ディスレクシア専用英語塾「もじこ塾」のブログです。 ●ディスレクシアとは:知能は普通だが、読み書きが苦手(読み間違いが多い、読むのが遅い、書き間違いが多い、読むと疲れやすい)という脳の特性 ●全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力に長ける ●読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい ●適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される ●10人に1人程度いるというのが通説 ●家族性とされるが、ディスレクシアの表れ方は個人差が大きい もじこ塾は、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要、という立場です。

2016-07-18

明日から、もじこ塾16夏期講習が始まります。

たくさんのお申し込みを頂き、ありがとうございます。
明日から4週間にわたり、もじこ塾は夏期講習を行います。
みなさまにお会いできるのを、楽しみにしています。

今回、もじこ塾をはじめて知る方が多いので、
この場を借りて、もじこ塾のこれまでについて少しお伝えします。
あわせて、今年の3月以降の記事を、お読み頂けると幸いです。

☆  ☆  ☆

「もじこ塾」は、塾と名乗ってこそいますが、
実態はひとりの講師がこの春に始めた、本当に小さな個別指導企画です。
対象は、読み書きが苦手な子だけに限らせて頂いています。
現在、中1~浪人生が定期的に通っています。

講師であるもじこは、4年前に字が苦手な子への指導実践を始め、
その様子をこのブログに書いてきました。
もじこの主たる職業は、英語の実務翻訳者で(今もです)、
予備校の難関国立大クラスでも教えています(そこでの夏期講習もあります)。

当ブログは、近くは近所から、遠くは文字通り北海道から沖縄まで、
さらには海外からも、当事者・教師・親によるコメントやメールが届き、
それらを取り入れる形で指導実践を深めてきた、不思議な場所です。

これまで、多くの方が、さまざまなコメントを下さりました。
また、もじこ塾を名乗る前の生徒さんからは、本当に多くを学びました。
4年目になり、それなりの授業料を頂いて指導できるところまでまいりました。
いろいろ教えて下さった皆様、本当にありがとうございます。

授業料を頂くというのは、生徒に対しそれだけのコミットメントをする
(ぴったり来る日本語がないですが、あえて言えば"生徒に入れ込む")
ことだと思っています。

英語の読み書きが超絶に苦手なディスレクシアの子は、全生徒の1割とされ、
少し苦手な子も含めると、全生徒の3割はディスレクシアと言われます。
21世紀に入るまで、そのような子がいることさえ、
日本ではほとんど知られていませんでした。
ですので、日本語を母語とするディスレクシアの子への英語の指導方法は
今も、ほとんど何もわかっていないそうです。

いや、そうでもないのです、これが( ̄ー ̄)。
そういう生徒たちに、いま分かっている指導法をすべて使って、
学習の道筋を示したいというのが、もじこ塾の目的のひとつです。

もちろん、魔法のように簡単に読めるようになるわけではありませんが、
アプローチを変えると、それまで全く意味不明だった英語が
だいぶ分かり、そして、少しずつ読めるようになります。
(書けるようになるのは、さらに先になります・・・)
そのことを体感してもらいたいです。

~ ~ ~

春期講習のときに感じたこと。それは
もじこ塾にいらっしゃる中学生の親御さんは、非常に熱心な方ばかりで、
それは大変結構なことだと思うのですが、
子供に与える刺激のすべてをコントロールしようとする親、
また、色々お膳立てしすぎる親も少なくないようで・・・・
そのことで、自分で行動を起こす気がなくなり、
根腐れを起こしているお子さんがけっこういる、ということです。

学年が進むにつれ、親が諦めて(?)支配することをやめると、
生活万事への意欲が出始めるお子さんが多いのです。

親の熱意がなければ、もじこ塾を知ることもないのは、承知していますが
お子さんの力を信じ、任せることも、本当に大切なことです。
ディスレクシアの子のことを、待つ度量が必要です。

お子さんの力を信じて待つこと。
もじこ塾は、そのお手伝いができたらと思っています。
そして、4日間だけですが、英語については一緒に一歩ずつ進んでいきます。
その後のいろんなことへの、助走になれればと思っています。

~ ~ ~

ディスレクシアが重度なほど、あるいは発達凹凸が激しいほど、
普通とは違う、枠におさまらない、強烈な得意を持っています。
それらに気づき、指摘してあげることも、
もじこ塾の重要な役目だと思っています。

実はわたくしも相当、発達凹凸が激しいものでして・・・
そんななか、つい最近気付いてしまったのですが、
私の得意は、「この子はこう言ってもらいたいんだ」ということが見えてしまう点にあるらしいです。
人には108の面があると勝手に思ってるんですが、英語教師である私に見えるのはそのうちの1面だけ、でも、その面にぴたっと照準を合わせれば、その子の心の相当深くまで見えてしまう、、そんなイメージです。
実際、私の個別指導は、人生相談大会になりがちです。学生チューターの頃からずっとそうでした。
おそらく夏期講習も、特に高校生に対しては、そうなると思います。

~ ~ ~

もじこ塾はディスレクシア英語塾ですが、
本人から言ってこない限り、生徒との会話で
「ディスレクシア」という言葉を使うことは、まずありません。
言ってほしそうな流れになった場合は、
「××君タイプの人は~」という言い方をすることが多いです。

高校生以上だと、字の苦手をめぐる"あるある話"で盛り上がることが多いです。

「スペルミスが多いと大変だよね、ほんと良く頑張ってるよね」とだけ言って、あとは普通に質問受けして終わりということもけっこうあります(予備校では主にこうしています。これだけでも男子高校生が涙目になってますが^^)。

英語を読み訳すことを通じて、愛と信頼を教えたい、
英語を書き話すことを通じて、自己解放を教えたいと、
つねづね思っています。

なんのこっちゃという感じですね、、
でも、なかなか言う機会がないので、書いておきます。

~ ~ ~

時間の許す限り、夏期講習での気づきを報告していく予定です。

もじこ塾夏期講習に申し込んで下さった方、当ブログに来て下さる方、
いろいろ教えて下さった方、会場の提供元、
そして生徒のみんなに感謝します。
ありがとうございます。