ディスレクシア専用英語塾「もじこ塾」のブログです。 ●ディスレクシアとは:知能は普通だが、読み書きが苦手(読み間違いが多い、読むのが遅い、書き間違いが多い、読むと疲れやすい)という脳の特性 ●全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力に長ける ●読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい ●適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される ●10人に1人程度いるというのが通説 ●家族性とされるが、ディスレクシアの表れ方は個人差が大きい もじこ塾は、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要、という立場です。

2023-02-03

もじこ塾は6周年を迎えました!

祝・6周年!



中高生対象の塾にとって6周年というのは、特別な区切りの数字です。

中1の最初から来ている生徒が大学を受験するまでの期間が、ちょうど(?)6年なのです。

実際、今年のもじこ塾には、中1の最初から通い続けて、いま大学受験に臨んでいる生徒たちがいます。

当人たちは入試の真っ最中につき、6年間を振り返る心境では全然ないのですが、私は勝手に感無量(泣)。

中1の最初の頃、あんなに読めなかった生徒は、こういう過程を経て、大学入試を戦うところまで来るのですね!(注:個人差があります)

当人たちには笑われそうですが、この教室で、ディスレクシアの生徒たちと受験シーズンを迎えられることを、幸せに思います。

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もじこ塾の大学受験生たちは、先輩である助手たちとともに、コミュニティを形成しています。

生徒たちは、何気ない話をしたり、教材を融通し合ったり、漢字の間違いや計算ミスを笑い飛ばしたり・・・困難は一人ひとり違い、志望校も上から下までいるのですが、いい距離感でお互いを気にかけています。

心を病んでいる生徒もいます。そういう仲間にも、生徒たちはほんとに優しい。ディスレクシアな生徒たちのつかず離れずな距離の取り方には、いつも驚かされます。

何より・・・読み能力というものは、地頭とも人格とも無関係であること、

そして、努力は結果に必ずしも直結しないけれども、努力しなければ結果は決して来ないことを、誰よりもよくわかっています。

本当によくできた生徒たちです。

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6年を経て、6学年分の層もできつつあります。

まず何より、助手の層が厚くなりました。彼ら彼女らの存在は後輩たちにとって、何よりも励みになっています。

一部は配慮入試のパイオニアでもあります。おかげで、もじこ塾には合理的配慮入試のノウハウも蓄積してきました。入試が一段落したら披露したいです。

ディスレクシア関連研究に関心のある方や、教員志望などの学生からのアプローチも増えてきました。「こういうことに関心を持つ人がいるんだ」という気づきは、生徒たちの自己理解に良い影響を与えます。

助手は進路相談にも乗ります。「ディスレクシア的に授業についていけるか(むしろいける)」など、ほかでは得られないアドバイスが飛び交っています。

そして、高校生と中学生…たとえば大学受験生と中1が話をすることで、大学受験生も中1も、お互いに励まされたり気づきを得たりしています。

このコミュニティこそが、もじこ塾の最大の財産です。

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この教室にいると、ディスレクシアは悪いものでない気がしてきます(これまた生徒には笑われそうですが)。苦労が多いことは事実ですが、その分生徒たちは、思いやりと洞察力のある若者に育ちます。

もじこ塾はこの空間を7年目も、大切に育てていきます。

もちろん、ディスレクシア英語研究もますます続けていきます!発信も授業の合間にですが、頑張ります。

新学期に、新しい生徒さんと出会えるのを、楽しみにしています。