難、でも空間認識は高い、というのもあります。 
また、授業はほとんど聞いたことがなく、今でも耳からの情報処理は不得意ですし、話を聞いてすぐ、自分の頭の中で要約し、質問や意見を言うことが困難です。 (現在の立場上、それを求められているので、今後の課題です。) 
私の場合は、小学生→中学生→高校生へ向かうにつれて、勉強が楽になりました。 単純な計算や漢字、英語のスペルの問題が減っていき、理解度を問う試験が増えたからだと思います。 ただ、そこまで勉強の方法や、理解できなかったときのフォローなど、両親がきちんと見てくれたからだと思います。 
学生をみていて、隠れディスレクシアかな?と思う人もいます。私もうまくアドバイスできるように工夫をしていきたいと考えてますので、いろいろ参考にさせて頂きますね。
→このコメントを初めて見たとき、「両親がきちんと見てくれたの部分を詳しく~!」と思ったのを覚えています。今回それに答えて下さり、ありがとうございます! 
「ディスレクシアは字や語は苦手だが、文や文章なら得意」 という、私がこの数週間で実感したことを、すでに教えて下さっていたのですね、、

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へのコメント

・・・ところで、ディスレクシアの人は、周りが楽しくなる 雰囲気を持っているのですか? そういうデータや記事ってあるのでしょうか? 私は学生たちに、聞き間違い、言い間違い、書き間違い いろんな勘違い、独特な言い回し?をしょっちゅう からかわれています。 今に始まったことじゃないのでいいのですが、 馬鹿な先生と思われていないか心配です(^^)
少し話がずれますが、当時の返信もコピーしておきます。
→komariさん、再訪ありがとうございます! 私の大学の指導教官もディスレクシアでした。 聞き間違い・言い間違い・書き間違い・勘違い、めちゃくちゃ多い人です。 でも、本質をつかむ能力と圧倒的な俯瞰能力があるので、そういう間違いが小さく見えます(笑) 常識を疑ってかかるスタンスで、誰にもできないような指摘をずばずばする人です。 教授会では破天荒発言を連発するので変人扱い。 でも弱い立場の人に優しいのでいろんな人に慕われている。。 komariさんにも共通点はありますでしょうか?  
このブログを通じてメールを下さる方の話を総合すると、 ディスレクシアは「愛されキャラ」の人が多いようです。 ディスレクシアである子供やご主人が空気を読み、場を盛り上げ、誰とでも分け隔てなく接するので大人からも子供からも好かれ、友人は多い…という報告を多々頂いています。 データや記事はないですが、私も自分の周りのディスレクシアを見ていて、その通りだと思っています。

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このコメントの少し後、komariさんにお目にかかることができました!
とっても可愛らしい(失礼!)、ほんわかした愛されキャラでした。

大学特有の書類仕事は本当に大変なので午前中に終わらせる、
論文は決まった形式に沿っているのでそれなら書ける、
英単語はもやもやにぴょこぴょこ手足が生えているように見える、
味覚が非常に鋭く、同僚との食事会も憂鬱だったり、
自分で料理してもめったに満足できない
(うちの子も味覚は非常~~に鋭いです)
専門分野では人が気付かないつながり(セレンディピティ)に気付くことが多いと評されている、
だから「ディスレクシア」を「セレンディピティスト」と呼びたい・・・

などなど、ディスレクシアの話で大いに盛り上がりました。
文字も拝見しましたが、筆跡からはkomariさんがディスレクシアとは分かりませんでした。

その時のことを書こうと思っているうちに、あっという間に月日が流れ、、

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ご無沙汰しております、komariです。 もしや登場?と思いましたので、コメントします(笑) 
お会いしたときも伺いましたが、ディスレクシアでない人たちは最初から本を読むものなのでしょうか。 ストーリーのある小説などはもちろん最初から読みます(正確には視覚的に見て理解します)が、専門書や論文はほとんど拾い読みです。目的とする単語をやはり視覚的に探し、その前後を読む、というかんじです。 論文については学生の時、1日1本読む訓練はしましたが、あれは苦痛でした。
そういえばこの時も、ほかも頭を使う仕事は朝やることが多いですね。夕方以降は頭が疲れて思考能力が著しく低下しますから。 
私にとって漢字は強いイメージを与えてくれます。象形文字だからだと思いますが、漢字と絵を結びつけて、その漢字の意味や成り立ちを理解すると覚えやすい気がします。

→「ディスレクシアにとっては、
本は最初から全部、一言一句通読するものではないようです。
目的意識と全体の中での立ち位置を明確にすることで
自分から情報を取捨選択しに行くという、
非常に能動的な読書の仕方をしていると分かります。

そういえば、研究者でディスレクシアという別の方からも、
以前に同じようなことを伺いました。」
と書いたところ、出てきて下さいましたm(_ _)m
次も、これをお読みの、ディスレクシアで英語を使っている方、「自分はこうやって英単語を覚えた」というのがあったら、ぜひ教えて下さい!! という呼びかけに対し、出てきて下さいました~m(_ _)m

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英単語は覚えられませんでしたね-。中学生の時は、単語帳や単語カードを、周りをまねして作ったりしていましたが、ほとんど意味がなかったように思います。高校では長文読解は苦にならなかったので、単語のみを覚えるのは諦めて、長文を読んで語彙力をつけていました。ストーリーがあると覚えやすいですから。

あとはよく、NHKの英会話ラジオなんか聞いていましたね。発音をまねて練習していたのが良かったのかもしれません。あれもテーマに沿った場面設定があるから、効果的だったのかも。
それに英語は、アクセントや抑揚が重要ですよね。ネイティブをまねて抑揚をつけながら声に出して読むのも、流れが出来るからディスレクシア的学習方法に合っている気がします。

それにしても、普通は構文が苦手なんですね。私は未だに構文を使います。特に複雑な長い文章をしっかり読み込む必要がある場合は、SVOを記入することもありますし、接続詞を区切っていきます。
学生が構文をしっかり把握できてないことが多いのに納得しました!


→これに対し、次のように返信いたしました: 
「中学では単語帳を作ってもほとんど意味がなかった」と「高校では長文読解は苦にならなかった」の間の飛躍が知りたいです… 
前にkomariさんがおっしゃっていた「単語がもやもやとしたかたまりに、上や下にしっぽが出ているように見える」発言は、非常~に印象的でした!その状態で読めるというのは、流れと構文が分かっているので、単語のあたりがつくのでしょうね?!
そして前記事に頂いたコメントがこちら。
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こんにちは。komariです。
コスモ君、突破口が見つかって良かったですね!
この前の「単語帳→長文読解」の間について考えていたら、先を越されたようです(^^)

「興味のあること」については、まさにその通り!
私の受験勉強は、好きな科目と苦手な科目を組み合わせて1日2科目構成にしていました。
実際には、科目の中に好き嫌いがあったので(例えば化学は有機は好きだけど、他は苦手など)、そこも考慮していた気がします。
苦手なことを勉強すると頭が疲れてなにもできなくなるので、好きなことを勉強して気分良く集中できるようになってから苦手なことに取り組んでいました。

「単語帳→長文読解」の間ですが、いくつかの出来事があったからだと思います。
(1) 中学校の日本史の先生が、歴史は年号や出来事を記憶する科目ではない、歴史の重要な出来事は起きるべくして起きた、その流れを理解することが重要、と教えてくれた。これで日本史が好きになりました。

(2) 高校受験勉強で、四字熟語がさっぱり分からなかったとき、父にを勧められた。「四面楚歌」では、司馬遼太郎の「項羽と劉邦」など。

(3) それをきっかけに歴史小説を読むことで、日本史を覚えやすくなった。ただし、戦国時代に特化しすぎて、センターでは近代史が出たため点数はイマイチでした。それに世界史や地理は、カタカナが覚えられず、結局ダメでしたし、日本史の人物名の読み方もいい加減で、音読は人前で出来ませんでしたけど(笑)

(4) 高校の夏休みの宿題で英語の短めの小説を読まされた。まじめに読んだら、思いの外、単語力がアップした。

これに加えて、勉強方法をディスレクシアっぽい母に教えてもらったのが、勉強するときはノートにまとめて、そのノートのどこらへんに書いていたかを思い浮かべると、テスト中に思い出すことがある、というもの。
そのノートには好きなを描いたりしましたが、それも記憶喚起になるものだと教えてくれました。

そして私にとっては、ノートをまとめるときに好きな参考書を探すのが重要でした。
見やすい、理解しやすいのを本屋さんで何時間でも探したものです。問題集もしかり。
字の読みやすさが違っていて、それが理解に大きく影響していたようです。

イメージわきました? 

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なんとポジティブ!すばらしいです。

やはり「全体から部分へ」「流れを使って細部を理解する」あたりがポイントですね。

「英語以外の教科で流れをとる力がついたから、英語も読めるようになった」
ような、さまざまな教科の伸びが連動している印象も受けます。

そして、ご両親が長い目で娘の成長を見ているのが伝わってきます!
常に大きな視点でサポートを受けていたから、セレンディピティストになられたんですね。


2 件のコメント:

  1. それぞれの子どもに合わせた学習方法にであうことが本当に大切ですね。

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    1. もんきちママさん、先日はお目にかかれて楽しかったです。このブログには全国さらには地球の裏側からもアクセスがあるというのに、まさかもんきちママさんが自転車圏内にお住まいだったとは!
      ADHDの生徒に手帳にすべての予定を書き出すようにしたら、落ち着いて勉強できるようになった話、
      英語の発音は弁別できれば良いのであって、ネイティブ並みの発音にこだわりすぎるのは、英語帝国主義だと一刀両断されたこと(痛快です笑)
      どのレベルの高校でもLDの子はいて、基本的には普通に授業を受けながら、声かけなどでさりげなくサポートするのが実は一番効果的、との話あたりがぐっと来ました!
      もんきちママさんのような教員にぜひ増えてほしいと思いました!LD児を持つと授業も変わりますよね。。
      今後ともどうぞよろしくお願いいたします!

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