UDデジタル教科書体の生みの親、(株)モリサワの高田裕美さんに取材を受け、
このたび、フォント・スイッチ・プロジェクトのサイトに記事がアップされました→★
とても懐かしい取材でした……高田さんと私は長年の戦友なのです。
詳しくは記事を読んでいただくとして、
当ブログには、記事に書ききれなかったことを書いていきます。
今回は、付録であるダウンロード可能な教材について。
これが無料でいいの?!というハイクオリティなものに仕上がりました!!
(教材ダウンロードはこちら→★)
★ ★ ★
もじこ塾でもおなじみ「UDデジタル教科書体」。教材の日本語は、すべてこのフォントを使用しています。
そのアルファベット版である「UD Digikyo Latin」(UDデジキョウ・ラテン)が、少し前にリリースされました。
このフォントの良さを、少しでも多くの人に知ってもらうこと・・・
- フォントを変えることで、生徒の混乱や疲労感を減らすことができる。
- フォントを変えるだけで読みやすさがだいぶ変わる生徒も、なかにはいる。
が、記事の目的です。
そこで、微力ながらお役に立てるのならと、もじこ塾の代表的教材を、UD Digikyo Latinで提供することに。
教材無料ダウンロードの運びとなりました。
しかも!
単にフォントを変更しただけでなく、内容もパワーアップ!!
高田さんはフォントデザイナー界のトップランナーですが、フォニックスに関しては当たり前ですが専門外で。
そんな彼女の素朴な疑問は、学習者の疑問そのもの。
そのむちゃぶり(笑)に答えることで、いま一番ディスレクシア・フレンドリーなフォントによる、ディスレクシア・フレンドリーなフォニックス教材ができました!
たとえばこちら・・・
◆進化した点、その1:フォニックス表がUD Digikyo Latinで登場!
(このフォニックス表は、こちらからダウンロード可能です→★)
これまで公開していたフォニックス表をもとに、フォント面でいろいろ微調整しました。
加えて、いくつかの単語も見直しました。
単語選びはなかなか大変なんです。詳しくはその2で。
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改訂作業中・・・ |
◆進化した点、その2:フラッシュカード登場!
フラッシュカードはフォニックス指導の必須アイテム。
だのに、もじこ塾では、フォニックス表を拡大してプリントアウトし、文字ごとに切ってラミネートしたものをずっと使っていました(苦笑)。
今回、はじめてフラッシュカードを作りました!
とてもあたたかみのある雰囲気!
・・・しかし、大変なのははここから。
高田さんから
「裏面に単語を載せたい。できれば1つではなく複数」という要望が。きゃ~
この単語選びには、とて~も厳しい条件があることは、分かってました。
ディスレクシア的なフォニックスの教え方のルールに従うなら、既習の文字しか使えないのです。
「既習の文字だけから単語を構成する」は、ディスレクシアにフォニックスを教えるにあたり(本当は非ディスレクシアにと教えるにあたっても)、とても大切なこと。
段階的に教えるためにも、生徒の心をくじかないためにも、必要なことです。
そのうえ、日本で英語を学ぶ小5くらいから中学生に適した単語・・・
子供っぽくない、イメージしやすい、ネガティブでない、できれば知的関心にヒットする、という条件を満たす必要があります。
使える文字に制約があるなかでこの条件もとなると、これがなかなか難しいのです。
今回、既習の列に含まれる文字しか使えないというルールのもと、単語を選びました。
そうしてできたのがこちら!
これは親切!!
「satipncke」という字の読み方を教えたら、それらのカードに書かれている単語を読むことができます。 (topだけ間違えて入れてしまいましたが。。)
それ以外にも、単語の配列、音素の数や配列など、工夫がいっぱい。
もじこ塾でのフォニックス指導経験を惜しげなく詰め込みました。
生徒に読ませてみれば、その効果を実感できるはず・・・!
いま日本で流通しているフォニックス教材は、aに対してはapple、oに対してはorangeを使うのが定番です。検定教科書もそうなってます。
しかし、どちらもフォニックスワードではないので、ディスレクシア的には読めません・・・
その部分を改善したという点で、かな~りディスレクシア・フレンドリーです。
ぜひご活用いただきたい!
さらに!なんと!
フラッシュカードがアニメーションに!
近日中に、音声もつける予定です!
(このパワポは、こちらからダウンロードできます→
★)
◆進化した点、その3:ブレンディングの動画!
フォニックスは、「フォニックス表を覚えればおしまい」ではありません。
教えなければならないことは、他にもいくつかあります。
その一つが「ブレンディング」の指導と練習。
一つひとつの文字をつなげて読むことです。
この部分も、ディスレクシアには明示的に教える必要がありますし、
生徒によっては、ブレンディングができるようになるまで、相当の反復練習が必要です。
そんな「ブレンディング」とは何か。
今回、説明動画を作りました。
高田さんがアニメーションを作ってくれました。
そうそう、こういうことです!ありがとう~~
ブレンディングが何かわかったら、フォニックスビンゴで練習しましょう。
リンク先に5パターン用意。6人の教室でそのまま使えます。
使い方も、できるだけ書いてみました。
(印刷用のバージョンは、こちらからダウンロードできます→★)
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高田さん自ら、これらの教材の編集作業を、全部手がけてくれました。
プロのデザイナーの手にかかれるとは、なんとありがたいことでしょう。
こうして、これが無料でいいの?というハイクオリティなものができました!
・・・いいんです。もじこ塾の設立目的は社会変革だから( ̄ー ̄)。
UDフォントの存在、そしてフォニックスの重要性が、ひとりでも多くの英語を教える立場の人に、伝わることを願っています。
高田さんからは
「satipn~という配列には意味があるの?」といったツッコミもありました。
そうですよね。。satipnにはたしかに意味があります。このあたりのことは次回。
最後に・・・
フォント・スイッチ・プロジェクトの記事拡散のために、もじこ塾はついにツイッターを始めました!→★ よろしくお願いします!
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