ディスレクシア専用英語塾「もじこ塾」のブログです。 ●ディスレクシアとは:知能は普通だが、読み書きが苦手(読み間違いが多い、読むのが遅い、書き間違いが多い、読むと疲れやすい)という脳の特性 ●全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力に長ける ●読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい ●適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される ●10人に1人程度いるというのが通説 ●家族性とされるが、ディスレクシアの表れ方は個人差が大きい もじこ塾は、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要、という立場です。

2022-11-05

道村先生と隔週火曜22:00~、スペースでお話をします

この夏、ブログ開設10年目にしてようやく、ツイッターデビューしたもじこ塾→
https://twitter.com/mojikojuku

ディスレクシア英語教育について、ゆるく発信しています。

10/27、道村先生さらにはモリサワ高田さんと、ツイッター上の音声配信機能「スペース」で
と題して、初めてお話ししてみました。
https://twitter.com/i/spaces/1vAGRAlpMBYKl

道村先生の「教える側が楽しむこと」「本物を与えること」「成り立ちを知れば漢字はとっても楽しい」というメッセージは、多くの方に刺さったようです。
この記事を書いている現在、すでに再生数2600超。ありがとうございます。

もじこは道村先生と深い縁があります。たとえばこちら→

道村先生は盲学校の生徒に漢字を教える一大体系を作り上げるという、途方もない偉業を成し遂げた方。
現在は息子さんと会社をたちあげ、一大体系をさらに深化されたミチムラ式漢字学習法の普及に努めていらっしゃいます。


道村先生の話はとことん本物。圧倒的な研究心、途方もない情熱、そして生徒に伝わるのなら何でもしてしまうという愛に満ちています。その話は多くの人の心を打っています。。

というわけで、しばらくはもじこが聞き役となって、道村先生の話を伺っていきます。
私が一番楽しんでいるかもしれません。

話の流れのなかで、かなり反響のあった

フォニックスとミチムラ式漢字学習法には共通点があること、
丸暗記に頼らない漢字学習法は、英語学習の助けにもなるであろうこと、

について、おいおい語って行ければと思っています。

当面は、隔週火曜日(11/8、11/22、12/6、12/20)22時~23時に行います。
11/8のURLはこちら→

ご興味のある方は、よろしければぜひお聞き下さい!




2022-10-09

フォント・スイッチ・プロジェクト(2)もじことジョリーフォニックスの深い関係

「フォント・スイッチ・プロジェクト」(byモリサワ)のインタビューに登場!→

記事に登場する「ジョリーフォニックス」。
21世紀の新しいフォニックス「シンセティック・フォニックス」の代表的プログラムのひとつです。

今回は、ジョリーともじこの関係について書きます。
もじことジョリーには、深い関係があるのです。


ジョリーのフォニックス表。satipnで始まる
ジョリーの42音の表。satipnの順


2013年。「ディスレクシアにはフォニックスを教えるべき」と、このブログのコメント(だったと思います)で強く言われていたもじこは、「フォニックスってなんぞや?」と暗中模索を続けていました。
当時の私は、東大はじめ難関大志望の受験指導はあっても、アルファベットを教えた経験はなかったのです。その部分をどうやって教えるかは、皆目見当がつきませんでした。

松香さんの研修にも行きました。
トレーナーさんはとても親切でしたが、ディスレクシアのことはご存じありませんでした。

同年夏。
ジョリーの伝道師、山下桂世子先生が、クリスさん(ジョリーラーニング社社長。ジョリーフォニックスの名はこの方の名字に由来)を連れて、日本初上陸の講演を大阪で行いました。
いろんな偶然が重なり、私はこの講演を会場で聞きました。
日本にシンセティック・フォニックスが上陸した瞬間と言っていいでしょう。
私は「?!これは?!」と思い、講演終了後、山下先生のところに駆け寄り、そこから山下先生とは同志になりました。

クリスさんにも直接話しました。教え方を聞いて、最初の実験台に試しました。
(いまではこの方法は採用していないので、リンクは張りません。どうしても興味のある方はこのブログを掘ると当時の様子が出てきます)
言われていたよりもかなり時間はかかりましたが、たしかに入りました。

☆  ☆  ☆

ジョリーフォニックスはこの講演を機に、少しずつ広まっていきました。
効果をはかる研究も始まりましたし、教室に導入して大きな効果をあげる人も出てきました。

最初は英語版しかありませんでしたが、2017年には日本語版も登場。
もじこは上陸講演会のときにクリスさんと山下先生とのご縁を得たのがきっかけで、ジョリーフォニックス日本語版のティーチャーズブックの翻訳のお手伝いをさせて頂きました。
このシリーズは本当に、山下先生の思いが詰まった一大労作。

『はじめてのジョリーフォニックス』

※このセットの肝はティーチャーズブック(教科書+マニュアル)です!
ステューデントブック(生徒用ワークブック)だけでは教えられませんので注意。


日本語版の出版をきっかけに、ジョリーフォニックスの日本進出はさらに加速。
年々、着実に広まり、現在に至ります。

(でもまだまだこれからです。フォニックスは小学校で教えられるべきであり、 
ジョリーフォニックスはそのなかで大きな役割を果たせる存在です。
小学生へのフォニックス指導用のパッケージとしては、もじこは昔も今も、ジョリーフォニックスを全力でお勧めします!)

☆  ☆  ☆

一方、時計の針を少し戻すと・・・
私はといえば、ブログにジョリーを教える様子を書いていたことがきっかけで、「自分の子にもここに書いてあることを教えてほしい」と連絡して下さる方が現れました。
暗中模索はさらに続きました。。。いつでも最善を尽くしているつもりですが、今ならそうはしないだろうということを、たくさんしました。

そうしているうちに、もじこのディスレクシア中学生へのフォニックスの教え方は、ジョリーから少しずつアレンジを加えたものになっていきました。

そうして完成したのが、今回フォント・スイッチ・プロジェクトで提供しているフォニックス表です。2017年頃には現在の形になっていたと思います。大きな違いは:

・アクションは使っていません。小学生にはかなり効果的ですが、私が教える中学生は恥ずかしがってなかなかしてくれないのです💦。絵もありません。

・母音と子音を色分けしました。音素という概念を理解してもらうには、効果があると思っています。

・あいまい母音も教えています。2音節以上の単語を読んだり、文をリズム良く読んだりするためには、必要な概念だと考えてのことです。

・最も違うのが、二重母音(名前読み)の扱いです。
ジョリーではai、ie、oaなどを採用していますが、私は「a, e, i, o, uにはロングの読み方がある、それはこの字の名前で読む読み方」と説明しています。
そのほうが、中1の英語の教科書の単語につなげやすいですし、高校生になったときにも言及しやすいのです。(例:長い単語を読むときに、「このaはロングで読むんだよ」と言えます)




そうそう、satipnとは何か。
satipnは、ジョリーで採用されているフォニックスの配列です。
ざっくり頻度順のため、1列目、極端な話をすれば最初の3文字を教えただけで、ブレンディングの練習ができます。
いまではイギリスのフォニックス指導において標準的な配列と聞き、採用しました。

もじこ塾で、生徒にこの表はざっくり頻度順ですと伝えると、
「1列目は、何がなんでも覚えるべきということですね」
と言った生徒がいました。その通りです!

☆  ☆  ☆

このような改変を加えることで、ジョリーさんに怒られる…ことはないと信じています。
まず、対象とする年齢層が違うという点が大きいです。
また、これは目の前の生徒にあわせて行ったアレンジなので、その趣旨はきっと理解されるだろうと思っています。

ジョリーフォニックスは、未就学児から小学校中学年くらいまでの心をわしづかみにするような工夫が施されています。それらが中学生にはいまいち刺さらないのは当然のこと。
逆に、上にも書きましたが、もじこは小学校中学年くらいまでは、ジョリーフォニックスを全力で推奨します!

また、もじこ塾で採用しているフォニックスについても、唯一絶対の完成形とは思っていません。
目の前の生徒にあわせて、改変してよいし、すべきとも思っています。

(とはいえ、ディスレクシアに適したフォニックスの教え方に沿っていることが大前提です。「明示的・網羅的・段階的・反復的に文字と音の対応を教える」ことです。
また日本語母語話者を対象とする以上、「音で入っている単語量がネイティブよりも圧倒的に少ない」という点を加味して改変を加えることも必要です。この話は長くなりますので、またの機会に。)


・・・というわけで、「フォント・スイッチ・プロジェクト」で提供したフォニックス表は、ジョリーフォニックスの考え方をベースにアレンジを加えたものだという話でした!

2022-10-07

[告知]10/11(火)22~23時、clubhouseで話をします!

もじこがclubhouseデビューします!→


10月はディスレクシア啓発月間。

そこで、りえ先生(twitter:@RidiamR)に招かれ、clubhouseで話をします。

題して「個別最適化された英語教育を目指して」


りえ先生ともじこは戦友同士。

2013年、今では伝説となった「まなび支援の会」研究会で、事務局と参加者としてお目にかかったのが初対面でした。

以後10年(!!)、それぞれにディスレクシア英語教育の道を進んでまいりました。


11(火)のclubhouseでは、

  • なぜディスレクシア英語教育の道に入ったのですか?
  • 10年前のあの会以降、何をしていましたか?


といった話題で話す予定です。

りえ先生は、村上加代子先生のメソッドを最も近くで見て、それをずっと現場で実践してこられた方。

私はと言えば、当ブログで公開してきた通り、もじこ塾を作って6年目に入りました。

これまでの道をお互いに振り返ることで、日本ディスレクシア英語教育史(また大きく出たな…)の一端を明らかにし、今後の展望を探ります。

シンセティック・フォニックスを日本語ネイティブにどう教えるか、

それも、読み書きに困難がある生徒に、どう教えるか。

といった話になる予定です。


ご興味のある方はぜひ!

https://www.clubhouse.com/event/xVbKr3Jj?utm_medium=ch_event&utm_campaign=cn-Qph93SKhFZ7RDWUr74A-401576

※clubhouseは今は招待制ではありません。

また、androidでもアカウントを作れます。

2022-10-01

NY市長、市内すべての公立校でディスレクシア検査/指導/研修を宣言

Mayor Adams Announces Comprehensive Approach to Supporting Students with Dyslexia(アダムスNY市長、ディスレクシアの生徒への包括的支援策を発表)



「NY市という世界最大の公教育システムで、K~12(幼稚園~高3)をの公立校の全生徒を対象に、ディスレクシアの検査と訓練を実施」市長が公約に掲げて当選

というニュースが5月にありました。
記者発表の動画から、発表内容をまとめました(KUさんご紹介ありがとうございます)

~~~

読むことに困難のあるすべての生徒(ディスレクシア含む)を対象に、
「進歩的な、社会正義に基づく教育モデル」に基づく、包括的な介入を行う。

包括的な介入とは・・・
  • 年3回、スクリーニングを実施(K~12)。
  • このスクリーニングに何度もひっかかった生徒は、詳しく検査。
  • 取り出された生徒はオートン・ギリンガムベースのプログラムを受ける。
  • dxに関する教員研修を行うなど、教員をサポート。
  • dx専用教育を行う学校を、各学区に1校設ける。

具体的には・・・

・【全員に検査】

at-riskな生徒を特定:今年(2022年)9月より年3回、実証済みの短いリテラシー・スクリーニングを全員に実施。


・【詳しい検査】

他の生徒よりも顕著に低い成績を何度もとった生徒を取り出し、ディスレクシアのリスクを評価する専用のスクリーニングを行う。


しかし、リスクのある生徒を特定するだけでは不十分。こうした生徒を、通っている学校でフルサポートできることが必要。そこで・・・


・【専用指導、教員研修】

長年この問題にたずさわってきたfamily literacyとps125が、今年の秋から直接指導の専用プログラムを実施。

「深い(deep)」ディスレクシアの生徒に対し、学習への包括的介入を行う。

あわせて教員研修も行う。


【他の学校に知見を広げる】

・上記プログラムで得た知見を市内の全公立校で共有し、読み教育を改善していく。


【週4指導を行う学校を各学区に】

・直ちに追加プログラムを実施。2023年秋までに、ディスレクシア専用教育を行う学校を、各学区に1校設置。

・80の小学校と80の中学に校内チームを設置。このチームは校内で週4回、少人数の介入を実施。そのために、教職員のサポートと研修も行う。


【フォニックス】

・全校に対し、フォニックスベースのリテラシーカリキュラムへの移行を要請。


【その他】

・それほど"深い"介入を必要としない生徒への対処方法に関する教員研修も実施。

・ディスレクシア専用作業部会を設置。
また、一般市民、リテラシーの専門家、公立校の教職員・生徒・保護者からなる諮問委員会を設置。


質疑応答
※低学年だけでなく、高校や大学でディスレクシアと判明する人の多さを考慮し、できるだけ上の学年にも広げたい。また刑務所内でも検査を行う。刑務所に入るきっかけとなった行動を繰り返さないためにも(39:44)。

※研修は、全教科の教員が対象。読むことに直接関わらない教科も含め。

※フォニックス・ベースのプログラムとは、オートン・ギリンガムをもとにしたものを指す(47:33)

その他、印象に残った表現:
・(市長、「もしも、このプログラムをご自身が子供の頃に受けられていたら?」の問いに)
今ごろ、市長ではなく大統領になってたかもね(笑)それはともかく…母は小3までの教育しか受けていなかったので、自分が学校で読めず苦しんでいても、途方に暮れるだけで何もできなかった。子供が苦しんでいるのに見ているだけしかできない、その母の様子は今でもトラウマ。これは仲間に対してもそう。読めずに学校を中退し、そのまま道を誤っていった仲間もいた。ディスレクシアは心の傷の問題でもある。

・検査は何百ドルもするので、黒人やヒスパニック系には払えない。
・(これに対しては「私の息子はディスレクシアと診断されたあと、専用の学校に行かせて読めるようになった。これを州内のすべての子供に広げたいのです」と感極まる保護者代表(白人)も登壇。)
・受刑者の3分の1は簡単な書面も読めない。
・人口の20%はディスレクシアだが、5%しか特定できていない。15%を救うためのプログラム。
・読み能力を獲得できれば収入を得られるし、犯罪から刑務所送りとは無縁の人生を送れる。

この政策の実現に寄与した、保護者代表、支援者代表、などが出てきてスピーチする1時間。
こういう時のアメリカ人のスピーチは、本当に感動的です・・・(TT)

ディスレクシア教育とは、全員を読めるようにすることであり、
これは社会正義の問題である・・・というのが、
アメリカの行政がディスレクシア問題を語る際の、日本との大きな違いかもしれません。
「安心して暮らせる地域社会を作るには、読めない人を減らすことが本当に大事で、みんなで取り組まなくてはならない課題なんだ」という姿勢が、ひしひしと感じられます。

ディスレクシア的にハッピーな世界を作る戦いは、本当にリレーですね。
本人はもちろんですが、研究者、教育現場、保護者、支援者、そして行政。
それぞれが自分のことばかりではなく、他人のこと、次世代のことを考える。
リレーの前後の人に感謝しながら、自分の持ち場でできる変化を起こす。
そうやって、社会変革はちょっとずつ可能なんだなと感じます。

最後に・・・
来年、世界ディスレクシア会議(world dyslexia assembly)を主催し、NY市の成果を報告する」と言ってます!
行きたい・・・(・∀・)

2022-09-24

フォント・スイッチ・プロジェクトに登場!(1)無料ダウンロード教材について

UDデジタル教科書体の生みの親、(株)モリサワの高田裕美さんに取材を受け、

このたび、フォント・スイッチ・プロジェクトのサイトに記事がアップされました→ 

とても懐かしい取材でした……高田さんと私は長年の戦友なのです。

詳しくは記事を読んでいただくとして、

当ブログには、記事に書ききれなかったことを書いていきます。

今回は、付録であるダウンロード可能な教材について。

これが無料でいいの?!というハイクオリティなものに仕上がりました!!

(教材ダウンロードはこちら→)


★  ★  ★


もじこ塾でもおなじみ「UDデジタル教科書体」。教材の日本語は、すべてこのフォントを使用しています。

そのアルファベット版である「UD Digikyo Latin」(UDデジキョウ・ラテン)が、少し前にリリースされました。

このフォントの良さを、少しでも多くの人に知ってもらうこと・・・

  • フォントを変えることで、生徒の混乱や疲労感を減らすことができる。
  • フォントを変えるだけで読みやすさがだいぶ変わる生徒も、なかにはいる。

が、記事の目的です。


そこで、微力ながらお役に立てるのならと、もじこ塾の代表的教材を、UD Digikyo Latinで提供することに。

教材無料ダウンロードの運びとなりました。


しかも!

単にフォントを変更しただけでなく、内容もパワーアップ!!

高田さんはフォントデザイナー界のトップランナーですが、フォニックスに関しては当たり前ですが専門外で。

そんな彼女の素朴な疑問は、学習者の疑問そのもの。

そのむちゃぶり(笑)に答えることで、いま一番ディスレクシア・フレンドリーなフォントによる、ディスレクシア・フレンドリーなフォニックス教材ができました!

たとえばこちら・・・


◆進化した点、その1:フォニックス表がUD Digikyo Latinで登場!


(このフォニックス表は、こちらからダウンロード可能です→)

これまで公開していたフォニックス表をもとに、フォント面でいろいろ微調整しました。

加えて、いくつかの単語も見直しました。

単語選びはなかなか大変なんです。詳しくはその2で。


改訂作業中・・・





◆進化した点、その2:フラッシュカード登場!

フラッシュカードはフォニックス指導の必須アイテム。
だのに、もじこ塾では、フォニックス表を拡大してプリントアウトし、文字ごとに切ってラミネートしたものをずっと使っていました(苦笑)。

今回、はじめてフラッシュカードを作りました!



とてもあたたかみのある雰囲気!
これはおすすめ!



・・・しかし、大変なのははここから。
高田さんから
「裏面に単語を載せたい。できれば1つではなく複数」という要望が。きゃ~

この単語選びには、とて~も厳しい条件があることは、分かってました。
ディスレクシア的なフォニックスの教え方のルールに従うなら既習の文字しか使えないのです。

既習の文字だけから単語を構成する」は、ディスレクシアにフォニックスを教えるにあたり(本当は非ディスレクシアにと教えるにあたっても)、とても大切なこと。
段階的に教えるためにも、生徒の心をくじかないためにも、必要なことです。

そのうえ、日本で英語を学ぶ小5くらいから中学生に適した単語・・・
子供っぽくない、イメージしやすい、ネガティブでない、できれば知的関心にヒットする、という条件を満たす必要があります。
使える文字に制約があるなかでこの条件もとなると、これがなかなか難しいのです。

今回、既習のに含まれる文字しか使えないというルールのもと、単語を選びました。
そうしてできたのがこちら!



これは親切!!
「satipncke」という字の読み方を教えたら、それらのカードに書かれている単語を読むことができます。  (topだけ間違えて入れてしまいましたが。。)

それ以外にも、単語の配列、音素の数や配列など、工夫がいっぱい。
もじこ塾でのフォニックス指導経験を惜しげなく詰め込みました。
生徒に読ませてみれば、その効果を実感できるはず・・・!

いま日本で流通しているフォニックス教材は、aに対してはapple、oに対してはorangeを使うのが定番です。検定教科書もそうなってます。
しかし、どちらもフォニックスワードではないので、ディスレクシア的には読めません・・・
その部分を改善したという点で、かな~りディスレクシア・フレンドリーです。

ぜひご活用いただきたい!


さらに!なんと!
フラッシュカードがアニメーションに!
近日中に、音声もつける予定です!


(このパワポは、こちらからダウンロードできます→)





◆進化した点、その3:ブレンディングの動画!

フォニックスは、「フォニックス表を覚えればおしまい」ではありません。
教えなければならないことは、他にもいくつかあります。

その一つが「ブレンディング」の指導と練習。
一つひとつの文字をつなげて読むことです。

この部分も、ディスレクシアには明示的に教える必要がありますし、
生徒によっては、ブレンディングができるようになるまで、相当の反復練習が必要です。

そんな「ブレンディング」とは何か。
今回、説明動画を作りました。
高田さんがアニメーションを作ってくれました。
そうそう、こういうことです!ありがとう~~


(音が出ます)


ブレンディングが何かわかったら、フォニックスビンゴで練習しましょう。
リンク先に5パターン用意。6人の教室でそのまま使えます。


使い方も、できるだけ書いてみました。


(印刷用のバージョンは、こちらからダウンロードできます→)


★  ★  ★

高田さん自ら、これらの教材の編集作業を、全部手がけてくれました。
プロのデザイナーの手にかかれるとは、なんとありがたいことでしょう。
こうして、これが無料でいいの?というハイクオリティなものができました!

・・・いいんです。もじこ塾の設立目的は社会変革だから( ̄ー ̄)。

UDフォントの存在、そしてフォニックスの重要性が、ひとりでも多くの英語を教える立場の人に、伝わることを願っています。



高田さんからは
「satipn~という配列には意味があるの?」といったツッコミもありました。
そうですよね。。satipnにはたしかに意味があります。このあたりのことは次回。

記事へのリンク→ 

最後に・・・
フォント・スイッチ・プロジェクトの記事拡散のために、もじこ塾はついにツイッターを始めました!→
よろしくお願いします!

2022-08-17

工学部ディスレクシア3名、英語との向き合い方の記録

さまざまな工学を志すディスレクシア3名の、英語との三者三様の戦い方、向き合い方の記録です。

あがく、回避する、配慮を受ける、ツールを使う、訓練する、、
さまざまな方法があり、それぞれに尊い、という話です。


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​ 4月×日 ​

関西の​高専※から大学三年次編入※​で工学部に入学、上京してきたM君が、もじこ塾に入りたいのことで、面談に訪れました。

そこに、同じく三年次編入を目指してもじこ塾に復帰した高専2年のS君、
​もじこ塾の卒業生で助手をしている​情報工学科3年のN君が加わり、
教室内はさながら「工学部ディスレクシアの宴」に

​※高専:高等専門学校。5年制で、工学系にシフトした専門教育を行っている。早くから工学系の才能を示すディスレクシアにおすすめの進路のひとつです。

三年次編入高専を卒業後、大学(主に工学部)の三年生に編入すること。ほとんどの国公立大学が高専からの三年次編入を受け入れている。三年次編入の試験科目は大学によって異なるが一般入試は理系科目と英語、推薦入試なら面接だけの場合も。

M君「ここまでずっと、英語を避けてきました」


M君は、これまで一度も英語で入試を戦うことないまま、国立大学の3年生になりました。
高専は推薦入試で突破したそうで、英語はなし。
大学三年次編入は、試験に英語が課される大学もありますが、M君は英語のない推薦入試を選んだそう
これまで受けた2回の入試とも、面接だけでクリアしてきました。

「でも、院試や就職には、英語資格の要件があります。
できることなら、本当は留学もしてみたい」。
 
M君は自分がディスレクシアと知っていたものの、高専では自分と同じような人を見たことがないと言います。
ディスレクシアで大学に進学した人、まして理系で戦っている人は見たことがないと。
 
S君のように、自己紹介で「自分はディスレクシアです」と言う人や、
N君のように何年も読み訓練を続けている大学生を見て、非常に驚いていました。
 
3人とも苦労のポイントは同じなようで、最初から意気投合。
SN君は臆面なく「自分は勉強が好き」「この道に行きたい」と言うので、
「自分は就職したかったが、親が大学に行けと」と話すM君は驚いていましたが・・・

いやいや、M君こそ努力の人。
それこそありえないほどの努力を重ねないと、ここまでは来れなかったはず。
 
その証拠に、M君はS君に、
3年次編入にはクラスで上位1割をキープせなあかん」
3年次編入は大変やで~」
と繰り返していました。
 
高専のクラスで上位1割をキープすること、しかも英語が足を引っ張る状態でそのポジションをキープするためには、人の何倍も努力が必要だったことでしょう。
 
 

M

『他教科はできるけど、英語だけやる気にならないんか』とずっと言われてきた。

英語にはどの科目よりも苦労してきたのに」

 
同じことは、ほかの理系ディスレクシアからも、ときどき聞きます。
 
理系科目はよくできて、発言もたくさんするのに、英語になると急に発言もしないし、課題も出さない。
理系科目と英語で、授業態度のギャップが激しすぎる。
どうやら、英語だけやる気がないらしい。
・・・と、周りから見られているのです。
 
本人の認識は、周囲の見方とは、まったく違います。
なぜ自分だけが周りのように読めないのかわからず、発言する余裕などあるはずがない。
必死にあがき、かつそれを悟られないように隠す。
その様子がなぜか「やる気がない」と周囲には映るのです。
 
はっきり言いませんでしたが、この苦しさは相当のものだったと思います。
 

    ☆  ☆
 
S君は、小学校のころから特性理解を進めてきた、合理的配慮のパイオニアです。
区立中と交渉し、​授業中のノートテイクにパソコン使用を認めてもらいました。
中学の後半は、定期試験にもパソコンを使用しました。
 
彼の場合は、戦わざるを得ないほど、読字困難も大きいものでした。
三角形ABCの「ABC」という文字を見るだけでも吐き気が出るほど、一時は文字を読むことがつらい時期もありました。

高専に進んでからも、英語の授業の後半は、保健室で休むことがあるそうです。
 
もじこ塾には、新中1の春休みから来ています。
このためフォニックスは完璧に知っているのですが、英語の文字を見ると吐き気がするレベルの困難となると、知識の定着はなかなか大変です。

うっかり負荷をかけすぎると、文字通り寝込んでしまうので、ペース配分などを慎重に見極める必要があります。
 
「今も、体調が悪い日は、文字が揺れて見えてきて、気持ち悪くなります。
頭痛や腹痛、だるさや眠気はずっとあります。
今後もずっとこうなのかと不安です」
 
彼にとって、英語を読むことはこれほどまでに激しい身体症状を伴う、本当に苦しい行為です。
 
それなのにS君は、
「英語には興味があります。なんなら読める同級生よりも関心はあると思う。
文法や語源がわかると楽しい。できるようになりたい」
と言うのです。

評定を上げて三年次編入に備えたい、それ以上に、知的好奇心ゆえに英語を知りたいと言います。
 
大学ではロボット工学やAIを学び、いずれはディスレクシアの読み困難を支援するデバイスを開発したいとのこと。
その利他的な心に、頭が下がります。
 
中学では模範的学生として表彰​。
高専でも、英語の時間に倒れたら、​​周りが肩を貸してくれるそう
(2回ほど本当に借りました」)
​​
辛い時に周りに支えてもらえるのは、ひたむきな学問欲と、圧倒的な人徳のなせるわざ。
彼を知る誰もが、その頑張りを文句なしに認めています。
 
高専1年の途中から、定期試験で、英語を追試の日程に行うという合理的配慮を受けるようになりました。
英語の試験を受けると、精根尽き果てて頭が働かなくなり、その後の試験をまともに受けられなかった彼にとって、この配慮はとても効果的だったそう。
おかげで、数学や物理で実力を出せるようになりました。
(なお、現在は手書きで答案を書いているそうです。)




    
 
十代後半を「高専」という、工学部を先取りするような環境で過ごした2人に対し、高認​※​というルートを経たN君にとって、大学受験は孤独との闘いでした。
高認:高等学校卒業程度認定試験。かつて「大検」と呼ばれていたもの。高卒と同等の資格を得ることができます。

6の授業中、机の下で両手に二進法を覚えさせていたという彼は、数の申し子。
しかし当時から、漢字の書き取りは苦手だったそう。
そして中学で英語が始まって1年ほどたつと、「クラスの音読競争でぶっちぎりに遅かった」などの困難が表面化したそうです。
 
単語が覚えられないし、それ以前に単語を読めない・・・
そんな状態で中3に入り、授業で長文を扱うようになると、英語の成績は急降下。
そのまま高校入試となり、おそらくは燃え尽きて、高1の夏休み明けから不登校に。

その後、情報工学に目覚めて再始動、​​もじこ塾とS台予備学校に通い、現役で大学生になりました。
 
CPUの開発をしたいという一念だけで受験生活を走り抜けましたが、英語を読む際のつらさ、英語が足を引っ張るつらさ、そして同年代の友人との何気ない交流がないつらさは、相当のものでした。
 
30分も英語を読み続けると、急に激しいめまいがするようで、それ以上は文字を見ても意味をとることはできません。
(didbigと読んだこともありました。)
その苦しそうな様子は、いたたまれないものがありました。
 
センター試験の英語は、200点中90点。半分もとれませんでした。
(ちなみに物理と数学2科目も90[100点満点])
第一志望は、英語が超長文のこともあり不合格で、今の大学に入学。
 
でも入学後の様子はそれはハッピーで、受験生時代にどれほどの厳しさに耐えていたか、よくわかります。
 
​大学の勉強が今は楽しくてたまらない彼ですが、情報工学の世界に進みたい以上、仕事で英語を使うこと、さらには英語資格の要件からは逃げられないと言います。
 
「英語で苦労するってわかってるのに、それでも情報工学をやりたいんや?」
M君に問われて、静かに
「うん、そうなんだ」と答えていたのが印象的でした。


 
N君​の英語の読字能力は、大学入試時点では、戦えるレベルにはなりませんでした。
なにしろ、センター試験の長文1本を、全部読むことができないのです。

しかし、たいへん驚くべきことに、​​大学入学後も、彼の英語の読み能力は少しずつ向上​しました。

英語の授業はずっと続き、論文はDeepL※を使って読み、プログラミング言語は英語。
英語を毎日使っているというのも、大きいようです。
DeepL:機械翻訳アプリ。Google翻訳をはるかに上回る、驚くほど自然な訳文が生成されます。

​これに加えて、授業の助手に入り、中1の生徒たちと一緒にフォニックスの最初の一歩から復習できたことが、思いのほか効果的だったようです。

30分読むと限界が来るのは受験生時代と変わらないようですが、30分で読める量は大幅に増えました。
 
目標をもって地道な基礎訓練を続ければ、20歳を過ぎても、読字能力はまだまだ成長を続けるらしい。
・・・そのことを私は、N君から知りました。
 
彼を見ていると、S君もM君も、正しい訓練をすれば、ちょっとずつ英語が読めるようになるだろうと、信じることができます。
 
     ☆   ☆
 
三人が「ですよね」「わかるわ~」とディスレクシアあるあるトークを繰り広げるなか、私は胸がいっぱいでした。
この人たちに英語を読ませるというのは、イルカを陸に引き揚げて「さあ走りなさい」「なんで走れないの?」と言うようなもの。
無理を要求して苦しめています。
 
この人たちは、海に放てば、ものすごく生き生きと泳げるのです。
私は残念ながら海の中の様子がわからないので、彼らの泳力のすごさを完全に知ることはできません。
でも、この人たちは海では非常に高い能力を発揮できるというリスペクトの気持ちをもって接することは、非常に大事だと思っています。
英語に向き合う時の彼らは、本来の姿ではまったくないのだと。
 
海に放てば抜群に泳げる​​人たちを​​むりやり​​陸で競わせようとするのが、昨今の英語要件です。
理系だと大学や大学院、さらには就職や昇進において、英語資格の点数が要求されるらしいのです。
 
この人たちに英語の試験という関門を課すのは、才能ある理系の人たちが出てくる道を閉ざすことであり、社会的に大変な損失です。

また、身も心も削って頑張った末に、仮に英語資格の関門を突破したとしても、本来活躍できる分野に割ける時間を英語に割いたことによる損失、「英語だけやる気のない人」と言われ続けることによる精神的苦痛・・・を考えると、こういう人たちに英語資格の点数という形で要件を課すことは、ものすごく大きなダメージを与えます。
 
もし私にものすごくお金があったら、学校を作りたいです。
その学校は全教科そろっていて、ディスレクシアの生徒たち英語で苦しむことなく、のびのびと関心を追求する環境がそろっている
一方、理系の世界は英語が必須である以上、毎日こつこつと読み訓練も続ける・・・
 
工学部ディスレクシアたちが、ポジティブな自己認識をまっすぐ持ったまま、心も体も壊さずに成長できる。
そんなルートが確保されていてほしいと、切に願います。


※イラストは、もじこ塾の教材の絵をすべて描いてくれている紺さんによるものです。

2022-08-16

生徒自己紹介(高2 S・Aさん)

 「小5~6のディスレクシア集まれ!」
もじこ塾ではこの夏、小5~6のディスレクシアのお子さんを対象に、もじこ塾の高校生が宿題を見る「宿題企画」を開催しました。

同じく中1から来ているAちゃんの自己紹介です。教師になりたいとは初耳!

 ①いつからもじこ塾にきてますか?

中一の四月から。


②何を目指していますか?

教師


③小学校5、6年生の時はどんなことをしていましたか?

主に受験勉強をしていました。


④もじこ塾に来て変わった事は何ですか?

それまで書けなかった英単語をかけるようになった。


⑤あなたにとってディスレクシアとは?

マイナス面も多いけど、その分他に得意なことがある人


授業報告

①内容

   夏休みの宿題、UNO、お題に答えるやつ


②生徒の反応

比較的真面目に受けていて、和気あいあいとしていた


③何を感じたか

とても元気な小学生だなぁと思って、懐かしい気持ちになった

文字を書くのが大変そうだったので、頑張っていって欲しい

2022-08-08

生徒自己紹介 (高1 Y・Hさん)

 「小5~6のディスレクシア集まれ!」

もじこ塾ではこの夏、小5~6のディスレクシアのお子さんを対象に、もじこ塾の高校生が宿題を見る「宿題企画」を開催しています。

中1の春からもじこ塾に来ている、Hちゃんの自己紹介です:



①いつからもじこ塾にきてますか?
中学一年の春

②何を目指していますか?
いい人!

③小学校5、6年生の時はどんなことをしていましたか?
遊び,中学受験の勉強

④もじこ塾に来て変わった事は何ですか?
英語の学習は学校で教えられたことや課題をそのままやっていたが、もじこ塾に通ってからは自分の学びやすいやり方でやってもいいという考えに変わった

⑤あなたにとってディスレクシアとは?
生まれた時から持っているものだからあって当たり前のもの、普通のこと

塾は苦手なことわからないことを嫌がりながら学ぶイメージが強かったが、もじこ塾は似た特性の子と少しずつ学ぶので続きやすいと思う!

授業報告

①内容
フォニックスの発音,ビンゴ,ハリボー

②生徒の反応
スペルを探すのが難しそうだった

③何を感じたか
(生徒は)3年前ぐらいの自分と同じレベルで、(自分は)今までなにも成長していないと思っていたけど、していたと気づいた

※フォニックス講座の助手に入ってくれたHちゃん。終了後はくたくたでした。当時より進歩があるという気づきがあったなら、本当によかったです。

2022-08-01

夏休み企画:もじこ塾 生徒紹介(高2 K・T君)

「小5~6のディスレクシア集まれ!」

もじこ塾ではこの夏、小5~6のディスレクシアのお子さんを対象に、もじこ塾の高校生が宿題を見る「宿題企画」を開催しています。フォームをご覧のうえ、ふるってのご参加をお待ちしています。

本日も無事に終わりました。担当した生徒の自己紹介と報告です:


①いつからもじこ塾にきてますか?

中学一年

②何を目指しているか?

芸術

③小学校5、6年生の時はどんなことをしていましたか?

受験勉強

④もじこ塾に来て変わった事は何ですか?

英語が音で読めるようになった

⑤あなたにとってディスレクシアとは?

越えるべき壁


◆小学生宿題企画の授業報告

1内容 小学生の宿題を手伝った

2生徒について やはり文字を書くのが難しい、文字を音で覚えている傾向が見える

3何を感じたか よくも悪くも学校で注目を浴びそうな雰囲気ではあった

※「先生には怒られるが周りからは面白がられる。元気・活発をどうとらえるかによって変わるだろうが…」KT君が話したことをメモしてみました。

4今後の展望 うまいこと落ち着きを持てるようにしたい


◆フォニックス講座の助手にも、ボランティアで入ってくれました。その感想:

人それぞれに想像以上に得意不得意があり、自分ならもっと綺麗に描けるのになと思ったり、自分より早く描けるなと授業中感じた。こういう人の得意不得意の幅が広いことを実感し考えの幅が広くなった。幅の広い人たちに合った支援がより必要なことを感じた。しかし自分でもかなり面倒だと感じた。多分教師たちはこういうことを感じるのだろうと理解できた。だが少なからず少数派はいるのでその人に合った支援をうまく考えていかなければならない。



2022-07-28

夏休み企画:もじこ塾 生徒紹介(高3 H・Mさん)

「小5~6のディスレクシア集まれ!」

もじこ塾ではこの夏、小5~6のディスレクシアのお子さんを対象に、もじこ塾の高校生が宿題を見る「宿題企画」を開催しています。フォームをご覧のうえ、ふるってのご参加をお待ちしています!

本日担当した生徒の自己紹介です:


自己紹介質問

①いつからもじこ塾にきてますか?

中学3年生の夏からです。


②何を目指しているか?

声優・歌い手・メディア系・プロダクション経営者(社長)


③小学校5、6年生の時はどんなことをしていましたか?

運動会とかでは応援団長をしたり、委員会では委員長をしてました。(放送委員会・音楽委員会)


④もじこ塾に来て変わった事は何ですか?

英語が読めるようになりました。

また、少しずつですが英語絵の苦手意識が無くなっていきました。


⑤メッセージ(あなたにとってディスレクシアとは?)

助けになりました。

最初英語を学び始めた頃全然単語も英文も読めなかったのですが、周りの人は読めていてどうして自分だけ読めないのかすごく悩みました…。

ですが、もじこ塾でディスレクシアとして勉強をしていくうちに、少しずつ英単語や英文が読めるようになり、高校の授業からは追いついていけるようになりました。

そんな英語に悩んでいる人達を助けてくれる塾です。

2022-07-27

夏休み企画:もじこ塾 生徒紹介(2)(高3 U・S君)



きょうはもじこ塾に、かわいい小学生たちが来てくれました!

高校生や大学生のお兄さんお姉さんと一緒に宿題をしたり、小スピーチをしたり、よもやま話をしたりしたようです。

明るく前向きに頑張っている先輩達の姿を見ることは、特性理解に大きい効果があることでしょう。


「小5~6のディスレクシア集まれ!」もじこ塾ではこの夏、小5~6のディスレクシアのお子さんを対象に、もじこ塾の高校生が宿題を見る「宿題企画」を開催しています。

詳しくはフォーム→をご覧のうえ、ふるってのご参加をお待ちしています!

本日担当した生徒の自己紹介です:

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①いつからもじこ塾にきてますか?

高校1年生の11月~


②何を目指していますか?

救急救命士


③小学校5、6年生の時はどんなことをしていましたか?

外で遊ぶことがほとんどでした。この頃から教科書の文字を読むのが苦手でした。


④もじこ塾に来て変わった事は何ですか?

文字を読むのが遅いという悩みや不安が軽減された。

自分の特性について相談できる人、わかってもらえる人に出会えた。


⑤あなたにとってディスレクシアとは?

自分から取り払いたいもの


⑥小学生にメッセージ

もじこの誰かに今の悩みを話してみたら、君の不安が少なくなるかも

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本日の感想:1on1で学校の宿題を一緒に解いた(漢字、算数)。勉強が好きになり、得意になるように、自分にあった勉強法を見つけて


2022-07-25

夏休み企画:もじこ塾 生徒紹介(1)(高2 S・S君)

この夏、もじこ塾の生徒が小5~6の宿題を見ます!

詳しくはフォーム→をご覧のうえ、ふるってのご参加をお待ちしています。


小学生のみなさんをお迎えする、もじこ塾の生徒の自己紹介です。

①いつからもじこ塾にきてますか?

中学2年の3学期の最後の最後


②何を目指していますか?

海外の大手ファッション出版社の雑誌編集者、クリエイター、イベントプロデューサー、政党ブランディング


④もじこ塾に来て変わった事は何ですか?

一歩ずつ自分らしく、でも1人の学生として社会の一員として楽しく生きよう、英語の好きを得意にしようと決心ができてきている。


⑤あなたにとってディスレクシアとは?

特性に名前があることで配慮もされる分、同じ仲間のことを先頭で考える使命感。

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できることなら誰でも定期テストで高得点を取りたいだろう。

少なくとも僕はどうすればオール90点台を取れるかを考えていたそんな中学生だった。

しかし、目標はあっても、勉強しようと思ってもなかなかやらなかったり

集中力が持続しなかったり、

やりもしない参考書や問題集を買ってきたりとしていたので、

もちろんいつも赤点と隣合わせな学校生活を送っていた。

周りはそんな僕を一緒に苦笑いしながらも励ましてくれた。


でも、いつまでも一緒になって苦笑いしてくれる時間が続くわけでは無いことも感じていた。

だから自分もなんか変われたらと思っていたけど、

そんなすぐに勉強が楽しいとは思っていなかった。

好きだからといってその教科の時間が楽しいわけでも得意でも無いことに悩んでいた。


もじこ塾に通っていて良かったのは、

同じ世界にいる中でも、自分とは違う多種多様な人と出会えたことだった。

私立の学校に通っていても、そんな勉強一筋みたいな学校に通っているわけでは無いので、

勉強一途な学校に通っていた人からは英単語の覚え方を教えてもらったり、

それぞれがディスレクシアとして経験してきたことを共有できるのが強みだと感じる。


大体、同じ考えの人が集まると内向きに物事が進んで行きがちですが、

もじこ塾の場合には多種多様な意見と出会うことができ、

それを力に転換できやすいなと感じた。

2022-07-18

夏休み企画:ディスレクシアの小5~6集まれ!もじこ塾の生徒が宿題をお手伝いします

 


みなさま、ご無事でお過ごしですか。

もじこ塾は1学期も毎日、対面授業を続けてきました。

コロナも3年目となり、生徒もずいぶん戻ってきました。

そろそろ交流したいですよね!

☆  ☆  ☆

今年の夏、もじこ塾では初めて、小5~6のディスレクシアの生徒を対象に、宿題企画を行います!

大学生の助手と高校生とで、企画を進めています。

小学生ディスレクシアのみなさんにとっては、ディスレクシアの高校生の先輩(もじこ塾の生徒)と交流することで、特性理解を深めてもらうこと、また高校生にとっては、主体的経験を積むことを目的としています。

詳しくはフォーム→をご覧のうえ、ふるってのご参加をお待ちしています!

これからしばらく、宿題企画関連の発信を続けてまいります。



2022-04-08

総合型選抜(AO入試)の合格体験記「なんとかなると油断できない自分に対する自信のなさが、良い方向に出た」

受験報告会→に登壇してくれたさえちゃん。

合格後すぐに、以下の合格体験記を書いてくれていました。

☆  ☆  ☆

さえちゃんは高1の夏休みに、もじこ塾のフォニックス講座を受けに来ました。

フォニックス講座を受けてくれた人の多くは「!英語を読むってこういうことか∑( ̄0 ̄;」と多かれ少なかれ衝撃を受けた様子を見せるのですが、さえちゃんにはピンときている様子がありませんでした。

引き続きもじこ塾に来るようになってからも、反応は鈍く、みんなとの会話にも加わらず、中1レベルのごく基本的な単語を覚えるにも苦労していました。

印象が一変したのは、はじめて小論文を書いてもらったときです。

Σ( ゚Д゚)!!なかなか深い内容を書くではありませんか!

英語の授業の様子とはあまりにも、あまりにも別人なので、本当に驚きました。

ディスレクシアの生徒を英語だけで判断してはいけないとは知っていましたが、その最も劇的な事例でした。フォニックスの定着にも非常に苦労している、最重度のディスレクシアと言っていいでしょう。

あるいは、日本語は大丈夫ですが英語にだけきわめて強くディスレクシアが出ているという点で、最重度の隠れディスレクシアと言っていいかもしれません。

☆  ☆  ☆

そこから、小論対策に切り替えて1年半。集団討論の内容を踏まえて小論文を書くという、かなりプレッシャーの強い、しかも高倍率の総合型選抜を、見事突破しました。

大学選びの動機は「今の環境を変えたい、とにかく大学というものに行きたい」(-_-||)。家から近い大学・学部のなかから、まずまず興味が持てて、かつ評定や試験科目が自分に合っているところを選び、そこから志望理由を考えていきました。

この順番は、もじこ塾的にはかなりレアです。「やりたいテーマ」が「大学に行くこと」そのものというケースは…(苦笑)。しかし、大学進学へのさえちゃんの情熱はかなりのものでした。

☆ ☆ ☆

さえちゃんのことは、さえパパを抜きにしては語れません。

男手ひとつでさえちゃんを育てたお父さんも、話を伺うと相当のディスレクシア。やはり英語が苦手で、大学はW大以下すべて不合格、滑り止めで入った二部(夜間)から猛勉強して一部(昼間)に転籍。就職した某大手IT企業ではトップ営業マンとなり、今でも売りまくっているので、とっくに役職についていい年齢にもかかわらず、いまだに実働部隊にいる(ご本人いわく「『躍る大捜査線』のいかりや長介のポジション」。低い腰で「努力できることだけが取り柄です」と言われると、ただ頭が下がります…。一方、お母さんはADHD?いわゆる"片付けられない女"のようです。

ですので、さえちゃんの高校生活は、料理はじめ家事全般を当番でこなしながらでした。受験生になっても料理当番をこなしていたようです。えらい・・・!

このようによく働き、タフで真面目で、ちょっとADDっぽく、そして音韻性の困難はかなりありそうです。

突然の物音に「わあっ!」とすごく驚いたり、こちらの話を聞いていないように見えたり、、

そんなこともあり、本人いわく自己肯定感は低め。大学進学率3割、休み明けごとに生徒が減っていくような高校に通っていたら、そうなるのかもしれません。

しかし、「とにかく環境を変えたい」という動機だけでここまで頑張れるのですから・・・さえちゃんもお父さんと同じ、ありえないほどの努力の鬼です!

そんなさえちゃんの合格体験記です:

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・都立高校卒、都内女子大教育福祉学科 合格(総合型選抜)


Q:もじこ塾をどうやって知ったか。入塾の決め手は?

高校受験で英語を1番勉強したのにも関わらず、結局全くといっていいほど伸びませんでした。さすがにおかしい、病気だろっと親に言い訳を探す気持ちで探したら、本当にディスレクシアだと判明しました。そのことを話し、私はもう大学受験は無理だと伝えました。そしたら親が「ディスレクシア専用の塾がある」ともじこ塾を探してきてくれたので、もう少しだけ英語を頑張ろうと思ったことが入塾の決め手です。

 

Q:他の塾との兼ね合いは。英語はもじこ塾以外でも勉強したか?

最初は二教科受験をしようと考えていたので、日本史は3年の10月まで、国語は2年の終わりまでやってました。最初は総合型選抜ではなく二教科受験を目指してたので。

英語は高校に入る前まではやってましたが、もじこ塾に入ってからはやってません。元々通ってた塾の先生に「ディスレクシアという英語の病気?らしい」と伝えたら、納得されたのを覚えてます。高校受験の時はご迷惑をおかけしました。

 ※note参照。ディスレクシア的には、AOと決めたらAOだけに振り切るべきだと何度も言っていたのですが、さえちゃんは他の塾では「一般入試をあきらめてはだめ」と言われていたそうで、なかなかAO一本に絞りませんでした。合格したからいいのですが。


Q:もじこ塾で勉強したり話したりしたなかで、特に印象に残っていることは?

特に印象に残っているというか、いいなと思う点は質問のしやすさです。本当に基礎的な英語が何度聞いても覚えられず、何度も同じ質問をするのですが、先生からまた?まだ覚えないの?と言われたことが記憶にないのです。なので気軽に何度も質問できます。そんなこと?と思う人もいるかもしれないですが、何度も聞いた後に、またかよなどと呆れられ、申し訳なくなってきてしまうことが学校で多々あります。なので何度でも根気強く教えてくれ、質問のしやすい環境であるところが、もじこ塾で一番いいなと思っています。

※覚えたいのに覚えられずに苦しんでいるのは、傍で見ていてよくわかりますので、「また?」とは私には言えません。でも、自分でも「何度も同じ質問をしている」という自覚があったのは初耳でした(゚Д゚)

 

Q:入塾を考えている人へ、もじこ塾はどんなところと説明するか?

自分の悩みを理解してくれる場所だと説明すると思います。ディスレクシア専用の塾ですから、他の大人に相談したら笑われることも親身になって聞いてもらえます。ディスレクシア的な理解されない部分に理解してもらえるのは心が軽くなり、どんな進路に進むにしろ役に立つと思いますし。

 

Q:ディスレクシア的に、大学入試や受験勉強において特に注意するべきことはあるか?

早めに後悔のない進路を決めることですね。単純に、ディスレクシアは正攻法でいけなかったり、そもそも人より覚えが悪かったりするので。後は、ほとんどの受験方法で漢字が書ける必要があるので、時間がある人は早めにやっておいたほうがいいと思います。

 

Q:自分がディスレクシアだと知ってどう思ったか? 現在はそのことをどう捉えているか?

知った時はホッとした気持ちと、努力してもどうにもならないじゃんという絶望感の半々だったと思います。

また今でも「ディスレクシアじゃなければなぁ」と思うことが沢山あります。特に英語の時間は、真面目にやった後にできないと半泣きになる癖がついており、心が折れかけてます。正論を言われるのが嫌なように、自分ができないことを改めて知らされるのは嫌なものです。来世は普通に生まれたいです。

※さえちゃんのディスレクシア的プラス面は、これから発揮されてくると思いますよ。お父さん譲りの対人能力など。


Q:もじこ塾に来て,英語は読めるようになりましたか?(正直,どのくらい英語ができますか。)

本当に少しだけだけど、マシになっていると思います。00.2になったくらいですが。伸び代しか感じないのでこれから頑張ります

※がんばりましょう。ちなみにさえちゃんは、音韻認識がとても、とても弱いです。突然の物音にびっくりしやすい、人の話を聞いていないと思われることが多い、など。

 

Q:中学のときの英語力について語ってください。

ローマ字、be動詞を覚えていないレベル。今もたいしてレベル変わらないのは内緒🤫

この文章を書いてから3ヶ月、だいぶ定着が進みました!

彼女のディスレクシアは本当に重度で、いまだにフォニックスが定着していません。なので大学の単位をとるために、AO入試合格後から、もじこ塾で英語の勉強をいちから始めました。プレッシャーから解放されたせいか、年齢のせいか、前よりも定着率は良いです。できないなりに読字訓練に臨む様子は本当に尊いです。

 

Q:都立高入試をどうやって戦いましたか。

受験方法は都立高校の一般受験です。この時はまだディスレクシアの存在を知らなかったので、英語に勉強時間を全振りしていた覚えがあります。秋あたりの模擬試験で英語の成績は全く成果が実らなかったため、もう第一志望の高校は無理だろうと、今の高校を受験しました。今の高校は名前さえ書ければ誰でも入れます。後、本当にあの時は勉強が苦痛で、英語の塾の一回の授業で二回ぐらいトイレに逃げてました。2時間くらい英単語を書かされ1問も正解しなかった時の先生の顔は怖すぎてトラウマもんです。仲は良かったんですけどね。

 ※ディスレクシアは「何度も書いて覚える」ができない人が非常に多いです。


●大学入試について

Q:合格の決め手、勝因は何だと思いますか?

最後まで油断しないで勉強したことだと思います。下手に自分に自信を持てていなかったからこそ、不安を潰すために少しでも努力しておこうと思えました。なんとかなると油断できない自分に対する自信のなさが良い方向に出たと、今は考えています。

※もじこ塾の純粋ディスレクシア勢は異口同音に、「なんとかなる/誰かがなんとかしてくれると思ったことはない」と言いますね。これが例えばADHDだと「なんとかなるっしょ」と言うので、個人的にはこの発言は純粋ディスレクシアのリトマス試験紙のように感じます。

 

Q:新型コロナウイルス感染について

私がコロナにかかったのは8月の後半です。私は総合型選抜で受験しようと考えていたため、9月の初めにはエントリーシートを提出しなければいけませんでした。しかし自分がコロナにかかるとは全く考えていなかったので、まだエントリーシートの清書と学校に提出する作業が残っていました。結局清書は先生にやり方などを教えて貰い、誤字などが少しありましたが提出できる状態にできました。

しかし問題は、学校にエントリーシートを提出することです(学校の先生の署名が必要でした)。私たち家族は全員濃厚接触者であり、外出禁止です。そんな人間が高校に行けるわけありません。なので、もじこ先生にわざわざ取りに来て貰い、学校に届けてもらい、なんとか提出まで漕ぎ着けました。あの時はありがとうございました。

このようなことがあり、私は三週間ほど勉強を休まざるをえませんでした。なかなか調子が戻らず、苦労した覚えがあります。新しい変異株も出ていますので、早め早めの行動を心がけ、身体に気をつけ受験に挑んで下さい。

※デルタ株急拡大の頃の話です。あとは清書を残すだけという段になって本人の発熱、お父さんの入院と、あっという間に大変な状況に。zoomで指示を出しながら、なんとか清書と提出までこぎつけました。大学出願とコロナ感染が重なるなんて、彼女の人生でもそうそうないピンチだったのでは。お役に立ててよかったです。

 

Q:総合型選抜で大変だったことは。

色々大変だったことはありますが、大きく分けて二つあります。

一つ目は、試験の詳しい内容を知らなかったことです。大学の入試要項には、試験時間などは書いてありましたが、どんなお題が出るかは全く書かれていませんでした。そのため私は、教育福祉学科を受験したので、福祉系のお題で小論文を書いていました。しかし本番間近になって、高校から去年の受験問題を教えてもらいました。(すると、準備していた傾向は見当違いであることが判明しました・・・)受験する学校などあらかじめ伝えていても、そういったことを教えてもらえないのはどうなのかなと、今でも思います。総合型選抜を受ける人は、あらかじめ先生に大学の問題のことなどを聞きに行くことをお勧めします。

二つ目は、漢字が書けないことです。私はかなり漢字が苦手で、高一の頃反省文を学校に提出した際には、「小学生みたいな文章だな」と担任の先生に言われたほどです。とにかく文章の中に平仮名が多く、たまに書いてある漢字も誤字でしたみたいなことが平気で起こっていました。なので自分の文章でよく使う漢字だけは出来るだけ覚え、覚えてない場合は言い回しを変えたりなどして対策を練りました。本番でも完璧とは言えませんが、全く直らなかった訳でもありません。かなり漢字が苦手な私でも見れるレベルまで持っていけたので、練習さえすれば直せる部分だと思います。

※漢字が書けないは明らかに言い過ぎで「たまに間違う」・・・400字原稿用紙に2~3ヶ所間違いがある程度です。清書した志望理由書でも、「生徒」が「生従」になってました。でも、コロナで9度の熱を出し、親御さんは入院してしまったなか、ようやく清書した原稿を「直せ」と言うことはできませんでした。

 

Q:総合型選抜に振り切ってよかったことは。

小論文の時間を普通の人より多く取れたことだと思います。普通、小論文をやる時は片手間で勉強するので。

※夏休みは週2回、出願から試験直前までは週3回通塾し、時間をはかって小論文を書く練習を行いました。

 

Q:ディスレクシア的に、総合型選抜で注意することはありますか?

文章が説明不足にならないよう、気をつけることです。

私は、頭で考えるのは好きではあったのですが、言葉で説明するのが得意ではありませんでした。言葉が飛び飛びになり、説明不足なことが多かったです。私の中では説明として終わってるつもりでも、相手にはなんとなくしか伝わらないことが多々ありました。大人の場合は何となく理解してくれますが、小論文の場合は減点されてしまうので、子供に説明するつもりぐらいで書くようにしました。この能力は普段の会話やLINETwitterなど様々な所で影響があるので、心当たりある人は気をつけた方が、小論文以外の日常生活でも役に立つと思います。

※ディスレクシアの人は、発想力はすごく豊かで、話し言葉では超絶な議論ができるのに、なぜかそれを紙に書く段になると、話していたことの数分の一しか紙に落とし込めない、ずいぶん単純化した話しか書けない人がかなりいます。話せる内容と書ける内容を近づけるためには、書き言葉を習得する必要がありますし、文章を書く訓練が必要です。この点は1年半ほどかけて試行錯誤を続けました。

 

Q:ディスレクシア的に、総合型選抜はおすすめですか?

間違いなく私は勧めます。

一般の塾などで話を聞いてると、総合型選抜を本腰を入れてやる人は案外少ないからです。大学受験の場合、総合型選抜で受かったらラッキーで、一般受験が本命の人が多いです。ディスレクシアは英語がある以上、一般受験は受けられない定めなので、比較的同じ土俵で戦える小論文はかなりいいと思います。

ただ、小論文は答えがなく、自分がどのレベルにいるのか分かりにくいのが難点です。文章力が上がったと言われても、周りがどの程度できるか分からないので、常に不安がつきまといます。本来自己肯定感が低いタイプの人には向いてないのかなと私は考えています。総合型選抜勧めはしますけど自分は二度とやりたく無いです。

※ディスレクシアのなかでも言語能力が高い人には、総合型選抜は本当におすすめです。彼女も出願の1カ月前に届いたWISCの結果では、「言語理解」が突出して高く(最も低かった「記号」と14(!!)も差があり)、「やっぱり」という感じでした。

 

Q:もじこ塾に通っている生徒に、激励のことばを。

私たちディスレクシアは選択肢が人より狭く、物事をやるにも人より時間がかかります。自分で納得し、最善を尽くせるなという道を人より早めに見つけ、それに向かって頑張って下さい

※ほんとそうです!早めに決めて、労力をそこに全振りすることは、ディスレクシアの進路選択においてとっても大事です!


Q:将来の夢を1行でどうぞ。

普通の人になりたいです。マイナスからゼロに性格も能力も全て

※そんな・・・。でも、合格報告会でも「さえちゃんの『普通になりたい』発言に心揺さぶられました」というコメントがかなりありました(ノД`)。

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最後は宣伝を失礼します。

さえちゃんはNHKの取材にも協力。

「問題」「間題」はさえちゃんが書きました


もじこ塾では、ディスレクシアの高1~高3を対象に、総合型選抜対策(志望理由書・小論文・面接対策)を行っています。高1から高3の春までは少人数クラス(定員6人)、高3のゴールデンウィーク頃以降は個別指導となります。ご興味のある方はこちらからお問い合わせ下さい→