ディスレクシア専用英語塾「もじこ塾」のブログです。 ●ディスレクシアとは:知能は普通だが、読み書きが苦手(読み間違いが多い、読むのが遅い、書き間違いが多い、読むと疲れやすい)という脳の特性 ●全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力に長ける ●読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい ●適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される ●10人に1人程度いるというのが通説 ●家族性とされるが、ディスレクシアの表れ方は個人差が大きい もじこ塾は、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要、という立場です。

2016-04-29

お礼+感謝企画のお知らせ

もじこ塾保護者向け勉強会の動画をご覧下さり、ご寄付を下さった皆様、
心から感謝しております。ありがとうございます。
お一人お一人にお礼を申し上げるべきところ、このような形で失礼いたします。
ディスレクシア英語教育をより一層普及させるべきの皆様のお気持ち、
しっかりと受け止めました。

ここをご覧で、
「自分はディスレクシアだと思うけど、親にはとても言えない/
いくら言っても聞く耳を持たない」とお悩みの受験生がいたら、ご一報下さい。

4月中に、春期講習のご感想、保護者勉強会のご感想、
動画を見てのご指摘、ご質問など、本当にいろいろ頂いております。
ありがとうございます。
お返事が間に合っておらず、大変申し訳ありません。
少しずつ、ここでの記事の形で、または直接返信していきますので、
どうかいましばらくお待ち下さい。


感謝企画につきまして。
5/7(土)の13:00~17:00(ご都合によってはその前後も)、
都心で無料学習相談会を行います。
(中1ショック対策会を行おうと思って会場をおさえたのですが、
諸般の事情から中止しました)
もじこ塾の対象年齢以外の方、特に英語に困っている大人ディスレクシアの方で
この機会にディスレクシア的な学習相談のある方、ぜひお越し下さい。
もちろん、中1ショック対策をご希望の方も歓迎します。
詳しくはこちら→

また、週明けには特別セミナーの告知ができる予定です!
ぜひご覧下さい。


2016-04-17

もじこ塾勉強会Vol.1、終了しました。

4/14、「もじこ塾春期講習を振り返って」と題して、保護者向け勉強会を行いました。
お越し下さった方、ありがとうございました。
当日頂いた感想をご紹介します:

◆お話を聞いて、なるほどなと思う勉強法や教えが知れて、とても参考になりました。
今まではとりあえず書いて書いて書いて、ひたすら書いて、むりやり英文法や単語を覚えていましたが、これからは「聞く、言う、読む、書く」の順で勉強していこうと思いました。

◆信頼関係を築くこと、モチベーションに訴えることの大切さがよくわかりました。

◆私が自分のやり方を押しつけていたところがあると気づき反省。まずは森を見せるというところを大事にしたいです。ちょっとあせり過ぎていたかもしれません。そのせいで英語に対する苦手意識をつくってしまったのかも。あせらず、息子に合わせてやっていきたいです。いろいろやらせ過ぎにも気をつけようと思います。

◆子供自身がモチベーションを持てるような環境を、親がさり気なく創り出すことの大切さについて強調されていたのが、とても感銘を受けました。
全てのお子さんに大切なことだと思います!!!

◆現在、家で実践している勉強のしかたが、大まかに正解だったと確認できました
聞く、言うに重点をおいている点)
この悩みを持っている親御さんの話を聞くことができたことも、これから頑張っていく力になりました。

◆モチベーションの話は、まさにうちの子。核心をつかれた(それも一番痛いところ)な気がします。無理強いはダメ、「やだ。」と言ったら「ふ~ん。」と言うしかないと肝に銘じておきます。
学校へのお願いの仕方、大変参考になりました。
セルフアドボカシー」できるように、本人に君は特別な子なんだよと言い続けようと思います。

◆高校生の保護者の方のご意見や現状を伺えて参考になりました。

◆セルフ・アドボカシー、自覚しています。必要ですね。
高校生になると、本人が「こうしたい、こうしてほしい」と主張したほうが、先生は耳を傾けてくれるように思います。

◆木を教えたいなら森を見せるという話、とてもよくわかりました。親としては「物事には順序が…」とか「筋道を立てて…」などと言ってしまいがちですが、元から子供がやっていた方法で良かったのだと目からウロコでした。彼は部屋のそうじも、とにかくイメージがあるらしく、すべてをガチャガチャにして(いるように見えていた)のですが、それは効率的でなくても、そうするしできないのだと・・・。
小6の頃には、PCで提出物を出したり、自分で工夫していましたが、「中学ではそうもいかないかもよ!」と間違ったハッパをかけてしまったようです。反省です。

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皆様、ありがとうございます!

私自身は、同じ悩みを抱える保護者の方が一同に会して、建設的な情報交換ができたことを、とても有り難く思いました。
また「みんな同じ悩みを抱えている、自分の悩みはみんなの悩みでもある」という雰囲気に、大変勇気付けられました(ノД`)
ディスレクシア教育は「モチベーション+ノウハウ」。
諦めるには及びませんが、ノウハウも大事。
その両方をシェアする場を、今後も設けていきたいです。

会場の好意により(この場を借りて感謝)、当日の様子を動画にしました。
自分のしゃべる姿は相当に恥ずかしいものですが、
遠方の方、当日都合の付かなかった方のために、配信いたします→

動画をご覧下さる方に、ひとつお願いがあります。
500円以上の寄付をお願いできれば幸いです。
集まったお金は、もじこ塾の野望のひとつである
「自分ではディスレクシアだと気付いたものの親には分かってもらえない」
そんな子の進学を支援する奨学金に使いたいと思っています。
どうかこの趣旨をご理解のうえ、ご協力を頂けると嬉しいです。

2016-04-12

もじこ塾春期講習:受講後の感想

みなさん!ハンカチの用意はよろしいでしょうか。
もじこ塾春期講習の感想をご紹介します。
(感想をさっそくお寄せ下さった方々に、取り急ぎこの場を借りて御礼申し上げます):

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春期講習、とても熱心に指導して頂きありがとうございました。
最終日の帰り、まず息子が言ったのが
「前置詞と発音だけでこんな劇的に変わるとは!」
何が?とたずねたら
「俺でも読めるんだな。」でした。
今までとの違いに驚きと、それと嬉しい気持ちがいっぱいで出てきた言葉です。
録画を弟も私も一緒に楽しく何度も繰り返しみました。
受講させて頂けたことで息子が自分自身の変化を実感できたことに、嬉しく、とても感謝しています。
(新高1・男)
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。゜。゜(ノД`)゜。゜。
初日、「親がいつのまにか申し込んでいた」とつぶやいた彼は、
部活で競技生活を送ることを条件に高校入学していることもあり
高校生活へのモチベーションは抜群にありました。
ちょっと英語を読んでもらうと、前置詞が分かっていないことが見て取れたので
初日は前置詞を教え、
翌日は単語の読みに苦労していたので、3日でジョリーの42音を教えました
(上で「発音」と言われているもの)。
最終日は「やることいっぱいあるから母には来ないでと言った」と言い
高校の教科書の予習(音読と訳の録画)にひたすら励みました。
4日目、読める自分に驚く暇もないとばかりにひたすら録音する姿は、
ほんとに美しかったです。。

「この調子で部活を頑張れば、その競技で大学に入るのも夢じゃないよ」
と告げました。

彼はアスペルガータイプだそうで、
課題を明確に示すと、確実にこなしてきます。


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「又夏休みに講座があったらよろしくお願いします。楽しかったです」
という、とてもシンプルな答えが返ってきました。
作文などが苦手なので自分の感想を聞かれてもこんな感じですが
親が代弁すると
今まで、いろいろな塾を体験した事があり好き嫌いがハッキリしてる子で…
英語への拒絶反応が今まで特に酷かった…それなのに
今回のもじ子先生の短期講習で…もしかして自分でも英語わかるようになるのかも…
と、思えたようです。
先生から教えて頂いた家庭学習の方法も気をつけて実践する様に頑張ってみます。

個別塾の先生方にも一応説明したのですが、
音読ができるまでは文法は教えられないと言われてしまいました。
先生という職業の方は中々新しい方法を受け入れてもらうのに時間がかかるものなんですね。。。
(新中2・男)
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キミから「夏にもまた来たい」と言われるだけで、
先生は、教えたかいが十分にありましたよ( ̄ー ̄)また会おうね~

「カレンダーに「もじこ」って書いてあって何だろう?と思ってたら
1週間前にこのことを告げられた」「親はいつも無理やり僕を連れ回す」
「英語ができるようになりたいとは全然思わない」と公言していた彼。
英語の授業はまったく理解出来ないとのことで、
1~3日目でジョリー42音を攻略。
耳が抜群に良く、元来真面目でもあり、
rとl、aとoとuも、翌日には完全に言い分けられるレベルに仕上げてきました。
最終日には中1の文法を時間の許す限り口頭で伝授。
口もよく動き、理解度も申し分ないものでした。
最後にはiPadを指して「これなら分かるのに」。

「一切書かせずに文法をざっと教えて、口で完璧にリピートできたら書く」
が最も合っているタイプとお見受けしました、が、
「音読ができるまでは文法は教えられない」ですか・・・orz

彼は、多動のない、純粋?なディスレクシアと感じました。
例文ひとつにも、絵や状況が見えているタイプです。
この絵を大事にすることが指導のポイントでしょう。


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もじこさん、こんにちは、◎◎です。先日の春講習ありがとうございました。
その時に、私の意見を送っていいとおっしゃってくれたので、送ろうと思います。
迷惑でしたら無視して構いません。
下が意見です。

多くの人は、若者は学校に行って勉強します。その中にはディスレクシアは必ずいます。ですが、学校に行ってないディスレクシアは必ずいます、事例として私がです。
私はもの心ついた時からいろんなことを知りたい、学びたいとゆう知的好奇心は溢れていて、絵を描いたり物語を作ったりすることが好きですが、不登校です。
自閉症とゆう特性もあり、現代日本の大人とは思えない教師との遭遇を何度も経験して、小中高と合わせても1年未満しか学校に行ってません。
それはいいのですが、私は市販の「学校に行っている」前提で作られている教材が使えません。いろいろ教材を試して頑張ったのですが、失敗に終わりました。
学校に行けない、教材もない、どうやって勉強するのかわからない。ものすごい努力と根性で歴史の本などを読み、読める本で知識を得るしかない。それも、ひとりで。
勉強できないうっぷんを創作活動ではらし、それでも知識を渇望します。
学校に行かない人でも、学びたいと思う人はいます。10年20年先に全ての人が学べる社会ができていてほしいと、思います。

もじこさんとの授業は楽しかったです。
では、失礼します。
(17歳・女)
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。・ ゚・。* 。 +゚。・.。* ゚ + 。・゚・(ノД`)。・ ゚・。* 。 +゚。・.。* ゚ + 。・゚・

名古屋から来てくれたかぐや姫。
今回受講された女子は全員、男子とは対照的に
「もじこ先生に会うのが楽しみだね~」とお母様と話しながら来ました。
彼女もそうです。


一人で、ものすごいエネルギー(念力とも言う)を使って英語を読んでいたので、
もう少し楽に読めるよう、5文型を教えてあげました。
頭の中に途方もなく豊かなイメージの世界をもっている彼女は、
ひとつひとつの切り返しが宇宙人的で、ものすごく鋭くて、
教えていてとてつもない浮遊感?! 新たな視点を得る感覚を味わいました。

このタイプも、内的世界に寄り添い、
例文ひとつにしても、その内的世界を損なわない指摘をすることが
大事だと感じました。

かぐや姫さんの「学校に行っていない人でも学べる英語の教材がほしい」
という願い、しかと受け止めました。
というブログへのリンクが貼ってあります(残念ながら英語のみなのですが)
カリフォルニア在住、8児のうち7児がディスレクシアで、
全員をホームスクーリングして20年目というお母さん
(というか、ディスレクシア教育の大実践家)のブログです。
引用したことはないのですが、私もすごく参考にさせてもらってます。
かぐや姫さんのためにも、いずれきちんと紹介したいです
(だれか訳すの手伝ってくれ~)




続きの話は木曜に!残席僅少、ぜひお越し下さい→

と同時に、遠方のかたにも当日の様子をシェアする仕組みを、現在検討中です。
当ブログが、むしろ東京以外の方々からのコメントによって発展してきたことを
私は忘れたことがないのです。詳細は後日!

2016-04-09

もじこ塾16春期講習、終了しました。

もじこ塾16春期講習は、先日、おかげさまで無事に終了しました。
ありがとうございました。

愛はLDを動かす!!


もじこ塾からの唯一のお願い
「次の人のためにお菓子を持ってきて下さい」

英語の山は厳しいので、甘い物と水分が不可欠。
板書はない(先生だけが書く)
一番下の写真の生徒は、学校の文法の穴埋めテストはさんざんですが、
80分で、写真に映っている倍の英文を全部音読し、口頭で全訳しました。

ほかにも、
・英語の授業がまったく意味不明な状態で来て、
3日間でジョリー42音+αを全部覚え、4日目で中1の1学期分の文法事項を理解した中学生、
・2日で(同上)、残り2日で長文問題の解き方を理解した高校生(全部読みませんが)

あるいは、親のサポートによりなんとか学校についていっている状態で来て、
・3時間でforestの関係代名詞の章のポイントをほぼ全制覇した高校生、
・4.5時間で休み休みしながら、志望大学の過去問1年分を解ききった高校生、

さらには、
・最終日の時間が許す限り、教科書の音読(by教師と自分)と全訳(by自分)を
iPadで録画しまくった高校生、


改めて書いてみると、奇跡か煽りか、誇大広告のようですが、本当です。

私が今回学んだのは、生徒に対する全幅の愛と信頼がないと、
ディスレクシアの子には一文字たりとも、英語を教えることは不可能ということ。
多動と自閉が英語学習に与える影響の差。
そして、モチベーションが与える決定的な学習効果の差・・・

・・・という内容を、もっと具体的なノウハウの部分も含めてお話する、
保護者向けの勉強会を行います。
ご興味のある方は、ぜひお越し下さい→


2016-04-04

ディスレクシアと左右盲(または「ディスレクシアは線形感覚が不足している」)追記

この記事は、このコメント→へのお返事です。

「ディスレクシアは、線形感覚(言葉が順番に並んでいるという感覚)が
多かれ少なかれ、一定のレベルで不足しているらしい」
という内容です。

☆  ☆  ☆

まずは私の左右盲なエピソードから。
もう1ヶ月以上前のことになりますが、わたくし、
右折禁止のところで右折して反則切符を切られました(泣き笑い)

「ここ右折禁止なんですよ。地元の人? 看板見えませんでしたか?
けっこう大きい看板が出ているので、次に通ったときに見て下さいね」

・・・ええ、気付いてました。これですよね。

あまりに悔しいので、再訪してきました(笑)

冷静に考えれば、自家用車は右折禁止だと分かるのですが…
「除く」と書かれるとわちゃわちゃして、根拠のない自信が(→ADHD)

・・・このように私は、時々左右が分からなくなります。
こういう性質を「左右盲」と言うらしいことは、
コメント欄で教えて頂きました→

地図も、一度しっかり見ておけば、頭の中にGPSが見える人ですが、
時々、東西や南北を逆に進んでしまいます。それもきれいに真逆で(汗)

私は、字は人並み以上に読める人のようですが、
ディスレクシアな子との共通点が、この「左右盲」らしいです。

☆  ☆  ☆

ディスレクシアと左右盲は、かなり深い関係があるようです

そう指摘する本の、内容を抜粋して紹介します。

Dehaene, S.(2008): Reading in the Brain: The New Science of How We Read
(直訳するとスタニスラス・ドゥアンヌ「読み方の新しい科学」)
和訳はないようです。誰か訳してくれ~

このなかで著者は
人間の視覚的記憶には、左右の区別が含まれていない」と言い、
例として、「この絵は正しいモナリザだろうか?」と問います:



・・・実は左右反転しています。
このように、視覚的な記憶からは左右が抜け落ちるらしいのですが、
動物においては、それがもっと進んでいるらしいのです。

動物は左右を区別しない。
左右反転したものを同じと見なすほうが、生存に適しているから。
左向きのライオンと右向きのライオンを別物と認識していたら、食べられてしまう」

「ヒトも動物と同様、対称性を認識する力を持って生まれてくる。
だが、発達の過程でこれを「上書き(un-learn)」することで、
やがて左右を異なるものとして認識するようになる。
この力が線形感覚につながり、読字の前提となる。」

言い換えれば、
動物は左右盲であり、人間も生まれたときは左右盲だが、
成長とともに左右盲の能力を失い、
かわって、線形感覚(左から右に流れる、順番の感覚)を獲得する。
それによって、字が読めるようになる。
ということです。

著者によれば
「対称性を認識する力は、読み能力にとって邪魔
つまり「左右盲があると、読み能力に悪影響が出る」。
で、ディスレクシアの原因のひとつに、この左右盲があると言うのです(!!)

そして、過剰な対称性=「左右盲が上書きされなかったこと」
が原因の、英語ネイティブのディスレクシアの例を紹介しています。

その方は、字、語、語順、すべてのレベルでが欠落しているそうです。
字は鏡文字、時々右から左に書く、語もsawがwasになったりする、
そして語順も、SVOがOVSになる(I play tennisがtennis play Iになる)
らしいのです・・・!

☆  ☆  ☆

言語というのは線形的なものです。
英語の場合は、
「e」という文字ひとつとっても、
左からはじめて右に進み、上に曲がって反時計回りにほぼ一周し…と、
どのような順番/向きに線を引いていくかが重要です。
語も、アルファベットが所定の順番に並ぶことで、初めてオトになります。

そして、文レベルでも、英語は語順が非常に重要です。
文の一番最初に来る名詞が主語、つまり「~が/~は」の意味になり、
次に動詞が来て、その次に来る名詞は必ず「~を/~に」の意味になります。
「~を/~に」以外の意味でつなぎたい場合は、必ず前置詞を使います。
(↑ディスレクシアな中学生には、こう説明すると腑に落ちるようです)




「ディスレクシアの原因に線形感覚の不足(左右盲)がある」ということは、
日本語に置き換えると、何を意味するのでしょうか。考えられるのは・・・

1) 鏡文字を書く。
字のレベルでの左右盲。
ディスレクシアの典型的症状?と言われます。
が、実は、大人になるとけっこう減るようです。

2)助詞が苦手。
助詞は語と語のつなぎ目です。この部分が苦手なようです。
「これまで助詞は無視してきました」と語る大人ディスレクシアに、
私はけっこう多く遭遇してきました。
いわく、助詞は「オトに対して意味が小さすぎるから」だそうです。

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追記:この点について、指摘を受けましたので、貼っておきます。
うーむ、確かに「オトに対して意味が大きすぎる」のような気も。
だんだん分からなくなってきた・・・

# 助詞は「オトに対して意味が小さすぎるから」について(日本語)
 私は逆だと思います。「音に対して意味が大きすぎるから」です。
例えば4種類の絵から正解を選ぶ問題。「おまわりさんが泥棒を追いかける。」これは簡単。
「泥棒がおまわりさんを追いかける。」「おまわりさんを泥棒が追いかける。」「お巡りさんが泥棒に追いかけられる。」これはどうでしょうか。(4種類だったのは、〜を持って、など長文だったので)
この問題は、「音→言葉」に弱い失語の人では、間違えやすいと言われている。 「が」、「に」を判断しないといけないから。
「が」、「に」を聞き取れるかが重要なのです。
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3)文と文の「つなぎ言葉」が苦手。
「しかし」「だから」など、文と文をつなぐ言葉が苦手なケースが多いようです。
ただ、この部分は、教えれば「ああ、そういうこと!」と腑に落ちるようです。
また、「しかし」が入るべき場所に「しかし」を入れないで話してしまう人も、
空所問題で「しかし」を選ぶことは、わりとできるようです。

4)作文が苦手。ものごとを順を追って述べられない。
概念を、他人に伝わりやすい順番で並べていくのが苦手。
主語がなく、述語だけで話すので、何の話をしているのか分からない。
話が飛躍する・・・などの症状がみられます。
うちの子はこの問題がかなり大きいです。

☆  ☆  ☆

ここで私自身の経験を申しますと…
実はわたくし、25歳の頃(人生で一番読めなくなり、失語症というかすべての言葉が同時に出てきたがるので混乱が激しかった時期)に、「英語のつなぎ言葉(however)などに注目すると書き手の言いたいことってこんなにもよく分かるんだ!」と感動し、それがテーマの問題集まで書きました(あえてリンクは貼りません)。
この問題集は出講先の予備校の講師仲間からボロクソに言われ、某巨大掲示板では悪口のスレッドも立ち(泣)、かなり傷つきましたが、いまでは高校の教科書にも、そのとき私が使った用語がパクられています(笑)。

このとき何が分かったかというと・・・
「つなぎ言葉」をめぐる評価は、
「そこを教えてもらえると本当にありがたい!」という人たちと、
「そんなことは言うまでもなく当然。わざわざ教えるほうがおかしい」
という人たちに、二分されるということです。

私(字が非常に読める左右盲)の実感では、
つなぎ言葉への意識は、線形感覚を保つために非常に役に立っています。
なので、ディスレクシア英語学習では、
「つなぎ言葉」を意識させるような指摘が有用だと感じています。

そして、ディスレクシアな人の困り具合をはかるときに、
視読(文字を、オトにしないで直接意味を知ること)、
言語音の相対音感(オトを文字に落とし込むのに困難を覚えること)
に加え、この左右盲の3点の絶対的・相対的な強さを観察すると、
いろいろアドバイスできる…ような気がしています。

ご意見求む!