on dyslexia

ディスレクシアとは:

- 知能は普通だが、読み書きが苦手(読み間違いが多い、読むのが遅い、書き間違いが多い)。
-勉強しているにもかかわらず、読み書きがなかなかできない状態を指す。知的障害ではなく、普通~ギフテッドのあらゆるIQにみられる。
-独創的で、対人能力が高い。
全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力に長ける。
- 音と文字の脳内での結びつきが弱いことから起こるらしい
- 読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい。その理由は、英語のほうが日本語よりも"音の粒"が小さいから
- 細かい聞き間違いがみられるが、音声情報の処理能力は高い場合が多い
- エピソード記憶が得意。固有名詞などの細かい丸暗記は苦手
- 適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される
- 10人に1人程度いるというのが通説
- 家族性であり、遺伝による。ただしディスレクシアの表れ方は個人差が大きい

当ブログは、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能である、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要--という立場です。

2017年、当ブログで分かったことをもとに、東京・新宿にディスレクシア英語塾「もじこ塾」を開設。以来、このブログももじこ塾の話題が中心になっています。

2019-05-05

ディスレクシアのチェックテスト・もじこ塾ver.

生徒と相談しながら、ディスレクシアのチェックテストを作りました。
ちなみに、もじこ塾の全生徒の平均点は・・・(末尾に)

このチェックテストは、診断に代わるものではありませんし、
もじこ塾はこのチェックテストに伴って発生したいかなることにも責任を負いません。
気軽にお試しいただければ幸いです。


 

このチェックテストは、IDAによるチェックテストをもとに、
2ヶ月近くかけて、数十人の生徒に回答とフィードバックをお願いしながら、
問いの表現や順番を練り上げて作成したものです。


もじこ塾の塾生の平均点は約10点で、満点も数人います。
生徒のフィードバックより:

~~~以下は、チェックテスト終了後にお読み下さい~~~

2019-03-13

筑駒で授業してきました!


筑駒でディスレクシアについて語ってきました!

筑駒,こと筑波大学附属駒場高校。


依頼内容は「障害学の選択授業で話をしてほしい」というものでした。
こんな私でいいんでしょうか。しかし,頼まれればホイホイと出かけてしまうもじこです。喜んで出かけていきました。

日本のトップレベルの若き知性に、ディスレクシアの何を知ってもらいたいか、、、
悩んだ末にたどりついたのが、
「生徒の1割はディスレクシアのはず。たとえ筑駒であっても。」

「ディスレクシアという障害について知ってください」
という悲壮感(?)あふれるスタンスではなく、
「『もしかして自分も』と思ってもらえたら」
というスタンスで行くことにしました。

そこで、ディスレクシアについて最低限の説明をしたあとは、ハリボーチャレンジをしてもらいました(!)。
すると、出席していた生徒にも、読字に困難があると名乗り出る人が数名いました(!!)

右は普通の文,
左は字を入れ替えたり,反転させたりしてあります。
大半の生徒は「無理~」と言ってましたが,
「どっちでも大して変わらない」と言った生徒も…
「どのみち単語がもやもやしているから」
(→ディスレクシア)
1文目でfood wasteと見えた瞬間に,内容を全力で推測してしまう。
当たれば意味はわかるが,外せばさっぱり」
(→ディスレクシア)
「正しい単語は簡単に推測できる,でも意味が頭に入ってこない」
(→ハイパーレクシア)


「読み間違い、書き間違いが多い。基本的に、字が汚い人が多いです」と言った時点で「俺だろ/お前だろw」という声があちこちで上がり、
ディスレクシアのチェックテストを見てもらうと、何人かの生徒が
「自分、これにすごく当てはまってしまうんですけど?」
と言い出し・・・

ハリボーチャレンジを「無理です」と言う生徒が数名
音韻操作ができないのは,英米ではディスレクシアの典型症状とされます。

☆  ☆  ☆

筑駒の生徒たちは根っからの学問好きで、肩肘張ったところがまったくなく、ディスレクシアに対する偏見もなく、こちらの話によく反応してくれました。
ディスレクシアの可能性があると分かった数名の生徒たちとも、短い時間でしたが、お互い真摯に話ができたと思います。

#別のことをしながらこちらの話を聞く生徒が多く()、「ギフテッドは退屈すると多動風の症状が出る」を地で行っていました。2つのことを同時並行するくらいでちょうど落ち着くのでしょう。それでも、質問は非常に当を得ていました()


「ディスレクシアであれ、他の特性であれ、自分の特性を理解するのは、とても大事なこと。
そうすることで,他人が勧める勉強法に踊らされることもなくなるし,変な悩み方や回り道をしなくてすみます。
ましてディスレクシアは、なくなるものではなく、一生それとともに生きていくもの。
ちゃんと受け止めると、いいことがいっぱいあります」
と話しました。

「ともにいきる」という名前の授業でしたが、それは「自分の中にある〈障害〉とともに生きる」ということかもしれません。


    

先生方とも少し話ができました。

「本人に、たとえばクラス全体の前で大々的にカミングアウトさせる必要はないと思います。

それよりも,先生方の間で生徒の特性に関する情報を共有すること、
そして,特性ゆえにできないことを、糾弾したりバカにしたりしないこと。

それだけで、その生徒への声かけから変わってくるはずですし、
生徒にとっては、だいぶ違います」

とお話ししました。

  

お呼び下さった先生には、この場をお借りして御礼申し上げます。
貴重な機会を下さり、ありがとうございました。

もじこは,ディスレクシアの話ができるのであれば,時間の許す限り出かけていきます。
今回はもじこ塾からタクシーで15分の場所でしたが,授業と重ならず,交通費さえ出して頂ければどこへでもまいりましょう。ご用命下さい!


2019-01-02

2018年を振り返って

あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。


もじこ塾は、南新宿に教室を構えてから、もうすぐ満二年を迎えます。
もじこともじこ塾の2018年を振り返ります:

◆1月
センター試験。
生徒のうち数人が、合理的配慮を受けて受験に臨みました。
合格体験記は大きな反響を呼びました。合格体験記を書いてくれた生徒たち    は、いまやもじこ塾に助言をくれたり、さらには助手となって活躍しています。

◆4月
授業日誌のブログを開設→
助手がたくさん書いてくれています。いつもありがとう~

改めてまとめて読み返すと、日々ディスレクシア的な気づきがあり、なかなか読み応えがあるじゃありませんか(自画自賛)。
もじこ以外の書き手はもちろん、登場人物はほぼ全員ディスレクシアです。こんな場はなかなかないですよね、みんなパイオニアです。

反響が特に大きかった記事:
  (アクセス数1位。朝日新聞の記者さんにお渡ししたメモです)
  (アクセス数3位。教師の目の前で音読訓練をする必要性について)
  (アクセス数5位。助手2名が、自分の中学時代のバトルについて書いてくれました)
  (答案をパソコンで入力する合理的配慮、合理的配慮のオペレーションの大変さ)


◆6月
16日、朝日新聞東京版に、もじこ塾が紹介されました→

記者さんは、とても誠実な若い方で、限られた紙面のなかで、こちらの言いたいことを最大限汲んでくださいました。

実は、掲載直後の反応は、身構えていたほどは全然ありませんでした。
新聞の反響はむしろ、じわじわと細く長く続くようです。ネット上に記事が残ることと関係があるかもしれません。
ディスレクシアを知らない知り合いから「新聞記事見ましたよ」と言われることが今も続いていて、改めて新聞のもつ拡散力とはどういうものかを知りました。
新聞は、ディスレクシアを知らない人に、まずはそういう人がいることを知ってもらうという「啓発」の部分では、非常に大きな力を持っているようです。

~~~

また、この前日となる6月15日、アメリカのディスレクシア教育界のレジェンド、ダイアナ・ハンバリー・キング女史が永眠されました。
一昨年のIDAでは、ディスレクシア教育ひとすじ60年の経験が語られ、会場は感動の嵐でした。会場全員で90歳のハッピー・バースデーを歌いましたが、その半年後の訃報となりました。

もじこ塾で使っている筆記体練習本も、女史の手によるものです。
「Thank you so much!! My students love this book too (この本は日本のディスレクシアの生徒にも効果絶大です!)」と直接伝えたかった・・・



決して忘れないこと……目の前の生徒は、これまで失敗と失望のくり返しだったことを。“本気を出してない” “頭が悪い” “ケアレス”と言われたり、教師からバカにされたり、叱られたり、クラスでいじめにあったり…
あるいは,親切で理解があり,善意で接してくれる教師でも,読めるようにする方法は知らなかったかもしれない。
なのでその生徒は、「読めないのは自分が悪い」と思ってきた。
不思議なのは,それでもその生徒が,読みたい気持ちを失っていないこと,そして,あなたを信頼して「教えてほしい」と思っていること。
生徒には敬意をもって接しなさい。 
できるだけ早く、でも必要なだけ時間をかけて。
正しくやれば、ひとの人生を変えるという、栄誉が与えられます。
(Never Too Late! より翻訳)

「正しくやれば生徒の人生が変わる」、ディスレクシア教育はそのくらいインパクトがある・・・という言葉は、私の座右の銘になりました(T T)
と同時に、「正しくやる」とはどういうことか・・・試行錯誤中です。


◆9月
夏に書いた英作文の問題集が、発刊されました→
学校採用(高校を通じてしか買えない)、一般の書店では売っていません。

実はこの1年で4冊、このような問題集を書きました。
1年半くらい本当に1日も休みがなかったので、今頃になって少し疲れが出ています…
いろんなことが後手に回り、連絡が滞ったこと、申し訳ありません。

今年は各方面に失礼がないよう、連絡や返信をきちんとして、締切を守りたいです。


◆10月
1日、東京都で、合理的配慮を義務化する条例が制定されました→
つまり私立学校も、合理的配慮が義務になったのです。

もじこ塾には、合理的配慮を受けてこれから一般入試に臨む大学受験生がいます。
数年前と比べれば私立大学の対応はずいぶん親切になりました。ありがたいことです。
合理的配慮を申請しながら入試に挑む生徒たちは、本当にこの業界のパイオニアで、尊敬に値します。

もじこ塾にも合理的配慮のノウハウがかなり蓄積してきました。
合否がからむ問題のため、リアルタイムで紹介するのが難しいのですが、今の時点では・・・

「合理的配慮は実のところ、受験者本人の人格と、親の度量が問われている」
「"法律で義務化されたのだから、うちの子に[私に]合理的配慮を!!"と迫る戦闘員のようなスタイルは、まず成功しない」

・・・くらいのことは言えます。

欧米で生まれた「配慮」という概念を、社会的背景がまったく違う日本に導入することの難しさについて、普通の人でももっとわかるように議論を整理する必要があります。そんなことにも今年は挑戦してみたいです。


~~~

10月末には、アメリカのディスレクシア学会、IDAに今年も行ってきました!
今年の最大の収穫は、音韻認識を教える教材に出会ったこと。
「ハリボーチャレンジ」と呼んで、日々試行錯誤中。すでにIDAから持ち帰った形から、だいぶ進化しました。
この教材を完成させたいです。そうすれば、ディスレクシア的困難がだいぶ克服できるはず・・・







ハリボーチャレンジについて詳しくは:

181031 新宿水曜②クラス(ハリボーチャレンジその1)
助手のピノコが、音韻・音節・抑揚について書いてくれました。

181106 りちょぱさん(ハリボーチャレンジの感想)
圧倒的に視覚優位のりちょぱさんが、ハリボーチャレンジの難しさについて書いてくれました。

181124 番外編:定型の高3にハリボーチャレンジ
もじこが出講する予備校で、ディスレクシアでない生徒にハリボーチャレンジを行ったときの様子です。

ハリボーチャレンジの方法を、勉強会で実演します。
ご興味のある方はぜひお越し下さい
中1ショック対策、保護者向け講習会


◆11月
もじこ塾の卒業生が、ふたたび朝日新聞の取材に応じました→
大学入試センターは受験者にヒアリングを行ってほしい、後に続く受験生たちによりよい合理的配慮を提供するために…というのは、合理的配慮を受けた生徒たち共通の願いです。


~~~
もじこ塾はいま、高校受験と大学受験の直前期です。ラストスパート頑張りましょう!

2020年の学習指導要領改定によって、小学校で英語が必修化されると、このブログにも「英語 スペル 覚えられない」などで検索してくる人が大量発生すると予想されます。
予言しておきます・・・小学校で英語が必修化されたら、従来の方法ではまったく英語が覚えられない層が1~2割は出てくるはず。無用な苦しみを生徒に与えないよう、啓発が必要です。
小学校英語は(中学校も)、チャンツやハイテンションな会話だけでなく、フォニックス、音韻認識、純粋書字練習も必要です。

そして、いずれは中学受験にも英語が入ってくることでしょう。
中学受験界は学校よりも締め付けがはるかに厳しいので、子供がスペルを全く覚えられないことを悲観した親が、思いつめて傷害事件などを起こさないか、本当に心配です・・・
ディスレクシアには違うアプローチが必要なんだということを、中学受験界に一刻も早く伝えていかなくてはいけません。(これはもじこの範囲外なので、誰かやって下さい~)

また、大学入試も大きく変わろうとしています。
センター試験の英語廃止(それでいま英検がブームです)も大きな変更点となるでしょうが、それ以上に23区私大定員厳格化、それに伴う推薦入試比率の増加が明らかです。
大学受験業界は小学校以上に、動きが読めません。

そんなわけで、今年は嵐の前の静けさのような一年になりそうです。
今年は少し、ディスレクシア的発信に挑戦してみたいと思っています。
しかしながら、もじこ塾には生徒がいますので、まずは何よりも、生徒とともに進化していきます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。