ディスレクシア専用英語塾「もじこ塾」のブログです。 ●ディスレクシアとは:知能は普通だが、読み書きが苦手(読み間違いが多い、読むのが遅い、書き間違いが多い、読むと疲れやすい)という脳の特性 ●全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力に長ける ●読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい ●適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される ●10人に1人程度いるというのが通説 ●家族性とされるが、ディスレクシアの表れ方は個人差が大きい もじこ塾は、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要、という立場です。

ディスレクシアが得意なこと・もじこ塾ver

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ディスレクシアは自由と創意工夫を好み、場の空気が読める、戦略思考の強い人たち。
読み書きの苦労は特性の一面にすぎません。
得意な能力は、大きく分けて 4 つあります。


1.空間把握能力 
立体をリアルに想像し、頭のなかで操作する力。
◆表れ方 
・立体をリアルに想像し、頭のなかで自由自在に操作できる。
・レゴ、工作、プラモデルなどが好き 
◆この能力が裏目に出ると 
・文字が反転する(bとdなど) 
・ことばで表現するのが苦手 
◆適職 建築家、エンジニア、アート系 
もじこ塾での表れ方・・・立体図形を頭のなかで回すことも止めることもできる。少しの情報で位置関係がわかる。数学、物理、美術、ものづくり、絵や写真が得意。視野が広い。左右盲。文字情報を、書いてある順に処理するのが苦手。 
「ディスレクシアは絵で考える」。空間把握能力はディスレクシアの最大の特徴とよく言われ、理系科目や美術系が得意という形で現れます。一方、文字が反転するという形でも現れます。


2. 俯瞰 (ふかん)能力
大きな視点で物事をとらえ、全体像をつかむ力。
◆表れ方
・断片的な情報から、全体像を思い描く
・人が気付かない関係性を見抜く
・複数の視点から物事を眺める
・一つの専門におさまらず、複数分野にまたがって活躍する。普通とは異なる経歴
・つっかえながら読むが、内容理解は深い
◆この能力が裏目に出ると
・速さ正確さが求められるテストが苦手
・設問を深読みしすぎて意味を勘違いする
・順序立てて論じるのが苦手
◆適職 科学者、デザイナー、企画関係など
もじこ塾での表れ方・・・読めさえすれば内容はよくわかる。周りをよく見ており、空気を読んで行動する。話が飛躍する、時系列に沿わない。大局観がある。相手の立場に立てる(優しい、優柔不断)。単語の真ん中がもやもやする。
「ディスレクシアは全体像が見える」。この能力は、時空を超える壮大なスケールの洞察力として現れます。一方、細部(スペルなど)に注意が行きにくいようです。


3.物語理解能力
物事をストーリーとして理解し表現する力。

◆表れ方
・ストーリーとして、物事を理解し記憶する
・エピソード記憶が意味記憶より強い。抽象化せずに具体的なストーリーのまま理解する
・具体例やたとえ話を使った説明を好む
・少しの刺激で、記憶がリアルによみがえる
・固有名詞は覚えないが、昔の事をよく覚えている
◆この能力が裏目に出ると
・事実の丸暗記や抽象化が苦手
・問われたこと以外も答えてしまう
◆適職  作家、法律家、教師、営業関係
もじこ塾での表れ方・・・物語を使って暗記し、思い出す。できごとや雑学を生き生きと印象的に語る。登場人物の感情を想像できる。経験や体感を通じて学習する。短文は覚えられるが、単語を覚えるのは苦手。
※ディスレクシアはストーリーで物事を理解します。このため、ディスレクシアだと本人に初めて伝えるときには、適切な希望を持てるよう,苦手だけでなく得意についてのストーリーも示すべきです。



4. シミュレーション能力
変化する状況のなかで、的確に予測を立てる力。

◆表れ方
・規則性を見抜き、それをもとに予測する
・気ままな空想ではなく、正確な予測を目指す
・まず結論に至り、そこから逆算して考える
◆この能力が裏目に出ると
・スピードや効率は落ちる
・結論が見えるまで動き出せない
・端から見るとぼうっとしているため、学校ではこの能力を発揮しにくい
◆適職 エコノミスト、起業家
もじこ塾での表れ方・・・戦略思考:ルールの"きわ"を狙いたがる、ルールの隙を突きたがる。直観的。気が利く。物語の展開や結末を的確に予想できる。目標が決まると意志の強さ、行動力、粘り強さを発揮する。
「ディスレクシアはモチベーションで動く」。 やりたいことが決まれば、どんどん動ける人たちです。そのためには、ひとりで自由に考える時間をもつこと、自分の道は自分で決めること、そして自分の直観的判断を信じることが、何より大事です。



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