ディスレクシア専用英語塾「もじこ塾」のブログです。 ●ディスレクシアとは:知能は普通だが、読み書きが苦手(読み間違いが多い、読むのが遅い、書き間違いが多い、読むと疲れやすい)という脳の特性 ●全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力に長ける ●読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい ●適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される ●10人に1人程度いるというのが通説 ●家族性とされるが、ディスレクシアの表れ方は個人差が大きい もじこ塾は、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要、という立場です。

2017-08-12

もじこ塾だより(2)「骨導ヘッドホン」、by笠野紺さん



骨導ヘッドホンは、ほんとうに不思議です。
私もこれをつけて、ときどき音読をしますが、私の場合はADHDならではのわちゃわちゃが減る、具体的には「自分の話し言葉をゆったりと受け止められるようになる」という効果がありました。
沈黙や間が怖くなくなりましたし、長母音をちゃんと伸ばせるようになったし、だいぶ早口がおさまったと思います(笑)。

たぶん、前より少しはわかりやすい話し方になったと思います。
生徒の反応も以前とは変わってきました。集団授業でも、対話しながら進めることができるようになりました。

ここまで書いて、紺さんと同じことを、別の角度から言っていることに気付きました!
おそるべし。



この骨導ヘッドホン、気持ち悪いと言う生徒には無理強いしないのですが、
装着した生徒については・・・

・声がやたら大きい生徒につけると、穏やかで普通の大きさになる
・ものすごく小さい声で話す生徒につけると、声にハリが出る
・構音に困難のある生徒につけると、前よりしっかり発音できるようになる
・これを付けて音読すると、記憶の定着が進む

・・・という効果がみられます。

特に、正しく発音し分けられることは、正しく読めて書けるための前提なので
そこに働きかけることのできる骨導ヘッドホン、効果はかなり期待できると思っています。

骨導ヘッドホン(正式名称:プロナウンス)について、詳しくはこちら:
トマティスリスニングセンター東京→

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紺さんには、もじこ塾の集団指導の部の、助手に入ってもらっています。
主に雑務をお願いしてますが、補助教員としての力もなかなかのもの。
フォローが必要な子の横にさりげなくついて、なだめたり切り返したり。
ディスレクシアの子の気持ちが、よ~くわかるのでしょう。


またこんな役割も・・・
紺さんは本当に音韻認識が弱いらしく、ぱっと言われたことがよく聞き取れないらしいのです。
「タイマー止めて!」と私が言ったとき、「はい」と言ったのですが、目の前にタイマーがあったのに、止めなかったことがありました。数秒後に、となりの生徒がさりげなく止めました。
あるいは、フォニックスビンゴで、読み上げられた単語がなかなか見つからず、やはり隣の生徒が「ここだよ」と教えることも何回かありました。

そんな紺さんの様子が、中学生ディスレクシアにとって、どれほど励ましと安心につながっていることか、はかり知れません。

いつからでも、その気になれば、人は変われるし、
何歳からだって勉強していいんですよね。(T T)
そんなメッセージを、生徒は紺さんから受け取っていると思います。