私が書いている以上のことを教えて頂き、心から感謝しています。また、ディスレクシアの母が大変な努力と苦労をしていると知り、案じています。
ともにがんばりましょう!順次お返事してまいりますので、いましばらくお待ち頂ければ幸いです。
応援を頂いた浪人生君は今後「コスモ君」(仮名)と呼びます。
(お父様お母様、お許し下さい)
先日、こんな会話がありました・・・
彼:(英文を読みながら、集中力が切れそうになるのを必死で耐えている)
「燃えろ、俺の何か!」
私:「がんばれ!で、何が燃えるの?」
彼:「…コスモ」
☆ ☆ ☆
コスモ君とは現在、私が予備校で使っているプリントとS台のテキスト(の一部)を使い、主に構文確認を行っています。
これは3~6行の短い文を、SVOや係り方を厳密にとりながら精読することです。
構文をしっかりとって読むのは、予備校業界では伊藤和夫以来のメジャーな教え方ですが、高校ではオーラル重視になって以来、すたれつつあるようです。(特に最近の都立高校では、トップ校ほど多読主義の傾向があり、構文はまず教えていません)
しかし、構文がしっかり入ると、多読よりも短時間で英語力のしっかりした土台ができるので、日本で英語を学ぶなら絶対に避けて通れないはずなのですが。。。
コスモ君は当初、非常に基本的な構文知識もごまかしていました。
このこと自体は、ディスレクシアかどうかに関係なく、予備校に来るほとんどの受験生が最初はそうなので、驚きはありません。
驚いたのは5~6回教えてからです。
構文を教えたあと、普通の子は、それを新たな文章に適用する点に、一番苦労します。
特に悪いクセがついていると、構文の定着をはかるのは、なかなか難しかったりします。
しかし、コスモ君は、そこにはまったく苦労がなく、一度教えれば正確に運用できるのです(!)
彼が一番苦労しているのは、単語が覚えられないことです。
この部分は、普通の子ももちろん大変ですが、彼の苦労はその比ではありません。
思い起こせば、私が知る歴代のディスレクシアの大学受験生たちも全員、構文把握は人並み以上に正確にできました。
しかし、考えてみれば、これまたほぼ全員、異口同音に
「単語が覚えられないんですが、どうすればいいのでしょうか」
と相談してきました。
でる単の単語テスト50問だけで、30分以上かかった生徒もいました。
(当時はディスレクシアだと知らず。とにかく思い出すのに時間がかかっていました。
そして今、ブレンディングに苦労するうちの子の様子が、この生徒にそっくりです)
どうやら、ディスレクシアだと英単語を覚えるのに苦労するらしいとは、言えるようです。
受験英語において単語は「単語帳を自分で作るなり買うなりして自習してね」と、生徒の努力に任せている分野です。私も普通の授業では、よほど間違いやすい単語以外はあまり言及しません(時間がないから)。
ディスレクシアに英語を教える場合は、普通の子と違い、単語を覚える部分にこそ、サポートが必要なようです。
一方、普通の子が苦労する構文・文法方面については、普通の子よりも理解も定着も圧倒的に早いです。
それを裏付けるように、コスモ君の衝撃発言。
「えっ?僕が一番ましなのは構文ですよ?
単語を覚えるのががいやになると、文法問題に逃げてます(笑)」
「なんで構文がわかるかって?
××語(小学生のときに滞在していた外国の現地語、話者人口数千万人の非印欧語)がちょっとできるからかも?当時は市場で値切るくらいはできた。よく考えたら××語もSVOという形になってる。いま先生と話しててそうだと気づいたけど(笑)。××語はもちろん耳で覚えました」
このように、コスモの名にふさわしい、宇宙人のように独創的な子です(!)。
抜群の耳を持っている彼に、単語を入れる方法は、何かないでしょうか・・・?
dyslexia vocabulary buildingで検索して英語のサイトを読むと、ディスレクシアの子に(母語としての)英単語を教える方法として、以下が挙げられています:
1)文脈の中で覚える
2)接頭辞・接尾辞の知識を使って覚える
3)辞書やシソーラスを使い、語源や発音、語義などを説明する
4)辞書の、単語読み上げ機能を使う
5)同義語、反対語とセットで覚える
6)授業以外の場で、同じ単語に何度も触れる機会をつくる
(教室での会話に混ぜるなど)
6)以外はすべて、すでに日本の大学受験産業に導入されてますってば
ヽ(`д´;)ノ
受験英語をなめんなよ(笑)
何か、多感覚的な英単語記憶法はないものか・・・?
道村式漢字カードのように、普通とは別のアプローチで単語を覚えるような方法・・・
☆ ☆ ☆
残念ながら、まだ耳をうまく使った単語記憶法には、たどりついていません。誰か知っていたらぜひ教えて下さい!
いまコスモ君に試していることを、書いてみます。
1) 鉛筆は一切持たせない。
| 普通なら板書することを、直接ノートに書いてあげるイメージ。 書く負担を減らし、その分の労力を覚える方に回す |
普通の個別指導なら、教師は裏紙に書き、生徒はそれを写すと思いますが、コスモ君には指導中、1文字も書かせません。
普通なら板書をノートに書き写すところは、私が直接彼のノートに書き込んでます。
(ディスレクシアでも、こちらが書くのを見ててもらいながら説明を受けるのは有用です。ただ、一度説明に使った後の教師の字を、書き写すのが大変なのです)
また、前にも書きましたが、コスモ君は全訳を書くのではなく、自分の声で訳を録音しています。
ここに、ノートテイカーと録音機器を使うという、英米の大学にあるというディスレクシア対応が整いました!
授業のストレスは非常に減ったと思います。
次は単語の定着度をどう上げていくかです。
2) google画像検索で、単語の画像を見せる。
| structure |
3) 意味が似た単語、形が似た単語に、積極的に言及する。
existから、本人が言うままに、exit、distinguish、disappearに話を広げてみました。
ディスレクシアの人は、「(意味や形が)似た単語」ごとにグループ分けして、単語を覚えているように伺えます。
なので例えば、existを見てコスモ君が「exitは…」と言い出したので、積極的に脱線して、その解説をしました。そこからexistに似た意味?の単語としてdistinguish、同じdisがつく単語としてdisappearへと話が広がりました。
これでexist(とexit、distinguish、disappear)は(きっと)定着したのですが、脱線が多くて、こちらが「これくらい理解できているならこれくらい進むだろう」と当初想定しているほど進まないのが、悩みといえば悩みです。
それとも、これは脱線ではなく、構文確認のほうが脱線なのかも・・・
うちの子(小6)も、似た意味の単語をグループ分けして覚えています。
最近の間違い:
nestを見てegg、frogを見てpond、turtleを見てdinosaur、
wingを見てbirdと言い間違えました(笑)
特筆すべきは、frogを見てflogとか、fragとか、「fなんとか…」とは、決して言わないことです。
コトバの最小単位が音韻(fとかrとか)ではなくて、「frog」という音のかたまり、さらに言うと、「池のもろもろ」らしいです。
これをお読みの、ディスレクシアで英語を使っている方、「自分はこうやって英単語を覚えた」というのがあったら、ぜひ教えて下さい!!
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