2013-10-18

LD学会3日目

LD学会は、この世界で活発に発言している研究者が全員集合し、
さらには、熱心な教員(特別支援関係の方が中心?)、行政関係者も集って、大変な熱気でした。
自主シンポジウムは、満席で会場に入れないこともしばしばでした。

いまいちな発表もありましたが、
この人は!と思う人もたくさん目の当たりにすることができました。
気づき力の超絶な教師、
心ある行政職、特に教育委員会や文科省などの要職にあって心ある人、
そんな行政職の人を動かせる研究者やNPOの人、
自分自身の発達障害の傾向を自覚する研究者や実践家、
LD児の保護者という立場も持つ研究者、、などなど・・・
一流の研究者は人を動かす力を持ち、また人が集まってくることも分かりました。

そんな熱気を感じる一方で、
じゃあ、来週会うディスレクシアの子に、どうやって教えたらいいの?
ということの具体的な答え、特に教科指導に関することについては、
答えをガツンと提示できる人はほとんどいない、
ということも分かりました。
受験英語に関しては、まったくいない、と言って差し支えないでしょう。

あと、今回のLD学会ではASD(=自閉症スペクトラム。アスペルガーはこう呼ぶようになったようです)やADHDが、LDに並ぶレベルで取り上げられていました。
私は、LDとは主にディスレクシアのことだと思っていたのですが…。


☆  ☆  ☆


道村先生にも直接お目にかかりました。
本から予想された通りのスーパーティーチャー!
ポジティブな押しの強さが素晴らしいです。

もし道村先生がうちの子の担任だったら、
きっと漢字学習がだいぶ楽になっていたに違いありません(T T)
こういう先生がもっともっと増えてほしい!

「盲学校にも発達障害の子はたくさんいた。
そういう子にも、『これを覚えるしかないんだから』と、
相当厳しく、頑張って覚えさせてきた。
とにかく字を覚えないことには、自立はないのだから。
そういう部分が発達障害教育でもあっていいのかもと思う。
今は厳しい指導は流行らない、「ありのままを受け入れて」が主流だけれど・・・」
という趣旨のことを、非常に言いにくそうに、話されていました。

いや、いいと思いますよ!ポジティブな押しの強い指導。
子供の将来の姿を見据えた上で、生徒に本気で関わる、
そんな押しの強さは、生徒に絶対伝わります!
体罰や管理教育とは違うと、生徒はちゃんと分かります。
生徒も保護者も、そういう指導を待ち望んでいます。

ちなみに、盲学校では教師:生徒は1:2だそうです。
このくらいが、字が苦手な子に徹底的に字を教える際の、
人数的限界かもしれません。


☆  ☆  ☆


自分自身が今後どのような方向で、
ディスレクシア教育について考え実践していくかについても、
いろいろと考えるところがありました。
この問題は、脳科学でも、教育学でも、
特別支援教育でも、心理学でもない方向からも、
切り込んでいく必要があるのではないか?
などという大それたことを考えています。





4 件のコメント:

  1. バーバモジャ2013年10月22日 21:39

    LD学会の3日間の話、興味深く読みました!
    ありがとうございます。
    ASDやADHDは教室で先生が発見しやすかったり、扱いにくかったりして教えている先生自身が困る場面が多いので問題がすぐ表面化しやすいのでしょうね。私の住んでいるところではASDやADHDは最近特に多く報告されるが、ディスレクシアの報告や相談はほとんどない、と聞きました。残念ですね。

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  2. きゃー!すみません。最近ばたばたで。

    他に「えっ」と思ったこと、書くとまずいかなと思ったのですが、ここは思い切って。。。

    ディスレクシアは視覚性と音韻性の困難の両方が背景にあるケースが90%近くを占め、視覚のみ・音韻のみの困難が背景にあるケースはそれぞれ5%程度に過ぎない。

    ディスレクシアの6割が算数障害を持っている。

    女の子のLDが少ないというのは幻想であり、教師の気づき力の不足を露呈しているに過ぎない

    だそうです!

    やっぱりディスレクシアは「本気を出していない子」で片付けられちゃうんでしょうね。。


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  3. バーバモジャ2013年10月24日 10:25

    !!
    その情報は外国からの情報なのでしょうか!? 私は自分の周りの子達を見て、同じようなことを実感しています。

    日本でも上記のことを確信している人(特に支援の開発に関わる専門家の方々…)、いたのでしょうか?単に、情報として知っているだけで、実際、そういう子を見てもいまいち状態も、支援法も、わからないでいるのでは子供たちは救われませんよね…。

    見えにくいだけでLDの女の子が潜在的にもっといるはずだ、とか、
    音韻性の障害なので日本語では一見、書きのみの問題に見えても大多数は読み障害も抱えているのでそこを見逃さず、支援しよう、とか、そういったことを誰か言っていたのでしょうか??

    適切な、その場限りでない、長期的な成長を見据えた支援方法が研究されないことにはディスレクシアの子達は救われませんよね。

    問題行動の少ないディスレクシアの子の場合、本当に、やる気がないだけ、わがまま、で片付けられています。
    先生も1、2年の付き合いなので、その字が苦手な子を今放置することによって、どのようにダメージを受けて育っていくのかイメージしにくいのだと思います…そのへんのことを訴えていことも大切ですね。もじ子さんの紹介してくれた井上智氏の本などはそこをよく表してくれていると思います。先生に、少なくとも、放置してはいけない、ということに気づいてもらうために良い本ですよね。

    2日目のスクリーニングの話もとても興味深かったです。ありがとうございます!

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  4. 外国か日本の話か・・・
    はっきり言っていなかったのですが、発言者は大学教授や私塾でLDの子に接している立場の方なので、おそらくそのときの実感ではないかと思います。
    私は「バーバモジャさんと同じこと言ってる!」と思いました。

    そうなのです、そこまで分かっているのに、まさに「情報として広まっている」段階で、
    具体的な対策の話にはならなかったのです。
    なので途中から私はイライラして聞いてました(苦笑)。

    上の情報は、発表の中でも口頭だけで、ものすごく早口で言われておしまいのことが多いです。
    「まだ論文になっていないので資料は配れません」というケースもけっこうありました。
    録音・録画も禁止でした。

    研究者は論文の形にしないと成果として認められないので、論文未満のことは公にしたくない気持ちはわからないでもないのですが。
    でも、現実に悔しい思いをしている子がたくさんいるのだから、出し惜しみしないでほしいですよね。


    上記のことを確信している専門家がいたかどうか・・・
    発表がとにかく急ぎ足なので、上記のことをうすうす思っていないと聞き流してしまうと思いました。





    私のなかでは「やっぱりバーバモジャさんはすごい」という結論になりました。これからもいろいろ御指南ください!!

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