ひょんなことから、もじこと生徒1名が、1分ほどNHKに出演します。
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昨年夏、緊急事態宣言が明けてほどなく、
最寄り駅の改札前に、見慣れない看板のスタバができました・・・
ここは、スタッフのほぼ全員がろう者のスタバです。
外国語大好き(笑)な私は、手話という外国語に接するのが楽しくて、
新宿に出勤する日は必ず立ち寄るようになりました。
年末、ここにNHKの取材が入り,もじこは常連客のひとりとして声をかけられました。
開店当時の報道→★への反響が大きかったのだそうです。(リンクを直しました。音声が出ます)
そのときは、
「ここは本当に特別なスタバですよ!
店員さんとお客さんがちょっとずつ歩み寄っている雰囲気がすばらしいのです」
と語りました。
その後、縁あって、生徒と一緒に取材をを受け,このスタバの魅力について,ディスレクシア的見地から語りました。
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番組では、このスタバのすばらしさが存分に示されることと思います。
ここには、手話のスタバがもじこ塾に教えてくれることについて、書いておきます。
手話のスタバともじこ塾には、共通点があるのです:
スタバはろう者のスタッフ、もじこ塾はディスレクシアの生徒という違いこそありますが、
両者とも「言語的少数者を集めた場」、
いわば言語的少数派が多数を占める"逆転した場"なのです。
"逆転した場"では何が起きるか。
取材を受けた日に、先方から聞いた話では、
スタッフ全員が手話という環境で働くことは、本人たちに大きな自信を与える。
その自信を胸に、また全国に散っていく・・・のだそうです。
この言葉はまさに啓示。私がなんとなく考えていたもじこ塾の方向性を、はっきりと言葉にしてもらえた気がしました。
ディスレクシアの生徒が集まり交流することは、生徒にとって大きな自信と気づきを与えます。
その自信を胸に、時が来たらここを卒業し、非ディスレクシアな社会にまた合流していく。
たとえ戻ることはなくても、ここで得た気づきが、非ディスレクシア社会での進み方を支えてくれる。
・・・もじこ塾は、ディスレクシアの生徒たちにとって、そういう塾であるべきと知りました。
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ろうとディスレクシアにはもちろん、違いもたくさんあります。
例えば、ディスレクシアには手話のような、ディスレクシア専用の共通言語がありません。日本のディスレクシアにとっての母語は、一般の(?)日本語なのです。
それもあってか、ディスレクシアの人は、ディスレクシアだけで結束したり団結したりする傾向がほとんどありませんし、一生ディスレクシアの輪のなかだけで生きていきたいと考えている人は、まずいない気がします。
そんな、団結する傾向が弱い人たちのためであっても、"逆転した場"を作ることには意義がきっとある。
本人たちにとっても、"逆転した場"に接する非・ディスレクシアにとっても。
・・・手話のスタバに行くと、そんなメッセージを毎日受け取れるのです。
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今回調べてみて、手話には「使うと恥ずかしい、言語未満のもの」とされた長い歴史があると知りました。
手話の熟達よりも、残されたわずかな聴力をのばす訓練が重視された。そんな時期も長かったと言います。
そうと知ると、店内のこんなボードにも、日々感動してしまうのです・・・
それから25年、「私たちの第一言語は手話です!」と明るくさらっと書く大手コーヒーチェーン店が登場するほどになりました。
社会変革って可能なんだなと感じます(T T)
たった一杯のコーヒーで毎日,そこまで背中を押してくれる・・・ここがパワースポットであるゆえんです(笑)。
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番組では,ショウガイと呼ばれるもののポジティブなあり方が,存分に体現されると思います。
ディスレクシアをなんと呼ぶかについても,先方と議論がありました。それについては放送後に・・・