NHK Eテレ「ハートネットTV」学習障害
[再放送]
NHK for Schoolでも視聴できます:
前編①(もじこ塾関係者が、対談に臨みました)→★
前編②(文字の歴史、ICTの活用で授業についていけるようになった小学生)→★
後編①(対談の続き)→★
後編②(UDデジタル教科書体開発者、高田さん登場)→★
前編②(文字の歴史、ICTの活用で授業についていけるようになった小学生)→★
後編①(対談の続き)→★
後編②(UDデジタル教科書体開発者、高田さん登場)→★
この番組の取材に、もじこ塾は全面協力。
18歳以上の生徒と助手、総勢14名が取材を受け、助手と卒業生の3人が対談の収録に臨みました。
対談はたいへん面白いものに。ディスレクシアあるあるがいっぱいです。文字でも読めます→★
ディスレクシアが、いい意味で普通の人たちである一方、社会生活や勉強で人知れず悩みを抱えていることも、上手に伝わっていると思います。
なお、柳沢くんとさえちゃんによると、
みなさん対人能力が抜群に高いので、すぐに意気投合し、終始和やかな雰囲気で進んだそうです。台本なし、司会なしで3時間、会話のキャッチボールを続けたとのこと。
さすがディスレクシアです。
★ ★ ★
番組は、
- ディスレクシアとは何か
- 当事者の感覚や困りごと
- 「学習障害は文字重視の社会によって作られた」
- ツールの効果:「タブレットで、学校生活は大幅に楽になる」
- 配慮の効果:「一人ひとりにあわせて学び方(配慮)を変えることで、(以下同)」
- 「とはいえ、全ディスレクシアに一律に効く方法はない」
・・・を、わかりやすく説明しています。
インタビューも、スタジオトークにも、刺さる言葉がたくさんありました。
ディスレクシアの読み困難の仕組み |
以下、スタジオトークより |
(https://twitter.com/nhk_heartより)
…一方、開発や制作を行う側は、ディスレクシアが「大幅に楽になる」のを実現するために、膨大な工夫と労力を注いでいます。
プロとは、この工夫と労力をまったくいとわない人のことを言うのでしょうね。
(高田さんの近著『奇跡のフォント』はディスレクシア界隈の新たな必読書。知識もパワーももらえます!)
★ ★ ★
今回の番組ディレクターさんは実は、もじこの予備校講師時代の教え子でした。
ディスレクシアの番組を作るにあたり、私のことを思い出してくれました。
受験生の頃から語学力がものすごく高く、かつ細やかな気配りや弱者へのまなざしを持つ彼女。
謙虚で物静かで、学究肌ですらあります。
彼女ははじめ、「ディスレクシアの人に会ってみたいです」と、もじこ塾に来ました。
(NHKの方々は、カメラを回さない取材を、それはそれは長時間行います)
(NHKの方々は、カメラを回さない取材を、それはそれは長時間行います)
「ディスレクシアって、嗅覚で会話するような感じでしょうか?
(それはつまり?)かりに嗅覚に情報が乗っているとして、周りはそれを使って会話しているのに、自分だけわからない。
ディスレクシアもそういう感じでしょうか…?」
この比喩を聞いた生徒や助手たちは「この人はわかってくれる」と心を開き、結果として、18歳以上の生徒と助手、総勢14名が取材を受けました。
取材は連日、夜遅くに及びました。
話を聞いてもらった人たちは「あ~いろいろ話せて楽しかった~」と興奮気味でした。
たいへん聞き上手なディレクターさんです。
取材を通じて彼女がたどりついたのが「ディスレクシアは多彩である」。
ほんとそうです!
私もディスレクシアを知ったときは、最初に会った5人ほどの生徒は「かぶりなし」というほど、全員が違いました。なかには、当時は違うと思っていましたが、後になって「あの人もそうだったかも…」と思うケースも。。
「ひとりに密着しようと思っていましたが、対談のほうがよさそう」と言って帰っていきました。
そうして形になったこの番組。
「放送直前まで『あれでよかったのか、何か足りないものはないか』と悩みます」とのことでしたが、なかなかどうして!
ディスレクシアの定義から、当事者感覚、ツールと配慮、注意点に至るまで、必要な情報をバランス良くまとめています。
くり返しますが、ディスレクシアとは何かを人に説明するのに最適な番組です。
何より、明るくさらっとディスレクシアを説明していて、「あなたの周りにもきっといる」「工夫次第でハッピーに生きられる」「その工夫の様子は非ディスレクシアにも力を与える」という雰囲気に満ちているのが、すごくよいです。
☆ ☆ ☆
個人的な感想になりますが、
非ディスレクシアの元教え子が、もじこ塾を訪ねてきてくれて、一緒に仕事ができたことが、しみじみ嬉しくて(T T)。
もじこ塾を作るにあたり、予備校講師としての過去は置いてきたつもりだったので…
ディスレクシア英語教育で身を立てるには、いちから出直すくらいでないと無理だろう、
ここまでけっこう頑張ってきたけど、そんな実績を笠に着るようでは、この道は到底務まらないだろう…
かっこよく言えばそんなことを思って、全部置いてきたつもりでしたが、
ここへきて昔の生徒(と言ってもみなさん、社会人として立派に活躍しておられます)から、紹介や連絡を頂くことが増えてきました。
非ディスレクシアの方と一緒に仕事ができ、ディスレクシアが広まっていくことが、本当にうれしいです。
もじこ塾の設立目的は社会変革です( ̄ー ̄)
でも、ひとりで進めているうちは、ゲリラ戦なんですよね。
高田さんしかり、ディレクターさんしかり、心ある組織人のアンテナに引っかかることで、ゲリラも社会変革の流れに加われるのかも・・・と感じます。
ディスレクシアの存在が広まってほしい、特に教育現場の人に知っていてもらいたいというのが、取材と対談に参加した人、さらにはもじこ塾関係者全員の願いです。
よろしくお願いします!