これは、1ヶ月くらい前に熱心に考えて書いたのですが、
その後「やっぱり荒唐無稽かも」と思ってお蔵入りにしていました。
でも、LD学会の折にさる方から、
ディスレクシア家系と非常にリアルな予知夢についての話を伺い、
やっぱりディスレクシアと夢には深い関係があるかも。。
と思って、公開します。
~~~~~~~~~~~
今回はちょっと荒唐無稽かもしれません。
自分としては、けっこういい線いってるんじゃないか(笑)と思ってるんですが・・・
ディスレクシアには、デジャビュが多い。
これは、ディスレクシアの人が、線形的な時間感覚が弱く、
かつ、線形的でない時間を認知できることの表れではないのか?
という仮説です。
もし、「我が家のディスレクシアな子・配偶者・本人もそうです」
というエピソードがあれば、ぜひお知らせ下さい!
①
きっかけは、コスモ君(浪人生)が、こちらが何か言った拍子に
「あ、デジャビュだ」と言ったことでした。
そこで言うデジャビュって何?と聞いたところ、
「『この人は次にこう言うだろうな』と思うと、本当にそう言ったり、
この状況は見たことがあるぞと思ったり・・・」
「僕は予知夢を見ます。
それを予知夢とは言わないかもしれない。そのときは覚えていないので(?!)
でも後になって、そうと分かる。」
どうやら、夢で将来の出来事を見るものの
夢から覚めたとき(?)は何も覚えておらず、
夢と同じことが起きた時に夢を思い出す、ということのようです。
「合格する夢はまだ一度も見てないんですよ」(泣)と言うので
むしろ、彼が予知夢に絶対的な信頼を置いていることに
びっくりしてしまいました。
②
この話を私が荒唐無稽とは思えなかったのは、
うちの子も、小4くらいから「デジャビュ」という言葉を使っているからです。
「デジャビュ」は小学生の語彙ではないと思って覚えていました。
うちの子の場合も、
何気ない状況で「でじゃぶ来たー」と言ったり、
初めての曲を聴いて「これ知ってる」と体を揺らして歌ったりします。
てっきり、音楽的な勘がよいのかと思ってましたが、
そういうことではないのかも・・・
③
家庭教師君にも、「デジャビュって見る?」と聞いてみたところ、
「ちょくちょくあります」と即答されました(!)
「ついこの間も、部活の練習後にみんなで話していたときに、
『あ、この状況はデジャビュだ』というのがありました」
デジャビュってどういうもの?と聞くと、
「話の内容から論理的に考えて、初めてのはずですが、
『この状況は初めてではない』と思うんです」
「たぶん夢で見てるんだと思います。
夢って全部覚えていないので、きっとモデル化して覚えてて、
それに当てはまったときに、デジャビュと感じるのかもしれません」
と、やはり夢にからめつつ、経済学部らしい(笑)解釈を披露してくれました。
☆ ☆ ☆
私は、ディスレクシアの見るデジャビュは夢というより、
ディスレクシアは本来、線形的な時間に生きていないことの表れでは、
と考えてみました。
凡人は、時間は刻々と、秒・分・時・日・週・年・世紀・・・
が順に流れていき、過ぎた時間は戻らないと認識しています。
これを「線形的な時間認識」と言います。
でも実は、線形的でない時間というものが存在して、
(私はこの件については凡人なので、想像するだけですが、
順序通りに流れない時間、あるいは過去や未来がない時間なのかも)
凡人には知覚できないけれども、
ディスレクシアだと、それを意識化したり、記憶したりできるのかも?
「ディスレクシアの人は、線形的な時間に本来は生きていない」と考えると
ディスレクシアが線形的な時間認識が苦手なことの説明がつく気がします。
例えば、ディスレクシアだと
時計がなかなか読めない
時間の感覚がつかめない
(英語ネイティブにおいては) 時制が苦手
なことがあると言われます。
(家庭教師君に話してみたら「いや僕は普通に約束の時間は守りますし、
予定の急な変更とかは嫌いですよ」と言われましたが・・・)
(時制と言えば、うちの子は、日本語の「時」の表現が欠落してて、
楽しそうに話していても、前後関係が意味不明すぎることがあります。
なんでも「前にね…」と言うので
「"前"じゃ意味わかんないから"先週"とか"昨日"とか言ってよ!」
と言いましたが、あまり分かりやすくなっていませんorz。)
話を戻しまして、小さな聞き間違いや言い間違いが多い
(「とうもろこし」を「とうもころし」と言ったり)のも、
線形的時間認識と関わっている気がします。
音響音声学の授業を受講して気付いたことのひとつが、
「音声言語の分析から時間(t)の概念を取り去ることは不可能」
ということでした。
話し言葉の理解は、線形的な時間認識と密接に関わっているようです。
☆ ☆ ☆
ここまで書いたところで、dyslexia deja vuで検索してみると、
ディスプラクシアの特徴の一つに「デジャビュが多い」を挙げている
オーストラリアのチェックリストがありました→こちら。
また、dyslexiaとsense of timeで検索すると、
ディスレクシアの人たちが議論している掲示板→☆に、面白い発言を見つけました。
ディスレクシア感覚がよく分かる文章だと思うので、訳してみました。
時間=「箱」が積み上がったものとして映像化できて初めて、
秒から歴史全体に至るまでの、時間の流れが理解出来た、
と言っています:
---
私は小さい頃、アナログ時計が読めなかった。針が動く方向に混乱した。
8時10分前と8時10分の違いが分からなかった。
私はディスレクシアとして方向感覚の問題も抱えているので、時計の読み方を学ぶのは何より大変だった。
デジタル時計(12時間のもの)を使うようになってようやく、時間の長さについて理解したり、時間を管理したりできるようになった。それから24時間時計やアナログ時計も分かるようになった。
今ではどんな時計も使えるが、プレッシャーが強くかかったり、別のことを深く考えていたり、ぼうっとしたりしていると、時計を読み間違える。
なぜ時間の感覚がつかめなかったか。それはアナログ時計を使っていたからだ。
1分のなかに秒があり、1時間のなかに分があることを理解したとき、時間のことがようやく理解出来た。その上で、時間を3Dのイメージとして映像化するようになった。
時間は箱で、箱の中を埋めて1日というタワーを作る。このタワーをいくつか積み上げると、1週間というより大きな建物になる。それは1ヶ月の一部で・・・という具合だ。
それぞれの箱に入る量は決まっている。新しい箱を埋めながら、すでにいくつの箱が埋まっているかも、頭の片隅で追っておく。
時計や、紀元前やら紀元後やらも全部、そうしたことの積み重ねだと分かった。
蓄積した時間を追跡し、そうして建てられた構造物のことを、人は歴史と呼ぶのだと。
時間が空間のように感じられると、その中には一定量しか詰められないことも分かった。
時間をビジュアル化できるようになる前は、時間の概念がよく分からなかった。
どれだけ興味のあることをしているか、どれだけ忙しいかによって、時間の流れる速さは異なるように感じていた。
また、時間は時計のように循環するものとも説明されていたが、それだと、1時間の中に1分があるということと合わない。だから時間が循環するイメージは間違いだった。
時間が見えるようになるまで、時間は人工的なものだと感じていた。あるとき、自分が時間の「中」にいること、上へ上へと積み上がっていく動きの一部に自分もいること、時間は単に循環しているわけではないことを理解した。
そしてようやく、時間は人工的なものだと感じられなくなった。自分の後ろには一定の時間があり、いまこの瞬間も時間はどんどん蓄積していき、それが大きな物体や構造物になり、これまでの時間に加わっていく。
そうして、時計やカレンダー、そして歴史も、それらが互いにどういう関係にあるのか見えるようになったので、全体として理解できるようになった。
---
上に積み上がるものとして時間を認識できるようになったのと引き換えに、
この人(や凡人)は、何かを失ったのかも・・・。
☆ ☆ ☆
ついでに、検索していて、
デジャビュ(deja vu、フランス語で「すでに見た」→「既視感」)の反対語に
ジャメビュ(jamais vu、「見たことがない」→「未視感」)
という心理学用語があることも知りました。
ジャメビュ!それはまさに、ディスレクシアにとってのアルファベット(苦笑)
ディスレクシアにとっての文字の覚えづらさは、
凡人が、「ほら!なんで未来が見えないの?
さっき見えてたのにもう忘れたの?
何度も見せてあげたじゃない、なんで覚えられないの?」
と言われても、すご~く困るようなものなのかも(苦笑)
2014-11-27
2014-11-25
LD学会に行ってきました
LD学会に行ってきました!
道村先生と漢字カードを売ってきました。
「利用者の声」をお寄せ下さった方々、ありがとうございました。
ビラにして配り、画像はiPadで見られるようにしました。
お買い上げの方に「英語の資料も入れておきますね」と、
地味にジョリーの宣伝もしてみました。
これが予想以上の大反響で、何人かにはLetter Sounds Bookやアプリを見せてデモまでいたしました。その場でアプリを買っていた人もいました。
「漢字の次のハードルは英語だ」という認識は、現場の小学校教員には実はかなり浸透しているようです。
来年(福岡)はジョリーのブースも出しましょう!
漢字カードに関心を示す小学校の先生(普通学級、通級指導、特別支援学級など)から、現場の話をいろいろ聞けたのが興味深かったです。
なかでも、道村先生が「このカードはLD児の親に渡して下さい。
親も巻き込めば覚えられますよ!!」と熱くプッシュしたときに
「いや~、親を説得するのが一番難しいところで…」
と躊躇していた先生が印象的でした。
当ブログには、「学校の先生に見過ごされてきた」
という不満が多く寄せられますが、
教員側にも「親が家庭学習の重要性について自覚していない」
という不満があるようで。。
☆ ☆ ☆
発表は2つ行ってきました。
うち、「高校で学習障害をどう見抜くか」というシンポジウムでは、
チェックテストが提唱されつつも、
「学習障害が疑われる生徒への具体的な支援策はこれからだ」
との結論でした。
うーむ。
自分の知るディスレクシアな大学受験生のことを考えつつ聞きましたが、
日本の高校において、白昼堂々とした、制度としての支援を、
彼ら彼女らが受けたがるとは、とても思えません。
なにしろ、高校生になると、
自分がディスレクシアだと同級生に言わないのはもちろんのこと、
学校の先生でも分かってくれなさそうな人には黙っている、
さらには親にも黙っている(!)という子も、決して珍しくありません。
同調圧力や受験・就活のプレッシャーの強い日本社会に適応したいと思っている限り、それは当然であり、その思いは尊重されるべきです。
本当は小学校入学時に全員が読み書き能力テストを受けて
ディスレクシアと思しき子を洗い出し、
小学校の最初から学び方の違いを意識した学習を進めるべきでしょう。
でも、そういう制度がない現状で、気付かれないまま高校まで進んだ場合、
日本社会の価値観を考えれば、その後の支援は制度的なものよりも、
もっと水面下での非制度的なものを、高校生は望むと思います。
☆ ☆ ☆
そこで以前、Dyslexic Advantageのウェブセミナーで聞いたことを思い出しました。
いわく、ディスレクシアの子への教育にあたり、
教師に欠かせないのはresilience(レジリエンス)である。
直訳すると「復元力」という意味ですが、ここでは
難しめの課題を与え、「諦めずに何度でもチャレンジしよう」
とけしかける姿勢のようです。
それだけ聞くと「はいはい、要は"頑張れ"ということですね」と思いますが、
どうやら「レジリエンス」は、単なる丸投げ的な「頑張れ」とは全く違います。
「君が苦労していることはよく分かっている、
いつでも支えるから、ここまで到達してほしい」
という、深い共感が大前提にあるようなのです。
このような共感を、empathy(エンパシー)と言うようです。
さらに、「君の能力は社会に正当に評価されなければならない。
そのためにも、変なことを言うやつがいたら、先生が戦ってあげよう。
一方で、いま分からないことがあったら、分かるまで教えてあげよう」
という、大局的見地にたった、細かい指導力が求められます。
これを、advocacy(アドボカシー)と言います。
レジリエンス、エンパシー、アドボカシー。
何やらサラダみたいな横文字が並びましたが(笑)、
この3つが前提にない状態で、
「学習障害の子にどのような支援を行うべきか」を議論しても不毛です。
もちろんLD学会でも「この人は分かっている」と感じさせる人もいましたが。
私が接して感じるに、道村先生やジョリーの伝道師・山下先生は、
この3つを持っている偉大な教師です。
☆ ☆ ☆
もう一つ気付いたこと、それはLD学会の会員が、
公立学校の先生、大学の研究者、
そして、研究機関や公立学校に付属する課外指導教室の関係者、
で大半を占めており(少なくとも発表の圧倒的大多数を占める)、
私学教育と民間塾の存在感は非常に薄いということです。
実は日本では私学教育が、LD教育をかなり担っているはずなのですが、
そういう立場からの発表は基本的にはありませんでした。
また、独自の気づき力によって、
小規模でも質の高いLD教育を実践している民間塾は、
おそらく全国にかなりあるはずなのですが、
そういった人たちの発表もほぼ皆無でした。
こういう人たちのノウハウを、ぜひ聞いてみたいのですが・・・・
道村先生と漢字カードを売ってきました。
「利用者の声」をお寄せ下さった方々、ありがとうございました。
ビラにして配り、画像はiPadで見られるようにしました。
道村式漢字カード 利用者の声 |
お買い上げの方に「英語の資料も入れておきますね」と、
地味にジョリーの宣伝もしてみました。
これが予想以上の大反響で、何人かにはLetter Sounds Bookやアプリを見せてデモまでいたしました。その場でアプリを買っていた人もいました。
「漢字の次のハードルは英語だ」という認識は、現場の小学校教員には実はかなり浸透しているようです。
来年(福岡)はジョリーのブースも出しましょう!
道村先生ともじこ |
漢字カードに関心を示す小学校の先生(普通学級、通級指導、特別支援学級など)から、現場の話をいろいろ聞けたのが興味深かったです。
なかでも、道村先生が「このカードはLD児の親に渡して下さい。
親も巻き込めば覚えられますよ!!」と熱くプッシュしたときに
「いや~、親を説得するのが一番難しいところで…」
と躊躇していた先生が印象的でした。
当ブログには、「学校の先生に見過ごされてきた」
という不満が多く寄せられますが、
教員側にも「親が家庭学習の重要性について自覚していない」
という不満があるようで。。
☆ ☆ ☆
発表は2つ行ってきました。
うち、「高校で学習障害をどう見抜くか」というシンポジウムでは、
チェックテストが提唱されつつも、
「学習障害が疑われる生徒への具体的な支援策はこれからだ」
との結論でした。
うーむ。
自分の知るディスレクシアな大学受験生のことを考えつつ聞きましたが、
日本の高校において、白昼堂々とした、制度としての支援を、
彼ら彼女らが受けたがるとは、とても思えません。
なにしろ、高校生になると、
自分がディスレクシアだと同級生に言わないのはもちろんのこと、
学校の先生でも分かってくれなさそうな人には黙っている、
さらには親にも黙っている(!)という子も、決して珍しくありません。
同調圧力や受験・就活のプレッシャーの強い日本社会に適応したいと思っている限り、それは当然であり、その思いは尊重されるべきです。
本当は小学校入学時に全員が読み書き能力テストを受けて
ディスレクシアと思しき子を洗い出し、
小学校の最初から学び方の違いを意識した学習を進めるべきでしょう。
でも、そういう制度がない現状で、気付かれないまま高校まで進んだ場合、
日本社会の価値観を考えれば、その後の支援は制度的なものよりも、
もっと水面下での非制度的なものを、高校生は望むと思います。
☆ ☆ ☆
そこで以前、Dyslexic Advantageのウェブセミナーで聞いたことを思い出しました。
いわく、ディスレクシアの子への教育にあたり、
教師に欠かせないのはresilience(レジリエンス)である。
直訳すると「復元力」という意味ですが、ここでは
難しめの課題を与え、「諦めずに何度でもチャレンジしよう」
とけしかける姿勢のようです。
それだけ聞くと「はいはい、要は"頑張れ"ということですね」と思いますが、
どうやら「レジリエンス」は、単なる丸投げ的な「頑張れ」とは全く違います。
「君が苦労していることはよく分かっている、
いつでも支えるから、ここまで到達してほしい」
という、深い共感が大前提にあるようなのです。
このような共感を、empathy(エンパシー)と言うようです。
さらに、「君の能力は社会に正当に評価されなければならない。
そのためにも、変なことを言うやつがいたら、先生が戦ってあげよう。
一方で、いま分からないことがあったら、分かるまで教えてあげよう」
という、大局的見地にたった、細かい指導力が求められます。
これを、advocacy(アドボカシー)と言います。
レジリエンス、エンパシー、アドボカシー。
何やらサラダみたいな横文字が並びましたが(笑)、
この3つが前提にない状態で、
「学習障害の子にどのような支援を行うべきか」を議論しても不毛です。
もちろんLD学会でも「この人は分かっている」と感じさせる人もいましたが。
私が接して感じるに、道村先生やジョリーの伝道師・山下先生は、
この3つを持っている偉大な教師です。
☆ ☆ ☆
もう一つ気付いたこと、それはLD学会の会員が、
公立学校の先生、大学の研究者、
そして、研究機関や公立学校に付属する課外指導教室の関係者、
で大半を占めており(少なくとも発表の圧倒的大多数を占める)、
私学教育と民間塾の存在感は非常に薄いということです。
実は日本では私学教育が、LD教育をかなり担っているはずなのですが、
そういう立場からの発表は基本的にはありませんでした。
また、独自の気づき力によって、
小規模でも質の高いLD教育を実践している民間塾は、
おそらく全国にかなりあるはずなのですが、
そういった人たちの発表もほぼ皆無でした。
こういう人たちのノウハウを、ぜひ聞いてみたいのですが・・・・
2014-11-18
社会のテスト勉強/幕末の偉人にはディスレクシア的な人がいますね
「明日、社会のテストがあるんだよ。範囲は開国から幕末」
と子が言うので、一緒に一夜漬けの勉強をしました。
「教科書は意味が分からないし、眠くなる」と言うので
(笑。私も山川の教科書が頭に入らなかったので、地理受験にしたほど)
PCで「歴史にドキリ」を見ながら、いろいろ話し合いました。
小学校でも見ているというEテレの番組。これがなかなかよくできてます。
子はディスレクシアらしく、固有名詞の暗記に、非常に苦労しています。
「にちべいしゅうこうつうしょうじょうやく」を正しく言うことができません。
「にちべい・すうこうちゅうしょう…」「にちべい・しゅうそう…」etc。
事実そのものが抜けているわけではなく、
そこに何か「日本に不利な条約」があることは分かってます。
一方、「もし日本がペリーをキョヒって開国してなかったら、
今頃日本は北朝鮮みたいになっていたかな?」
「もしペリーと戦争して負けてアメリカに占領されてたら…」
「もしこの無血開城がなかったら江戸は燃え尽きて…」
などなど、「歴史のif」を妄想するのが大好きです。
とてもディスレクシア的だと感じます。
私自身の日本史の暗記事項は、四×大塚でストップしています。
小6の頃は「予習シリーズ」で、年号や事件名をかなり詰め込んでました。
でも・・・ディスレクシアびいきではないですが、
「日米修好通商条約」と来たら「治外法権」が脊髄反射で出てくるよりも、
「もしペリーに占領されてたら、日本は今頃英語を話す国になってたかも。
その前に、フランスやイギリスとの戦争に巻き込まれて、
日本はたくさんに分かれていたかも。」
「そもそも日本が鎖国していなければ・・・」
みたいな想像が出来るほうが、よっぽど歴史を知っていると言えるような。
でも、きっと今日のテストはしょんぼりな出来なことでしょう。
~~~
で、気付いたのですが、
幕末にはディスレクシアかADHDと思わせる人がちょこちょこいますね!
既存の枠にとらわれない考え方、
正義感、好奇心、圧倒的な行動力、
カリスマ性、身分に縛られない人付き合い、好奇心、
そして悪筆・・・
憶測するしかありませんが、幕末最大の偉人はディスレクシア的です。
たとえば、坂本龍馬:
坂本龍馬にはかねてから、ADHD説があるようです。
と子が言うので、一緒に一夜漬けの勉強をしました。
「教科書は意味が分からないし、眠くなる」と言うので
(笑。私も山川の教科書が頭に入らなかったので、地理受験にしたほど)
PCで「歴史にドキリ」を見ながら、いろいろ話し合いました。
子はディスレクシアらしく、固有名詞の暗記に、非常に苦労しています。
「にちべいしゅうこうつうしょうじょうやく」を正しく言うことができません。
「にちべい・すうこうちゅうしょう…」「にちべい・しゅうそう…」etc。
事実そのものが抜けているわけではなく、
そこに何か「日本に不利な条約」があることは分かってます。
一方、「もし日本がペリーをキョヒって開国してなかったら、
今頃日本は北朝鮮みたいになっていたかな?」
「もしペリーと戦争して負けてアメリカに占領されてたら…」
「もしこの無血開城がなかったら江戸は燃え尽きて…」
などなど、「歴史のif」を妄想するのが大好きです。
とてもディスレクシア的だと感じます。
私自身の日本史の暗記事項は、四×大塚でストップしています。
小6の頃は「予習シリーズ」で、年号や事件名をかなり詰め込んでました。
でも・・・ディスレクシアびいきではないですが、
「日米修好通商条約」と来たら「治外法権」が脊髄反射で出てくるよりも、
「もしペリーに占領されてたら、日本は今頃英語を話す国になってたかも。
その前に、フランスやイギリスとの戦争に巻き込まれて、
日本はたくさんに分かれていたかも。」
「そもそも日本が鎖国していなければ・・・」
みたいな想像が出来るほうが、よっぽど歴史を知っていると言えるような。
でも、きっと今日のテストはしょんぼりな出来なことでしょう。
~~~
で、気付いたのですが、
幕末にはディスレクシアかADHDと思わせる人がちょこちょこいますね!
既存の枠にとらわれない考え方、
正義感、好奇心、圧倒的な行動力、
カリスマ性、身分に縛られない人付き合い、好奇心、
そして悪筆・・・
憶測するしかありませんが、幕末最大の偉人はディスレクシア的です。
たとえば、坂本龍馬:
「せんたく」「はたもと」。。。 |
また、悪筆も、ファンにはよく知られるところのようです。
今回、ネットで調べた範囲では出てきませんでしたが、
福沢諭吉はウェブスター英語辞典が欲しくて、
でも当時、ウェブスター英語辞典は貴重品で塾に一つしかなかったので、
福沢諭吉は辞書を一字一句、全部写して自分専用にした・・・
というエピソードがあったと記憶しているのですが。
もしかして、福沢諭吉も視写で英語を覚えたのかも(笑)
そういえば、新しい訳語もたくさん作りましたね!
言葉を作れる人ってそうそういません。
その上、漢字廃止論も唱えているそうですね。
福沢諭吉はちょっと調べると、人を引きつける力のものすごく強い人、
「異端のカリスマ」だと分かります→★
学者ではなく起業家であり(ただし金勘定は苦手)、
壮大なビジョンを持ちつつ、本の中には南北の表記ミスがあったり→★
身分ではないところで人を判断したり…
あくまで推測ですが、知れば知るほどディスレクシア的なお方です。
慶應義塾には、第二・第三の福沢諭吉を輩出するためにも、
ぜひ「ディスレクシア枠」を設けてほしいです!
もう一人、福沢諭吉:
一万円札とは違う、型破りな雰囲気の若き福沢諭吉 (あえてこの写真を使うEテレも偉い!) |
決して美筆とは言えない |
今回、ネットで調べた範囲では出てきませんでしたが、
福沢諭吉はウェブスター英語辞典が欲しくて、
でも当時、ウェブスター英語辞典は貴重品で塾に一つしかなかったので、
福沢諭吉は辞書を一字一句、全部写して自分専用にした・・・
というエピソードがあったと記憶しているのですが。
もしかして、福沢諭吉も視写で英語を覚えたのかも(笑)
そういえば、新しい訳語もたくさん作りましたね!
言葉を作れる人ってそうそういません。
その上、漢字廃止論も唱えているそうですね。
福沢諭吉はちょっと調べると、人を引きつける力のものすごく強い人、
「異端のカリスマ」だと分かります→★
学者ではなく起業家であり(ただし金勘定は苦手)、
壮大なビジョンを持ちつつ、本の中には南北の表記ミスがあったり→★
身分ではないところで人を判断したり…
あくまで推測ですが、知れば知るほどディスレクシア的なお方です。
慶應義塾には、第二・第三の福沢諭吉を輩出するためにも、
ぜひ「ディスレクシア枠」を設けてほしいです!
2014-11-15
ディスレクシア大学受験生にとっての英文視写の絶大な効果について
前記事では、ジョリーと診断について、すごく学ぶことができました。
山下先生、もんきちママさん、ぴろりんりんさん、離島の匿名さん、本当にありがとうございます。
道村式漢字カードも、予想以上に当ブログにお越し下さる方の間に浸透しているようで、びっくりしています。
週明けまで使用の感想を募集しています。
1行でも大歓迎です。お待ちしています!
------------
ジョリーで盛り上がったところ恐縮ですが(?!)、視写の話をさせて下さい。
どうやら、ディスレクシア大学受験生にとって、視写は効果絶大です!
~これまでのあらすじ~
・コスモ君(浪人生)に、
単語暗記用に、興味のある文章の中で単語を強調したものを渡したら
頼まないのに全部写してきて「書いたほうが覚えられる」と→★
↓
・Kさん(社内翻訳者)に、視写を勧めたところ、
「書きながらのほうがわかる」「書いていて楽しい」と→★
↓
・小学生と大学受験生・大人だと視写への反応が違うぞ?!→★
と思いつつ、コスモ君と本格的に視写開始
↓
・ちょうどその頃、ブログに
「隠れディスレクシアな気がします。英語だけできなくて焦ってます。
何をすればいいでしょうか」
と受験生から問い合わせがあったので、視写を勧めた
↓
・この受験生さん、開始1週間後で受けたセンター模試の点数が、
前回から60点近く上がったそうです!!!
コスモ君も2週間の視写により、病み上がりにもかかわらず
同じ模試で50点上がりました!!←今ここ
あまりに短期間で結果が数字に出たので、私のほうが恐ろしくなってます。
さらに50点アップが目標です。(センター英語筆記は200点満点。)
今の時点で分かっている、受験生用の視写について、整理しておきます。
☆ ☆ ☆
大学受験生で
・自分なりに英語を頑張っている
・他教科はそこそこできる
・高校入試はなんとかクリアした
それなのに英語が極端にできない
(センター90点以下、他教科より3割以上低い)人は、
ディスレクシアを疑ってもいいかもしれません。
こういう人たちには、英文の視写が効果的な可能性があります。
18歳になったディスレクシアは、
・「読解」はできるが、「解読」でつまっている。
解読(字を読む)さえできれば、読解(内容を理解する)はたやすい
・単語の意味を覚えるのに、文脈が絶対に欠かせない
・読解のミスは、多くの場合、簡単な単語の解読ミスが原因
・普通の人以上に、文章に対するモチベーションが理解に関係する
という観察をもとに、
・徹底的に解読を練習する
・文脈の中で単語を覚える
・簡単な単語の解読ミスをつぶしていく
・以上を、志望校の入試問題を使い、常に努力をたたえながら行う
を実行してみました。
以下に方法を書きましたので、
これを読んで「自分も試してみよう」「試してもらおう」と思う人は、
まずは5分、続けて書いてみて下さい。
最初は、センター試験の視写をお勧めします。
難易度や単語がコントロールされた文章だからです。
本文の英単語の横に日本語を入れたものを、用意します。
(ご連絡頂ければ、データ[Word版]をお送り出来ます)
この英文をひたすら写すのが、視写です。
ディスレクシア的受験用英文視写の目的は、
単語を暗記することと、一つひとつの単語を正確に解読することです。
ディスレクシアなら、初日は本当に少ししか書けませんし、すごく疲れます。
コスモ君は初回、混乱しながら2行半しか書けず、
終了後は倒れこんでいました。
どこを書いているのか分からなくなったり、
スペルミスや抜けが頻発したり、
2度同じところを書いたり、1行抜かしてしまったりします。
それが、黙読でどんな解読ミスをしているかを示しています。
そのミスをつぶし、疲れずに書けるようになれば、点数は上がります。
視写はこういう疲れやミスを減らし、
解読のための基礎体力をつけるトレーニングです。
☆手順☆
(1)視写する
・原文とノートを並べ、一字一句正確に写す。
・1回5分から始め、最終的には1回10~15分。
・休憩を入れず、一気に書く。
・以上を守れば、あとは自由。自分が疲れずに書ける方法を模索する。
↓
(2)単語を覚える
・分からない単語が多すぎる場合は、先に覚えてもよい。
↓
(3)単語を完全に覚えられたと思ったら、文章を読む
・このとき、単語の意味が分かると思えたら、ひとまず合格。
・この時点で内容把握。(1)では完全に内容が理解出来なくてもOK。
↓
(4)関係する設問を解いてみる
・ディスレクシアは、字が正しく解読できれば、内容は理解できているので、
これはおまけのようなもの。
・全文を書いてから解いてもよいし(つまり数日に1回)
15分終了後や、1パラグラフ単位で解いてもよい。
↓
(5)フィードバックを受ける
・視写のフィードバックを受けるのがポイント。これで効果が倍増する。
・教師は、解釈や設問にかかわる書き間違いのみ、指摘する。
×解釈を左右しないミスは、特に指摘しない。
×減点法的な指摘はしない。
・その他、視写そのものや内容の感想を言ってもらう。
◎ポジティブな変化を指摘できるとなおよい。
↓
(以下オプション)
↓
(6)音読
・視写したノートを音読してもらい、大きな発音のミスがあれば直す。
・意外と、基本的な単語の誤読が明らかになることも。(warmとwormなど)
・解読ミスを確認するためなので、過度な発音の美しさは求めない。
☆Q&A☆
Q:15分以上、続けてもよいか。
A:あまり続けると疲れすぎ、その後の勉強に差し障るので、避けるべき。
これは、集中しすぎて燃え尽きないための訓練でもある。
(とはいえ、やり始めるとすごく楽しいらしい(!)ので、
後に何もないなら無理に止めません)
Q:どのくらいの量、視写するべきか。
A:量ではなく、時間で区切るとよい。時間が来たら、途中でもやめてよい。
どうしても区切りのよいところまで書きたかったら、書いてもよいが、
「あとちょっと書けるな」と思うところで、あえておしまいにしたほうが、
長期的には伸びます。
Q:1日何回、視写するべきか。
A:1日1回以上、好きなだけ。
1回を長時間するより、すきま時間を見つけては視写する方が◎。
「5分でも時間があれば視写しています」(by受験生さん)。最高です。
Q:手が疲れるのですが。
A:これは手の訓練ではないので(笑)、
弱い筆圧でも書ける筆記具(水性ボールペンなど)を使ってよい。
短期記憶の訓練なので15分は続けるようにして、
頭より先に手が疲れてダウンしないように。
(続けるとペンだこが復活するそうです(byコスモ))
Q:あまり単語を知らないのに、いきなり文章の中で覚えていいのか。
A:もちろんです。ディスレクシアは文章の中で単語を覚える人種です。
安心して文章の中で覚えて下さい。
Q:どのくらいの難度の文章を使うべきか。
A:センター英語から始めるのが効果的と思われます。
その後は、日本語で読めば内容が理解出来る程度の入試問題を。
いきなり志望校の入試問題の視写に取り組むのもありです。
言っていることが理解出来ないほど難しすぎると、
単語の暗記が進まないようです(一回、素材選びに失敗しました)
易しすぎる文章は、効果はありますがモチベーションが下がるよう。
Q:単語の意味を横に書かない文章で、視写をしてもよいか。
A:まだ試していませんが、
ある程度単語量の蓄積ができたら、おそらく効果的。
Q:どの程度の英語力から、取り組むことができるか。
A:構文の一番基本的な部分※は、入っている必要がある。
(※主節と従属節、前置詞の係り方、andの並列の仕方、
-ingのいろいろ、-edのいろいろ、thatのいろいろ、toのいろいろ)
この部分はディスレクシアであるなしに関係なく、
教師から教わるのが一番効率的。
また、たいていの生徒は(断片的にせよ)入っている分野でもある。
とはいえ、どうしても自習で確認する必要があるなら、以下の本がお勧め。
上下2巻でが、ディスレクシア的には、
センター150点を目指すなら、上巻だけで十分。
Q:視写の目的は。
A:ディスレクシア的な英文視写の目的は、
単語や文字のレベルで、正しく読む能力を高めるため。
また、短期記憶や、1文字・1語・1行を追う力を向上させるため。
びっくりするほど地道な方法ですが、まずは1週間、試してほしいです。
本当に変わりますから…
☆ ☆ ☆
視写を本格的に開始して2週間目のコスモ君に、いろいろ聞いてみました。
Q:視写の良い点は?
A:・・・・・・・・強いて言えば達成感?(笑)
実はけっこう何時間でも続けられる。最長で自習室で3時間(!)
(ADHDの発言とは思えません)
Q:なぜそもそも、全文書こうと思ったのか?
A:最初にガ×ダムの文章で単語を覚えていたときに、書きたくなった。
書いたら意味が分かったので、続けていった。
Q:和訳は書かなくてもよいと思うけど、どうしても書きたいの?
A:書くことで単語を覚えられる。
目の前で10分、視写をしてもらいました。
・音楽を聴きながら視写をする(10分ぴったりで終わる曲をセレクトする)
最近のお気に入りはラフマニノフ。
・視写しながら、覚えるべき単語も色分けする。これは譲れないらしい。
・字を美しく書きたいという思いがあり( ̄□ ̄;)、
「本当はこのf は書き直したい」etc.と思いながら書いているらしい
・波に乗ると、すべての動きが協調しており、スペルミスもない。
一度崩れると、「どこ読んでたっけ?」となるし、スペルも間違う
(「快調に書いていてスペルを間違う」ということはない)
・ノート見開きを大きな1ページとして使っている。
1文を1行で書けるので、後からいろいろ確認しやすい。
・10分かけて書き終わったら、その後に訳を書く。
この過程で単語を覚えるらしいので、これも譲れないとのこと。
(ちなみに彼は、言語感覚が非常に鋭く、
職業的翻訳者であるわたくしが「言われてみたらそうだねorz」
と思うような訳語をつけることもしばしばです)
・視写の間は何かとぶつぶつ言っている。「あっ間違えた」など。
たった2週間でも、ずいぶん書けるようになりました。
前よりリズム良く書けているので、字がいい意味で「雑」になりました。
(「さらに雑に書こう!」と確認しました)
視写の効果は、あっという間に模試の点数に表れました。
が、効果はそれだけではありません。
過集中でも散漫でもない、決めた時間だけ書き続けられるような
「普通の集中」ができていること、
∞や「いちごのショートケーキ」(効いたそうです)もあってか、
見る力が明らかに増していること、
そんなこんなに伴い、自分に自信が持てるようになってきたようで
雰囲気や話し方まで変わってきました。
視写をするのは、あくまでも志望校合格のためですが、
そういう根底的な変化も、大きな産物かもしれません。
…というくらい、ディスレクシア受験生の視写は効果絶大です!
☆ ☆ ☆
最後に、視写指導をする人へ。
これは、一見すると非常に地味な行為ですが、
教える側には、生徒が何に苦労しているかを見抜こうとする姿勢が問われます。
単なる○×の採点ではなく、もう2段階くらい字面の奥に行くイメージです。
生徒の実力にぴったりあった素材の選択、
スルーすべきミスと、建設的指摘につなげるべきミスを見分ける力、
そして、生徒の意欲の芽を大事にして励まし続ける力が要求されます。
山下先生、もんきちママさん、ぴろりんりんさん、離島の匿名さん、本当にありがとうございます。
道村式漢字カードも、予想以上に当ブログにお越し下さる方の間に浸透しているようで、びっくりしています。
週明けまで使用の感想を募集しています。
1行でも大歓迎です。お待ちしています!
------------
ジョリーで盛り上がったところ恐縮ですが(?!)、視写の話をさせて下さい。
どうやら、ディスレクシア大学受験生にとって、視写は効果絶大です!
~これまでのあらすじ~
・コスモ君(浪人生)に、
単語暗記用に、興味のある文章の中で単語を強調したものを渡したら
頼まないのに全部写してきて「書いたほうが覚えられる」と→★
↓
・Kさん(社内翻訳者)に、視写を勧めたところ、
「書きながらのほうがわかる」「書いていて楽しい」と→★
↓
・小学生と大学受験生・大人だと視写への反応が違うぞ?!→★
と思いつつ、コスモ君と本格的に視写開始
↓
・ちょうどその頃、ブログに
「隠れディスレクシアな気がします。英語だけできなくて焦ってます。
何をすればいいでしょうか」
と受験生から問い合わせがあったので、視写を勧めた
↓
・この受験生さん、開始1週間後で受けたセンター模試の点数が、
前回から60点近く上がったそうです!!!
コスモ君も2週間の視写により、病み上がりにもかかわらず
同じ模試で50点上がりました!!←今ここ
あまりに短期間で結果が数字に出たので、私のほうが恐ろしくなってます。
さらに50点アップが目標です。(センター英語筆記は200点満点。)
今の時点で分かっている、受験生用の視写について、整理しておきます。
☆ ☆ ☆
大学受験生で
・自分なりに英語を頑張っている
・他教科はそこそこできる
・高校入試はなんとかクリアした
それなのに英語が極端にできない
(センター90点以下、他教科より3割以上低い)人は、
ディスレクシアを疑ってもいいかもしれません。
こういう人たちには、英文の視写が効果的な可能性があります。
18歳になったディスレクシアは、
・「読解」はできるが、「解読」でつまっている。
解読(字を読む)さえできれば、読解(内容を理解する)はたやすい
・単語の意味を覚えるのに、文脈が絶対に欠かせない
・読解のミスは、多くの場合、簡単な単語の解読ミスが原因
・普通の人以上に、文章に対するモチベーションが理解に関係する
という観察をもとに、
・徹底的に解読を練習する
・文脈の中で単語を覚える
・簡単な単語の解読ミスをつぶしていく
・以上を、志望校の入試問題を使い、常に努力をたたえながら行う
を実行してみました。
以下に方法を書きましたので、
これを読んで「自分も試してみよう」「試してもらおう」と思う人は、
まずは5分、続けて書いてみて下さい。
最初は、センター試験の視写をお勧めします。
難易度や単語がコントロールされた文章だからです。
本文の英単語の横に日本語を入れたものを、用意します。
覚えるべき英単語の訳が赤になっています。 日本語の意味を、英単語の直後に入れるのがポイント。 |
PCの画面を撮ったのでハレーションが。。すみません
(ご連絡頂ければ、データ[Word版]をお送り出来ます)
この英文をひたすら写すのが、視写です。
ディスレクシア的受験用英文視写の目的は、
単語を暗記することと、一つひとつの単語を正確に解読することです。
ディスレクシアなら、初日は本当に少ししか書けませんし、すごく疲れます。
コスモ君は初回、混乱しながら2行半しか書けず、
終了後は倒れこんでいました。
どこを書いているのか分からなくなったり、
スペルミスや抜けが頻発したり、
2度同じところを書いたり、1行抜かしてしまったりします。
それが、黙読でどんな解読ミスをしているかを示しています。
そのミスをつぶし、疲れずに書けるようになれば、点数は上がります。
視写はこういう疲れやミスを減らし、
解読のための基礎体力をつけるトレーニングです。
☆手順☆
(1)視写する
・原文とノートを並べ、一字一句正確に写す。
・1回5分から始め、最終的には1回10~15分。
・休憩を入れず、一気に書く。
・以上を守れば、あとは自由。自分が疲れずに書ける方法を模索する。
↓
(2)単語を覚える
・分からない単語が多すぎる場合は、先に覚えてもよい。
↓
(3)単語を完全に覚えられたと思ったら、文章を読む
・このとき、単語の意味が分かると思えたら、ひとまず合格。
・この時点で内容把握。(1)では完全に内容が理解出来なくてもOK。
↓
(4)関係する設問を解いてみる
・ディスレクシアは、字が正しく解読できれば、内容は理解できているので、
これはおまけのようなもの。
・全文を書いてから解いてもよいし(つまり数日に1回)
15分終了後や、1パラグラフ単位で解いてもよい。
↓
(5)フィードバックを受ける
・視写のフィードバックを受けるのがポイント。これで効果が倍増する。
・教師は、解釈や設問にかかわる書き間違いのみ、指摘する。
×解釈を左右しないミスは、特に指摘しない。
×減点法的な指摘はしない。
・その他、視写そのものや内容の感想を言ってもらう。
◎ポジティブな変化を指摘できるとなおよい。
↓
(以下オプション)
↓
(6)音読
・視写したノートを音読してもらい、大きな発音のミスがあれば直す。
・意外と、基本的な単語の誤読が明らかになることも。(warmとwormなど)
・解読ミスを確認するためなので、過度な発音の美しさは求めない。
☆Q&A☆
Q:15分以上、続けてもよいか。
A:あまり続けると疲れすぎ、その後の勉強に差し障るので、避けるべき。
これは、集中しすぎて燃え尽きないための訓練でもある。
(とはいえ、やり始めるとすごく楽しいらしい(!)ので、
後に何もないなら無理に止めません)
Q:どのくらいの量、視写するべきか。
A:量ではなく、時間で区切るとよい。時間が来たら、途中でもやめてよい。
どうしても区切りのよいところまで書きたかったら、書いてもよいが、
「あとちょっと書けるな」と思うところで、あえておしまいにしたほうが、
長期的には伸びます。
Q:1日何回、視写するべきか。
A:1日1回以上、好きなだけ。
1回を長時間するより、すきま時間を見つけては視写する方が◎。
「5分でも時間があれば視写しています」(by受験生さん)。最高です。
Q:手が疲れるのですが。
A:これは手の訓練ではないので(笑)、
弱い筆圧でも書ける筆記具(水性ボールペンなど)を使ってよい。
短期記憶の訓練なので15分は続けるようにして、
頭より先に手が疲れてダウンしないように。
(続けるとペンだこが復活するそうです(byコスモ))
Q:あまり単語を知らないのに、いきなり文章の中で覚えていいのか。
A:もちろんです。ディスレクシアは文章の中で単語を覚える人種です。
安心して文章の中で覚えて下さい。
Q:どのくらいの難度の文章を使うべきか。
A:センター英語から始めるのが効果的と思われます。
その後は、日本語で読めば内容が理解出来る程度の入試問題を。
いきなり志望校の入試問題の視写に取り組むのもありです。
言っていることが理解出来ないほど難しすぎると、
単語の暗記が進まないようです(一回、素材選びに失敗しました)
易しすぎる文章は、効果はありますがモチベーションが下がるよう。
Q:単語の意味を横に書かない文章で、視写をしてもよいか。
A:まだ試していませんが、
ある程度単語量の蓄積ができたら、おそらく効果的。
Q:どの程度の英語力から、取り組むことができるか。
A:構文の一番基本的な部分※は、入っている必要がある。
(※主節と従属節、前置詞の係り方、andの並列の仕方、
-ingのいろいろ、-edのいろいろ、thatのいろいろ、toのいろいろ)
この部分はディスレクシアであるなしに関係なく、
教師から教わるのが一番効率的。
また、たいていの生徒は(断片的にせよ)入っている分野でもある。
とはいえ、どうしても自習で確認する必要があるなら、以下の本がお勧め。
『英文熟考』
内容も良いし、
解説がCDになっている(!)のがディスレクシアに優しい
|
上下2巻でが、ディスレクシア的には、
センター150点を目指すなら、上巻だけで十分。
Q:視写の目的は。
A:ディスレクシア的な英文視写の目的は、
単語や文字のレベルで、正しく読む能力を高めるため。
また、短期記憶や、1文字・1語・1行を追う力を向上させるため。
びっくりするほど地道な方法ですが、まずは1週間、試してほしいです。
本当に変わりますから…
☆ ☆ ☆
視写を本格的に開始して2週間目のコスモ君に、いろいろ聞いてみました。
Q:視写の良い点は?
A:・・・・・・・・強いて言えば達成感?(笑)
実はけっこう何時間でも続けられる。最長で自習室で3時間(!)
(ADHDの発言とは思えません)
Q:なぜそもそも、全文書こうと思ったのか?
A:最初にガ×ダムの文章で単語を覚えていたときに、書きたくなった。
書いたら意味が分かったので、続けていった。
Q:和訳は書かなくてもよいと思うけど、どうしても書きたいの?
A:書くことで単語を覚えられる。
目の前で10分、視写をしてもらいました。
・音楽を聴きながら視写をする(10分ぴったりで終わる曲をセレクトする)
最近のお気に入りはラフマニノフ。
・視写しながら、覚えるべき単語も色分けする。これは譲れないらしい。
・字を美しく書きたいという思いがあり( ̄□ ̄;)、
「本当はこのf は書き直したい」etc.と思いながら書いているらしい
・波に乗ると、すべての動きが協調しており、スペルミスもない。
一度崩れると、「どこ読んでたっけ?」となるし、スペルも間違う
(「快調に書いていてスペルを間違う」ということはない)
・ノート見開きを大きな1ページとして使っている。
1文を1行で書けるので、後からいろいろ確認しやすい。
・10分かけて書き終わったら、その後に訳を書く。
この過程で単語を覚えるらしいので、これも譲れないとのこと。
(ちなみに彼は、言語感覚が非常に鋭く、
職業的翻訳者であるわたくしが「言われてみたらそうだねorz」
と思うような訳語をつけることもしばしばです)
・視写の間は何かとぶつぶつ言っている。「あっ間違えた」など。
10分でこの分量。(訳はその後書いています) たった2週間で、書ける量、字の力強さ、集中力…ものすごく変わりました |
たった2週間でも、ずいぶん書けるようになりました。
前よりリズム良く書けているので、字がいい意味で「雑」になりました。
(「さらに雑に書こう!」と確認しました)
視写の効果は、あっという間に模試の点数に表れました。
が、効果はそれだけではありません。
過集中でも散漫でもない、決めた時間だけ書き続けられるような
「普通の集中」ができていること、
∞や「いちごのショートケーキ」(効いたそうです)もあってか、
見る力が明らかに増していること、
そんなこんなに伴い、自分に自信が持てるようになってきたようで
雰囲気や話し方まで変わってきました。
視写をするのは、あくまでも志望校合格のためですが、
そういう根底的な変化も、大きな産物かもしれません。
…というくらい、ディスレクシア受験生の視写は効果絶大です!
☆ ☆ ☆
最後に、視写指導をする人へ。
これは、一見すると非常に地味な行為ですが、
教える側には、生徒が何に苦労しているかを見抜こうとする姿勢が問われます。
単なる○×の採点ではなく、もう2段階くらい字面の奥に行くイメージです。
生徒の実力にぴったりあった素材の選択、
スルーすべきミスと、建設的指摘につなげるべきミスを見分ける力、
そして、生徒の意欲の芽を大事にして励まし続ける力が要求されます。
2014-11-10
匿名さんへのお返事(+中一ディスレクシア児のお母さんからのメール)
隠れディスレクシアに頂いているコメントへのお返事が、
リンクが多くなったので、こちらに載せます。
----------------------
来年は我が身と思って拝読してます。ありがとうございます。
匿名さんとのやり取りを見ていて、やはり「中1ショック」をきっかけにお子さんのディスレクシアを発見した人が、メールを下さいました。
たぶん、匿名さんが求めている言葉があります(反抗期のこととか)。
泣けるので注意です。。こちらからどうぞ→★
「ジョリーは指導者が必要」。おっしゃる通りです。
ジョリーは自習できる教材ではありません。
ただ、数はそれほど必要ではないです。
中1なら、Jolly Phonics Extraというセットに入っている
Letter Sounds Book、フラッシュカード、トーキングペン、ワークブック1
の4点だけあれば足ります。
トーキングペンで、Letter Sounds Bookとフラッシュカードにさわると、音を聞くことができます。
この3つは残念ながらバラ売りしていなくて、
Jolly Phonics Extraをまるごと買わないといけないのが難点ですが。。
「英語はどの段階から自習可能か」は、意見の分かれるところです。
今の私の意見は、
「文法にしても、単語にしても、文字にしても、
英語の第一歩を、紙の上の文字を読むだけで学ぶのは無理がある」
です。
現代日本には、あたかもそれが可能だと標榜する教材はたくさんありますが、
基本的には英語が身につかない「まやかし」だと思うのです
(文法問題集など。使える英語にならないのはもちろん、受験でも戦えない)
語学の第一歩は、やはり直接指導を受けるのが一番効果的です。
それを行うのは親でなく、個別指導でも全然問題ないと思います。
というか、私も個別指導してますので(^^;)、
反抗期でいっぱいいっぱいの親御さんは外の人に頼ってほしいです。
匿名さんから個別指導教師に「これで教えてほしい」と言って良いと思います。
心ある教師なら、ディスレクシアの子は普通とは違う指導法が必要で、
でもその指導法ならディスレクシアにも英語が"入る"んだと知ったら、
それを使って目の前の生徒を助けたいと思うはずですから。
話を戻しますと、ジョリーの利点は、
・学校の教科書につなげやすい。
・シンセティック・フォニックスの基本理念(→こちら参照)だけ理解し、
ディスレクシア指導に情熱があれば、まずまず使いこなせる。
(他にもディスレクシアに効果的な教材はあると思いますが、
教える側がプロでないと使いこなせないのではないかと)
・そして何より、他の教材に比べてディスレクシアでも学習効果がある。
個別指導の講師との直談判に、当ブログに書いてきた内容のどれかが
お役に立つとよいのですが。。
リンクが多くなったので、こちらに載せます。
----------------------
もじこさん、いつも為になるメッセージありがとうございます。
①臨床心理士の「違った場合は、そのような対応をすることで、様々な可能性まで狭めてマイナスになってしまうのでは」→この心配は無用だと思います。
私もそんな気もしてまして・・道村式漢字カードやジョリーフォニックスは、ディスレクシアに優しい学習法であり、普通の子にとっても優しい学習法なのですね。早速、道村式は購入しました。
ただ、英語はやはりジョリーフォニックスの教材しかないでしょうか。うちはもう中1の思春期まっただ中(親に対する反抗心むき出し、親のいうことを少しでもしたくない)で、特に私が勉強のことを言ったりやらせるのはかなり厳しい状況にあります。
漢字カード位なら、もしかしたら気が向いたらやるかもしれませんが、この英語教材は数も多く指導者がつかないと無理な気がしまして・・。ほかに適当な教材はないでしょうか。どうしてもこれしか・・。ということなら検討して購入し、個別指導の先生に頼んでやってもらうことも考えようと思います。フルタイムで働いているため、なんせ時間がないのと、(お金は覚悟して出します。。つらいですが。。)娘が私に対して勉強のことでは殆どいうことを聞かないためそのような方法しかないのかと・・・。----------------------
来年は我が身と思って拝読してます。ありがとうございます。
匿名さんとのやり取りを見ていて、やはり「中1ショック」をきっかけにお子さんのディスレクシアを発見した人が、メールを下さいました。
たぶん、匿名さんが求めている言葉があります(反抗期のこととか)。
泣けるので注意です。。こちらからどうぞ→★
「ジョリーは指導者が必要」。おっしゃる通りです。
ジョリーは自習できる教材ではありません。
ただ、数はそれほど必要ではないです。
中1なら、Jolly Phonics Extraというセットに入っている
Letter Sounds Book、フラッシュカード、トーキングペン、ワークブック1
の4点だけあれば足ります。
トーキングペンで、Letter Sounds Bookとフラッシュカードにさわると、音を聞くことができます。
この3つは残念ながらバラ売りしていなくて、
Jolly Phonics Extraをまるごと買わないといけないのが難点ですが。。
このセットにはいろんなものが含まれていますが、
中1のディスレクシア指導に必要なのは4点だけです。
1)Rの字が開いて置いている本(Letter Sounds Book)
2)黄色いペン(トーキングペン)
3)下中央のフラッシュカード、
4)Letter Sounds Bookの上にあるWorkbook 1
(2、3もありますが中1では不要)
|
「英語はどの段階から自習可能か」は、意見の分かれるところです。
今の私の意見は、
「文法にしても、単語にしても、文字にしても、
英語の第一歩を、紙の上の文字を読むだけで学ぶのは無理がある」
です。
現代日本には、あたかもそれが可能だと標榜する教材はたくさんありますが、
基本的には英語が身につかない「まやかし」だと思うのです
(文法問題集など。使える英語にならないのはもちろん、受験でも戦えない)
語学の第一歩は、やはり直接指導を受けるのが一番効果的です。
それを行うのは親でなく、個別指導でも全然問題ないと思います。
というか、私も個別指導してますので(^^;)、
反抗期でいっぱいいっぱいの親御さんは外の人に頼ってほしいです。
匿名さんから個別指導教師に「これで教えてほしい」と言って良いと思います。
心ある教師なら、ディスレクシアの子は普通とは違う指導法が必要で、
でもその指導法ならディスレクシアにも英語が"入る"んだと知ったら、
それを使って目の前の生徒を助けたいと思うはずですから。
話を戻しますと、ジョリーの利点は、
・学校の教科書につなげやすい。
・シンセティック・フォニックスの基本理念(→こちら参照)だけ理解し、
ディスレクシア指導に情熱があれば、まずまず使いこなせる。
(他にもディスレクシアに効果的な教材はあると思いますが、
教える側がプロでないと使いこなせないのではないかと)
・そして何より、他の教材に比べてディスレクシアでも学習効果がある。
個別指導の講師との直談判に、当ブログに書いてきた内容のどれかが
お役に立つとよいのですが。。
2014-11-03
ディスレクシア向けブレインジムのお勧め本「ブレインジム 発達が気になる人の12の体操」
ディスレクシア的ブレインジムのお勧め本を見つけました!
家庭学習にいわゆる感覚統合を取り入れたい方、
ディスレクシア家庭学習の効果を高めたい方に、ぴったりの一冊です!
ブレインジムの効果については、以前にも書いたことがあります→こちら
ブレインジムとは、簡単に言えば
「発達障害、特にディスレクシア用に開発された、勉強前の準備体操」
です。
ただ、本書を読むと、その効果はもっと広範囲に渡ることが分かります。
自分の特性をポジティブに受け入れたり、
人間関係や周囲の環境を落ち着いて前向きに捉える効果があるようです。
なんで体操だけでそんなことまで・・・?と思うかもしれません。
でもブレインジムを細々とですが実践する者としては、
「これは簡単な体操だが、奥深いところからじわじわ効く」
ことは確信を持って言えます。
著者は、横浜・小机の発達障害の子を多く受け入れているフリースクール★での実践をもとに、
ブレインジムでも特に発達凹凸に効果的な、12の体操を紹介しています。
これ1冊で家庭でもブレインジムが取り入れられる、
実にありがたい本です。
☆ ☆ ☆
意外な「くせ」が感覚過敏、ひいては学習のしづらさと関係している、
という指摘が、まず面白かったです。
(しめつけるような服が嫌い、独特なバランス感覚、
歩き方がのっそりしているetc.)
ディスレクシアの子を見るときも、
字が苦手さだけにフォーカスするのでなく、
他の部分での感覚過敏も和らげてあげる必要があるんだなと思いました。
ブレインジムとは、こうした「くせ」に表れている
ある種のアンバランスに働きかけて改善し、
ひいては情報の受信や発信をしやすくするもの、と私は理解しています。
ディスレクシア的には、「独特な見え方」の一節が特に興味深かったです。
本書の項目を引用しますと:
・白い紙はまぶしすぎる
・文字を読むときに目がぎくしゃくする
・行の真ん中が読みづらい
・目線が飛んでしまう!
・文字が点滅したり動いたりするように見える
読みに困難を抱える子は、こうした特徴を持っていることがあり、
それを改善する目の体操がブレインジムにはある、ということです。
「うまく読めないことは、その子が前向きに学びに取り組もうとしていないからではないのかもしれません。「がんばってさえいれば、読む能力は向上するはずだ」とだけ考えずに、ぜひ子どもたちの目の動きに注目してあげてください」(p28)
☆ ☆ ☆
これまでブレインジムについて、あえて書いてこなかったのは
講座を受けたとき、「個人で使う以外には広めないで下さい」
的なことが、どこかに書いてあったような気がしたからなのですが。。
でも、こうして本になったほどなので、堂々と言ってよさそうですね。
うちでは、PACEとレイジーエイトは勉強前の儀式として完全定着しました。
(PACEはブレインジムの一番基本的な体操で、
その半分は上の表紙に載ってます)
ほんとに簡単な、5分くらいの体操なのですが、
これをすると、仕事モードや遊びモードから勉強モードへと
気分が自然と切り替わります。
落ち着きが出ますし、なんだか前向きになれますし、
文字に集中することが少し苦でなくなるようです。
レイジーエイトは短い動画を見つけました:
動画では左手と両手で行っていますが、右手でも行います。
例によって、子より私のほうがブレインジムの効果を実感してます。
レイジーエイトを翻訳仕事の前に行うと、
明らかに仕事中のネット逃避率が減ります(爆)
精神的多動を抑える効果があるようです。
☆ ☆ ☆
当ブログに最近登場している生徒さんたちにも、
レイジーエイトを試してみました。
まだサンプル数が少ないですが、
ディスレクシアだとレイジーエイトに不器用さが出るケースは多い気がします。
また、レイジーエイトを初めて試すと、
自分の見え方について告白してくれるのが面白いです。
(言語化するのはそこから卒業するための大きな一歩だと思うので、
大変良いこととして聞いてます)
Kさん(大人)は指を目だけで追うことができず、顔も動いてしまいました。
「顔も動いてます!」と指摘したところ、
「そ~なんですよ、私は文字を見ても上滑りになってしまうんですよ」
と教えてくれました。
コスモ君(浪人生)はもっと顕著でした。
先週、初めて目の前で視写をしてもらったのですが、
5分で2行半しか字が書けず。
本文とノートとの間で目を往復させるのに、苦労していました。
そこでレイジーエイトを試したところ、右目があまり動いていません。
よく見ると、左目のほうがけっこう大きくて、右目が少しぼうっとしています。
「右目の目力が弱いかも?」と言ったら、
「実は視野の右端があまり見えていない」
「疲れてくると左目でしか見たくなくなる」
(→これ私もあります、余計集中しづらくなります)
「小3の頃に左目を隠し、右目だけで見る訓練をしたが、疲れてやめた」とのこと。
今後は毎日の視写とレイジーエイトも宿題となりました。
眼球の周りに筋肉がついて、右目も使えるようになれば、
本文とノートの間で目をいったり来たりするのも、楽になるはずです。
今後の変化が楽しみです。
うちの子は、最初は∞の空書きができませんでした。特に斜めの部分が。
今では∞をきれいに書けるので、
斜め線を書くために良い影響があったのではないかと思っています。
☆ ☆ ☆
本書に話を戻しますと、
ブレインジムは、ディスレクシアの子にはもちろん、
教える側にも(→発達障害であってもなくても)じわっと効くので、
そういう意味でも、ディスレクシア家庭教育にたずさわる方に、
ぜひ試してほしい一冊です!
家庭学習にいわゆる感覚統合を取り入れたい方、
ディスレクシア家庭学習の効果を高めたい方に、ぴったりの一冊です!
「ブレインジム 発達が気になる人の12の体操」
ブレインジムの効果については、以前にも書いたことがあります→こちら
ブレインジムとは、簡単に言えば
「発達障害、特にディスレクシア用に開発された、勉強前の準備体操」
です。
ただ、本書を読むと、その効果はもっと広範囲に渡ることが分かります。
自分の特性をポジティブに受け入れたり、
人間関係や周囲の環境を落ち着いて前向きに捉える効果があるようです。
なんで体操だけでそんなことまで・・・?と思うかもしれません。
でもブレインジムを細々とですが実践する者としては、
「これは簡単な体操だが、奥深いところからじわじわ効く」
ことは確信を持って言えます。
著者は、横浜・小机の発達障害の子を多く受け入れているフリースクール★での実践をもとに、
ブレインジムでも特に発達凹凸に効果的な、12の体操を紹介しています。
これ1冊で家庭でもブレインジムが取り入れられる、
実にありがたい本です。
☆ ☆ ☆
意外な「くせ」が感覚過敏、ひいては学習のしづらさと関係している、
という指摘が、まず面白かったです。
(しめつけるような服が嫌い、独特なバランス感覚、
歩き方がのっそりしているetc.)
ディスレクシアの子を見るときも、
字が苦手さだけにフォーカスするのでなく、
他の部分での感覚過敏も和らげてあげる必要があるんだなと思いました。
ブレインジムとは、こうした「くせ」に表れている
ある種のアンバランスに働きかけて改善し、
ひいては情報の受信や発信をしやすくするもの、と私は理解しています。
ディスレクシア的には、「独特な見え方」の一節が特に興味深かったです。
本書の項目を引用しますと:
・白い紙はまぶしすぎる
・文字を読むときに目がぎくしゃくする
・行の真ん中が読みづらい
・目線が飛んでしまう!
・文字が点滅したり動いたりするように見える
読みに困難を抱える子は、こうした特徴を持っていることがあり、
それを改善する目の体操がブレインジムにはある、ということです。
「うまく読めないことは、その子が前向きに学びに取り組もうとしていないからではないのかもしれません。「がんばってさえいれば、読む能力は向上するはずだ」とだけ考えずに、ぜひ子どもたちの目の動きに注目してあげてください」(p28)
☆ ☆ ☆
これまでブレインジムについて、あえて書いてこなかったのは
講座を受けたとき、「個人で使う以外には広めないで下さい」
的なことが、どこかに書いてあったような気がしたからなのですが。。
でも、こうして本になったほどなので、堂々と言ってよさそうですね。
うちでは、PACEとレイジーエイトは勉強前の儀式として完全定着しました。
(PACEはブレインジムの一番基本的な体操で、
その半分は上の表紙に載ってます)
ほんとに簡単な、5分くらいの体操なのですが、
これをすると、仕事モードや遊びモードから勉強モードへと
気分が自然と切り替わります。
落ち着きが出ますし、なんだか前向きになれますし、
文字に集中することが少し苦でなくなるようです。
レイジーエイトは短い動画を見つけました:
動画では左手と両手で行っていますが、右手でも行います。
例によって、子より私のほうがブレインジムの効果を実感してます。
レイジーエイトを翻訳仕事の前に行うと、
明らかに仕事中のネット逃避率が減ります(爆)
精神的多動を抑える効果があるようです。
☆ ☆ ☆
当ブログに最近登場している生徒さんたちにも、
レイジーエイトを試してみました。
まだサンプル数が少ないですが、
ディスレクシアだとレイジーエイトに不器用さが出るケースは多い気がします。
また、レイジーエイトを初めて試すと、
自分の見え方について告白してくれるのが面白いです。
(言語化するのはそこから卒業するための大きな一歩だと思うので、
大変良いこととして聞いてます)
Kさん(大人)は指を目だけで追うことができず、顔も動いてしまいました。
「顔も動いてます!」と指摘したところ、
「そ~なんですよ、私は文字を見ても上滑りになってしまうんですよ」
と教えてくれました。
コスモ君(浪人生)はもっと顕著でした。
先週、初めて目の前で視写をしてもらったのですが、
5分で2行半しか字が書けず。
本文とノートとの間で目を往復させるのに、苦労していました。
そこでレイジーエイトを試したところ、右目があまり動いていません。
よく見ると、左目のほうがけっこう大きくて、右目が少しぼうっとしています。
「右目の目力が弱いかも?」と言ったら、
「実は視野の右端があまり見えていない」
「疲れてくると左目でしか見たくなくなる」
(→これ私もあります、余計集中しづらくなります)
「小3の頃に左目を隠し、右目だけで見る訓練をしたが、疲れてやめた」とのこと。
今後は毎日の視写とレイジーエイトも宿題となりました。
眼球の周りに筋肉がついて、右目も使えるようになれば、
本文とノートの間で目をいったり来たりするのも、楽になるはずです。
今後の変化が楽しみです。
うちの子は、最初は∞の空書きができませんでした。特に斜めの部分が。
今では∞をきれいに書けるので、
斜め線を書くために良い影響があったのではないかと思っています。
☆ ☆ ☆
本書に話を戻しますと、
ブレインジムは、ディスレクシアの子にはもちろん、
教える側にも(→発達障害であってもなくても)じわっと効くので、
そういう意味でも、ディスレクシア家庭教育にたずさわる方に、
ぜひ試してほしい一冊です!