当ブログの来訪者のほとんどは検索して
「ディスレクシアのチェックテスト」を見に来て下さる方々です。
自分や夫/妻がディスレクシアかも?という大人もいるようですが、
多くは、「うちの子はディスレクシアかも?」と心配して来られる方々のようです。
お気持ち、心よりお察しします。
私も3年近く前、「この子はディスレクシアかも?」とほんとに心配でした。
(ちなみに、子だけでなく父もディスレクシアと分かった今は
心配というより「なんて独創的な種族なのだ。。」と日々驚かされることが多いです。)
自分の子がディスレクシアの疑いが濃厚の場合、次に知りたいのは
「ディスレクシアの検査はどこで受けられるのか?」でしょう。
当ブログの筆者は医師ではありませんので、
ディスレクシアの診断はできませんし、
特定の病院を勧めることも、病院を評価することもできません。
以下のリンクからたどりつく病院は、当ブログとは一切無関係です。
当ブログは、検査結果に伴う責任を一切負いません。
と、断った上で、
ディスレクシアの子を持つ親として、検査について知っていることを書きます。
(断り書きが長くて申し訳ありません。。)
1)ディスレクシア検査とは?
現在、日本でディスレクシアの検査として最も使われているのは
WISC-IV(「ウィスクフォー」)と呼ばれる心理検査らしいです。
これはディスレクシア検査として開発されたものではなく、
発達の凹凸全般を知るためのものなので、
これを受けても「ディスレクシアの疑いが強いです」
としか言うことができません。
本当にディスレクシアかどうか判断するには、
MRIを使って脳を見る必要があるようです。
でも、子供(小学生と仮定します)がディスレクシア検査を受ける目的は、
「この子は知的には問題ないが、
理解の仕方がほかの子とちょっと違うので、
配慮をお願いしたい」と学校の担任にお願いすることのはずです。
この目的を果たすには、WISC-IVで十分です。
そのほかにも、いろんな検査が開発されているようですが、
まだ浸透していないようです。例えば→こちら
(でも、学校に配慮をお願いするという目的を果たすのであれば、
WISC以外の検査でも良いと言えます)
2)WISC-IVはどこで受けられるか?
病院で受ける場合、このあたりが参考になると思います:
ADHD(小児)を相談できる病院を探す
小児神経科医のいる全国の病院
一方、自治体を通じてWISCを受けられる場合もあります。
ディスレクシア(発達障害・学習障害)対応は、
自治体によってものすごく差があります。
(自治体名) 発達障害で検索すると、対応してくれる施設がヒットします。
公立小に通っている場合は、
学校を通してWISCを受けられる場合も多いです。
(うちはこの方法です。)
特別支援学級、ことばの学級、通級指導教室が設置されている学校なら、
普通学級の担任に相談すれば、担当を調べてくれて
WISCを受けられる施設につないでくれる可能性があります。
スクールカウンセラーが来る学校なら、カウンセラーに相談すると、
自治体の教育相談室を通じて、WISC-IVを受けることができます。
うちは、夫が病院に連れて行くことに強硬に反対したので
たまたま市の教育委員と知り合いだったので相談したところ、
スクールカウンセラーを通じて市の教育相談室に行くよう教えてもらえました。
当時、スクールカウンセラーは市内の各小学校を巡回していたので、
子供にとっては顔見知りの人から検査を受けることができたので、ありがたかったです。
ただ現在、東京の市部では、
スクールカウンセラーは市ではなく都の管轄になり、
各小学校を巡回してくれなくなったようです。
うちも、それでカウンセラーにはあまり相談できなくなってしまいました。
残念です。
3)検査結果は絶対的なものなのか?
以下は、一当事者の親の個人的な意見です。
うちが、2年前に市の教育相談室でWISC-IVを受けたときは、
「この検査結果は、ずっと変わらない」と言われました。
一方で、WISCは検査者によって、結果の出方が違うとも言われますし、
検査結果の解釈の仕方もさまざまに可能なようですし、
期間をあけて受ければ、違う数値が出るらしいです。
ううむ・・・・?
しかし、繰り返しになりますが、私の意見としては、
WISCを受ける目的が「子供に学校から配慮をお願いする」ことであれば、
結果の細かい数字に、そこまで神経質になる必要はないのでないかと思います。
ディスレクシアらしいという傾向が出れば、それで十分ではないでしょうか。
WISCは、ディスレクシア対応の長い長い旅の、第一歩に過ぎないのですから・・・
4)WISCを受ける意味。
ディスレクシアの子を持つひとりの親としては、
自分の子がディスレクシアかも?と思ったら、
WISCを受けるのは、親にも子供にも、良いことだと思います。
字が苦手なのはバカ(努力不足)だからではないと納得できますし、
何が苦手で何か得意かはっきりするのは、
対策を立てるためには不可欠だからです。
WISCを受けると、学校にも配慮を頼みやすくなります。
「字が苦手なのは、そういう凹凸を持った子だから」
と言えば、担任にも伝わりやすいですし、
「こちらは真剣に子供のことを考えているのだ」という姿勢を示すことができます。
☆ ☆ ☆
ただし、WISCを受けても、
ディスレクシア対策として何をしていけばいいか、
検査機関は教えてくれません。
医師もカウンセラーも、まだそこは分かっていないのが、現状なのです。
ディスレクシア教育は、21世紀に入ってから本格的に研究が始まった
まだまだ新しい分野です。
なので、学校側にWISCの結果を持ってお願いしたとしても、
「対策の仕方が分からない」と言われてしまう可能性はあります。
(うちも去年、校長に面と向かって
「診断書を取ってこない人には対策はできない。
診断書を取ってきて下さいよ。
そうすれば、そこに書いてある通りに対策するから」と言われました。
医師は教師ではないのだから、診断書には教育方法は書いてないでしょう。。。。。)
☆ ☆ ☆
そんなWISCの限界を知った上で、
お子さんが検査に納得しているなら、WISCを受けることをお勧めします。
ディスレクシア専用英語塾「もじこ塾」のブログです。
●ディスレクシアとは:知能は普通だが、読み書きが苦手(読み間違いが多い、読むのが遅い、書き間違いが多い、読むと疲れやすい)という脳の特性
●全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力に長ける
●読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい
●適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される
●10人に1人程度いるというのが通説
●家族性とされるが、ディスレクシアの表れ方は個人差が大きい
もじこ塾は、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要、という立場です。
2014-08-11
2014-08-05
『感情の脳科学 いま、子どもの育ちを考える』に登場しました
『感情の脳科学 いま、子どもの育ちを考える』
という本の巻末の対談に、縁あって出させていただきました。
はじめて、発達障害(学習障害)の子を持つ親の意見を代弁する立場で、
名前と顔を出して世に出ました~~
当事者の親代表としてがんばりましたv。
この本は、
「脳科学は専門外、ディスレクシア(+発達障害)教育にたずさわっていて、
「脳科学は専門外、ディスレクシア(+発達障害)教育にたずさわっていて、
発達障害がらみの代表的な脳科学研究をひととおり押さえたい人」にお勧めです。
著者は第一線の脳科学者なので、本書は情報量がすごいのですが
常に「研究成果を実社会の問題解決にどうつなげるか」という視点があるので
門外漢でも、自分の問題意識に引きつけながら読むことができて、
ディスレクシア教育的にいろいろヒントがもらえた気がします。
著者は第一線の脳科学者なので、本書は情報量がすごいのですが
常に「研究成果を実社会の問題解決にどうつなげるか」という視点があるので
門外漢でも、自分の問題意識に引きつけながら読むことができて、
ディスレクシア教育的にいろいろヒントがもらえた気がします。
『発達障害の原因と発症メカニズム』
とセットで読むと、脳科学と発達障害の「いま」がかなり網羅できます!
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