ディスレクシア専用英語塾「もじこ塾」のブログです。 ●ディスレクシアとは:知能は普通だが、読み書きが苦手(読み間違いが多い、読むのが遅い、書き間違いが多い、読むと疲れやすい)という脳の特性 ●全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力に長ける ●読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい ●適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される ●10人に1人程度いるというのが通説 ●家族性とされるが、ディスレクシアの表れ方は個人差が大きい もじこ塾は、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要、という立場です。

2024-10-14

ディスレクシア的、計算ミスを減らす工夫(大学入試編)

大学入試レベルの数学を戦った経験のある(or 戦っている)もじこ塾の生徒や助手に対し

「計算ミスを減らす工夫があったら教えて」

という質問をしたことがあります。

そのときに集まったアドバイスを、ここに共有します。

ディスレクシアでも、工夫の方法はいろいろだなとわかります。それではどうぞ:




☆   ☆   ☆   ☆
理系科目は全部頭のなかで動かしてから考える。この座標だったらこのくらいの図形になるから、これくらいの積分微分だよねと。大幅に外れることはない。検算が楽。

小学生のころは
、問題文の数字を四角でくくっていた。見つけやすいように。
解いてからもう一回、更地で別のやり方で解き直す。

一回の工程ごとに行を変えて書く。

書く量を減らしている。一部の積分は頭のなかでやったり。

自分は数字から連想が働きやすい。1024は2の5乗とか、数字を見た瞬間に素因数分解しちゃうとか。
連想を働かせないよう、声に出して読みながら書くようにしている。書いた文字から連想が変なところにいかないように、「3」と言いながら指さし確認。
自分に考えるひまを与えないように、考えずに写して指さし確認。
by 高専3年(数学は非常に得意だが、三角形ABCの「ABC」や化学式を見ていて吐くこともあるほど、英語の文字が苦手)


☆  ☆  ☆  ☆

実際に計算を始める前に解く方針を定めて、こういう結果になって欲しいなって思いながら計算する

一行ごとに計算結果を確認する

複雑な計算は2通りの方法で計算する、例えば12×12を6×24の形でもう一回やっとくとか
by Ronくん(東大文系数学を、足を引っ張らない程度に戦う。字を書くことに抵抗なし)


☆   ☆   ☆   ☆
自分は満点狙いではないので、確実に解けた問題の見直しをする。
同じ解法で、見ないでもう一回解く。一回解いているので、1/3くらいの時間で解ける。どこで間違ったのかがわかりやすい。時間はかかるけど。 

スピードをあげすぎない。頭のなかで暗算する人もいるが、自分は暗算すると間違うので、11×12みたいな簡単なものも、一応全部式を紙に書く。暗算を極力減らすことで間違いは減った。
by 高校2年(その後、指定校推薦をとる。英語が苦手すぎたため、進学校で文系数学の成績をきっちり取る方向に)


☆   ☆   ☆   ☆
書き出すのはけっこう大事。頭のなかでやるとミスが増える

字をきれいに書く。自分の書いた数字が読めないことがないように

変数を変えたときに、変数の範囲を変更したことを忘れると詰む

途中式をちゃんと書く
by PuiPuiモルカー君(後輩の理系受験生、字は超~乱筆)


☆   ☆   ☆   ☆
違和感を覚えたときに戻れるような書き方をする。「これ大小関係逆じゃね?」とか。セーブデータとして有効なように。
ぐっちゃぐちゃにいろんなところに書かない。これをしてた某後輩もいたが。縦横無尽に書いていた。

自分は文字式で書けるところまで書いて、それから数値計算する。 
分数は排除しろ(by駿台の雲先生)。分数を使うと計算ミスをしやすいから。自分もできるだけ整数にしている。
by時雨くん(情報工学専攻、大学4年、字はきれいとは言い難いが書くことに抵抗なし)

☆   ☆   ☆   ☆
イコールの位置をそろえる
文字(xとかyとか)をそろえる

これだけでも、だいぶましになった。 

by GKくん(一橋(社)志望)


※GKくんの字ではありません