2019-03-13

筑駒で授業してきました!


筑駒でディスレクシアについて語ってきました!

筑駒,こと筑波大学附属駒場高校。


依頼内容は「障害学の選択授業で話をしてほしい」というものでした。
こんな私でいいんでしょうか。しかし,頼まれればホイホイと出かけてしまうもじこです。喜んで出かけていきました。

日本のトップレベルの若き知性に、ディスレクシアの何を知ってもらいたいか、、、
悩んだ末にたどりついたのが、
「生徒の1割はディスレクシアのはず。たとえ筑駒であっても。」

「ディスレクシアという障害について知ってください」
という悲壮感(?)あふれるスタンスではなく、
「『もしかして自分も』と思ってもらえたら」
というスタンスで行くことにしました。

そこで、ディスレクシアについて最低限の説明をしたあとは、ハリボーチャレンジをしてもらいました(!)。
すると、出席していた生徒にも、読字に困難があると名乗り出る人が数名いました(!!)

右は普通の文,
左は字を入れ替えたり,反転させたりしてあります。
大半の生徒は「無理~」と言ってましたが,
「どっちでも大して変わらない」と言った生徒も…
「どのみち単語がもやもやしているから」
(→ディスレクシア)
1文目でfood wasteと見えた瞬間に,内容を全力で推測してしまう。
当たれば意味はわかるが,外せばさっぱり」
(→ディスレクシア)
「正しい単語は簡単に推測できる,でも意味が頭に入ってこない」
(→ハイパーレクシア)


「読み間違い、書き間違いが多い。基本的に、字が汚い人が多いです」と言った時点で「俺だろ/お前だろw」という声があちこちで上がり、
ディスレクシアのチェックテストを見てもらうと、何人かの生徒が
「自分、これにすごく当てはまってしまうんですけど?」
と言い出し・・・

ハリボーチャレンジを「無理です」と言う生徒が数名
音韻操作ができないのは,英米ではディスレクシアの典型症状とされます。

☆  ☆  ☆

筑駒の生徒たちは根っからの学問好きで、肩肘張ったところがまったくなく、ディスレクシアに対する偏見もなく、こちらの話によく反応してくれました。
ディスレクシアの可能性があると分かった数名の生徒たちとも、短い時間でしたが、お互い真摯に話ができたと思います。

#別のことをしながらこちらの話を聞く生徒が多く()、「ギフテッドは退屈すると多動風の症状が出る」を地で行っていました。2つのことを同時並行するくらいでちょうど落ち着くのでしょう。それでも、質問は非常に当を得ていました()


「ディスレクシアであれ、他の特性であれ、自分の特性を理解するのは、とても大事なこと。
そうすることで,他人が勧める勉強法に踊らされることもなくなるし,変な悩み方や回り道をしなくてすみます。
ましてディスレクシアは、なくなるものではなく、一生それとともに生きていくもの。
ちゃんと受け止めると、いいことがいっぱいあります」
と話しました。

「ともにいきる」という名前の授業でしたが、それは「自分の中にある〈障害〉とともに生きる」ということかもしれません。


    

先生方とも少し話ができました。

「本人に、たとえばクラス全体の前で大々的にカミングアウトさせる必要はないと思います。

それよりも,先生方の間で生徒の特性に関する情報を共有すること、
そして,特性ゆえにできないことを、糾弾したりバカにしたりしないこと。

それだけで、その生徒への声かけから変わってくるはずですし、
生徒にとっては、だいぶ違います」

とお話ししました。

  

お呼び下さった先生には、この場をお借りして御礼申し上げます。
貴重な機会を下さり、ありがとうございました。

もじこは,ディスレクシアの話ができるのであれば,時間の許す限り出かけていきます。
今回はもじこ塾からタクシーで15分の場所でしたが,授業と重ならず,交通費さえ出して頂ければどこへでもまいりましょう。ご用命下さい!