・グルテンを摂取すると腸に悪さをし、ADHDの症状など、脳に関連する症状として表れる場合がある
・グルテン除去食はADHDの症状を大幅に改善する可能性がある
・セリアック病(グルテン除去食で治療)は、ADHDなどの精神・行動障害の傾向を強める可能性がある
・小麦(未精白のもの、発芽したものも含む)と糖類を避けることは、ADHDの症状を抑え除去するための重要戦略のひとつ
自閉症と腸の関係の記事と同時に、ADHDにグルテンが関係あるという下の記事も見つけていました。
少し論旨が粗い気がしたので、放置していましたが、
グルテンを抜くとADHDが改善するというのは、その後も引っかかっていました。
グルテンが駄目ということは、パン、ケーキ、焼き菓子、パスタ、うどん、全部駄目ってことですよね。
そんなの絶対無理(泣)
でも思い起こすに、自分がグルテンを含む食べ物がほしくなるのは、締切が迫ってせっぱつまっていて、そこから逃げたい時なのですね。最も「わーっ」となった心理状態の時です。
これって何かの禁断症状なのかも。
そう考えると、確かにグルテンがADHDの悪しき面を助長することはあるかもしれません。
そう考えると、確かにグルテンがADHDの悪しき面を助長することはあるかもしれません。
完全排除は無理でしょうが、これからはパンや焼き菓子はほどほどに抑えようと思います。
以下はちょっと論の運びが乱暴な気もしますが、せっかく訳したので出しておきます。
「子供がADHDならこれを食べさせるな」
原文→こちら
By Dr.
Mercola
グルテン過敏症が、ADHDを含むさまざまな神経学的・精神医学的状況の根底にあることを示唆する証拠がある。
グルテンとは、小麦に含まれるタンパク質だ。「糊状の」アミノ酸であるプロリンに含まれるほか、プロラミンと呼ばれるタンパク質に多く含まれている。プロラミンは、米やとうもろこし、オート麦などすべての穀物に含まれている。だが、小麦(および、程度は落ちるがライ麦、スペルトコムギ、ヒトツブコムギ)だけが、自閉症スペクトラム障害がしばしば伴う重篤な神経学的・自己免疫反応に関連づけられている。
かねてから、セリアック病(訳注:グルテンを食べると小腸の繊毛にダメージを与え、食事からの栄養が吸収されなくなる自己免疫疾患。日本人にはまれとのこと)だと、ADHDも伴っている可能性が高まることは知られていた。
ADHDも食習慣に大きな影響を受ける。
だが、セリアック病の治療法はグルテン完全除去食である一方、ADHDの原因食として最もよく挙げられるのは糖であり、穀物が挙げられることは少ない
(穀物は体内で糖と似た働きをするのだが)。
しかしながら、これまで思われていたよりも、セリアック病とADHDの症状には深い関係がある可能性が出てきた。
2つをつなぐのは「グルテン」だ。
グルテン除去食はADHDを「治す」可能性も
ADHDの多くの子供は、ほとんどの穀物、特に小麦に悪く反応する。その理由として考えられるのが、ADHDの子供がセリアック病を併発している可能性だ----セリアック病は米国では平均して133人に1人が影響を受けている(ハイリスク集団では33人に1人とする研究もある)。あるいは、ADHDの子供は「グルテン過敏症」という、セリアック病ほど表面化しない病状を抱えている可能性も考えられる。
グルテン過敏症は米国人の10%以上を占める可能性がある。その症状は頭痛、疲労感、筋肉痛・関節痛・腹部膨満感など、セリアック病と同じだ。しかし、グルテン過敏症の人は、こうした症状を引き起こしている犯人が小麦などグルテンを含む穀類であることを認識していないかもしれない。セリアック病を持っていながら気がついていない可能性も十分にある。研究者が指摘する通り、「セリアック病は小腸粘膜に病変がみられる以外は臨床的には静かな場合も多い」なのだ。
だが、ADHDの心理面や行動面の症状と、セリアック病やグルテン過敏症の症状があまりに重なっていることが明らかになっている。「セリアック病をADHD症状チェックリストに含めるべき」と推奨されているほどだ。この提案のきっかけとなったのは、ADHDでセリアック病の陽性反応が出た人に対し、6ヶ月以上グルテンフリーの食生活を送ってもらうと、症状が大幅に改善したという研究成果だ。これによると:
「グルテン除去食の開始後、ADHDの患者もしくはその親は、セリアック病の診断・治療前と比べて患者の行動と機能に大幅な改善が見られることを報告した…」
腸に悪さをするような穀物を食べることが、消化ではなく脳に関係する症状として表面化するというのは、奇妙に思われるかもしれない。だが穀類は炎症を誘発する性質を内在しており、慢性的な炎症が根底にあるすべての病状を悪化させる。これは腸の炎症だけでなく体内のどこについてもあてはまることだ。
メンタルヘルスの問題に対処する際に炎症を抑えることがいかに重要かは、よく知られている。グルテンを食事から取り除くと、メンタルヘルスや感情面でさまざまな改善を経験するのは珍しくない。
ADHDの症状と腸の健康には密接な関係がある
さまざまな行動上の問題が腸の問題と関係があるといわれている。これはグルテンなど穀物に含まれる成分だけでなく、脳腸相関によるものだ。脳腸相関は生理学や医学の基本的な教えの一つとして広く認識されているので、さほど驚くべきことではない(見過ごされることは多いが)。また、さまざまな神経疾患に胃腸の関与を示す証拠も豊富に存在する。
このことを念頭におくと、人生を通じて腸内菌叢を豊かに保つことがきわめて重要なことは明白であろう。というのも、人には比喩的ではなく「2つの脳」があるのだ。ひとつは頭蓋骨の中に、もう一つは腸にある。そしてどちらの脳も、生きるために不可欠な栄養をとらなければならない。
脳と腸は、同じ種類の組織から作られている。胎児として発達を続けている時に、一部は中央神経系となり、残りは腸神経系へと発達する。これら二つの系は迷走神経を経由してつながっている。迷走神経とは第10神経ともいい、脳幹から腹腔まで走っている。迷走神経によって2つの脳はつながっている。緊張するとお腹を壊すなどの現象は迷走神経により説明できる。
Dr. Natasha Campbell-McBrideによると、腸にたまった有害物質は体中をかけめぐって脳に達することがある。そうすると自閉症、ADHD、ディスレクシア、ディスプラクシア、うつ、統合失調症、およびその他の精神障害の症状を引き起こすことがある。
同氏によると、自閉症やその他の学習障害の急増は「腸」に原因があり、腸心理症候群(Gut and Psychology Syndrome:GAPS)の名で知られる病状として顕在化するという。
GAPSは自閉症かADHD、ADD(多動なしのADHD)、ディスレクシア、ディスプラクシア、強迫性障害などの診断と一致する可能性のあるさまざまな症状の集合体として表面化する場合がある。幸運なことに、GAPSは生後数週間以内に特定可能のため、ワクチン接種について情報に基づくより良い意思決定を行う手助けになりうる。というのも、赤ちゃんにGAPSの代謝特性がみられる場合、GAPSが好転するまで予防接種を行うべきではないからである。
ADHDの食事療法のポイント
私の心からの願いは、ADHDのような行動上の問題への薬物治療は、仮に必要だとしても、あらゆる手を尽くしたのちの最終手段であるべきだということだ。
では第1の治療法は何だろうか。それは食事を変えることだ。具体的には----
- 子供の食事から小麦と糖(果糖を含む)を除去する。小麦と糖類は、敏感な人の体内に入るとアレルギーを引き起こす傾向がある。オーガニックで未精白の小麦も多くの子供にとって問題を引き起こすため、「小麦を休む日」を作り行動が改善するかどうか見るのが賢明だ。
- 清涼飲料水(ダイエット用、レギュラーとも)、フルーツジュース、成分調整牛乳の代わりに水(純粋で清潔な、フッ化物を含まないもの)を飲む。
- オメガ3脂肪を増やす。これには、動物由来の高品質なオメガ3油を摂取するのがよい。動物由来のオメガ3油はリタリンやコンサータよりもADHDの症状をより効果的に改善する可能性があることは、研究が確認している。私の考えでは、オキアミの油がこの目的ではベストだ。オキアミ油のEPAやDHAは、魚に含まれるオメガ3より吸収されやすい構造をしている。
- 加工油はできる限り避ける。特にトランス脂肪酸は神経細胞の連絡を乱すため、最小限に抑える。
- すべての加工食品を避ける。特に果糖、合成着色料、合成調味料、合成保存料を含むものは症状を引き起こしたり悪化させたりする可能性があるので避ける。レトルトスープ、醤油、キャンディー、加工肉、さまざまな無脂肪・低脂肪食品、さらには精白穀物を使った食品(パン、ピザ、パスタ、クッキー、ペストリー)にも通常隠れている。
また、子供にグルテン除去食を試し、それによって症状がなくなるかどうか、試してみることを勧めたい。グルテン除去食として最も効果が期待されるのは、赤身肉、野菜、およびグルテンを含まない穀物(コメ、トウモロコシ、大豆(ただし食べ過ぎに注意)、タカキビ、亜麻仁・アマランサス、ソバ、アワ、キビ)に徹することだ。
なお、グルテン除去食の効果は一晩で現れるとは限らない。急速に改善が見られる場合もあるが、小腸の壁が完全に修復されるには9~12ヵ月を要する場合もある。一般に、症状の解決が期待できるまでには、グルテン除去食を6~9ヵ月は続けることだ。