ディスレクシア専用英語塾「もじこ塾」のブログです。 ●ディスレクシアとは:知能は普通だが、読み書きが苦手(読み間違いが多い、読むのが遅い、書き間違いが多い、読むと疲れやすい)という脳の特性 ●全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力に長ける ●読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい ●適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される ●10人に1人程度いるというのが通説 ●家族性とされるが、ディスレクシアの表れ方は個人差が大きい もじこ塾は、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要、という立場です。

2021-10-18

『ディスレクシアだから大丈夫!』ディスレクシアでも読みやすい工夫がいっぱい!(1)

ディスレクシアが得意なこと」のもとになっている本の日本語版が、ついに刊行!



もじこ塾でも、生徒に対し読むよう、そして親に読んでもらうよう、プッシュしています。


「えー、私でも読めるかな…」と気にしている様子の生徒に対し、

先にゲラで読んだ助手が「読みやすいから、たぶん大丈夫」とプッシュしていたのが嬉しかったです(TT)

実際、日本語版は読みやすい工夫がいっぱいなのです!


1) 1冊まるごと、UDデジタル教科書体



ディスレクシア・フレンドリーなフォント、UDデジタル教科書体→

実は、もじこ塾とUDデジタル教科書体は、というか、もじことこのフォントの生みの親の高田さんは、ディスレクシア・ジャーニーを共に歩んできた戦友なんです。

アルファベットと違い、日本語は数千もの漢字があるため、フォントをデザインするのは何年もかかる大変なプロジェクト。加えて、読みやすいだけでなく、小学生が見て字形のお手本にできるフォントにするという独特の難しさが……そういう苦労話を地元のファミレスで飲みながら(笑)現在進行形でずっと聞いてきた間柄でした。

そういう縁もあり、もじこ塾の教材やパンフレットの日本語部分は、すべてこのフォントで作っています。

生徒からも「疲れにくい」「読みやすい」「あたたかみがある」と好評です。


いまや、LD教育界でUDデジタル教科書体を知らない人は"もぐり"と言えるほど、標準化したこのフォントですが、

今回、本をまるごと一冊、UDデジタル教科書体で組むことができました!

行間も詰めず、ディスレクシアに必要なだけ、ゆったりとってあります。

その分、ページ数も増え、本の価格も上がりましたが(TT)、

ディスレクシアでも読みやすいフォントで本を作れたことが、本当に嬉しいです!!

このことが出版界で話題になってほしい!

金子書房の決断にも感謝!

本を手に取って下さった方による、紙面の感想もぜひ聞きたいです!


詳しい目次→ 

2021-10-05

「ディスレクシアの得意なこと」の翻訳本刊行!(3)(推薦文、オンラインイベントのお知らせ)

もじこ塾の原点、「The Dyslexic Advantage」の日本語版が、10月中旬に刊行されます!

詳しい目次→ 


先週、ようやく原稿が印刷所に入りました・・・!

校了してからというもの、抜け殻のようになっています(苦笑)

授業があるので、なんとかなっていますが。

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もじこ塾が、ブログから始まったことを知る人も、少なくなりました。

同じ著者による「隠れディスレクシア」の頃から当ブログに来てくれていて、

この文章によって人生が変わったといっても過言ではなく、

そしてもじこ塾以前のもじこを知る人と言えばこの方・・・

助手の紺さんこと、笠野紺さんをおいてほかにはおりません。

紺さんに、この本のゲラを読んでもらいました。

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この本は素晴らしいです。


私がいままで読んできたディスレクシア本の中ではずば抜けて、

内容が実践的だし、経験則的だし、科学的でもあると感じました。


この本は「ディスレクシアとはどういう人か」という謎に、色んな視点から迫っていきます。


いままで自分が見てきたディスレクシア書籍は、

「読者に当事者もいることを想定してない…?」と感じることは多かったです。


(その辛さは体感でもう知ってるしな〜。もっと建設的な話というか、

 発展や希望のもてる話とか、明るい内容も欲しいな〜)と思ってました。


私自身、ディスレクシアの感覚がとても好きなのです。もちろん苦労も多いけど。

極めてフェアな視点をもつこの本が、日本語でも読める日が来るなんて嬉しいです。

フラットな気持ちに戻れるような優しい希望を感じます。


もし私の友人に当事者かもって感じる相手がいたとして、勧めたい本第一号がこの本です。

ぜひ当事者に読んでいただきたいです。


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ほんとに、当事者に明るい希望をもたらす一冊です!

◆「ディスレクシアだから大丈夫!」刊行記念トークイベントのお知らせ

刊行を記念して今週土曜、オンラインイベントを行います!




お申し込みはこちらから→




2021-10-03

笠野紺さんより、当ブログの昔ばなしを・・・

当ブログの最初の頃からの読者で、いまではもじこ塾の助手をしてくれている、
笠野紺さんに、ゲラを読んでもらいました。


詳しい目次→  


笠野紺です。

「ディスレクシアだから大丈夫」のゲラを読ませていただきまして。
今回はブログでの思い出話も交えつつ、おすすめする理由も書いていこうと思います。


私が隠れディスレクシアの記事へコメントしたのが、
もじこさんと、このブログ交流の始まりです。
あの頃の私は、世間的には精神病患者でして。薬も一種類、毎日3回飲んでました。
障害者枠の就労支援制度を使って、一般のパン屋でのアルバイト(週4、4h)と、
授産施設の商品を売るお店の店番(月1)を掛け持ちして働きつつ、
趣味の創作活動もしてました。

記事のコメント後に、
ディスレクシア・アドバンテージの作者さんの励ましになればということで、
絵を描かせていただきまして。
それがもじこさんとメールを交わすようになった最初のきっかけだと記憶しています。



精神病の誤診を疑ってて、あと昔からの自分の謎について知りたくて
発達系の記事を漁っていたころ、隠れディスレクシアの記事に出会ったんですよね。
その記事が、一番自分に近いことを書いていて感銘を受けたのでした。

ディスレクシアの経験談でよく見る王道は
・漢字が書けない。
・親が気づく。
・学校(教師)とバトルする。

…等々ですけれど、このどれもが私の子供時代には起きていません。
隠れディスレクシアの記事に出会えていなければ、
私は私の中にあるディスレクシアを正しく認識・自覚できずに、
さらに年月を重ねる可能性が、大いにあったと思います。



・小学生のときは悪い成績は取らない。
・学年が上がるにつれ失敗と失望のスパイラルになっていく。
・欠点といえる程度には欠けているが、支援が必要とまでは言いにくい。
・親や教師に気づかれない。

……これが私の実体験かつ、隠れディスレクシアを自称する理由になります。(′v`)




この本はディスレクシアの4つの強みについて書かれています。
事例を交えて強みを説明してくれています。
文章の雰囲気は淡々としていて簡潔で。
いい意味で私情が少ない(?)というか。私にはとても読みやすい文章でした。

強みの代償(トレードオフ)として、読み書き困難がある。
強みが裏目にでるとこうなります、という感じで弱みを紹介されてます。
読み書き困難へのフォローも載っていますが、英語圏でのフォローの仕方なので
日本で活かすには工夫が前提かな〜という印象でした。

それよりも!!
ディスレクシアの長所についてガンガン書いてる書籍は、
私はこの本が初めてだと思いますし、そこにとても大きな価値を感じています。
前向きな自覚・告知がしたいので、嬉しいです。
この本は自分の両親分も買って「これ読んで〜〜!!」って言って渡す予定です。
なにしろ私は、親に気づかれなかった勢ですので〜〜!!(′▽`)


どの国でも、ディスレクシアを主に研究してるのは
医療(脳・発達・言語系?)分野の人たちで、
だから研究対象=疾患・障害という名前を付けがちなんだろうな、
そんな想像も、してはいるんですけど、
「地位も学もあるだろう立場の人から、自分の日常感覚を障害って言われ続けてごらんよ。鬱まっしぐらだよ?」
とも思っていましたから。経験上。
この本の登場を、ずっとずっと待っていました!
原著者さんも研究者(お医者さん)です。そこがもう画期的。



もじこさんは長年、この本の翻訳をだしたいって、ずっとおっしゃっていました。
てぷさんも交えて、三人で話したりもしましたよね!懐かしい〜。(′▽`)
もじこ塾が始まる前から、その意欲を伺っていた私にとっても、
ついに本がでるんだ、日本語で読めるんだ〜〜!と、感無量です。


発行おめでとうございます。そして、ありがとうございます!

見本刷りが届きました!感動~

重い話を明るく書いてくれてありがとう~
もじこがずっと「ポジティブなディスレクシア観」の根拠にしてきた本を、
ようやく読んでもらえて、感慨深いです!