on dyslexia

ディスレクシアとは:

- 知能は普通だが、読み書きが苦手(読み間違いが多い、読むのが遅い、書き間違いが多い)。
-勉強しているにもかかわらず、読み書きがなかなかできない状態を指す。知的障害ではなく、普通~ギフテッドのあらゆるIQにみられる。
-独創的で、対人能力が高い。
全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力に長ける。
- 音と文字の脳内での結びつきが弱いことから起こるらしい
- 読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい。その理由は、英語のほうが日本語よりも"音の粒"が小さいから
- 細かい聞き間違いがみられるが、音声情報の処理能力は高い場合が多い
- エピソード記憶が得意。固有名詞などの細かい丸暗記は苦手
- 適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される
- 10人に1人程度いるというのが通説
- 家族性とされるが、ディスレクシアの表れ方は一族のなかでも個人差が大きい

当ブログは、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能である、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要--という立場です。

2017年、当ブログで分かったことをもとに、東京・南新宿にディスレクシア英語塾「もじこ塾」を開設。以来このブログは、もじこ塾の話題が中心になっています。

2021-09-19

「ディスレクシアの得意なこと」の翻訳本刊行!(2)(推薦文)

もじこ塾の原点の一冊、「The Dyslexic Advantage」の日本語版が、10月中旬に刊行されます!



~~~

ディスレクシアの助手にゲラを読んでもらい、わかりにくい箇所はないか、ディスレクシア感覚と違うところはないか、チェックしてもらっています。
(今週末が最後のヤマです・・・)

この2人に感想を書いてもらいました。
日本語版の最初の読者による、本書の推薦文です!


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◆推薦のことば その①

この本は凄いです!
僕はこの本を読んで、自分の頭の中を80%くらい当てられているような感覚になりました。

具体例が多く、
「同じ感覚だな〜」
と思いながら読んでいると、
「これは普通の人の感覚とは違います」
と後から書かれていることが多く、その度に
「自分と他の人は違うのか」
と驚かされながら読んでいました。

なぜそのように考えるのかということも科学的に書かれていて、
改善の仕方などを考える種となるような本だと感じました。

この本を読んだあとに気をつけなければいけないのは、自分や自分の子供が本当にディスレクシアなのかをしっかり考えることだと思います。
なぜなら、この本を読むと、ディスレクシアに憧れてしまう人が出てくるのではないかと感じたからです!
ぜひ、読んで頂けると、才能の芽を摘んでしまうような事にならないのではないかと思います!
~~
「これからは、自分のことを知ってほしいときに、この本を渡せばいいですね」
「自分の内面が暴かれているので、なんだか恥ずかしいくらい」

とも言っていました。

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◆推薦のことば その②

この本の「Mの強さ」、「Iの強さ」の章を読みました。
(「Mの強さ」:空間把握能力、
「Iの強さ」:俯瞰能力、もしくは相互関係性把握能力)

「Mの強さ」については、
自分が日常的に行っていること、
読んでみて行うことができたものばかりで、

言語化された説明として今まで見てきたどの説明よりも的確に、空間把握能力の何たるかを伝えられていたと思います。

「Iの強さ」では、自分が無意識に行っていたものが、特性の一部として紹介されていました。
知っている情報と新たに知った情報を組み合わせているメカニズムが説明されていて、
自分の日常会話のときの頭の使い方が言語化されていたことに驚きました。

ディスレクシア特性の強みの側面でまだ使い切れていない部分を探したい方、
それを持った人と何かをしてみたい人にオススメです。

~~
「これは自分のことを言っていると感じる?」と聞いたところ、
「なかなか当たっています」と言ってくれました。
それ以上に、読後、すがすがしい顔をしていたのが印象的でした。

~~~
本書は300ページとかなりボリュームがありますが、ディスレクシアでも読めます!
(いずれ電子書籍化も予定しています!)

ディスレクシア本人に、ぜひとも読んで頂きたいです!!
自己認識が変わります。


2021-09-12

「ディスレクシアが得意なこと」の翻訳本が出版されます!(1)

ついに!!
当ブログの原点と言える「The Dyslexic Advantage」の、翻訳本が出版されます!
金子書房

詳しい目次→

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このブログの本当に最初のほうにある翻訳記事:


のもとになっているのは、Eide(アイディ)医師夫妻のThe Dyslexic Advantageという本です。

ディスレクシアとは、脳の配線の違いであり、数々の優位性につながる特性である。
読み書き困難は、ディスレクシアの特性が裏目に出たものにすぎない。

・・・という、ほかのどこでも言っていない内容です。


この本から発展して、もじこ塾ができたと言っても過言ではありません。
「ディスレクシアが得意なこと」にあるディスレクシアの姿は、常に、もじこ塾の大前提にありました。

そんな、もじこともじこ塾の原点とも言える本が、ついに、ついに翻訳出版されます!!

もじこの人生を変えた一冊と言っても、過言ではありません。

そして、ディスレクシアの本人や家族にとって、人生を変える一冊になると、自信をもっておすすめします!

~~~

刊行まであと1ヶ月となりましたが、現在、授業以外のすべての時間をこの本のゲラチェックに捧げています(泣き笑い)

もじこ塾には受験生を含む生徒もたくさんいて、ゲラもあって、文字通り目が回る忙しさですが、幸せでもあります。。

しばらく、新刊情報を続けます。乞ご期待!

最新情報はこちらで:

2021-06-16

ナツさんの高校生活の記「あなたはディスレクシアよ、と言われた時、正直嬉しかったんだと思います。」

もじこ塾は超進学校の生徒もいるのですが、そうでない高校の生徒もいます。

昨年、ずっと授業日誌を書いてくれたナツさんもその一人→
この春、都立高校を卒業し、調理師学校に進学しました。

そんな彼女が合格体験記と言いますか、中高でどのように苦労してきたかを大いに語ってくれました。

ナツさんは大柄で(背は170cm、靴は25cm)、いつも「づがれだ~」と言いつつも体力があり、きりっと眼光鋭く、声はよく通り、雰囲気や話し方はとってもパワフル。
誤解を恐れずに言えば、超進学校にいそうな雰囲気の女子です。

英語の覚えられなさという点では、かなり重度のディスレクシアと考えられます。
でも本当に聡明なのです!そのことは、このあとの文章を読めば一目瞭然です。

ご両親が自営業(それも、締切のある激務な職種です)のため、親御さんが仕事に追われる姿を目の当たりにしてきました。
大家族で、子どもたちが家事を手伝うのは当然という家庭環境。ナツさんも親御さんをよく気遣いますし、家事も料理もし、生活能力は高く、年齢以上に大人びて見えます。

なので、ナツさんの将来に対する考え方も「食っていくため」と非常~に現実的です。
先日も「専門学校の同級生の、就職に対する考え方が甘ちゃんすぎる!」と怒ってましたが、それはきっとナツさんの家庭環境が、仕事の厳しさを目の当たりにできるものだから・・・
そりゃあ、たいていの同級生は甘ちゃんに見えるかなと・・・

そんな、お金を稼ぐことの厳しさを骨の髄まで知っている、ナツさんの体験記です:


都内区立中~都立高校(農業系)卒、
都内の調理師専門学校に在学中

Q:もじこ塾をどうやって知ったか。入塾の決め手は。
 私がもじこ塾を知ったきっかけは、高校の英語の先生が勧めてくれたのが初めですね。
話は長くなりますが、高校入る前から英語が本当にダメで、ローマ字なんかはからっきしでしたね。高校になんとか合格したのはいいものの、先生や環境が変わったからといって出来るはずもなく、高校1年生の間はずっと赤点でした。授業をないがしろにしているわけではなかったのに、まったく理解出来ないことから先生にも心配されて、2年生の春にまずディスレクシアでは?と教えてもらい、それからいくつかディスレクシアの人が通う塾を紹介してもらったのですが、ほとんどは中学生までが対象だったり、通うには少し距離があるなどといった問題がありました。それを英語の先生に話したところ、先生が見学に行ったことがあるというもじこ塾を紹介されました。

ナツさんの当時の担任の先生は、もじこ塾が朝日新聞に掲載されたときに、何人か見学に来られた先生がたの一人です。この先生は「もじこ塾のやり方が効果的なのはわかった、でも40人学級で取り入れるのは無理。。」と肩を落として帰って行かれ、申し訳なく思ったのですが、このような形で広がりました。


正直自分が本当にディスレクシアかも分からなかったので、お試しかつ相談ができる機会があるもじこ塾は、その時の自分には最適でした

 通おうと決めたのは、体験授業を行ってからですね。今まではどういった勉強方法をしなきゃいけないのかが全くわからずに学習していたので、フォニックス表を用いての勉強で少し分かるという気持ちになっただけでも進歩だと思ったので、通うことにしました。

ナツさんはちょっと気難しいところがあって、集団クラスの見学に来たのですが、結局は個別で通うことになりました。(ちなみに、もじこ塾は高2から個別で来ることができます)。
この気難しさの理由は、のちほど明らかに・・・



Q:他の予備校との兼ね合いは。英語はもじこ塾以外でも勉強したか?
 そもそも予備校には通ったことがありません。小学生の頃に塾に通っていたことがあるのですが、その際先生と環境が合わず、3ヶ所ほど試して向いていないなと思いました。
1ヶ所目は先生が一人いて、学校のような席位置になっていたのですが、プリントを淡々と進めていき、終わったら前に持って行くという方法で、分からないところが多すぎる私としては、とてもやりにくい環境でした。

2ヶ所目は少人数制の塾で、多くても4人でした。けれど、先生の教え方と先生の性格が合わなかったんですよね。努力はしたんですよ?1年程は我慢できたんですけどね(⌒-⌒; )

3ヶ所目はM義塾ですね。環境としてはそこそこ良かったんですが、すでに勉強自体がす〜〜ごく嫌いだったので、先生とお喋りしてなんとかして逃げてましたねww
親には悪いことをしたなと思います。結局そこも1年経たないでやめた気がします。

 結果が今に繋がっているのでなんとも言えませんが。中学生までの間は英語の勉強をしたことがありませんでしたね。高校に入ってからは少しだけ単語帳を開いたりなどはしましたが、身についてはいません。基本自習が出来ないんですよ。一人で勉強できないので、そばで説明してくれる人がいないと理解につながらないので意味ないんですよね。なので、基本はもじこでの勉強が全てです。

自習ができない、つまり自力では英語がまったく身につかない・・・
ディスレクシアが授業としての英語に出会ったときの、典型的な反応のひとつです。


Q:入塾を考えている人へ、もじこ塾はどんなところと説明するか?
 自分の勉強方法を教えてくれる場所ですかね。
自分のペースで進められるので、分からなくなってもすぐ確認できるのがいいです!少人数制の授業でも他に人がいると聞きにくいですから。人間誰しも恥はかきたくないので、他人がいる環境での不得意な勉強はしにくいと私は思っています友達の教え方で理解できる人は、それは不得意科目じゃないですね。勉強してないだけです。友達や先生の説明で理解が難しい科目が、本当の不得意科目です。この文章を読んで当てはまるかもとなる場合は、もじこ、もといディスレクシアの塾を検討する価値があると思います。

「友達の教え方で理解できるなら、それは不得意科目じゃない」
「友達や先生の説明で理解が難しい科目が、本当の不得意科目です。」
名言です!

Q:もじこ塾で勉強したり話したりしたなかで、特に印象に残っていることは?
 先生が英語を読む前に読めた時ですね。読めなくても英語の勉強はできます(できません!)が、今まで全く読めていなかったのが、読めるようになったと言う事実が嬉しかったです。少しでも理解できるようになれたと思うだけで、英語に対する意識が変わりました。

特に、と言われると思いつかないんですが、英語以外にも進路について相談に乗ってもらいましたね。正直進路についてはあまり考えないようにしていたので、先生に雑談のように相談したのがきっかけで、今の進路に決まりました。2年生の夏の時点で大方決めなければいけなかったのですが、全く決まっておらず、方向性が決まっているだけだったので困ったものですよ。そんな中で相談をしたところ、いくつか学校をピックアップしてもらえ、そこから選びましたね。学校の先生に相談することも考えたんですが、正直担任は自分で決めなさい派だったので相談しにくかったんですよ。なんなら、嫌われてた説がありますからw。

調理師学校に行きたいと相談を受けましたので、この業界に詳しい人に質問して、いくつか良い専門学校を紹介してもらいました。今年は特にコロナの影響で、学校説明会が軒並みオンライン化したため、高3生にとって学校情報を手に入れるのは大変なことでした・・・

 
余談ですが、先生がすごく褒め上手なのでそれだけでも勉強に少しだけやる気が出ましたね。他の子は分かりませんが、自分やる事しっかりやってるんじゃって気持ちになりますねw
もじこはほめ上手なんですね(*^^*)。ありがとう~


Q:ディスレクシア的に、大学入試や受験勉強において特に注意するべきことはあるか?
 1つのことに集中することですね。アレもコレもと手を出したところで、全て中途半端に終わってしまいます。色々なことに手は出せたから、ギリギリなんとかなるでしょ…という考えになりますが、結果は決してついてきてはくれません。一つ一つ進めることが出来ればその時こそ結果はついてきてくれると思います。ちな、実体験ですね。なにか一つ秀でているだけで、安心感や気持ちのありようがすごく変わると思います。

本当にその通り!
アレもコレもと手を出してはいけない。「可能性を広げたい」と手を広げるのはディスレクシアの道ではない。
「これ」と決めたらそこに体力と気力を全集中して、それで突き抜ける。それこそがディスレクシアの正しい道・・・と、私も常日頃から、いろんな人たちに言ってます。


あとは、日々の生活態度なんかは大事ですね。最近はコロナの影響によって面談などを極力少なくする傾向があったため、書類のみの判断になってしまうと今までの生活態度などが影響してきます。私はとりあえず授業にはしっかりと参加し、遅刻もしないことだけは常に意識していました。成績ももちろん大切ですが、生活面や人間関係といった面にも意識を持っていくことはとても大だと思いました。

ナツさんはいつも疲れていて、「学校に行きたくない~」と文句たらたらでしたが、実は皆勤だったとは!
「高校に友達なんて2人しかいない」とも言っていましたが、学校での生活態度を良くする努力を怠らなかったとは。本当にえらいです!



Q:自分がディスレクシアだと知ってどう思ったか? 現在はそのことをどう捉えているか?
 はじめは、英語の先生に言われて、そういったものがあるんだな〜としか思わず、あっても自分は違うんだろうなと思っていました。

誤解がないようにいっておくと、ディスレクシアだったらもっと辛い思いをしていてもおかしくないから、自分は違うんだろうなと思っていました。
ディスレクシアの質問テスト→を受けてみて実際にあなたはディスレクシアよ、と言われた時、正直嬉しかったんだと思います。

自分は周りと頭の出来が違うから、努力が足りないから。ずっとそう思いながら生きてきました。
自慢じゃありませんが、見た目と会話をすると大抵は頭のいい子に勘違いされます。
子供の頃はそれが嬉しかったんですが、成長するにつれその眼差しや期待の眼差しがとても辛かった。向こうが勝手に期待して落胆するだけなのにとても悪いことをしている気分になりましたよね。いつしか、頭が悪いことをどうやって隠したらいいんだろうと、そればかり考えていた時期もあります。

。゚(゚´Д`゚)゜
わたしもナツさんに初対面のとき「ちょっと話せば賢いとすぐわかる」と言いました!
ごめんなさい。。でも、誤解したとは今も思ってません!!

ナツさんは全然頭は悪くない。字があまりに読めないせいで授業が理解できないしテストで点がとれないだけであって、その状態を「頭が悪い」と言うほうが誤解ですよね。

でも学校も、そして本人も、そこを勘違いするのです。。。

字が読めないのは、頭が悪いからではありません!


徐々に人と関わることが嫌になっていき、極力関わらないようにしました。
(これが気難しさの理由ですね。そしてこの手の気難しい印象が前に出ているディスレクシアの人は、程度の差はあれけっこういると、ナツさんを通じて気づきました。
本当は対人能力が高い人たちなのに、いろいろあって人嫌いになってるんですね。。)

話が長くなりましたが、今までの自分は仕方のないことだったんだと思うと、嬉しいと同時に開放感までありましたよね。




今では、そこそこディスレクシアについての知識もあるので、自分の特化しているところをうまく利用して生きていければと思っています。
それが正解です!



Q:もじこ塾に来て,英語は読めるようになりましたか?(正直,どのくらい英語ができますか。)
 読めるか、読めないかで言ったら、読めるようになりました!まだまだ読めないものは多いですが、通う前に比べたら断然読めるようになりましたね。
英語がどれくらい出来るようになったかと聞かれたら、まだまだなんですけどね。なんとなく読めて、なんとなく意味が分かるものは増えました。
読めるようになった時に意味も一緒に覚えれたら良かったんですけど、そこまで私の頭は良く出来てませんでしたね。
なので、一般の高校生のレベルが10ならもともと1ぐらいで、今なら盛って6〜7ある気がします。
↑いや、そんなにはないと思います…(TT)
ターゲット(単語集)の単語10項目ほどのスペルと意味を覚えるのに小一時間かかるほど、彼女のディスレクシアは重度なので。
でも、「明日テストなのでこの範囲を覚えなきゃ」となったときの集中力はものすごいものがありました。


[追記]と書いたら本人から「確かに盛りました、でもこの書き方はちょっと」「それに単語以外の勉強もしましたよね!」とお叱りを受けました(--;)。うまく書けなくてごめんなさい。
読み訓練を教える側としては、どれくらい読めるようになったかも大事ですけど、それ以上に、このつらい訓練に向き合うことに、尊さを感じてしまうんですよね。。100読めたらそりゃあすばらしいですけど、それよりも0だった人が1読めるようになったときの衝撃とか、読んでて限界を超えてしまったときの苦しさとか、そういうことに向き合ったという事実のほうが、本当にえらいと思うんです。
どれだけ大変なことに向き合ったのか、その一端を紹介するために、上のような書き方になりました。




ナツさんの学校は調理実習などのレポートが多く、しかも全部手書きで、ナツさんはよく「明日までに書かなきゃ~」とどろどろに疲れながら帰っていきました。

でも、もじこ塾に来て1年たった高3の1学期には「成績優秀者です!」と通知表に書いてもらえるほど成績が改善。
進路は指定校推薦で、校長面接と書類だけで決まりました。



ここからは、なかなか驚きの内容が語られます・・・
英語的にはかなり重度なディスレクシアのナツさんを通して描かれる、高校受験事情について。

Q:中学のときの英語力について語ってください。
 ローマ字がやっと分かるぐらいでしたね。中学生の頃は、隣の人とペアを組んで会話の練習があったので苦痛でした。正直wasとかwereとかなんだっこれ状態で、読めないし、意味もわからない状態でした。英文なんてローマ字読みするしかなくてヤバイの一言しか出ませんからね?
中学では授業が嫌すぎて、数回ですが保健室なんかに逃げて、参加してませんでしたから。

ナツさんは中学時代、誇張抜きでほぼまったく英語が読めなかったと推測されます。
(ちなみに、高校に入ってからフォニックスを教えた後も、完全に自動化するには至りませんでした)


Q:都立高入試をどうやって戦いましたか。
 少し長くなりますが、そもそも一般試験の単願だったんですよ。私立の推薦も候補にはあったのですが、あと0.3?ぐらい足りなくてお金も掛かるからということで、単願にしたんですね。全体的に勉強ができないので、ものすごい賭けでした。
なのではじめに英語は捨ててましたよねw 手を付けるだけで時間の無駄だと思いましたから。
「英語は捨てた」は本人に確認したところ、言葉のあやではなく、本当に無勉、放置したそうです(@@)

そこからは、少しでも可能性のある数学と国語をメインに勉強しました。
ちなみにVもぎは1回だけ受けたんですが、なんと判定はEでした(たぶん)。驚きびっくりでしたね。

勉強方法は今までの一般試験を黙々とやることですね。合計25回分ぐらいのテストをやりました。分からなかった所は、後日先生にしっかりと教えてもらい、もう一度でてきた際に解けるぐらいの理解度になるように頑張りました。


25回分終わったところで、最初の1回目のものを時間も測って受け直すことで、現状の力量がわかりましたね。これを数学と国語でやりました。
国語は漢字を捨てて、文章問題を中心に頑張りました。

ナツさんのキャラでこれだけ猛烈な勉強をしていたら、ものすごくがむしゃらに勉強している人に見えると思うんですが。
ほんと、学校の先生方に対し、「相当努力しているようなのにできない人については、ディスレクシアを疑うべき」ということを知ってほしいです。

と同時に、英語を捨てても入れる都立高校はあることを、改めて知りました。。。
そのこと自体は「まあ、そうですよね」という感じなのですが、この年月の間にディスレクシアの生徒が自信を失ったり頑張りすぎて燃え尽きたりして、精神的にズタボロになる件については、本当にどうにかすべきです・・・日本の英語教育界は、早期英語教育以上に、こういう生徒たちについて考えるべきです。


またナツさんは、日本語の読みに関してはお父さんの猛特訓を受けたとも言っていました。
「今でも勉強中に父親に背後に立たれると、涙がぶわっと出てくる」と語るほど、過酷を極めた特訓だったようです(「だから父親には後ろに立たせないw」とも言ってました)
こんなところからも、万事において激しく取り組んできたことがわかります。。。




Q:もじこ塾に通っている生徒に、激励のことばを。
これからもコツコツと地道に努力するだけで、大きく変わりますよ٩( ‘ω’ )وがんばって!


Q:将来の夢を1行でどうぞ
 食品に携わる職につけたらいいなと思っています。


~~~

ナツさんは英語こそ読めませんが、料理は上手だし、気は利くし、発言は鋭いですが相手思いだし、人のために動くことをいとわないので、きっと職業人生は順調なことでしょう!

もじこ塾は常に「納税者を育てること」を目標にしてきました。
もじこ塾はバリバリの英語塾ですが、英語力以上に大事なことはたくさんあると思ってます。・・・自分ができることで稼ぐ力をつけて、まっとうな社会人になり、税金を納められる人になる。これはとても大事なことです。
英語ができるようになるのは、そのための手段であれこそすれ、まっとうな社会人になることを阻害するものであっては、断じていけません。

ナツさんは数年内には、立派な納税者になっていることと思います!
むしろ、仕事かメインの生活になったときに、ナツさんの良さが大いに発揮されて、一目置かれる存在になることうけあいです。
英語にはだいぶ、いじめられたナツさんですが、それでももじこ塾の目標を体現しているのは、実にすばらしいことです。

今まで不当に苦労した分まで、やりがいのある社会人生活になるよう祈ってます!

2021-03-14

推薦入試の合格体験記「早い段階で、自分の能力の限界に見通しをつけた方がいい」/note始めました!

当ブログ初,推薦入試の合格体験記をお届けします。

~~

もじこ塾は開設以来ずっと、推薦/AO入試に挑む生徒のことも支えてきました。

いわゆる普通の(?!)大学受験しか知らなかった私にとって、推薦/AO入試は最初はまったく未知の世界でした。

最初の数年は,二人三脚,試行錯誤,半信半疑でした。

ディスレクシアについてどこまで志望理由書で"売り"にするか議論し、翻訳者の技術を使って文章の添削をし、読字書字の困難を考慮したスケジューリングを行い、特性理解と志望理由書作成をセットでとらえ・・・といろいろしながら,ノウハウが蓄積していきました。

なかでも、ここに紹介するコタくんとの試行錯誤を通じ、ディスレクシア的な推薦入試対策について、もじこ塾なりの方法論をひとまずの形にすることができました。
(そのあたりについては,このたびnoteで公開することにしました!→
この記事の最後で、改めてご紹介します。)

・・・すみません、コロナ対応でばたばたしているうちに、1年もの長きにわたり、この合格体験記を公開することができずにおりました。特に,書いてくれたコタくん本人にこの場を借りてお詫びします(><)。
文章には手を加えず,1年前に公開するはずだった形で公開します。
完成度の高い文章ですし、コロナ前後の良い記録になっていますので。

~~~~

コタくんはもじこ塾の定義する"純粋ディスレクシア"。
多動もこだわりもなく、対人能力が高い、温和な好青年です。
(多動はないと書きましたが、いつも鼻歌を歌っているので、頭の中には歌とリズムが渦巻いているのかもしれません)

英語の発音はふんわり、おっとりしています。
高3でもじこ塾で初めてフォニックスを知り、リスニング能力が向上したと言っています。

彼が得意とする分野は,もじこ塾では珍しいです。
まず、スポーツ万能・・・運動部の生徒は多いですが、ここまで万能な人はもじこ塾内でもなかなかいません。
どんな種目も見ればだいたいできるそうですし,スキーも水泳も、格闘系も、たぶん球技もいけます。

と同時に、文章を書くのが好きです・・・これがもじこ塾では超レア。
好きだけでなく,以下から分かるように上手でもあります。
小学生の頃から作文教室に通い、もじこ塾に来た頃には課題で中編小説を書いていました。印象的なシーンが断章的に続く感じで、映像思考を思わせました。

ディスレクシアはエピソード記憶が強いので、もじこ塾の生徒は物語を好むのですが、考えを文章にまとめるとなると苦労するケースが多く、彼のように文章を書くのが好きで得意と言い切るケースは少数派です。
(ちなみに小説は直筆ではなく、スマホで書いているそうです。)

将来の目標は小学校教員。アクティブ・ラーニングの授業を公立小学校時代に受けて、目指すようになったそう。
・・・これも,もじこ塾的にはかなり特殊です。小学校に良い思い出が多いというのが(苦笑)。

自由な一貫校卒。研究授業もたくさん受けたとのこと。
中高には多様な生徒がいたそうで、もまれながらのびのびと中高生活を送った点も少数派です(゚д゚)。
二次障害がなければディスレクシアはこう育つという、ひとつの見本だと感じます。

ほんわかと温厚で、第一印象のままに、どこまでも好青年なコタくんです。
(最近、「自分は変人」と言ってます。(・_・)??好青年の仮面の奥には、多様な特性に対する寛容さがあり、これはかなり強固ですよ…と言いたいのかもしれません)

現在は、もじこ塾で助手をしながら、小学校で英語を教えるためのノウハウを学んでいます→
人当たりのいい彼は、いじられても上手に受け流し、でもおさえるところはおさえるので、中学生のいい兄貴分。小論クラスでは、授業中は笑いもとりつつ文章は模範的で、講座に厚みを与えてくれています。・・・こうして書いてみるとすでに小学校の先生的ですね。

つい先日、中2の教科書を見ながら「うわ~。自分も中学の頃はこういうのはまったく読めなかった」と言っていたので、温和な彼にもつらい中学時代があったと知りました(T_T)たぶん今もぎりぎりではないかと推測します。

今、中学生と一緒に間違いながら、助手として読み訓練を続ける彼はえらいです。
3年後、もじこ塾は小学校の現場に、フォニックスの心得のある小学校教員をひとり、送り込むことになります( ̄ー ̄)。楽しみです!


それでは、コタくんの合格体験記です:

・私立大学 教員養成系 自己推薦入試
・国立中高一貫卒、現役

1
コロナの影響で、前例のない新生活の始まりになったと思います。
大学新入生としての近況を教えて下さい。
いまは主に何をしていますか?何が大変ですか?何をしたいですか?
(2020/04)

今は大学の履修届けが一応終わり、今週の木曜からネットでの課題や授業が始まる予定になっています。先生も生徒も慣れない授業展開なのでついていくのが大変です。履修とかもしっかり出来ているのか少しばかり不安です。早く大学に行って部活や友達作りなどをしていきたいと思っています!

オンライン授業が1年生いっぱい続くとは、当時は誰が想像したでしょう。。。

2
大学入試対策として、「自分は去年することができたが、今年はコロナの影響でできないだろう」と思うことは何ですか?

自分は自己推薦入試で入学したので、高校最後に色々な経験をできない事が一番、自己推薦入試を考えている人にとっては大変だと思います。高3の経験が大きく進路や入試の面接や論文に関わって来たので、それができなかったら多分受験はそうとう厳しかったんじゃないかと思っています。ぶっちゃけ、自分は高校での卒業研究をメインに大学に入ったのでそれができなかったらと思うと、今年じゃなくて良かったなと思います(笑)
~~
コタくんの受験した自己推薦入試は、高校の卒業研究を評価するため、彼は卒業研究に力をいれていました。ある新しいスポーツ種目の普及方法を考えるというもので、まず自分がその技術を身につけ、講習会を企画してインストラクターとなって教え、受講生にアンケートをとり、より良い普及方法を探る、、というもの。なかなかの活躍でした。
推薦入試の場合、このような「自発的活動」の内容で入試を戦うことになります。


Q.もじこ塾をどうやって知ったか

 高3の4月位に母に薦められて知りました。それまでは自分がディスレクシアを抱えていることにも気付かなかったし、そもそもディスレクシアという言葉も全く知りませんでした。他の塾に行っていたのですが、英語だけが全く伸びなかったので母がディスレクシアかもしれないと、もじこ塾のホームページを見て疑ったようです。
 入塾すること自体には全く違和感はなく、面白そうだから行って見ようと即決で入塾を決めました。(笑)
~~
お母さんはもじこ塾主催の勉強会に来てコタくんのディスレクシアを確信し、「これまで気付いてあげられず、申し訳ないことをたくさん言ってしまった」と涙を流して反省していましたが、本人はどうやらまったく意に介さず、からっと明るくもじこ塾に登場しました。

(ちなみに、このような状況の場合は、
「お母さんは昨日,あなたがディスレクシアというものだと知りました。本当にごめんなさい、今日からは態度を改めます」
とはっきり本人に宣言すれば、子供は許してくれますし、どんどん変わっていきます)


Q.他の予備校との兼ね合いは?英語はもじこ塾以外でも勉強したか?

 他の予備校としては、河合塾の小論文に(高3の)5月から11月まで通っていました。AOに的を絞っていたので小論文講座には通わせて貰っていました。
 英語は一般受験のことは全く考えていなかったのでもじこ塾以外のところでは勉強していませんでした。
 もじこ塾でも受験の2ヶ月前位からは小論文を見ていただいたり、面接の練習をして貰ったりしていたので英語はほとんどやっていませんでした。(笑)
~~
河合塾で受けていたのは、一般入試用の小論文講座とのことです。

もじこ塾では、最初の頃はフォニックスや簡単な読み物を読んでいたのですが、どんどん推薦対策の比重が増えていき、夏になってからは推薦対策が100%でした。
なかでも、ディスレクシアについては本当にいろんな話をして、最終的に彼は志望理由書にディスレクシアについてポジティブにカミングアウトしました。


Q.入塾を考えている人へ、もじこ塾はどんなところと説明するか?

 ディスレクシアには最適な塾だと思います。常にもじこ先生が色々な情報を取り入れてくれているのでディスレクシアの情報は十分だし、出来るようになるまでしっかりと見てくれて、絶対に自分を否定されないので英語に苦手意識が高い人には最適だと思います。
 また、一人一人に合った教え方や関わりかたをしてくださるので、変に自分を飾ったりせずにありのままで過ごせる塾だと思います!
~~
ありがとう~、非ディスレクシアにうらやましがられる塾を目指してます(笑)


Q.もじこ塾で勉強したり話したりしたなかで、特に印象に残っていることは?

 一番印象に残っているのは、ディスレクシアの事について話していたときに、オシャレなカフェの看板の英語をすらすらと自分が読めないと気付いた時が一番衝撃でした。(笑)
 コーヒーカップの絵やクッキーの絵から、その看板がカフェなのかなと判断していた自分にとって、もじこ先生や自分の両親や学校の先生が英語を一瞬にして理解して読んでいるということに本当に驚きました。そりゃ、英語が出来ない訳だと自分でも改めてその時納得してしまいました。(笑)
 みんなそんなに楽してていいな~と切実に思いました。まさに、ぴえん! 

この文章をもらって、「ぴえん」という単語を知りましたよ(笑)
それはそうと、言っているのはこれのことですね↓


「『普通の人はCookieとかSundayとかを瞬時に読めると思いますが,ディスレクシアの人は,これが単なる絵に見えるらしいです』って言うんだよ」と、セミナーで使う画像を見せたところ、コタくんは
「えっ、みんな読めるんですか?」
と驚愕していました。

Q.ディスレクシア的に、大学入試や受験勉強において特に注意するべき点はあるか?

 早い段階で、自分の能力の限界に見通しをつけた方がいいと思います。もちろん、行きたい所に行くまで浪人する覚悟があれば別ですが…
このまま勉強を続けていけるのか、それともAO や推薦入試に切り替えるのか、早めに決めなければズルズルと時間は過ぎて行ってしまい結局行きたい大学に行けなかったりしてしまいます。
自分の場合も、4月頃にはAOで行こうと決めていたので、一般入試では絶対入れない様な行きたい所に行くことができました! ちなみに、学校で受けさせられた河合模試では受かった所にはE定位でした…。(笑)

~~
本当にその通り。難関大と呼ばれるところ以外は,ディスレクシア的には推薦やAOで目指すのが基本というのが,コタくんを通じて到達した、もじこ塾5年目の見解です。

「自分の能力の限界について見通しをつけたほうがいい」については、コタくんと何度も議論して考えを深めていきました。当時の彼との話があまりに印象的だったので、メモを残してありました:

・ディスレクシアは「つぶしがきく道」を追求してはいけない
周りは「つぶしがきくからこれをやる」「できるだけ将来の選択肢を残しておきたい」と言うことが多いが、残念ながら、ディスレクシアにとって学校という場所は「つぶしがきく」が通用するほど甘くはない。中高大と進むほど、文字がらみの要求は大きくなる。
ディスレクシア的には、早く自分のやりたいことを決めて、それを実現するためには何が必要かを逆算し、そこに時間と労力を集中させるべき。「つぶしがきくように」とあれこれ手を出すことはできない。

・定型というのは,優先順位が低いことでもやれてしまう人のことかも
定型の人は,自分の人生に優先順位がついていなくても,「いいから黙ってやりなさい」に従って勉強を頑張ることができてしまう。その結果,だいぶ大人になって「自分がやりたいことと違う」と心を病んだりする…。ディスレクシアだと,自分のやりたくないことにモチベーションは持てない。まして苦手な文字で戦うなんて。

・「努力」という言葉の意味が、ディスレクシアと世間一般とでは違うらしい
ディスレクシア的には、
□目的がはっきりしていること:これは一気に実現できる、またはいくらでも続けられる。そういうことを「努力」とは自分は言わない
□書き取りの反復:つらいが、宿題だと言うからつきあってやっている。
 これを自分は「無意味」と言うが、世間(親)はこれを「努力」と呼ぶらしい
□目的達成のために、どうしても読んだり書いたりする必要がある場合:
自分なりの方法を編み出してやっていることは「努力」とは言わないはず。字は汚いし読み間違いは多く、人はこれを見ると「頑張ってる」と言うが、あまりそこに注目しないでほしい


Q.もじこ塾に通っている生徒に、激励のことばを。

 学校では英語を含め勉強が出来ないと馬鹿にされる事が多いと思います。それに加えて、英語は文系でも理系でも試験で出てくるので、親御さんから何で出来ないのかと怒られることも沢山あると思います。自分もそうでした。
 だけど世の中には、東大生でテレビにまで出ていたのに、付き合っていない女の人を妊娠させてしまい世に出れなくなったり、映画やドラマに沢山出ているのに薬物で捕まったり、そんな人が沢山います。逆に、ZOZOTOWNの前澤社長も高卒だし、大人気ユーチューバーのヒカキンさんも高卒です。勉強が苦手でも問題ありません。なんとかなるみたいです。
 もちろん勉強をしなくていいわけではありませんが、勉強以外にも自分の好きな事を沢山やってみて、沢山チャレンジしてください。ゲームでもスポーツでも音楽でも読書でも何でも好きなことややってみたいことを沢山やってみて下さい!

 
Q.自分がディスレクシアだと知ってどう思ったか? 現在はそのことをどう捉えているか?

 自分の場合、すんなりとディスレクシアを受け入れたので特に違和感などはありませんでした。むしろ、ディスレクシアが程度の差はあれども意外と沢山いるということが分かったので、小学校の先生になるという進路を決めるきっかけになりました。
 今は、ディスレクシアの事や他の特性のことも沢山学んでいきたいと思っています!
~~
 こういう人が5年後、10年後に小学校の現場の第一線に立ってくれるんだと思うと、日本の未来は明るい。感無量です。



Q. AO対策について:
・いつごろから準備を始めたか

 本格的に始めたのは小論文をやり始めた(高3の)5月からだと思います。自分の場合、趣味で小説を書いたりするくらい文章を書く事が好きだったので、その文章力の様なものはあらかじめ持っていました。なのでそれほど小論文やレポートには困りませんでした。
~~
「今年度、オンライン授業でレポートが増えたので、文章力があって助かった」とも語っています。

・塾に行くべきか

 小論文があるなら行った方がいいと思います。行かなくても学校で対策してもらえるようであればそれでも大丈夫だと思います。
 面接は学校の先生やもじこ先生にしていただければ十分だと思います。
 また、大学に送るエントリーシート等はしっかりと色々な人に見てもらった方がいいと思います。自分も色々な先生に見ていただきました。
~~
エントリーシートはできるだけ多くの人に見てもらい、改善点を指摘してもらうべきです。
なかには正反対の意見も出てくると思います。
そのくらいいろんな意見を聞いたうえで、どの意見を採用するかは、本人が決めるべき。・・・ということも、コタくんから学んだことのひとつです。


AO対策として続けてきて効果があったこと

 自分は小学生の時から通っていた作文教室が一番力になっていると思います。文章力はほとんどそこで鍛えられたものなので、AO 対策として通っていた訳ではありませんでしたが結果的に一番役にたったと思います。ちなみに、受験の時も通い続けていました。
~~
コタくんからは,この作文教室の話を詳しく教えてもらい,もじこ塾の小論クラスや推薦対策に大いに参考にさせてもらっています。
皆で体験をしてそれをもとに書く,添削して練り上げる,相互批評・・・は必須のようです。


 面接の時に役に立ったのは行きたい学部に関係のある本を読み漁っていたことだと思います。本が好きだったので苦ではありませんでしたが、自分は教育学部を目指していたので、10冊ほどは教育関係の本を読んでいました。


AO入試を考えているディスレクシアの人にアドバイス

 今まで、AO 入試は、「自分をアピールする力」と「行きたい学校のオタクになる位の情報収集」の二つが必須でした。しかし、これからは英語が苦手な皆さんには残念なことに「成績」も重要視されてきています。自分は小論文と面接とエントリーシートはかなり完璧だったと思っていたのですが、成績があまり良くなかったため、2度落ちました
なので、AO に決めたとしても、学校のテストはしっかり頑張って臨んで下さい。
英語以外の得意な教科の成績を少しでも上げると、行きたい大学に行けると思います!
~~
これはすごく実際的なアドバイスですね・・・


Q. 合理的配慮について。配慮を受けているか?大学に入って受ける予定か?その理由は?

 自分はいままでも特に配慮については申請してこなかったので受けていません。なのでこれからも特に受ける予定はありません。自分は文字が歪んで見えたり、鏡文字に見えたり見えかたについては特に一般的で、また特性が出ているのも英語の読み書きだけで、話したり聞いたりすることについては特に問題がないので、これからも受ける予定はないです。 
~~
コタくんは診断は受けていません。自分でディスレクシアだと自覚しているだけです。


Q. 将来の夢を1行でどうぞ
今まで目指してきた学校の先生になって、その後はスーパーヒーローに転職しようと思います(笑) 
~~
両方同時になれますよ( ̄ー ̄)


☆    ☆    ☆

コタくんは現在、小論クラスと中2クラスの助手、および個別指導をしています。
今後も授業日誌に登場してもらおうと、今回彼の文章を見返して、改めて思いました!



・・・さて。ここまで読んで、彼が自己推薦入試において,英語で戦っていないことがお分かりいただけるかと思います。

英語が必要ない大学入試もあるんです!

・・・もじこ塾開設5年目、ようやく自信をもって断言できるようになりました。

このたびnoteで、そんな入試の戦い方をできるだけ具体的に、書いていくことにしました。
noteでは一部,有料コンテンツにも挑戦します!
興味のある方はぜひお越し下さい→

引き続き、本ブログでも、合格体験記や翻訳、ディスレクシア的発見や近況報告などの情報発信を続けて参ります。
どちらもご愛読のほど、よろしくお願い申し上げます。

2021-02-12

NHKに1分ほど出演します(手話のスタバともじこ塾の共通点について)

ひょんなことから、もじこと生徒1名が、1分ほどNHKに出演します。

NHK総合 
目撃!にっぽん「日本一静かで 笑顔あふれるカフェ」→
NHKオンデマンド→
youtube→

もじこは常連客として、中3の生徒と一緒に、1分ほど登場します。

私はともかく、生徒のコメントはディスレクシア的な洞察力に富む素晴らしいものですし、
このカフェは日々啓示をくれる、私のパワースポット(笑)。

日曜の早朝、万が一起きていましたら、よろしければご覧ください。


~~~

昨年夏、緊急事態宣言が明けてほどなく、

最寄り駅の改札前に、見慣れない看板のスタバができました・・・


starbucksのアルファベットを1文字ずつ、指文字で表現
(手話の人たちには、フォニックスは無縁なんですね)


ここは、スタッフのほぼ全員がろう者のスタバです。


外国語大好き(笑)な私は、手話という外国語に接するのが楽しくて、

新宿に出勤する日は必ず立ち寄るようになりました。


年末、ここにNHKの取材が入り,もじこは常連客のひとりとして声をかけられました。

開店当時の報道→への反響が大きかったのだそうです。(リンクを直しました。音声が出ます)

そのときは、

「ここは本当に特別なスタバですよ!

店員さんとお客さんがちょっとずつ歩み寄っている雰囲気がすばらしいのです」

と語りました。

その後、縁あって、生徒と一緒に取材をを受け,このスタバの魅力について,ディスレクシア的見地から語りました。

~~~

番組では、このスタバのすばらしさが存分に示されることと思います。

ここには、手話のスタバがもじこ塾に教えてくれることについて、書いておきます。

手話のスタバともじこ塾には、共通点があるのです:

I am Deaf.の訳は「私は耳が聞こえません」

スタバはろう者のスタッフ、もじこ塾はディスレクシアの生徒という違いこそありますが、

両者とも「言語的少数者を集めた場」、

いわば言語的少数派が多数を占める"逆転した場"なのです。


"逆転した場"では何が起きるか。

取材を受けた日に、先方から聞いた話では、

スタッフ全員が手話という環境で働くことは、本人たちに大きな自信を与える。

その自信を胸に、また全国に散っていく・・・のだそうです。

この言葉はまさに啓示。私がなんとなく考えていたもじこ塾の方向性を、はっきりと言葉にしてもらえた気がしました。


ディスレクシアの生徒が集まり交流することは、生徒にとって大きな自信と気づきを与えます。

その自信を胸に、時が来たらここを卒業し、非ディスレクシアな社会にまた合流していく。

たとえ戻ることはなくても、ここで得た気づきが、非ディスレクシア社会での進み方を支えてくれる。

・・・もじこ塾は、ディスレクシアの生徒たちにとって、そういう塾であるべきと知りました。

~~~

ろうとディスレクシアにはもちろん、違いもたくさんあります。

例えば、ディスレクシアには手話のような、ディスレクシア専用の共通言語がありません。日本のディスレクシアにとっての母語は、一般の(?)日本語なのです。

それもあってか、ディスレクシアの人は、ディスレクシアだけで結束したり団結したりする傾向がほとんどありませんし、一生ディスレクシアの輪のなかだけで生きていきたいと考えている人は、まずいない気がします。

そんな、団結する傾向が弱い人たちのためであっても、"逆転した場"を作ることには意義がきっとある。

本人たちにとっても、"逆転した場"に接する非・ディスレクシアにとっても。


・・・手話のスタバに行くと、そんなメッセージを毎日受け取れるのです。

~~~~

今回調べてみて、手話には「使うと恥ずかしい、言語未満のもの」とされた長い歴史があると知りました。

手話の熟達よりも、残されたわずかな聴力をのばす訓練が重視された。そんな時期も長かったと言います。

そうと知ると、店内のこんなボードにも、日々感動してしまうのです・・・


「私たちの第一言語は手話です!」

「日本手話は言語です」と宣言した「ろう文化宣言」が発表されたのは1996年。

それから25年、「私たちの第一言語は手話です!」と明るくさらっと書く大手コーヒーチェーン店が登場するほどになりました。

社会変革って可能なんだなと感じます(T T)

たった一杯のコーヒーで毎日,そこまで背中を押してくれる・・・ここがパワースポットであるゆえんです(笑)。

~~~


番組では,ショウガイと呼ばれるもののポジティブなあり方が,存分に体現されると思います。

ディスレクシアをなんと呼ぶかについても,先方と議論がありました。それについては放送後に・・・

2021-02-06

4周年のごあいさつ

 もじこ塾の南新宿の教室は、4周年を迎えました。

以下、あまりにごぶさたですので、仕切り直しのごあいさつです:

昨年の今頃、まさかここまで世界が一変するとは、誰が想像したでしょう…

もじこ塾はこの1年、ずっと教室での授業を続けてきました。

塾というのは、生徒が「授業を受けに来ました」というオーラを出すことで塾になることを実感する日々でした。 

生徒が減った時期は、教材作りを充実させようと決めて、中学生用教材の作問を頑張りました!(こちらで公開中→)

それ以外にもいくつか、原稿を頑張りました…もうすぐ発表できる予定です。

~~~

この一年は毎日、作問→授業→拭き掃除→メール対応と予定調整、であっという間に日付が変わりました。

それで、ここまで到達することができませんでした。

教職の人はみんなそうだと思いますが、仕事量の増加は半端ないです。


そんな大人を尻目に、生徒ははるかにたくましいです。

デジタルネイティブな生徒が三人寄れば、学校側をだまくらかすなんて朝飯前(笑)

「聞くだけの授業は、全部オンラインでいい」と言っています。

ASD的な生徒には、存在感を消せるオンライン授業はありがたいようですし、手書きの課題提出が減ったのは書字困難の生徒にとって降ってわいた幸運でした。

そして入試は、ふたをあければコロナの影響は驚くほどなく、粛々と進んでいます。


話を戻して、読字訓練はと言えば、

生徒が出す微妙な気配を読みながら、コンマ数秒のタイミングでヒントを出していくので、オンライン授業は今はもじこ塾の仕事ではないかなと思っています。


その代わりと言いますか・・・

合格体験記も集まってきていますし、ディスレクシア的入試のノウハウもだいぶ蓄積しています。

コロナは当面続きそうですので、今年はこうした原稿を順次公開していきます(宣言!!)

隔週・・・いや月1~2回は情報発信していきます!!

プロのライターの手を借りることにしました。近日中に第一回を掲載予定です!

今までこのブログでも書いてこなかった、野心的な内容になる予定です!

~~~

もじこ塾は、昨年2月末、向かいにもう一つ部屋を借りて、2部屋体制になりました。


契約したその日に学校の休校措置が発令されて、どうなることかと思いました…いったい家賃を払いきれるのかと。

そこは楽ではないのですが、密を避けられる机配置ができるので、コロナ的には正解でした。

それに、生徒が居残ってずっとしゃべっていたり、自習室に使う生徒がいたり、助手の個別指導が増えたり※。

(※日本語の読み訓練や、数学を行っています。)

教室が増えることで、生徒同士や先輩と後輩の交流が増えていくのは、本当にうれしいこと。もじこ塾を作ってよかったと思う瞬間てす。

場を共有することで得られる力は、とても大きいです。


感染防止のためにできる限りのことをしながら、もじこ塾は対面授業を続けていきます。

もっと発信もします!乞うご期待!


2020-06-01

合格体験記「もし治せると言われても、ディスレクシアのままでいると思います」

合格体験記を2本お送りします。

1本目は、授業日誌のブログに2年間、振り返りを書き続けてくれた時雨くん。
(過去記事→)
コロナによる制約が次第に厳しくなるなか、ぎりぎり行われた後期入試で大学生になりました。
もじこ塾に初めて来た日から1ミリもぶれることなく、情報工学の道に進みます。

~~

時雨くんは過度激動。子供でいるのに向かない人です。
親も扱いに困るほど精神的自立が早く、知的にも早熟。
見た目も、下手すれば20代後半に見えます
(大学に合格して、だいぶ若返りましたが(笑))。

ディスレクシアとしては、左右盲が強いタイプ。これは俯瞰能力の裏返しらしいです。
おそらく音韻の苦労もあるものの(中学の合唱コンクールで「歌うな」と言われるほど重度の音痴)、圧倒的な量の雑学や論理的思考力でカバーしています。
空間認識、俯瞰能力、ストーリー的理解、戦略思考といった「ディスレクシアの得意なこと」→をすべて強力に示しています。

高校入学後、不登校から半年間のひきこもり期を経て、もじこ塾に来ました。
不登校は学校への期待の大きさの裏返しであり、空気は読めますし対人能力は高いです。
過度激動らしく、問題用紙を前にすれば猛烈さを発揮し、何か意見を求めれば、考え込んだ末に重く鋭い一言を言い放ちます。

~~

もし、ディスレクシアを「自分の知的水準で読めないこと」と定義するなら、時雨くんは最重度のディスレクシア、あるいは最重度の隠れディスレクシア→でしょう。
圧倒的な知的体力があり、数学と物理は最難関大レベルで戦えるのに対し、英語は1語をデコーディングするにも苦労しています。
そんな調子で40分も英語を読めば脳が電池切れになり、それ以上はまったく読めなくなります。

そして、単語を解読できても、その意味を覚えるのも思い出すのにも、さらに苦労しています。
わたしは時雨くんを通して、日本のディスレクシアが英語を学ぶ場合、最後かつ最大の難関は、単語の意味を覚えられないことなのだと、痛いほど実感しました。
この問題が克服されることはなく、むしろ顕在化した2年間でした。

時雨くんはおそらく今も、読んで分かる語彙は、中学英語に毛が生えた程度だと思います。
英検2級も落ちましたし、センター英語も結局は100点に届きませんでした。
でも、彼の名誉のために言うと、彼は英語が使えないかというと、全然そんなことはないのです。

その英語的な成長曲線は、どこまでも想定外の連続でした。詳しくはのちほど・・・

前置きが長くなりました。時雨くん、最後の授業日誌です:


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時雨くんの合格体験記

・国公立大 情報工学系学部 後期日程 現役合格
・公立中出身。高校受験し進学校に進むも、高1夏休み明けより不登校。
高2夏に高認合格


Q. コロナの影響で、前例のない新生活の始まりになったと思います。 大学新入生としての近況を教えて下さい。(4月中旬) いまは主に何をしていますか?何が大変ですか?何をしたいですか? 大学から自宅課題が出ているので、それをこなしつつ、自分でも予習を進めています。 各種登録の手順が書面だけで届くが、説明しながらが前提だった資料なので、読むべき順番が分からなかったり、知らない単語がでてきたりと読み解くのが大変です。 入学後の楽しみだった実験科目がしたいです。 高卒認定出身だと、どんなに基礎的な実験もやったことがないので楽しみにしていましたが、疫病対策の重要性は理解しているつもりなので学校の再開後に期待しています。 →「高認したことの唯一の後悔は、実験ができなかったこと。問題を解いて知っているが触ったことがないもの、漢字は知っているが実際には見たことのない色がたくさんある。それらを見てみたい」とも言っています。



Q. 大学入試対策として、「自分は去年することができたが、今年はコロナの影響でできないだろう」と思うことは何ですか?
現役生だと理科を春~初冬で1回転させるので、1か月ずれると、12月以降の全体像を理解したうえでの演習が足りなくなりそうです。


→4月中旬時点での答えです。ほんとに、今年の大学入試はどうなるのでしょう…


~~~

Q:もじこ塾をどうやって知ったか。入塾の決め手は。
もじこ塾のことは、以前通っていた兄から聞きました。
勉強から一時期離れていたころに、勉強を再開するにあたって苦手教科は誰かに教わらなければと思ったのが入塾の決め手です。

→時雨くんは本人、兄、両親、祖父に至るまでディスレクシア。
ここまでそろっている家系は、もじこ塾内でもなかなかいません。


Q:他の予備校との兼ね合いは。英語はもじこ塾以外でも勉強したか?
数学、物理、化学は、駿台に週1回3時間ずつ、夜に通っていました。
アカデミックな授業は、気に入った先生と出会えれば、公式をただ暗記したりと何が何だか分かりもせずに問題を解くことが最小限まで抑えられるので、理系にとっては楽しいと思います。(受験の近道ではないかもだけど)

英語は、予備校はおろか、高校入試以降はすべてもじこ塾で教わりました。
過去のブログにも載っていますが、文法も発音も読解もすべてです。
逆に言えば他を知らないので比較したことが書けません(笑)。

→時雨くんとの授業は、予備校や高校の授業とはまったく違うものでした。
授業日誌のブログにも書いてきましたが、ここで総括しておきます:

時雨くんとは、最後の授業まで、四技能すべてを扱いました。
20年以上受験指導してきて、直前期までスピーキングの練習をした生徒は、時雨くんが初めてです。
しかしこれはおそらく効果的でした。
ディスレクシア的には、スピーキング力あっての読み書き能力らしいです。

受験対策という意味では、捨てた分野もありました
(文法四択問題:inやatのような小さな単語を文脈抜きで正しく読むのは無理)
(リスニング:時雨くんの場合、選択肢の文章を読むのが遅すぎてついていけない)
それ以外、つまり構文解析、和訳、説明問題、英訳に取り組みました。

授業のハイライトは、なんといっても「読字訓練」→
時雨くんとの読字訓練は、言葉で言い表せないくらい、地道で過酷なものでした。
ものすごく疲れますし、一歩間違うと目まいや頭痛などの身体症状が出たりします。
うっかり負荷をかけすぎて限界を超えてしまったときは、見てていたたまれませんでした( TДT)。

そんな調子なので、長文問題を1問まるまる全部読んだことは、一度もありませんでした。

しかし。
前期入試の長文は「今までで一番読めた」、
後期入試に至っては「全部読めて、意味もとれた」と言うのです・・・
。゜。゜(ノД`)゜。゜。

読字訓練は、すごく過酷で、しかも結果が数字に出ないことも多い。
でも、ここ一番で読字訓練の成果がどう現れるかは、本当にその時になってみないと分からない
・・・と、最後の最後に知りました。

読字訓練はこの上なく過酷でしたが、効果はあったようです。


Q:入塾を考えている人へ、もじこ塾はどんなところと説明するか?
もじこ塾では、個別の授業で分からないところをその場で聞きながら、志望校の傾向を意識して進めます。
自分はもじこ塾以外で個別で教わったことはありませんが、苦手科目の中でも自分が得意な部分や苦手な部分を個別だと教えてもらえるし、得意な部分で苦手をカバーする方法も使えるようになりました。
もじこ塾は、凸凹を理解しその活用法を一緒に模索してくれる塾だと思います。

→もじこ塾を完璧に定義してくれてありがとう・・・!
これからも、そういう塾であるよう、頑張ります。


Q:もじこ塾で勉強したり話したりしたなかで、特に印象に残っていることは?
一番はやはり英作です。
受験学年になる前は自由英作文を添削してもらったことがありますし、受験勉強としては和文英訳を添削してもらい、書いた内容が伝わるようになっていくのは、英語の勉強をしてきた中でも一番楽しかった勉強でした。

→時雨くんは単語量は中学レベルですが構文知識は大学受験レベルなので、英語のなかでは英作文が得意でした。
ディスレクシアはスペルミスがすごく多いので(これは撲滅不能と、アメリカでも言っています)、英作文を得意にできたのは、当初予定からは想定外でした。


Q:ディスレクシア的に、大学入試や受験勉強において特に注意するべきことはあるか?
大学入試では多くの勉強法があり紹介されているものを見かけますが、当然他人と同じことをしても受かるとは限りません。
むしろ、自分にあった勉強法を模索することが、どうせ入学1年後には忘れてしまう入試勉強の意味だと思っています。

自分の場合、知識はなぜを大切にすることです。
使える公式は白紙に導出過程を書けるようにするために、思い出せないときはヒントを見ながらでも、証明を裏紙に書くようにしていました。

→英語だけでなく、理系科目の公式などの暗記も苦手としていた時雨くん。
「本当に重要なものだけ覚えて、あとはその場で導出している」と、よく言っていました→


書くことも苦手とするディスレクシアですが、同時に順序を先に考えて行動するタイプの人には、誘導にのらなければならないマークよりも、白紙解答用紙に自分の考えた順序で書く記述式の方が解きやすいかもしれません。
完答する問題は大抵、問題文を読んだ時点で解く過程が想像できた問題ですから、よく言われる「本番では解ける問題から解く」ためには、普段から解答の先読みを意識して問題演習を重ねていくと、限られた時間で最大の点数がだせると思います。

→「マーク式の数学は誘導に乗らないといけないので苦手」は、他の生徒も言っています。


Q:自分がディスレクシアだと知ってどう思ったか? 現在はそのことをどう捉えているか?
自分が周りの同年代の子達と何か違うとは思っていたが、そこに名前がついただけだと思っています。
個性の一つとして認知してもらえれば十分だし、理系としての素質もディスレクシアをもとにしていると思えば、英語ができないのはその"代償"で、もし治せると言われてもディスレクシアのままでいると思います

→(ノД`)゜。
これが負け惜しみでないことは、彼の言う"理系としての素質"を知れば明らかです:

「人は僕を英語ができなくてかわいそうと思うかもしれないけど、僕は物理ができない人をかわいそうと思ってますから。
僕には世の中の現象が物理的に見えるたいていのものの力線が見える。
歩いていても、階段を上っても、首を動かしたり腕を曲げたりしても、解剖学的なことはわからないが、刻々と変化する力の方向が物理現象としてすべてわかる。
ガラスに映っている蛍光灯の反射が感覚として分かるし、海に行けば壁にあたった波を見て自由端反射も分かる」

・・・(゚Д゚)・・・

その一方で、
「自分がコンピューターサイエンスの世界でひとかどの人物になった暁には、世間に向けて"自分はディスレクシアなんだ、英語を読むのに本当に苦労してるんだ"と堂々とカミングアウトしたい」
と、涙を流したこともありました。
(自分語りすると涙が出るのは、過度激動の特徴だと思います。)


Q:合理的配慮について。入試で配慮を受けたか。大学に入って受ける予定か。その理由は?
端的に言えば受けなかったし、今後も受けないと思います。
診断が出ないだろうというのもあるし、テストでは大多数の人と同じように扱われていいと思っているからです。

→実はここまで言い切るまでに、一山ありました。
高認合格後、やはり英語が大変そうなので、配慮入試を検討してもいいかもという話になり、検査を受けに行きました。
でも「それだけ(日本語が)読めるなら、診断は出ないだろう」と検査の段階で言われたのです。

その後、志望大学が配慮入試を行っていないらしいことを、入学試験の部屋割表から推測し、「『この入試問題をこの時間内に解ける人に来てもらいたい』というメッセージなのだ」という結論に至ったのでした。
しかし、結局はセンター試験を別室受験することに成功します。というのも、、

しかし、今回の受験では、センター試験の国語の時間中に口から声が漏れていると注意を受け、気にしながら解いたが、3~4回目の注意の後、別室に移動するよう言われました。その際、移動にかかった時間は補償してくれたし、その後の試験も1人で受けられたので、ラッキーだったと思っています。

→模試のときも、独り言やジェスチャーがものすごく大きいので、一緒に模試を受けていた人から「どこを解いているかわかる」「発熱体」とからかわれるほどでした。
しかし強制連行(本人談)されるとは(笑)。今となっては笑い話ですね。


Q:高認について。
高認から現役で大学に合格するというのはとても険しい道だったと思いますが、それでもその道を選びたいという人に対し、アドバイスをお願いします。

・高認合格まで
自分が高認を楽に合格できたのは、高校受験を高いレベルでこなし、中学校の範囲の勉強は一通り頭に入っていたからだと思います。
高認最大の難しさは、2日間で英語、数学、国語(現代文、古文、漢文)、世界史、日本史or地理、公民、理科(基礎付き3つor「科学と人間生活(旧理科1)」と基礎付き1つ)と多くのテストを一気に受けなければならない点です。
それぞれのテストは、1年半後に大学入試を受けるつもりの人にとって難しいものではありませんが、社会科も理科も3つというのは受験ではありえませんから、しっかりと準備をして臨む必要があります。
高校入試で高得点を狙っていた人なら、現代文、英語、地理、公民、「科学と人間生活」は過去問を数回解けばできますが、そうでなければ学校に通い、授業と毎回範囲の区切られた定期テストを受ける方が楽でしょう。

→ほんとそうですね。時雨くんの経験から、「中堅以下の高校に在籍しているなら、高認よりも高校で単位を取るほうが、高卒の資格は楽に取れる」と私も生徒に言うようになりました。


・高認合格後
予備校では、高認に合格していると既卒用のクラスにも入れるし、年齢通りのクラスにも入れる場合がほとんどです。自分は、予備校の現役クラスに通いました。

図書館で自習している時には、友達と来て休憩中にはお喋りしている人をよく見かけますが、基本一人で勉強することになります。
また自習の時間が、既卒として予備校に通っている人、高校に通っている人よりも多くなるので、それぞれの単元をよりじっくり勉強できますから、突き詰めて勉強する気持ちがあればむしろ勉強自体はしやすいくらいかもしれません。好きな教科ばかりやってしまいがちにはなりますが。

しかし、問題は気持ちの方で、1年間24時間受験勉強のことを考え続けると大変疲れてしまいます。なので、適度な息抜きになる趣味は必要でしょう。
また、大学にいってしたいことがないと、普通は周りの雰囲気に流されて勉強椅子に座ってられても、その「周り」も「雰囲気」もないので、受験勉強そのものから逃げる選択をしたくなったときに戻れなくなるかもしれません。

→時雨くんは、「CPUの開発にたずさわりたい」という非常に明確な目標があるので、受験勉強から逃げたくなったことはないと思います。
それでも、孤独で単調な日々にあって、心身の調子を保つのは、楽ではありませんでした。
そもそも、なぜ高校に行けなくなったのかも、ずっと言語化できないままの受験生活でした。

これについては、この合格体験記を書いてもらった後に5時間(!!)聞き取りをして、ようやく私の中では腑に落ちました。
・・・おそらく、高校受験で燃え尽きたのではないかと思います。

時雨くんのことですから、それはそれは猛烈に英語に取り組んだことは、想像に難くありません。

「中2までは点数も評定も取っていたし、英語は得意科目だと思っていた。
だが中3に入り長文が登場し、内容の類推がきかなくなると、急速に不得意科目になっていった」

「クラスで音読競争をすると、自分よりもテストの点数が低い人達にもぶっちぎりで負けた。教師が、自分が読み終わっていないことに気付かずに授業を終えてしまうほど遅かった」

「"読めない"と訴えても、どの教師も"音読しなさい"としか言わない。でもそのためには、すべての単語を電子辞書に入れて発音させないと読めない。ひとつの段落を読むのにどれだけ時間がかかるのかと」

・・・なぜか他の生徒はどんどん読めるようになるのに、自分はまったく読めない。
そのときの焦りと混乱は、どれほどだったかと思います(T T)。

時雨くんが自身をディスレクシアだと知ったのは、高校に入学した頃です。
もし、もっと早く知っていたら、ひょっとしたら英語の取り組み方も変わっていて、高校入試で燃え尽きず、違う3年間があったかもしれません。

でも、もし高校に行っていたら、コンピュータ・サイエンスの世界で必要な英語を読む力を身に着けることは、おそらく不可能だったことでしょう。

いま振り返ると、よくぞ生きてこの精神的難局をくぐり抜けたと思います。
それくらい過酷な日々でした。

~~~

最後はなかなかカッコいいので、コメントを入れずにお送りします:

Q:もじこ塾に通っている生徒に、激励のことばを。
大学受験はもちろん楽なことではありませんから、その辛さを乗り越えるための自分自身の目標があることが大切だと思います。

その目標にたどり着くために、努力出来るところは努力で、そうできない所は工夫を凝らして乗り越えてください。


Q:もう英語から逃げたいと思わなかったか?

逃げて良いならいつでも逃げます。
単語を覚えるのは苦手だし、せっかくフォニックスを覚えても例外だらけだし、口馴染みのある単語すら書くのが難しいうえに、アクセント問題なんて先生に口に出せていると言われても、どこがアクセントなのか結局いまいち分かりませんでしたし。
が、自分が情報工学を突き詰めたい以上、英語は確実に必要なツールです。
そこを秤にかけたときに、英語から逃げる選択をすることはないと思います。


Q:将来の夢を1行でどうぞ
CPUの性能があがり、加速した先の世界が見てみたいです。

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将来の夢を1行で言えるくらい目標が明確でないと、ディスレクシア的読字訓練に耐えることはできない。・・・時雨くんから学んだことのひとつです。

「『なぜ英語を勉強するのか?』という問いに対し『こういう目標があって、そのために必要だから』と明確に答えられる人だけが、厳しい読字訓練に耐えることができる」

「目標があり、そこにたどりつく途中に英語というハードルがあるなら、腹をくくって英語をやるのみだが、それがないなら、英語をやる必要はないし、たぶん無理だろう」

という話は何度も出ました。

私もこの点には全面的に同意します。
もじこ塾で勉強したい大学受験生には、将来の目標を1行で言えるようにしてほしいです。

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最後に、過度激動の先輩として、この場を借りて一言:
過度激動的には、自分の凹凸を飼い慣らすことが、人生の大きなテーマだと思います。
時雨くんほどの突き抜け方をしている人となると、凹凸を飼い慣らすのは大変なことでしょう。その課題に正面から向き合った数年間だったんですよね。
過度激動は年をとるほど知識、経験、対人関係、激情のバランスがとれてきて、若いころのほうが大変だったと、自分を振り返って思います。
できればその才能は、自分のためだけでなく、他者のため…社会変革に使うことを模索したほうがいいです。それが結局のところ、自分を救うことにつながります。

この先も英語から逃げなければ、時雨くんの読字脳はまだ進化を続けることでしょう。
コンピュータ・サイエンティストとなった時雨くんが感動的なカミングアウトをする日が、今から楽しみです^^

その時にもじこ塾を、時雨くんの母校(?!)として言及してもらえるよう、私は引き続きこの塾を育てていきます。