on dyslexia

ディスレクシア
(読字障害、読み書き障害、失読症、難読症、学習障害、読み書きのLD)について、調べて分かったこと/実践したこと/英語から訳した文章をアップしています。

ディスレクシアとは:
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知能は普通だが、読み書きが苦手(誤字が多い、読み書きが遅い、読み間違いが多い)。
-勉強しているにもかかわらず、読み書きがなかなかできない状態を指す。知的障害ではなく、普通~ギフテッドのあらゆるIQにみられる。
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独創的で、​​対人能力が高い。
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全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力
に長ける。
- ​音と文字の脳内での結びつきが弱いことから起こるらしい
- ​読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい。その理由は、英語のほうが日本語よりも"音の粒"が小さいから​
- ​細​​​​かい聞き間違いがみられるが、音声情報の処理能力は高い
- エピソード記憶が得意。固有名詞などの細かい丸暗記は苦手
- 適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される-
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10人に1人程度いるというのが通説
​。アメリカの調査では3人に1人とも
- 家族性であり、遺伝による​。ただしディスレクシアの表れ方は個人差が大きい



当ブログは、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能である、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要--という立場です。


2014-09-20

ハイパーレクシアの3つのタイプ

前記事、ハイパーレクシアでADHDな私が本当に「読める」ようになるまでに、ハイパーレクシア的に大変興味深いコメントを頂きました。 
ハイパーレクシアの人がどのように育つか、いくつものケースを知っています。ディスレクシアより少ないはずなのですが、集まるところには集まってしまうのです。ディスレクシア以上に、幼児期だけ発見しやすく、大きくなるとわからない人が多いです。案外大きくなると本はあまり読まない人もいます。
もじ子さんのいう、幼児期神童扱いされ、あるときスランプに陥る、という意味も、よくわかります。様々なタイプがいて、様々な経緯をたどっていました。他の障害らしきものを併せ持っている人も多いですし。 
解決策としては、もじこさんのされている通り、頭の中で映像化する能力を育てることが重要なのだろうと私も思っています。具体的にいうと、文字に関係ない、会話や状況などの音声からの理解力や対人能力、映像の観察力、想像力、などを意識して強化することが、ハイパーレクシアの行き詰りからの脱出の道なのでは、と思います。事前に仕入れた知識を使って推測読みをするディスレクシアの読み解決方法に似ていて、これも、もじこさんのお話の通りですね。 
幼児期や学生時代、ディスレクシアもハイパーレクシアも、文字に過剰に偏った教育をいろんな意味でしがち、強要されがちだと思いますが、彼らがより自由に生きるためには文に関係ない学びが必要だと思っています。現代社会を生きるために文字の教育も絶対に必要だとは思いますが

バーバモジャさんの観察は相変わらず鋭すぎます!

「頭の中で映像化する能力」は、そういう風に訳したらほめられたので、意識してそう訳すようにし、気がついたら普通に読む時もそうなっていたという感じなのです。
なんでこの方法にたどりついたのかは自分でもわかりません。
食うための必要から試行錯誤していたら、たまたま発見したかもしれません。

ディスレクシアに関連してひとつ思うのは、
ハイパーレクシアにしてもディスレクシアにしても、学齢期だけでなく、成人後に認知方法ががらっと変わることがあるんだ、ということです。もちろん、ディスレクシアが急にハイパーレクシアになるということではないのですが・・・でも、「40歳の時に急に霧が晴れるように字が読めるようになった」と私に言うディスレクシアの知り合いもいて。。

だから(飛躍してますが)自分に関しても、子供に関しても、決めつけはよくないですよね。


☆  ☆  ☆


前回の記事を書くために読んだ、アメリカのハイパーレクシアの記事を、訳しました。
ハイパーレクシアは自閉症との関係で、3つのタイプに分かれるようです。

著者のDarold A. Treffert氏は、アメリカにおけるハイパーレクシア(と自閉症)の権威とのこと。なんでもカナー博士から直接自閉症について学んだとか。

訳しておいてなんですが、やっぱりディスレクシアの方が探求しがいがあるかも(笑)


☆  ☆  ☆

ハイパーレクシアの3つのタイプ
原文→こちらこちらからの抄訳です。

・単に早い時期から読めるタイプ(I型)。やがて周囲に追いつかれる
・自閉症スペクトラム障害に伴う突出した能力としてのハイパーレクシア(II型)。
・自閉症と誤診されたハイパーレクシア(III型)。12歳で突出した読み能力とともに自閉症の症状のいくつかを示すため、自閉症と診断されるが、その後社交性を発達させ、自閉症は誤診だと判断される。



時々、「自閉症」から「回復した」人、「卒業した」人の話を耳にすることがある。たしかに心強い。だが実は、自閉症からの「回復」に見えるものは、実は最初から幸運にも自閉症ではなかったのである。むしろそれは、ハイパーレクシア(非常に幼い頃から読める子供)かアインシュタイン症候群(話し始めるのが遅い子供)から「卒業」したのである――これらは自閉症様の症状が一定期間みられるため、自閉症スペクトラム障害と(私の考えでは)誤って早すぎる時期に診断されてしまったのである。
「これら自閉症でない(ハイパーレクシアやアインシュタイン症候群の)子供たちが、神経学的に定型の賢い子供である」という良い知らせは変わらない。だが悪いことがあるとしたら、それは自閉症という診断を下されると、親はその後について必要以上に否定的になったり心配したりして、時には無用あるいは有害な決定を、治療、生活、教育の面で下すことがある点だ。
(中略)
ハイパーレクシア、I
定型発達児のなかには、非常に幼い時から字が読める子がある。非常に賢い傾向があるが、自閉症ではない。幼稚園で先生ではなく児童が全体のために朗読し、しかも内容を理解している様子は、非常に驚くべきものであり、興味をそそる。親は非常に誇りに思い、目撃者はあっけに取られる。しかし、やがて他の子供たちの読み能力も追いつき、その子にとって早熟な読み能力は単なる過去のことになる。これを私はハイパーレクシアI型と名付ける。
1JTの例)
JTは兄弟姉妹とともに、夜寝る前に母親の読み聞かせを聞いて育った。3歳のとき、JTは自分が「Little Black, The Pony」を自分で読みたいと思い、母親が読む口元を熱心に見つめていたのを覚えている。そしてある日それは起きた。母親に読んでもらうのでなく、JTが母親に読んであげたのだ。父親は疑い、JTは本を「暗記した」だけに違いないと言った。だがそうではなかった。母親はJTに新聞記事を渡すと、JTはそれを初見で完璧に読んだ。
幼稚園ではJTはクラスメートのために読んで聞かせ、先生たちを驚かせた。正式な検査の結果、JT3歳時に6年生のレベルで読み、完全に理解しており、しかも定型発達であった。年齢を重ねるとともに読解力は級友たちに追いつかれたが、彼女の高い読み能力はその後も彼女を助けた。彼女は弁護士になり、母親となった今は自分の子供にも読み聞かせを行っている。
時々「定型発達でハイパーレクシアの子供は大人になるとどうなるのか」という問い合わせを受ける。50代以上の人で「子供の頃はハイパーレクシアだったが、その後も『自閉症風の』性質や行動が一切残ることはなく、普通に問題なく大人になった」と書いて来る人もいる。

2LMの例)
LM(34)3歳になる少し前から読み始めた。言葉や文字に取りつかれており、本を手放すことは決してなかった。あらゆる所の標識や文字を指差しては、スペリングの間違いを指摘した。読んでいる内容を必ずしも全部理解しているわけではなかったが、読むことから彼女が得る楽しみは「言葉の音楽」にあった。本の真ん中から読み始めることもあった。ストーリーはどうでもよく、読むという行為自体が快楽だった。
LMは数学が得意で、音楽の才能もあり、絶対音感があった。LMが神童か見るため心理テストが行われた。「私はそうではなく、最終的には『普通』と宣言された」。子供の頃は引っ込み思案が問題で、友達は少なかった。
LM13歳のとき、家族とともに米国に移住した。奨学金を得て私立学校に入り、英語の正式な指導を受けることなく、1年目で英語が流暢になった。高校卒業後は工学修士号、法学修士号を取得し、現在は大手弁護士事務所で特許担当の弁護士として働いている。ソーシャルスキルはおおむね正常化した。LMは今も高い読み能力が続いており、職業上非常に便利だと感じている。文章の逐語的な記憶は法律調査に非常に有利だという。また同僚からは、瞬時に入力ミスを見抜く能力をうらやましがられている。高い速読力は仕事で大いに役立っている。
LMは自分が幼い頃から読めたこと、つまり彼女のようなタイプのハイパーレクシアを「障害」と分類することに、当然のことながら躊躇する。この能力は負債というより資産であり、「障害」ではもちろんないという。「ハイパーレクシアという診断が存在しない時期に成長期を迎えることができたのはラッキーだった。親は私をあえて分類するなら『ギフテッド』になるとは考えたものの、それ以外は思いもしなかった」

私はこのタイプを「ハイパーレクシアI型」と呼ぶが、なかには、定型発達の子供なのに「ハイパーレクシア」とレッテルを張ることで何らかの異常や「障害」をもっていると見なされることを恐れ、この状態はハイパーレクシアと呼ぶべきでないとする人もいる。躊躇する気持ちは分かるが、近年「ハイパーレクシア」(幼少期からの読み能力)が自閉症児の「突出した能力」と誤って言われることがあまりに多い。だが以下で示す通り、そうではないことが多いのだ。このことを踏まえて私はハイパーレクシアをIIIIII型に分けた。たまたま幼い頃から読めた子供と、真の障害を持つ子供との間に重要な区別ができるようにするためである。
ハイパーレクシアI型は「障害」ではないため、治療も必要ない。「定型」の賢い子供が、早熟な読み能力で親などの大人を驚かせる興味深い現象ということだ。いずれは同級生に追いつかれるが、このタイプの子はその後も学業で成功することが少なくない。
ハイパーレクシア、II
サヴァン症候群の突出した能力、つまり自閉症スペクトラム障害の一症状として、ハイパーレクシアを示す子供たちがいる。通常はむさぼるように読み、読んだ内容を驚くほど記憶している。しばしば、他の記憶能力や、数や日付の計算能力を伴う場合がある。明らかな強迫性と厳格さが見られる。こうした突出した能力は、もう一方の特徴である、自閉症スペクトラム障害に見られる言語的、社会的、行動上の問題と併存する。通常は自閉症スペクトラム障害、アスペルガー症候群、広汎性発達障害の診断を受けている。臨床症状、病気の経過、予後は、自閉症スペクトラム障害の典型に従う。
ハイパーレクシア、III
これはI型、II型よりも少ないが、「自閉症」と誤診されることのあるタイプである。その理由は、自閉症スペクトラム障害の「自閉症風の」症状と区別がつかないことにある。このタイプの子供たちも非常に幼い頃から読め、しばしば驚く程の記憶能力を見せるとともに、他の分野でも早熟な能力を示すことがある。一定期間、「自閉症風」の行動を示す場合がある。例えば、通常とは異なる鋭敏な感覚(音、感触、味などに対する)。愛着を求めるし、愛着を避けもしないため、自閉症スペクトラム障害の子供よりも社交的で、すすんで人の輪に入って人と交流し、自分の殻に閉じこもらない。アイコンタクトも取る傾向があるし、親しい人とは非常に密に交流する。
自閉症スペクトラム障害と一般に結びつけられる行動や症状のいくつかが見られる場合がある(オウム返しを好み自分から会話を始めない、代名詞の逆転、ルーチンを厳格に守りたいという強い必要性[強迫的に同じであろうとする]、聴覚過敏や他の知覚過敏、特定の物に対する強い恐怖心、強い聴覚・視覚的記憶、選択的に聞くため傍から難聴に見える)。こうした子供たちはかなり賢く見え、探求心旺盛で、一部の分野で早熟な傾向が総じてみられる。読みと記憶力に対する関心の高さと習得ぶりは顕著であり、しばしば驚くべきものである。自己刺激的行為など、他の「自閉症様」の症状や行動も見られる場合がある。一部の親が言うところの「自閉症を卒業」したように見える。私はこのグループをハイパーレクシアIII型と呼ぶ。
1
ある母親が書いてきた。「あなたのサイトの症例は、私の娘にそっくりです。娘は話し始めるのが遅く、知らない人との交流を避け、そして2歳半ごろには読み始めました(正確に言うのは難しいです、この頃はまだ娘を本を暗記しているに違いないと思っていたので)。あなたの言葉を借りれば、彼女は「自閉症風」でしたが、いくつかの点で明らかに自閉症と呼ぶのは間違っていると思えました。3歳になる少し前に自閉症の診断を下されましたが、どうもそうだと思えませんでした。15ヶ月の療育を経て、現在彼女は『正常な』(その意味は定かでないですが)4歳半となり、今ではあれは誤診だったということになっています。その一方で、彼女は早熟な能力をいくつか示しています(読み、算数、空間能力、表現言語など)、数値化可能な点では遅れはありませんが、社会的関係(最近は早熟気味)、感覚の問題、行動レベルでも普通とはちょっと違います」。この母親は「自閉症の問題ではないことにほっとしている」一方、娘の教育をどうすべきかについては悩んでいるという。学業(2年生並み)に合わせて飛び級させるか、それともソーシャルスキルや感情の操り方(遅れはもうない)が学業と凹凸があるのでそれに合わせて1年遅らせるか、迷っていた。彼女は娘にどれが一番適しているか調べている最中であったが、娘は自閉症ではないと考えるようになった。

2
以前このサイトにあった書き込みを見て、ある母親が息子の動画を送ってきた。111ヶ月のNS君、アルファベットを読んでいる光景だった。「息子はあらゆる場所の文字や数を見ますし、ショッピングセンターに一緒に行けば店の看板を読み上げます」。
NHは生後12ヶ月のとき、神経学者から紹介を受けた心理学者によって「自閉症」の「明確な」診断を受けた。指さす、手をたたく、手を振ることがまったくなかったからである。だが2歳になる前には100語ほどの語彙があり、2歳の誕生日の頃には2語文を作っていた。「まったく問題なく、毎月さまざまなスキルを学んでいた。ハッピーだったし、学ぶのが大好きだった」。「自閉症」との診断にもかかわらず、2歳の時にはコミュニケーションも良好に取れており、一人遊びが好きだったものの、他の子供のまねをしたり、特に年上の子(46歳など)と遊ぶのが大好きだった。家族とハグもするし、色も全部言えた。この頃母親は「NSに会う人は、この子は自閉症なんだと聞くと非常に驚きます。ABAとはうまくいっています。ただ、文字や数に惹かれる様子はとても不思議です」

半年後、再びメールが届いた。「励ましの言葉を頂き、ありがとうございました。あなたは正しかった。息子は順調です。彼の言語能力は年齢並みに追いつきました。相変わらず、非常に社交的で愛嬌たっぷりです。数字や文字も大好きです。現在2歳半で、40まで数え、認識することができます。Bで始まる単語は…Aで始まる単語は…Zで始まる単語は…と言ってくれます。まだ読めませんが、B...L...U...Eを見てから『あ、BLUEだ!』と言えます。社交的ですが、ごっこ遊びはしません。いとこと遊んだり、家の周りを走ったり、公園で他の子供たちと遊ぶのが大好きです。私が見るところでは、彼はちょっと特別な部分もある普通の2歳児です」


アインシュタイン症候群(→話し始めるのが非常に遅い、自閉症と誤診される)
(中略)話し始めるのが遅い子供たち239人は、予後が非常に良く、自閉症スペクトラム障害とは大きく異なることを考えると、自閉症と誤診されたと言える。彼は、アインシュタイン症候群に合致する子供たち、すなわち非常に賢いが話し始めが非常に遅い子供達は、他の原因で話し始めるのが遅い子供達同様、専門家による慎重が評価が必要だという。また彼は、親とのやりとりを通じて、話し始めるのが遅い子供たちの中には、自閉症だと幼い頃に診断され、過渡的に自閉症様の症状が見られたものの、成長とともに薄れたケースがあることを知った。この誤りは、ハイパーレクシアIII型の子供たちの親が抱えるのと同じ不安と悲観につながる。

ここから言えるのは、非常に幼い子供が、早熟な読み能力と単語への並々ならぬ興味を示した場合、特に自閉症スペクトラム障害を示唆する可能性のある他の言語的・社会的問題も同時に見られる場合は、ハイパーレクシアの知識を持つ専門家による包括的な評価が必要だということだ。同じことは、話し始めるのが非常に遅い子供にも言える。

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