ディスレクシア専用英語塾「もじこ塾」のブログです。 ●ディスレクシアとは:知能は普通だが、読み書きが苦手(読み間違いが多い、読むのが遅い、書き間違いが多い、読むと疲れやすい)という脳の特性 ●全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力に長ける ●読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい ●適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される ●10人に1人程度いるというのが通説 ●家族性とされるが、ディスレクシアの表れ方は個人差が大きい もじこ塾は、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要、という立場です。

2021-02-12

NHKに1分ほど出演します(手話のスタバともじこ塾の共通点について)

ひょんなことから、もじこと生徒1名が、1分ほどNHKに出演します。

NHK総合 
目撃!にっぽん「日本一静かで 笑顔あふれるカフェ」→
NHKオンデマンド→
youtube→

もじこは常連客として、中3の生徒と一緒に、1分ほど登場します。

私はともかく、生徒のコメントはディスレクシア的な洞察力に富む素晴らしいものですし、
このカフェは日々啓示をくれる、私のパワースポット(笑)。

日曜の早朝、万が一起きていましたら、よろしければご覧ください。


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昨年夏、緊急事態宣言が明けてほどなく、

最寄り駅の改札前に、見慣れない看板のスタバができました・・・


starbucksのアルファベットを1文字ずつ、指文字で表現
(手話の人たちには、フォニックスは無縁なんですね)


ここは、スタッフのほぼ全員がろう者のスタバです。


外国語大好き(笑)な私は、手話という外国語に接するのが楽しくて、

新宿に出勤する日は必ず立ち寄るようになりました。


年末、ここにNHKの取材が入り,もじこは常連客のひとりとして声をかけられました。

開店当時の報道→への反響が大きかったのだそうです。(リンクを直しました。音声が出ます)

そのときは、

「ここは本当に特別なスタバですよ!

店員さんとお客さんがちょっとずつ歩み寄っている雰囲気がすばらしいのです」

と語りました。

その後、縁あって、生徒と一緒に取材をを受け,このスタバの魅力について,ディスレクシア的見地から語りました。

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番組では、このスタバのすばらしさが存分に示されることと思います。

ここには、手話のスタバがもじこ塾に教えてくれることについて、書いておきます。

手話のスタバともじこ塾には、共通点があるのです:

I am Deaf.の訳は「私は耳が聞こえません」

スタバはろう者のスタッフ、もじこ塾はディスレクシアの生徒という違いこそありますが、

両者とも「言語的少数者を集めた場」、

いわば言語的少数派が多数を占める"逆転した場"なのです。


"逆転した場"では何が起きるか。

取材を受けた日に、先方から聞いた話では、

スタッフ全員が手話という環境で働くことは、本人たちに大きな自信を与える。

その自信を胸に、また全国に散っていく・・・のだそうです。

この言葉はまさに啓示。私がなんとなく考えていたもじこ塾の方向性を、はっきりと言葉にしてもらえた気がしました。


ディスレクシアの生徒が集まり交流することは、生徒にとって大きな自信と気づきを与えます。

その自信を胸に、時が来たらここを卒業し、非ディスレクシアな社会にまた合流していく。

たとえ戻ることはなくても、ここで得た気づきが、非ディスレクシア社会での進み方を支えてくれる。

・・・もじこ塾は、ディスレクシアの生徒たちにとって、そういう塾であるべきと知りました。

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ろうとディスレクシアにはもちろん、違いもたくさんあります。

例えば、ディスレクシアには手話のような、ディスレクシア専用の共通言語がありません。日本のディスレクシアにとっての母語は、一般の(?)日本語なのです。

それもあってか、ディスレクシアの人は、ディスレクシアだけで結束したり団結したりする傾向がほとんどありませんし、一生ディスレクシアの輪のなかだけで生きていきたいと考えている人は、まずいない気がします。

そんな、団結する傾向が弱い人たちのためであっても、"逆転した場"を作ることには意義がきっとある。

本人たちにとっても、"逆転した場"に接する非・ディスレクシアにとっても。


・・・手話のスタバに行くと、そんなメッセージを毎日受け取れるのです。

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今回調べてみて、手話には「使うと恥ずかしい、言語未満のもの」とされた長い歴史があると知りました。

手話の熟達よりも、残されたわずかな聴力をのばす訓練が重視された。そんな時期も長かったと言います。

そうと知ると、店内のこんなボードにも、日々感動してしまうのです・・・


「私たちの第一言語は手話です!」

「日本手話は言語です」と宣言した「ろう文化宣言」が発表されたのは1996年。

それから25年、「私たちの第一言語は手話です!」と明るくさらっと書く大手コーヒーチェーン店が登場するほどになりました。

社会変革って可能なんだなと感じます(T T)

たった一杯のコーヒーで毎日,そこまで背中を押してくれる・・・ここがパワースポットであるゆえんです(笑)。

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番組では,ショウガイと呼ばれるもののポジティブなあり方が,存分に体現されると思います。

ディスレクシアをなんと呼ぶかについても,先方と議論がありました。それについては放送後に・・・

2021-02-06

4周年のごあいさつ

 もじこ塾の南新宿の教室は、4周年を迎えました。

以下、あまりにごぶさたですので、仕切り直しのごあいさつです:

昨年の今頃、まさかここまで世界が一変するとは、誰が想像したでしょう…

もじこ塾はこの1年、ずっと教室での授業を続けてきました。

塾というのは、生徒が「授業を受けに来ました」というオーラを出すことで塾になることを実感する日々でした。 

生徒が減った時期は、教材作りを充実させようと決めて、中学生用教材の作問を頑張りました!(こちらで公開中→)

それ以外にもいくつか、原稿を頑張りました…もうすぐ発表できる予定です。

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この一年は毎日、作問→授業→拭き掃除→メール対応と予定調整、であっという間に日付が変わりました。

それで、ここまで到達することができませんでした。

教職の人はみんなそうだと思いますが、仕事量の増加は半端ないです。


そんな大人を尻目に、生徒ははるかにたくましいです。

デジタルネイティブな生徒が三人寄れば、学校側をだまくらかすなんて朝飯前(笑)

「聞くだけの授業は、全部オンラインでいい」と言っています。

ASD的な生徒には、存在感を消せるオンライン授業はありがたいようですし、手書きの課題提出が減ったのは書字困難の生徒にとって降ってわいた幸運でした。

そして入試は、ふたをあければコロナの影響は驚くほどなく、粛々と進んでいます。


話を戻して、読字訓練はと言えば、

生徒が出す微妙な気配を読みながら、コンマ数秒のタイミングでヒントを出していくので、オンライン授業は今はもじこ塾の仕事ではないかなと思っています。


その代わりと言いますか・・・

合格体験記も集まってきていますし、ディスレクシア的入試のノウハウもだいぶ蓄積しています。

コロナは当面続きそうですので、今年はこうした原稿を順次公開していきます(宣言!!)

隔週・・・いや月1~2回は情報発信していきます!!

プロのライターの手を借りることにしました。近日中に第一回を掲載予定です!

今までこのブログでも書いてこなかった、野心的な内容になる予定です!

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もじこ塾は、昨年2月末、向かいにもう一つ部屋を借りて、2部屋体制になりました。


契約したその日に学校の休校措置が発令されて、どうなることかと思いました…いったい家賃を払いきれるのかと。

そこは楽ではないのですが、密を避けられる机配置ができるので、コロナ的には正解でした。

それに、生徒が居残ってずっとしゃべっていたり、自習室に使う生徒がいたり、助手の個別指導が増えたり※。

(※日本語の読み訓練や、数学を行っています。)

教室が増えることで、生徒同士や先輩と後輩の交流が増えていくのは、本当にうれしいこと。もじこ塾を作ってよかったと思う瞬間てす。

場を共有することで得られる力は、とても大きいです。


感染防止のためにできる限りのことをしながら、もじこ塾は対面授業を続けていきます。

もっと発信もします!乞うご期待!