山下先生、もんきちママさん、ぴろりんりんさん、離島の匿名さん、本当にありがとうございます。
道村式漢字カードも、予想以上に当ブログにお越し下さる方の間に浸透しているようで、びっくりしています。
週明けまで使用の感想を募集しています。
1行でも大歓迎です。お待ちしています!
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ジョリーで盛り上がったところ恐縮ですが(?!)、視写の話をさせて下さい。
どうやら、ディスレクシア大学受験生にとって、視写は効果絶大です!
~これまでのあらすじ~
・コスモ君(浪人生)に、
単語暗記用に、興味のある文章の中で単語を強調したものを渡したら
頼まないのに全部写してきて「書いたほうが覚えられる」と→★
↓
・Kさん(社内翻訳者)に、視写を勧めたところ、
「書きながらのほうがわかる」「書いていて楽しい」と→★
↓
・小学生と大学受験生・大人だと視写への反応が違うぞ?!→★
と思いつつ、コスモ君と本格的に視写開始
↓
・ちょうどその頃、ブログに
「隠れディスレクシアな気がします。英語だけできなくて焦ってます。
何をすればいいでしょうか」
と受験生から問い合わせがあったので、視写を勧めた
↓
・この受験生さん、開始1週間後で受けたセンター模試の点数が、
前回から60点近く上がったそうです!!!
コスモ君も2週間の視写により、病み上がりにもかかわらず
同じ模試で50点上がりました!!←今ここ
あまりに短期間で結果が数字に出たので、私のほうが恐ろしくなってます。
さらに50点アップが目標です。(センター英語筆記は200点満点。)
今の時点で分かっている、受験生用の視写について、整理しておきます。
☆ ☆ ☆
大学受験生で
・自分なりに英語を頑張っている
・他教科はそこそこできる
・高校入試はなんとかクリアした
それなのに英語が極端にできない
(センター90点以下、他教科より3割以上低い)人は、
ディスレクシアを疑ってもいいかもしれません。
こういう人たちには、英文の視写が効果的な可能性があります。
18歳になったディスレクシアは、
・「読解」はできるが、「解読」でつまっている。
解読(字を読む)さえできれば、読解(内容を理解する)はたやすい
・単語の意味を覚えるのに、文脈が絶対に欠かせない
・読解のミスは、多くの場合、簡単な単語の解読ミスが原因
・普通の人以上に、文章に対するモチベーションが理解に関係する
という観察をもとに、
・徹底的に解読を練習する
・文脈の中で単語を覚える
・簡単な単語の解読ミスをつぶしていく
・以上を、志望校の入試問題を使い、常に努力をたたえながら行う
を実行してみました。
以下に方法を書きましたので、
これを読んで「自分も試してみよう」「試してもらおう」と思う人は、
まずは5分、続けて書いてみて下さい。
最初は、センター試験の視写をお勧めします。
難易度や単語がコントロールされた文章だからです。
本文の英単語の横に日本語を入れたものを、用意します。
覚えるべき英単語の訳が赤になっています。 日本語の意味を、英単語の直後に入れるのがポイント。 |
PCの画面を撮ったのでハレーションが。。すみません
(ご連絡頂ければ、データ[Word版]をお送り出来ます)
この英文をひたすら写すのが、視写です。
ディスレクシア的受験用英文視写の目的は、
単語を暗記することと、一つひとつの単語を正確に解読することです。
ディスレクシアなら、初日は本当に少ししか書けませんし、すごく疲れます。
コスモ君は初回、混乱しながら2行半しか書けず、
終了後は倒れこんでいました。
どこを書いているのか分からなくなったり、
スペルミスや抜けが頻発したり、
2度同じところを書いたり、1行抜かしてしまったりします。
それが、黙読でどんな解読ミスをしているかを示しています。
そのミスをつぶし、疲れずに書けるようになれば、点数は上がります。
視写はこういう疲れやミスを減らし、
解読のための基礎体力をつけるトレーニングです。
☆手順☆
(1)視写する
・原文とノートを並べ、一字一句正確に写す。
・1回5分から始め、最終的には1回10~15分。
・休憩を入れず、一気に書く。
・以上を守れば、あとは自由。自分が疲れずに書ける方法を模索する。
↓
(2)単語を覚える
・分からない単語が多すぎる場合は、先に覚えてもよい。
↓
(3)単語を完全に覚えられたと思ったら、文章を読む
・このとき、単語の意味が分かると思えたら、ひとまず合格。
・この時点で内容把握。(1)では完全に内容が理解出来なくてもOK。
↓
(4)関係する設問を解いてみる
・ディスレクシアは、字が正しく解読できれば、内容は理解できているので、
これはおまけのようなもの。
・全文を書いてから解いてもよいし(つまり数日に1回)
15分終了後や、1パラグラフ単位で解いてもよい。
↓
(5)フィードバックを受ける
・視写のフィードバックを受けるのがポイント。これで効果が倍増する。
・教師は、解釈や設問にかかわる書き間違いのみ、指摘する。
×解釈を左右しないミスは、特に指摘しない。
×減点法的な指摘はしない。
・その他、視写そのものや内容の感想を言ってもらう。
◎ポジティブな変化を指摘できるとなおよい。
↓
(以下オプション)
↓
(6)音読
・視写したノートを音読してもらい、大きな発音のミスがあれば直す。
・意外と、基本的な単語の誤読が明らかになることも。(warmとwormなど)
・解読ミスを確認するためなので、過度な発音の美しさは求めない。
☆Q&A☆
Q:15分以上、続けてもよいか。
A:あまり続けると疲れすぎ、その後の勉強に差し障るので、避けるべき。
これは、集中しすぎて燃え尽きないための訓練でもある。
(とはいえ、やり始めるとすごく楽しいらしい(!)ので、
後に何もないなら無理に止めません)
Q:どのくらいの量、視写するべきか。
A:量ではなく、時間で区切るとよい。時間が来たら、途中でもやめてよい。
どうしても区切りのよいところまで書きたかったら、書いてもよいが、
「あとちょっと書けるな」と思うところで、あえておしまいにしたほうが、
長期的には伸びます。
Q:1日何回、視写するべきか。
A:1日1回以上、好きなだけ。
1回を長時間するより、すきま時間を見つけては視写する方が◎。
「5分でも時間があれば視写しています」(by受験生さん)。最高です。
Q:手が疲れるのですが。
A:これは手の訓練ではないので(笑)、
弱い筆圧でも書ける筆記具(水性ボールペンなど)を使ってよい。
短期記憶の訓練なので15分は続けるようにして、
頭より先に手が疲れてダウンしないように。
(続けるとペンだこが復活するそうです(byコスモ))
Q:あまり単語を知らないのに、いきなり文章の中で覚えていいのか。
A:もちろんです。ディスレクシアは文章の中で単語を覚える人種です。
安心して文章の中で覚えて下さい。
Q:どのくらいの難度の文章を使うべきか。
A:センター英語から始めるのが効果的と思われます。
その後は、日本語で読めば内容が理解出来る程度の入試問題を。
いきなり志望校の入試問題の視写に取り組むのもありです。
言っていることが理解出来ないほど難しすぎると、
単語の暗記が進まないようです(一回、素材選びに失敗しました)
易しすぎる文章は、効果はありますがモチベーションが下がるよう。
Q:単語の意味を横に書かない文章で、視写をしてもよいか。
A:まだ試していませんが、
ある程度単語量の蓄積ができたら、おそらく効果的。
Q:どの程度の英語力から、取り組むことができるか。
A:構文の一番基本的な部分※は、入っている必要がある。
(※主節と従属節、前置詞の係り方、andの並列の仕方、
-ingのいろいろ、-edのいろいろ、thatのいろいろ、toのいろいろ)
この部分はディスレクシアであるなしに関係なく、
教師から教わるのが一番効率的。
また、たいていの生徒は(断片的にせよ)入っている分野でもある。
とはいえ、どうしても自習で確認する必要があるなら、以下の本がお勧め。
『英文熟考』
内容も良いし、
解説がCDになっている(!)のがディスレクシアに優しい
|
上下2巻でが、ディスレクシア的には、
センター150点を目指すなら、上巻だけで十分。
Q:視写の目的は。
A:ディスレクシア的な英文視写の目的は、
単語や文字のレベルで、正しく読む能力を高めるため。
また、短期記憶や、1文字・1語・1行を追う力を向上させるため。
びっくりするほど地道な方法ですが、まずは1週間、試してほしいです。
本当に変わりますから…
☆ ☆ ☆
視写を本格的に開始して2週間目のコスモ君に、いろいろ聞いてみました。
Q:視写の良い点は?
A:・・・・・・・・強いて言えば達成感?(笑)
実はけっこう何時間でも続けられる。最長で自習室で3時間(!)
(ADHDの発言とは思えません)
Q:なぜそもそも、全文書こうと思ったのか?
A:最初にガ×ダムの文章で単語を覚えていたときに、書きたくなった。
書いたら意味が分かったので、続けていった。
Q:和訳は書かなくてもよいと思うけど、どうしても書きたいの?
A:書くことで単語を覚えられる。
目の前で10分、視写をしてもらいました。
・音楽を聴きながら視写をする(10分ぴったりで終わる曲をセレクトする)
最近のお気に入りはラフマニノフ。
・視写しながら、覚えるべき単語も色分けする。これは譲れないらしい。
・字を美しく書きたいという思いがあり( ̄□ ̄;)、
「本当はこのf は書き直したい」etc.と思いながら書いているらしい
・波に乗ると、すべての動きが協調しており、スペルミスもない。
一度崩れると、「どこ読んでたっけ?」となるし、スペルも間違う
(「快調に書いていてスペルを間違う」ということはない)
・ノート見開きを大きな1ページとして使っている。
1文を1行で書けるので、後からいろいろ確認しやすい。
・10分かけて書き終わったら、その後に訳を書く。
この過程で単語を覚えるらしいので、これも譲れないとのこと。
(ちなみに彼は、言語感覚が非常に鋭く、
職業的翻訳者であるわたくしが「言われてみたらそうだねorz」
と思うような訳語をつけることもしばしばです)
・視写の間は何かとぶつぶつ言っている。「あっ間違えた」など。
10分でこの分量。(訳はその後書いています) たった2週間で、書ける量、字の力強さ、集中力…ものすごく変わりました |
たった2週間でも、ずいぶん書けるようになりました。
前よりリズム良く書けているので、字がいい意味で「雑」になりました。
(「さらに雑に書こう!」と確認しました)
視写の効果は、あっという間に模試の点数に表れました。
が、効果はそれだけではありません。
過集中でも散漫でもない、決めた時間だけ書き続けられるような
「普通の集中」ができていること、
∞や「いちごのショートケーキ」(効いたそうです)もあってか、
見る力が明らかに増していること、
そんなこんなに伴い、自分に自信が持てるようになってきたようで
雰囲気や話し方まで変わってきました。
視写をするのは、あくまでも志望校合格のためですが、
そういう根底的な変化も、大きな産物かもしれません。
…というくらい、ディスレクシア受験生の視写は効果絶大です!
☆ ☆ ☆
最後に、視写指導をする人へ。
これは、一見すると非常に地味な行為ですが、
教える側には、生徒が何に苦労しているかを見抜こうとする姿勢が問われます。
単なる○×の採点ではなく、もう2段階くらい字面の奥に行くイメージです。
生徒の実力にぴったりあった素材の選択、
スルーすべきミスと、建設的指摘につなげるべきミスを見分ける力、
そして、生徒の意欲の芽を大事にして励まし続ける力が要求されます。
もじこさん、こんにちは。この熱意溢れるブログから、いつもエネルギーをもらってます。
返信削除全体把握や空間認識といった、類まれな能力を持つディスレクシアの皆さんに負けないよう、凡人の私は、最近、スペイン語の参考書を、要点「まる写し」することで勉強を進めています。
もじこさんの薦める「視写」とは違うのかもしれませんが、書き写すことは、間違いなく学びにつながっています。私にとっては「自分の勉強の跡」がきちんと残ることがうれしいです。
字を書くこと自体は好きですが、読みながら(理解しながら)書き写すことは疲れますので、休み休みやっています。
原始的ですが、こうした「手を動かしながらの学習」には、まだまだ可能性が広がっているのかもしれませんね。
天女のような平社員先輩にそう言って頂けて光栄です(男の天女ってなんて言うんですかね)。
返信削除スペイン語参考書の要点まる写し?!それは凡人のやることではありませぬ!先輩がそれをしたらものすごく精緻なスペイン語の理解に至りそうですね。
例の翻訳学校でも何人か、英文法解説やロイヤル英文法(定番の英文法書)を「写経した」(全部写した)という人が何人かいました。高3で写して大阪外語大に入った人、ICU/上智比較文化卒後に写して翻訳者/通訳者になった人、国際結婚後に写した人、です。私にとっては「ある程度できる人が、文法書を写して、徹底的な理解に至る」というイメージです…
自分の手で書くという行為は、書くことが得意でも不得意でも、脳に働きかける力がすごく高いのでしょうね。新たな気づきをありがとうございます。
ところで私はここのところ、「文法とは何か?」について考えています。
「文法がわからないとその言語を正確に運用することは不可能!!」と信じていたのですが、
「言語認識装置は、文法理論ではなく、『どういう語・音が確率的に隣接して使われることが多いか』を教え込むことでかなりの精度で言語認識を行っている」と知って以来、
1)母語話者は、文法理論ではなく、大量の経験に基づく確率の知識で言語を運用している
2)大量経験を積まずに、正確に言語を運用する手段として整備されたのが、文法である
3)外国語能力が高い人は、少ない経験でも正確な確率的知識を構築できる
などと考えてみました。
今まさに、2)を実践中の3)である平社員先輩に、いずれこのあたりのご意見をお伺いしたいところです!
もじこさん、文法書の「写経」で言語をマスターした方がおられるという話、とてもうれしく感じました。私だけが変なことをやっているのでは?との疑念がありましたので。。。
返信削除文法について、先日また、うちの社員を使って、言語フィールドワークをやってしまいました。スペイン語には「点過去」と「線過去」と呼ばれる2つの過去形があります(詳細略)。しかし、文法書によって、それぞれを示すスペイン語が微妙に異なっているので、ペルー人はこれら2つの過去形をどう呼び分けているのだろうと思い、質問してみたのです。すると質問された2人、顔を見合わせて「何ていうんだろうね?」と、キョトンとしています。「OKOK、じゃあ、いいや」といって席に戻ったら、後から彼らが来て、「呼び名はこうです」と言って渡してくれたのが、スペイン語文法のウェブサイトの印刷物(笑)。
標本数わずか2ではありますが、点過去と線過去という、使用頻度も高く、また重要な文法現象を、(もちろん)認識はしていても、その用語は知らないというのが一般人の置かれているレベルでありました。(日本人だって「連体形」とか「用言」とかいう言葉は知らなくても、自由に言葉をあやつってますよね。)
長くなりましたが、もじこさんの書かれた1)、2)は、まず間違いなさそうです。ただ一つ違っているのは、私が3)である、というところだけです。ホント、苦労しています。
読み書きの苦手な高1の娘です。中高一貫のそれなりの進学校に通っています。
返信削除高校の1学期の試験で赤点だらけになり、悲惨な状況に気づきました。ほおっておくと1人では教科書が読めないので親が全部音読して、口頭で内容確認してから演習に入っています。試験前の勉強は100時間ぐらいかかり、親は50時間ぐらいサポートしています。それでも周囲からは怠け者扱いされています。(確かにすぐに疲れるし、計画性がないし、スピードがないのですが・・親としてはそれだけではないと思っています。)
就学前まではとても利発な子に思えました。幼少時から読み聞かせを好み、小6ぐらいまで(中学受験したので)物語、過去問、社会の参考書など手当たりしだい読み聞かせていました。私は読んであげるのが好きだったし、この子は耳からの方がよく入る子だと思っていたから。
でも、漢字は全然覚えられず、テストになると、偏と旁の組み合わせをいくつか書いてその中から選ぶような答え方をしていて、「なんで思い出すのにそんなに時間がかかるの?」と不思議に思いました。試験ではスピードが遅すぎて、いつも国語の大問1問はまるまる白紙でした。1行以上の記述を書くのはトライするのも難しそうでした。板書や教科書をノートに書き写すことが困難でした(視線を黒板から外さないままで、手元を見ずにノートに写すのです。文節ごとに頭に覚えるのが無理、とのことでした)。確かに読むのも苦手で、平気で1行とばしたり同じところを読んだりしました。それでも、人の心を読むのがうまく、間合いの取り方が上手、そしてピンチのときの機転もよくきき、人を助け、とても頭が悪そうには思えませんでした。
ところで、中学のときは耳で聞けばわかったことも、高校生になると抽象的になり、言葉の定義を理解しなければ耳だけではつかめないようになりました。数学でも理科でも英語でもそうです。それが赤点のはじまりなわけですが、1対1での教科書音読はそれなりに効果がありました。(それでもテストでは再現率が悪いことと、スピードがないことがあだになり、がんばっても30〜50点ぐらいしかとれません。実力はもうすこしあると思います)
高校の英語で一番効果があった学習は、英語の教科書の和訳です。わからない単語を全部調べ(辞書引きは手伝う)て英文コピーしてはりつけたノートにかきこみ、構文を押さえながら意味をとります。最初はすごい訳をつけていましたが、3章分ぐらい手伝ったら、かなり自力でできるようになり、そうなるとスピードもあがりました。関係代名詞やto 不定詞など、文法書で理解できなかった構文が訳せるようになり、単語や熟語をいくつか覚えられました。
ひどい誤訳の原因は、やはり基本単語のまちがいです。たとえば「difficlut」と「different」がどうしても同じにみえるようです。「something」「someone」などの単語は意味がとりづらく覚えられないようです。
物理化学を担当した夫によれば、「物理の理論は説明すれば入るが、計算ができなくて答えにたどり着かない」「化学は比の概念がない」
世界史は、授業が耳に届くようになってからよくなり、教科書を読んで、一問一答を埋めるなどができるようになりました。人の顔写真がイラストになっている資料を使ったり、友達と問題のだしっこをしたりして5割ぐらい覚えられました。なお、各科目とも、誤字による失点は多数です。また、穴埋め式の問題集や試験問題はとても苦手で、□に何が入るかを後ろの文を見て想像するのは彼女には無理みたいです。
高校生になっても、これほど親がサポートしなければならない事情をなかなか周囲の人には理解してもらえません。本人も「怠けている」「ぼーっとしている」とののしられてばかりで、その評価は必ずしも「真」とは言えないんだけど・・と私は思っています。もじこさんのレポートを読んで、私が今まで娘とともにトライしてきた手法のいくつかはたぶん間違っていなかった、と感じました。
コスモ君の例を参考にして、視写をもう少し取り入れ(文字を書かせるのはやる方もやらせる方も大変なんですよね)さらにもう少しねばってみようと思います。文章に対するモチベーションが、理解に関係する、というのもとても共感します。本人がおもしろがるものは、なぜかよく読めます。(だから、怠け者に見えるんでしょうね)
あかねこさん
返信削除はじめまして、このブログの読者です。
あかねこさんご夫妻と娘さんの努力に驚きながら読ませていただきました。がんばり屋さんなんですね。
あかねこさん、質問させてください。
>中学のときは耳で聞けばわかったことも、高校生になると抽象的になり、言葉の定義を理解しなければ耳だけではつかめないようになりました。
どのようなことか、具体的に例をあげて説明していただけないでしょうか?
ディスレクシアが小、中学時代、学習で大変苦労する、のは漢字(アルファベット)だったり、読めなかったり、暗記ができなかったりで、よく見たり聞いたりしますが、小学校、中学校より高校の方が大変、というのは、具体的にイメージしにくいのです。それまでに大変だったことが積もりに積もってもう、いっぱい、いっぱい、という感じでしょうか??それとも、やはり高校が進学校だからでしょうか?
ぜひ今後の参考のためにも、お話よろしくお願いします。
横から失礼します。中退した高校(進学校)で本格的に勉強につまづいた者です(英語は中学からできてない)
返信削除自分がディスレクシアの単語を知ってから、自覚に至るまでがかなり遅く「自分の努力が足りないだけ」「自分がディスレクシア?ないない」と思い込んだ経緯(隠れた状態?)でもあります。中学までは板書に集中できる程度には先生の話で十分授業も理解もできてました。気持ちの余裕もありました。
抽象的な文。という説明にもかなり戸惑う迷う私ですが、例えれそうなのは…「見知らぬ土地の方言で進む、ディープな日常会話」みたいなもの、ですかね…
一応教科書用語なんだけど、明らかな専門用語でもない。中途半端に身近(苦笑)な言葉で、定理や理屈を説明されてます。日常と問題文での使われ方が若干違うことはわかっていても、文章だけでは難しく、説明の言いたいことを掴み損ねてしまうし、耳でさらっと説明聞いても理解が遅くなる(というか、板書量が増えすぎてそれどころじゃなくなった…)「音とスペルが違うことをわかっているけど、扱いきれないまま混乱・翻弄された」私の英語への苦労と似たようなものかも。
「2つの変数 x, y について、x の値を定めると、それに対応する y の値がただ1つ定まるとき、y は x の関数である、というもの。」
私の苦手な説明文と感じるものはこういう奴です。文をまじまじ見つめてると頭混乱するんで適当に流し読み。結局完了したいのは「問題を解く」なので、まず結論(yはxの状況次第で動くという関係性ですよ)から文章を遡り、曖昧を問題を解くことで1個1個つぶします。「この説明ではこの動き(状況)を言っているのか…」と途中途中で問題のイメージを掴んでいく。「文章題を知るために、問題を解き推測しながら理解を進める」という…身近には無い変な回り道をずっと強いられています。
私に効率なんてなかった\(^o^)/と言いたい。でもまぁ…解けると強い充実に満たされるため「クイズ気分」です。遅さ=ダメと思わなければ勉強嫌いになることもない…とは思うけれど厳しく苦しい現実です…私も辛かった。
数学の説明文を自分で言える・わかる=問題の解き方を理解していることの同義語です(解き方を探る+説明文が実感できた=概念の理解)
周囲は簡単に扱うのに、自分にはわからない短い説明文で一人困っていて、それが基礎教科のあちこちに出現し始め「みんな、なんで普通に解けているの??」が高校の苦労でした。見た目には普通にできている風なので、尚更愚痴も「ただの怠け」と言われることを恐れてしまい、吐き出すことも慎重にならざるを得ません。
あかねこさん、バーバモジャさん、紺さん、ありがとうございます。
返信削除あかねこさんの娘さんのことに心を痛めています。
申し訳ありません、現在、予備校の春期講習中なので、3日にお返事します。
あかねこさん、こんにちは。komariといいます。
返信削除私自身の経験では、実体験をベースに頭の中で想像できないことは、理解できない、でした。
例えば、高校生物の「細胞」や「遺伝子」は、見たことがないので全く想像がつかず、覚えられない、問題が解けない(ちなみに、私は現在生物学の教員です)。さいころを100回も振ったことがないから、確率統計が分からない。
その前にさかのぼり、中学時代では、数学の「X」がなぜXであり、aやbではないのか分からないから次に進めない、速度や距離の感覚がない、物が溶けた様子が見えないから濃度が分からない。
一方、高校物理の力学は図に重力や摩擦力を書き込め視覚化できるから分かりやすいし、有機化学は得意でした。
対策として、とにかくいろいろと体験してみる!のがひとつかと思います。中学時代は、両親が手伝ってくれて、塩を測って溶かしてみたり、体重計に乗って引っ張ってみたり、電車の中でジャンプしたりすれ違う電車のスピードを体感したり。
今でも、知らないことは自分でやるようにしています。そうじゃないと想像ができないので。
もうひとつは、好きな分野を徹底的に解けるようにする。各教科の中に好きな部分があると思います。そこをまずは必ず解けるようにする。これは自信にも繋がると思います。
上にも書きましたように、苦手な確率統計はセンター試験では捨て、ほかの問題を絶対に解けるように集中してやりましたし、総合点で勝負しました。
単語はある程度諦める。ディスレクシアは大意をつかむのが得意なので、全体の内容をおおざっぱにつかむように、好きなストーリーの日本語や英語を読む訓練をする。好きなストーリーだと頭に入りますから、細かく単語が違っても、読み間違っても、大意がつかめると思います。私は、英単語を覚えるのは諦め、おおざっぱに(俯瞰的に)文章を読むようにしました。
とはいえ、今でもスペルミスが多いと注意されることしばしばですが(涙)
視覚化する。物理でもそうですが、数学でも例えば立体問題が分からない場合は、消しゴムや教室を立体に見立てるようにしていました。
最後に、好きな参考書を見つける!ここでアーレンシンドロームという言葉を教えてもらいましたが、読みやすい本、読みにくい本がありまして、私は本屋さんで何時間もかけて、好きな参考書や問題集を探してました。そうすると、理解もしやすかったのです。
もじこさん、横は入りで長々書いてしまい、すみません!
私も中学生までは相当両親のサポートがありましたが、自分に合った勉強の仕方が分かれば、あとは自力でやっていました。
komariさん
削除そうだった思い出した…!私も数学の説明文でやたらxやyが頻繁に使われていたので最初は「なにか意味があるから繰り返し使われているんだよね?」と予想しそうやって考えてました。結局、大した意味がないことは経験値が潤沢に積めた後に知るっていう…教科書に説明が一切ない気持ちが悪さと、自分だけの悩みと思い知られる事で苦しかった。
経験体験できると一番はやいです。
私はテレビのドキュメント・漫画などからの疑似体験も好んでやってました。昔から共働きだった親から勉強のフォローはほぼなかったのですが(私が親に見せたくなかったのもある)漫画はセリフで言葉の使われ方も見えるし、場面も一緒に絵で出るためとてもわかりやすいので、いい自主弁にもなってましたw
私にとって漫画って生活全般の教科書だったんで小学低学年ごろから読みまくったドラえもんが、私の基礎に思えます^^
温かい励ましや体験談をいただいて、とてもありがたく思っています。
返信削除本来は、本人が直接参加できればいいんですけどね。
娘の学校は、高校から高入生によって進学校化する学校です。相対的に勉強のレベルが上がっています。しかしながら、彼女のもっている基本的な特徴は、小学生時代から変わりありません。ふつうの小学校では問題にならなかったけれど漢字はあやしかったし、塾ではついていけず、親が音読でカバーしました。中学では、教科書を読んだ形跡がありませんでしたし、ノートもぐちゃぐちゃでした。英語塾にはついていけず話になりませんでしたが、なぜか中学2年生で英検3級には合格しました(リスニングはできました。面接はあやしい英語で切り抜けました)。公文(英数国のうち時期をずらしながら2科目ずつ)をさせましたが、小学4年生レベルからのスタートでした。学年相当までくるとペースダウンしてしまい1日1—2枚。進めば「難しくてわからない」、戻れば「繰り返しは面倒くさい、あきる」遅すぎることもあって繰り返しもままならず、身に付きませんでした。枚数を進める管理ばかりをするのは本質的でなくて親が疲れました。公文の先生には謝られてしまいました。
中3の終わり頃にいくつかの学習塾の先生とお会いして、数学や英語の試験の答案などをみていただき相談する機会がありました。「演習不足。基本的な知識はあるが、忘れていたり運用を知らない。」「たぶん国語ができない。問題文が3行以上ある問題を解くのはあきらめている。基本的なことは理解している」というような指摘をいただきました。しかし、わかっちゃいるけれど自分で演習を積み重ねる方法がないんです、というのが私の実感でした。
英語について:
bとdをよく間違える
be動詞と一般動詞をつなげて書いても平気。(➡今は間違えなくなった)
受動態が難しい(日本語で能動態⇄受動態も難しい。「れる・られる」で訳すなんて覚えられない)
時制が難しい。進行形、完了(過去)形(「歩いています」と「住んでいます」は進行形?。「学校に行った」「僕は学生だ」は過去?)
「遊びにいく前に宿題をやりなさい」を英訳する場合、「誰が遊びにいくの?」「誰の宿題?」と確認すると「私?」などと答える。
リスニングができなくなったのは、素材文が一般の会話でなくなってから。
関係代名詞や仮定法はなぜか訳せる(英作文では間違いが多い)
数学:
文字式のなにがxでaでbなのかわからなくなる。
計算は展開の式を全部長々と書くが、写し間違えるので最後までたどり着かない。9.8わる2でも筆算する。その割には、突然に式を端折る。
紺さんの例で「2つの変数 x, y について、x の値を定めると、それに対応する y の値がただ1つ定まるとき、y は x の関数である、というもの。」・・これは娘にもきっとわからない文章です。
だいぶ理解してこれならできるだろうと思ったテストでも、試験中に突然「自分ルール」ででたらめに解き始めて全問不正解になったりする。昨日は全部できたはずなのに、今日は3割しかできなかったりする。漢字を3回書くような宿題は疲れがひどく、1時間でようやく1回写しただけとか。それでも高校生になってから、好きな部活動や将来進みたい道がはっきりしたことでモチベーションがアップして、勉強に時間がかけられるようになりました。また、親が無駄なバトルをやめて、助けてくれる他人を探すこともあきらめて、目標をしぼったこともよかった。
粘り強いのか、怒られたことも忘れてしまうのか、いつまでもあきらめずについてくるのがすごい。「自分でできる方法をあみだそう」は目標でもあるので、komariさんの「あとは自力でやっていました」がまぶしくみえます。(そうなれるかな!)
散漫になってしまいました。どうぞお許しを。
ここでたくさんの貴重なお話を読むことができ、感謝しています!
返信削除高校は多くの子が受験をし、学校を選ぶことになるので(選択肢が少なかったとしても)、いろんな意味で様々な子が集う公立小中学校と大きく変わりますよね。
あかねこさんの娘さん、頑張りが周りに理解されにくくても、必ずいつか、その頑張れる姿勢や強さが、「将来、生きること」に反映されていくと思います。
公文はディスレクシアにあわないようですね。私の知っているディスレクシアの人も「あれは本当に辛かった」と言っていました。ディスレクシアは公文よりそろばんのほうがいいようです。
登場が完全に出遅れまして申し訳ありません(汗)
返信削除komariさん、紺さん、ディスレクシア感覚についてまたも教えて下さり、ありがとうございます。電車の中で飛びはねる実験に付き合う親ってすばらしいです。
昨日お会いした、お子さんが(も)ディスレクシアという方が、あかねこさんのお嬢さんに似ている感じでした。
中学までは耳から入る情報だけで学校のテストは十分にクリアでき、自習は不要で、そこそこの進学校に入ったが、高校に入ると各科目の情報量が増えるので耳からの勉強だけでは追いつかなくなったそうです。得意科目だけで受験できる大学を探して入った(がその後まったく別の分野の資格を取った)とのことでした。
その方が、訳読それもスラッシュリーディング(「私は/食べた/ケーキを/冷蔵庫の中の」)がディスレクシア的には効果があるらしいと言っていました。「教科書の和訳が効果的だった」というあかねこさんの話と重なると思いました。ついでに、コスモ君と読む時もスラッシュリーディング的な訳読が基本でした。
構文の知識がきちんと入ったら、そのあとは地道な基礎訓練(視写、音読)と、いざという時は俯瞰的に意味をとらえることの両輪を意識するといいのかも・・・と思います。
必ずしも小から大ではなく、わかる部分という外堀を埋めて、そこからわからない部分に攻め込んでいくイメージで(?!)
ご両親と勉強することに抵抗がないというのは、風通しの良い親子関係が築けている証拠だと思います!でも50時間も付き合うのは大変なことですよね。。。。なにとぞご自愛下さい。散漫ですみません…
お忙しいところ、娘のために親身に教えてくださってありがとうございます。
削除スラッシュリーディングは中3ぐらいのときにしばらくやってみましたが、そのときは構文と単語がまるっきり入っていなかったためか全然でした。今ならもう少しできるかもしれませんね。確かに当時も、「英語がわからないまでも、文章の内容のおもしろさが少し理解できる」読み方だという感触は持ちました。
単語については、漢字の道村式ではっとしたのですが、「occupiedはオーシーカップイーアイデーと覚えた。」ということで、覚えにくいのは自分なりに分割しているようです。それができるなら語源や接頭語・接尾語からまとめて覚える手も使えるでしょうか。また、ターゲット1200のアプリを最近気に入って使っています。「意味を選ぶ」のはいいようです。自分で作る単語帳とちがって文字もきれいですしね。
リスニングCDを聞き続けるとか、シャドウイングはだめでした・・・・ただ耳を通り抜けて音が流れているだけ。
キーワードや設問から大意を推測して、問題の前後の文章だけを訳して選択肢を考える、というのは、テストではもしかしたらいけるかもしれない。今まで、頭から全文読み通すことしか考えていなかったけれど、これは新しいアイデアでした。もしかしたら、これで英検を通ったのでしょうか。「勘が炸裂した」と言っていましたが・・
もじこさんの息子さんと同じ、小学生新聞のスクラップとコメント書きは小6の夏にやっていました。大好きな「犬の図鑑」の視写もしばらくやったっけな。中3では日経のコラム(の気に入ったもの)を天声人語ノートに写してみたり、「なたもだ」作文とか。どれも最初はすこしおもしろがるんだけれど、1−2週間で忙しくなって立ち消えてしまう。
そろばんはきょうだいがやっていましたから機会はあったんですが、残念ながら見向きもしませんでした。小学校の四則演算の中ではあまりハンディを感じることはなかったせいもあって、そこは親もスルーでした。
特に秀でた科目があったり、文章を書くことに長けていたり、頭の内部が論理的だったりすることによって、対処法も生き方もかわってくるのだなあと、みなさんのご経験を聞かせていただいて思いました。
こちらこそ、お越し下さりありがとうございます。
返信削除スラッシュリーディングは、非ディスレクシアの大学受験生には害にしかならないと思ってます。もともとは通訳が原稿のあるスピーチを訳すときに原文の区切りにスラッシュを入れておくのをヒントに開発された読解方法ですが、それくらい内容が理解できていないと正しいスラッシュを入れることは難しいです。理解力がそこまでない受験生がスラッシュを入れると、単純な文章ならともかく、大学受験レベルの文章場合は入れ子構造(節の中に節がある)や修飾方向がぐちゃぐちゃになってしまいます。
しかし!ディスレクシアの子は受験生レベルでも、文脈を利用して細部の理解を詰めるほど内容理解が十二分にある(「勘が炸裂した」とも言いますが)ので、スラッシュは有効、というかスラッシュ以上に緻密な構文解析を厳しく要求する必要はないようです(本人がやりたそうなら止めませんが、、)。
コスモ君はスラッシュを入れる時点で入れ子構造や係り方の方向は完璧に分かっていたようでした。
なお、ディスレクシア的スラッシュリーディングには、構文がひととおり理解出来ていることが大前提です。新高2だと、進学校でもまだこれからの分野のようにも思います。
単語を覚えるのは、ディスレクシアには本当に大変なようです。そんななか、語源、接頭語・接尾語、各種こじつけ(?!)、アプリを使った単語学習法は、すべて積極的に使うべきと思います。接頭語・接尾語は新高2ディスレクシアならけっこう細かいものまで教えても問題ない気がします(非ディスレクシアよりかなり早いです)。その手の情報がまとまっている本はいろいろあるので次の記事にまとめてみますね。
CDはだめだけど生声なら定着度が高いという意見も、ディスレクシアの人から聞いたことがあります。。
以下は非常に直観的な意見なのですが、当たっていなかったらご放念下さい。
occupiedは実はフォニックスとスペリングのルールを知っていれば、「cが重なり、uが名前読み。語末のyにedがつくと-iedになるのはルール通り」と思うような気がするのです。今からでもジョリーの基本42音をアプリで勉強すれば(Jolly Phonicsで検索すればiPhoneアプリが出てきます、500円くらいです)規則と例外を腑分けできるようになるので、単語を覚えやすくなる気がします。
ディスレクシア的受験英語では、bとdの区別(!!)、時制、あと前置詞が、最後まで鬼門のように思います。時制と前置詞は非ディスレクシアでもかなり苦労しますが、ディスレクシアだとちょっと間違え方が違うといいますか。どうしたらいいか私も目下考え中です・・・
以上、何か参考になれば^^