ディスレクシア専用英語塾「もじこ塾」のブログです。 ●ディスレクシアとは:知能は普通だが、読み書きが苦手(読み間違いが多い、読むのが遅い、書き間違いが多い、読むと疲れやすい)という脳の特性 ●全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力に長ける ●読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい ●適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される ●10人に1人程度いるというのが通説 ●家族性とされるが、ディスレクシアの表れ方は個人差が大きい もじこ塾は、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要、という立場です。
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2021-11-15

『ディスレクシアだから大丈夫!』ディスレクシアでも読みやすい工夫がいっぱい!(2)

 『ディスレクシアだから大丈夫!』おかげさまで増刷決定!

ありがとうございます!

一人でも多くの方に、読んで頂きたいです!


刊行イベントも感動のなか終了しました^^
ご参加くださった方々、ありがとうございました。

現在、見逃し配信を販売中です→★
12月以降、原著者のあいさつと、Fumiko Hoeft先生の基調講演部分は無料公開します。

~~~

前回、本書がUDデジタル教科書体をフォントに採用しているため、読みやすいとお伝えしました。
それ以外にも日本語版には、読みやすくするための工夫がいっぱいです!

2) イラストがいっぱい!

原著は1枚もイラストがなく、文字がみっちり詰まっているのですが、
日本語版はイラストが50枚ほど?採用されています。
イラストがあったほうが、ディスレクシア的には断然、イメージがわきやすいので。

担当したのは、藤堂さんの前著『ディスレクシアでも大丈夫』でもお願いした方。
ディスレクシアのことをよくわかっておられる、ほんわかしたかわいいタッチで描いて頂きました!

このイラストは、
このイラストは、原著者から「ディスレクシアの人の笑顔が足りない」と指摘を受けて書き直し、さらに校了直前に吹き出しのなかの絵が本文の内容と違うことに気づいてさらに書き直し・・・特に苦労の多かった1枚です。Oさんお手数おかけしました

3) 日本向けの情報が満載の「コラム」!
日本語版だけの企画として、日本のディスレクシアをめぐる現状について、7本のコラムを収録しています。
  • ディスレクシアは障害?
  • ステレス・ディスレクシア(隠れディスレクシア)
  • アコモデーション(合理的配慮)について
  • 漢字の覚え方
  • オートン・ギリンガム法とは
  • ICTリソースについて
  • 受験環境の違い

大半は藤堂さんが書きました。さすが業界の重鎮、そのアンテナは幅広く知識は豊富で、それらをぎゅっと濃縮して紹介。1つのコラムごとに2時間のセミナーができるくらい、有用な情報が満載です!

もじこは、「受験環境の違い」の半分を担当しました。
いまはAO入試の割合が増えてきている…といった話です。
これについて、さらに詳しく知りたい方は、ぜひnoteをご覧下さい→★

4) 電子書籍版も販売予定!
本書の中にも書きましたが、
翻訳書の電子書籍は利幅がとても少ないらしいのですが、今回は読者がディスレクシアだからということで、出版社が特別に動いてくれることになっています。
金子書房さんありがとうございます!

5)平易な訳語
原著は、フランクな口調で書かれていますが、脳科学や科学研究の話も出てきますので、一般書としてはやや難しめだと思います。ブルーバックスあたりの位置づけでしょうか。かための文体や難しめの訳語を選んで、専門書っぽく訳すことも可能です。
でも、この本はディスレクシアの子をもつ保護者にも読んでほしい、読者は専門家に限定したくないとの思いから、極力平易な訳にしましょうね・・・と、辻さんと最初に決めました。
「ですます調」で訳しましたし、訳語で迷った場合は、極力かみ砕くように心がけました。
読みやすくなっているといいのですが。
特に、辻さんの文体は愛情いっぱいです!


訳語についてのおまけ
いくつかの訳語選択については、助手や生徒たちの意見がかなり取り入れられています。
機会があったら、このときのやりとりを紹介したいです。
彼らのディスレクシア感覚は、想像以上に超絶でした・・・!







2021-09-19

「ディスレクシアの得意なこと」の翻訳本刊行!(2)(推薦文)

もじこ塾の原点の一冊、「The Dyslexic Advantage」の日本語版が、10月中旬に刊行されます!



~~~

ディスレクシアの助手にゲラを読んでもらい、わかりにくい箇所はないか、ディスレクシア感覚と違うところはないか、チェックしてもらっています。
(今週末が最後のヤマです・・・)

この2人に感想を書いてもらいました。
日本語版の最初の読者による、本書の推薦文です!


-------------------------------
◆推薦のことば その①

この本は凄いです!
僕はこの本を読んで、自分の頭の中を80%くらい当てられているような感覚になりました。

具体例が多く、
「同じ感覚だな〜」
と思いながら読んでいると、
「これは普通の人の感覚とは違います」
と後から書かれていることが多く、その度に
「自分と他の人は違うのか」
と驚かされながら読んでいました。

なぜそのように考えるのかということも科学的に書かれていて、
改善の仕方などを考える種となるような本だと感じました。

この本を読んだあとに気をつけなければいけないのは、自分や自分の子供が本当にディスレクシアなのかをしっかり考えることだと思います。
なぜなら、この本を読むと、ディスレクシアに憧れてしまう人が出てくるのではないかと感じたからです!
ぜひ、読んで頂けると、才能の芽を摘んでしまうような事にならないのではないかと思います!
~~
「これからは、自分のことを知ってほしいときに、この本を渡せばいいですね」
「自分の内面が暴かれているので、なんだか恥ずかしいくらい」

とも言っていました。

-------------------------------
◆推薦のことば その②

この本の「Mの強さ」、「Iの強さ」の章を読みました。
(「Mの強さ」:空間把握能力、
「Iの強さ」:俯瞰能力、もしくは相互関係性把握能力)

「Mの強さ」については、
自分が日常的に行っていること、
読んでみて行うことができたものばかりで、

言語化された説明として今まで見てきたどの説明よりも的確に、空間把握能力の何たるかを伝えられていたと思います。

「Iの強さ」では、自分が無意識に行っていたものが、特性の一部として紹介されていました。
知っている情報と新たに知った情報を組み合わせているメカニズムが説明されていて、
自分の日常会話のときの頭の使い方が言語化されていたことに驚きました。

ディスレクシア特性の強みの側面でまだ使い切れていない部分を探したい方、
それを持った人と何かをしてみたい人にオススメです。

~~
「これは自分のことを言っていると感じる?」と聞いたところ、
「なかなか当たっています」と言ってくれました。
それ以上に、読後、すがすがしい顔をしていたのが印象的でした。

~~~
本書は300ページとかなりボリュームがありますが、ディスレクシアでも読めます!
(いずれ電子書籍化も予定しています!)

ディスレクシア本人に、ぜひとも読んで頂きたいです!!
自己認識が変わります。


2021-09-12

「ディスレクシアが得意なこと」の翻訳本が出版されます!(1)

ついに!!
当ブログの原点と言える「The Dyslexic Advantage」の、翻訳本が出版されます!
金子書房

詳しい目次→★

~~~

このブログの本当に最初のほうにある翻訳記事:


のもとになっているのは、Eide(アイディ)医師夫妻のThe Dyslexic Advantageという本です。

ディスレクシアとは、脳の配線の違いであり、数々の優位性につながる特性である。
読み書き困難は、ディスレクシアの特性が裏目に出たものにすぎない。

・・・という、ほかのどこでも言っていない内容です。


この本から発展して、もじこ塾ができたと言っても過言ではありません。
「ディスレクシアが得意なこと」にあるディスレクシアの姿は、常に、もじこ塾の大前提にありました。

そんな、もじこともじこ塾の原点とも言える本が、ついに、ついに翻訳出版されます!!

もじこの人生を変えた一冊と言っても、過言ではありません。

そして、ディスレクシアの本人や家族にとって、人生を変える一冊になると、自信をもっておすすめします!

~~~

刊行まであと1ヶ月となりましたが、現在、授業以外のすべての時間をこの本のゲラチェックに捧げています(泣き笑い)

もじこ塾には受験生を含む生徒もたくさんいて、ゲラもあって、文字通り目が回る忙しさですが、幸せでもあります。。

しばらく、新刊情報を続けます。乞ご期待!

最新情報はこちらで:

2017-01-10

ディスレクシアを知る(知ってもらう)ための本

2016年は、ディスレクシア関連の良書がたくさん出版されました。
定番書とあわせて、まとめてみました。★は2016年に出た本です。

★①わたしのそばできいていて
【!号泣注意!】

学校にディスレクシアのことを伝えるのに、実に最適な絵本が登場しました!!
読めない子供の気持ちが痛切に分かるだけでなく、教師はディスレクシアの子にどう接するのがよいのかまで教えてくれる一冊。あと、犬の素晴らしさも分かります(泣き笑い)

「ディスレクシア」という単語は出てこないので、子ども本人にディスレクシアのことを伝えるのにもいいかも。

②読めなくても、書けなくても、勉強したい

ディスレクシアを、日本でほぼ最初にカミングアウトされた方による手記。
ブログを書籍化したものです→★【ブログ号泣注意!】
この本を担任の先生に渡しているという親御さんも、かなりいるようです。

1点だけあえて釘を刺すと・・・
この著者の方は不運な境遇と、ディスレクシアをひた隠しにできた時代的状況があって、今も驚くほど読み書きが困難です、が、「この方ほど読み書きが困難でないとディスレクシアではない」わけではない(=この方より読み書きができても、ディスレクシアの可能性は十分にある)ということです。



★③発達障害の僕が輝ける場所をみつけられた理由

2016年に出版された、発達障害(特にADD)を知るための、新たな必読書。
本人の当事者感覚の話も良いですが、お母さんの文章がとても勉強になります。

自分の特性を早いうちからきちんと理解し、親子で話題にすること、
できないことも諦めず、地道に努力すること、
助けてくれる人で周囲を固めること・・・
「ディスレクシアには温室が必要」を改めて実感する一冊です。




当ブログでもいまもアクセスの多い翻訳記事「ADHDにはグルテン除去が効果的」の内容について、日本語で書かれた本がついに出ました!
発達障害と腸の関係、酵素や代謝の重要性について、全部書いてあります。
この方面の話には賛否両論あると思いますが、腸内細菌不足が発達障害の悪い表れ方を助長している可能性が高いということは、知っていて損はありません。






合理的配慮の教科書とも言える1冊が、Do-IT Japanの方々の手によってまとめられました。
お子さんがディスレクシアと知って途方に暮れている人が、いろんな手立てがあるということを知るために、また学校にそれを知らせるために最適。
②の著者、井上さんの"その後の話"も読めます。


④がDo-IT Japanなら、こちらは加藤醇子先生率いるJDAの主力メンバーの方々による、その名の通り"ディスレクシアの入門書"。
ディスレクシアの定義、検査、診断、(主に小学校での)支援…といったことが包括的に分かります。
こちらも、すでに学校でいろんな支援が行われていることを知るために、また学校に働きかけるために適しています。


★⑦人間脳を育てる

ディスレクシアは脳の配線が違うので、ディスレクシアの困難を和らげるには「脳の配線をよくする」ことも、ひとつのアプローチになります。
ブレインジム、感覚統合など、いろんな本を読み実践しておりますが、この方面について最初に読む一冊としてお勧め。
読者の方からご紹介頂きました。てぷさん、ありがとうございますm(_ _)m


★当事者感覚を知るための本★

★⑧ぼくが発達障害だからできたこと


この方は「過度激動」の当事者であり、かつ書字に困難があるそうです。
感覚がものすごく鋭敏で感動しやすく、過集中(倒れるまで走ったり)の傾向があるようです。
そんな方が作家的視点から、発達障害の思考法を語り尽くします。
当事者感覚が、圧倒的な密度で語られます。発達障害の突出した部分と欠落した部分は裏表であることがよくわかる一冊。

そしてこの本には、下の著者がかかりつけ医として登場します…
著者はたくさんの発達障害本を書いていますが、そのなかで1冊と言われれば私はこれを挙げます。ADHDの当事者感覚がよくわかります。

ところでこの方は、ガンのサバイバーでもあり、その経験をもとに「腸活でガンを治す」というテーマの本も書いています→★。発達障害と腸との関係を、そんなところからも感じます…


長見良くんは中2でディスレクシア、漢字はほぼまったく読めないという設定。
今回改めて途中まで読み直しましたが、本当に驚くほど細部まで、ディスレクシアの子の行動や考え方、間違い方、学校のこと、家族のことまでもが、リアルに描かれています。作者の観察力に脱帽です。物語としても、とても切ない。
筑波大の宇野先生が監修しています。




アメリカ人の詩人による、ディスレクシアの当事者感覚の本。
不安、孤独、少しずつ再起、子供と同時に自分もディスレクシアだと知ったことによる自己発見など…を詩的な言葉で語っていて、大人ディスレクシア本人に刺さる本かなと思います。
何人かの大人の、ディスレクシアに理解を示す非ディスレクシアの人から、この本は感動した、ディスレクシアの人の気持ちがよくわかったという感想が届いています。
私は英語で読み、具体的なこの言葉というよりも、著者の子供の頃の心象風景が、強く印象に残っています。きっとディスレクシアの子はこういう思いを抱えているのだなと…
上の原書

題名を直訳すると「ディスレクシア的アドバンテージ」

当ブログ最大推しの1冊。英語が読めるならぜひぜひご一読を!
もじこ自身がディスレクシアについて最初に読んだ本。
おかげで、ディスレクシアについて、最初からポジティブで俯瞰的な見方ができました。これ以上のことは長くなるので、ここでは語りません。要旨はこちら→★

「ニューロダイバーシティー」(神経多様性)の基本書。ディスレクシアについて、学問的見地からも知りたいという人には、私はまずこの一冊を推します。詳しい内容はこちら→★

2014-11-03

ディスレクシア向けブレインジムのお勧め本「ブレインジム 発達が気になる人の12の体操」

ディスレクシア的ブレインジムのお勧め本を見つけました!

家庭学習にいわゆる感覚統合を取り入れたい方、
ディスレクシア家庭学習の効果を高めたい方に、ぴったりの一冊です!



「ブレインジム 発達が気になる人の12の体操」


ブレインジムの効果については、以前にも書いたことがあります→こちら

ブレインジムとは、簡単に言えば
「発達障害、特にディスレクシア用に開発された、勉強前の準備体操」
です。
ただ、本書を読むと、その効果はもっと広範囲に渡ることが分かります。
自分の特性をポジティブに受け入れたり、
人間関係や周囲の環境を落ち着いて前向きに捉える効果があるようです。

なんで体操だけでそんなことまで・・・?と思うかもしれません。
でもブレインジムを細々とですが実践する者としては、
「これは簡単な体操だが、奥深いところからじわじわ効く」
ことは確信を持って言えます。


著者は、横浜・小机の発達障害の子を多く受け入れているフリースクール★での実践をもとに、
ブレインジムでも特に発達凹凸に効果的な、12の体操を紹介しています。

これ1冊で家庭でもブレインジムが取り入れられる、
実にありがたい本です。


☆  ☆  ☆


意外な「くせ」が感覚過敏、ひいては学習のしづらさと関係している、
という指摘が、まず面白かったです。
(しめつけるような服が嫌い、独特なバランス感覚、
歩き方がのっそりしているetc.)

ディスレクシアの子を見るときも、
字が苦手さだけにフォーカスするのでなく、
他の部分での感覚過敏も和らげてあげる必要があるんだなと思いました。

ブレインジムとは、こうした「くせ」に表れている
ある種のアンバランスに働きかけて改善し、
ひいては情報の受信や発信をしやすくするもの、と私は理解しています。



ディスレクシア的には、「独特な見え方」の一節が特に興味深かったです。
本書の項目を引用しますと:

・白い紙はまぶしすぎる
・文字を読むときに目がぎくしゃくする
・行の真ん中が読みづらい
・目線が飛んでしまう!
・文字が点滅したり動いたりするように見える

読みに困難を抱える子は、こうした特徴を持っていることがあり、
それを改善する目の体操がブレインジムにはある、ということです。

「うまく読めないことは、その子が前向きに学びに取り組もうとしていないからではないのかもしれません。「がんばってさえいれば、読む能力は向上するはずだ」とだけ考えずに、ぜひ子どもたちの目の動きに注目してあげてください」(p28)


☆  ☆  ☆


これまでブレインジムについて、あえて書いてこなかったのは
講座を受けたとき、「個人で使う以外には広めないで下さい」
的なことが、どこかに書いてあったような気がしたからなのですが。。
でも、こうして本になったほどなので、堂々と言ってよさそうですね。

うちでは、PACEとレイジーエイトは勉強前の儀式として完全定着しました。
(PACEはブレインジムの一番基本的な体操で、
その半分は上の表紙に載ってます)

ほんとに簡単な、5分くらいの体操なのですが、
これをすると、仕事モードや遊びモードから勉強モードへと
気分が自然と切り替わります。
落ち着きが出ますし、なんだか前向きになれますし、
文字に集中することが少し苦でなくなるようです。


レイジーエイトは短い動画を見つけました:


動画では左手と両手で行っていますが、右手でも行います。


例によって、子より私のほうがブレインジムの効果を実感してます。
レイジーエイトを翻訳仕事の前に行うと、
明らかに仕事中のネット逃避率が減ります(爆)
精神的多動を抑える効果があるようです。


☆  ☆  ☆


当ブログに最近登場している生徒さんたちにも、
レイジーエイトを試してみました。

まだサンプル数が少ないですが、
ディスレクシアだとレイジーエイトに不器用さが出るケースは多い気がします。
また、レイジーエイトを初めて試すと、
自分の見え方について告白してくれるのが面白いです。
(言語化するのはそこから卒業するための大きな一歩だと思うので、
大変良いこととして聞いてます)


Kさん(大人)は指を目だけで追うことができず、顔も動いてしまいました。
「顔も動いてます!」と指摘したところ、
「そ~なんですよ、私は文字を見ても上滑りになってしまうんですよ」
と教えてくれました。

コスモ君(浪人生)はもっと顕著でした。
先週、初めて目の前で視写をしてもらったのですが、
5分で2行半しか字が書けず。
本文とノートとの間で目を往復させるのに、苦労していました。
そこでレイジーエイトを試したところ、右目があまり動いていません。

よく見ると、左目のほうがけっこう大きくて、右目が少しぼうっとしています。
「右目の目力が弱いかも?」と言ったら、
「実は視野の右端があまり見えていない」
「疲れてくると左目でしか見たくなくなる」
(→これ私もあります、余計集中しづらくなります)
「小3の頃に左目を隠し、右目だけで見る訓練をしたが、疲れてやめた」とのこと。

今後は毎日の視写とレイジーエイトも宿題となりました。
眼球の周りに筋肉がついて、右目も使えるようになれば、
本文とノートの間で目をいったり来たりするのも、楽になるはずです。
今後の変化が楽しみです。



うちの子は、最初は∞の空書きができませんでした。特に斜めの部分が。
今では∞をきれいに書けるので、
斜め線を書くために良い影響があったのではないかと思っています。

☆  ☆  ☆

本書に話を戻しますと、
ブレインジムは、ディスレクシアの子にはもちろん、
教える側にも(→発達障害であってもなくても)じわっと効くので、
そういう意味でも、ディスレクシア家庭教育にたずさわる方に、
ぜひ試してほしい一冊です!


2014-09-15

黒柳徹子の直筆/「私ってLDだったの?」より

昨夜、テレビで黒柳徹子の特集をなんとなく見ていたら、突然直筆が出てきたので、あわてて画面を撮影しました。

黒柳徹子は「自分はLDだ」と本のなかで言っています。

昨日の番組ではLDとか発達障害という言葉は一切出ず。
ただ、「収録の準備の仕方もユニーク」と言っていました。
そこで出てきた直筆がこちらです・・・



読めない字を書くのはLDだからか、年を取って手がいまいち動かないからか、
崩した字を書く世代だからか、もはやよく分かりません(笑)
収録の際も、局が用意した台本をそのまま使うことはなく、
小さなスケッチブックにポイントをすべて手書きする、とのこと。
たぶん、もらった台本では頭に入らないのでしょう。



LD的視点からは、次の点が印象に残りました:

・「昔のことを非常に細かいところまで覚えている」と野際陽子の証言
(→長期記憶が優れている)
・情景が目に浮かぶような、生き生きとした語り口。
・「わたくしは好奇心が旺盛。それが年を取っても元気な秘訣」

昨日の黒柳徹子は、さすがに年を取って滑舌がちょっと悪くなったかな…という印象は否めませんでしたが、好奇心はまったく衰えていないようです。
個人的には、その点が一番LDっぽいと思いました。
私の知るLDな老人も、このまったく衰えない好奇心によって、通常の高齢者との知識量、発想の若々しさ、頭の回転の速さ、ひいては交友の広さ、行動力、運動量の差は開くばかりです。




そういえばと、昔、ディスレクシアについて知ったばかりの頃に読んだ
『小さいときから考えてきたこと』を開いてみました。

これによれば、黒柳さん本人は自分のことをADHDと思っているようです。
残念ながら(?!)ディスレクシアではないようで。。


この中の「私ってLDだったの?」という文章は、何度読んでも泣けます…
以下に一部を引用します。
これを読んでぐっと来た方は、ぜひこのエッセイの全文を読んでほしいです!
黒柳さんの大きな愛と切なさに、心が洗われます(T T)


…私がテレビを見て涙したのは、テレビに映っているLDといわれている子どもたちが、小さかったころの私のように見えたことだった。どんなに落ち着きがなく走り回って先生に注意されても、職員室が大好きで、どんどん中に入っていって、先生の机のところで一人で勉強している子供も、いた。私もそうだった。テレビで紹介された学校では、もう、そうなったら一対一で、そこで教えるのだと言っていた。そうすると子供も落ち着いてきて、集中して勉強するという。 
わたしが涙を流したもう一つの理由は、結局、小林校長先生は、LDなんてことを知らなかったのに、LDだったかもしれない私に完璧に適した教育をして下さったことがハッキリしたからだった。まず、私のクラスは九人だった。席は決まっていなくて、好きなところに座ってよかった。そして、朝学校に行くと、1日にある時間割の全部科目の問題が黒板に書いてあって、好きなのからやってよかった。だから、結果的には自習であり、分からなくなると先生のところに行って聞くので、だいたい先生と一対一で勉強することになった。先生にとっても、一人一人の生徒が、どんなことに興味を持っているのかとか、どんなことが苦手だとか、子供の性格についても細かく知ることができたに違いない。ポリオとか、障害をもっている子が何人もいたけれど、校長先生はいつも、「手を貸してあげなさい」とか「助けてあげなさい」とはおっしゃらなくて「一緒だよ、みんな一緒にやるんだよ」としか言わなかった。 
だから私たちは何でも一緒にやったから、当然いじめなんか、なかった。そして校長先生は、あとで分かったことだけど、どの子にも自信をつけるような言葉をかけていた。私には一日に何度も「君は本当はいい子なんだよ」と言い続けてくださった。私はいい子なんだと思っていたけど、大人になって思い出したら、「本当は」というのがついていたことに気がついた。でも、先生の言葉は私の一生を決定してくれたくらい、私にはありがたい言葉だった。私はこの言葉で、勝手にいい子だと思い、先生を信頼し自信をもって大人になれた。 
こういう、いつも校長先生に守られている、と安心できる学校。おもしろいことを、私たちより先に校長先生が考えついて楽しませてくれた学校。どんなに走り回っても、「もっとやっていいよ」と言ってくれた学校。自分たちの登る自分用の木があった学校。話下手な子も何とか少しずつ話ができるようになったお弁当の後のお話タイムがあった学校。講堂の床が大きな黒板で私たちはどんな大きな絵でも白墨で床に寝そべってかいてよかった学校。その子の持っている個性をできるだけ早く見つけて周りの大人や環境で、その芽が摘まれないように大切に育てようという校長先生の教育は、そのままLDを持った子供にも当てはまるのではないかと、テレビを見ていて私は大きな衝撃を受けた。 
『窓ぎわのトットちゃん』の本が、今LDを子供を持つお母さんたちに読まれています、とか、私に小学校の時の話をしてください、という方々は、すでにそのことを発見していたのだろうということが分かった。…
(「私ってLDだったの?」『小さいときから考えてきたこと (新潮文庫) 』所収、p124-126)


2014-09-09

ディスレクシア(発達障害)改善のため、腸の常在菌を育ててみる

最近、「常在菌」がマイブームです。

常在菌とは、人の腸や肌に住んでいる菌のことです。
常在菌のおかげで、腸も肌も健康が保たれていること、
常在菌を殺してしまうことで現代人のさまざまな不健康が起こっている
ことが、ここ10年くらいでようやく分かってきたそうです。

肌の常在菌についての本:

『肌断食』(2013年)
今年一番衝撃的だった本(ディスレクシアとは直接関係ないですが)
クレンジングやクリーム、下地や日焼け止めが肌荒れの根源、
常在菌を殺さないためには「スキンケアは一切しない」のが一番、
ということを証明した1年間の実践。
これは本当に効く!!私の周囲でも肌断食する人が続出中です!

『肌の悩みがすべて消えるたった1つの方法』(2012年)
『肌断食』を勧めた医師による本。
肌断食と常在菌のことが詳しく分かります。


『人体常在菌のはなし』(2003年)
肌と腸、両方の常在菌を網羅する、入門の1冊。
それにしても、10年も前に常在菌のことは一般書レベルで知られていたなんて…



いや~、ディスレクシアとは直接関係ないのですが、肌断食は衝撃的!
今まで顔面にあれだけ投資してきたのは何だったのかと。

「肌の常在菌を気にすれば肌は変わる」と知ってからというもの、
腸の常在菌を気にすれば、やっぱりディスレクシアにも効果ありかも・・・
と思い始めています。

なんで「やっぱり」なのかは→こちら(腸とADHDの関係)
                 →こちら(腸と自閉症の関係)


腸に良い食品についての本:

『「酵素」の謎』
腸と脳がダイレクトにつながっていること、
腸には酵素が必要なこと、
酵素は低速ジューサーでジュースを作るのが良いこと、
を教えてくれた本。実践して1年たちました!
効果のほどは不明ですが、気分はいいです。

『炭水化物が人類を滅ぼす』
「糖質(炭水化物)はヒトが本来食べる必要のない嗜好品である」
だからこそおいしく感じるし、人心を掌握する道具にもなったと、
医学から人類史まで視野に入れながら、糖質制限を説く一冊。
すごく面白かったです。しかし意志の弱い私には糖質制限は難しく


『発達障害の子どもが変わる食事』
この話題について、現在日本で出ている唯一の本かも。
グルテン除去食(→こちら)やカゼイン除去について書かれています。

以下に、ディスレクシアに良い腸内菌叢を作る!という長い記事を訳しました。
自閉症に焦点をあてた記事ですが、ディスレクシアも少し出てきます。


2014-08-05

『感情の脳科学 いま、子どもの育ちを考える』に登場しました


『感情の脳科学 いま、子どもの育ちを考える』

という本の巻末の対談に、縁あって出させていただきました。

はじめて、発達障害(学習障害)の子を持つ親の意見を代弁する立場で、
名前と顔を出して世に出ました~~
当事者の親代表としてがんばりましたv。

この本は、
「脳科学は専門外、ディスレクシア(+発達障害)教育にたずさわっていて、
発達障害がらみの代表的な脳科学研究をひととおり押さえたい人」にお勧めです。
著者は第一線の脳科学者なので、本書は情報量がすごいのですが
常に「研究成果を実社会の問題解決にどうつなげるか」という視点があるので
門外漢でも、自分の問題意識に引きつけながら読むことができて、
ディスレクシア教育的にいろいろヒントがもらえた気がします。

『発達障害の原因と発症メカニズム』

とセットで読むと、脳科学と発達障害の「いま」がかなり網羅できます!

2014-07-18

『発達障害の原因と発症メカニズム』~「発達障害は遺伝する」と即座に言い切れない理由

「なぜ発達障害が増えているのか?」という疑問に、
脳科学の分野から、現時点で最も網羅的な答えを教えてくれる一冊を見つけました。

『発達障害の原因と発症メカニズム』


2014-05-30

ディスレクシアの「本の読み方」:園善博『頭がよくなる魔法の速習法』

少し前になりますが、大学の恩師(→ディスレクシアの言語学者)が、
下の記事を私にfaxしてきました:

講談社「本」2014年3月号、
園善博「読字障害の私が、「本の読み方」を教えている理由」

・本は「気になったところ」だけを読むようにして、残りは読み飛ばす。
・目次をしっかり読む。
・自分の声を録音して、聴いて覚える。
・図書館やカフェなど、まわりに人がいる場所で勉強する。
・勉強する目的を明確にする。
・夜ではなく、朝の時間に勉強する。
・読んだ内容を必ず人に話してみる。

とあります。
『とつぜん記憶力がアップする 4日で脳が変わる習慣』
オカルトっぽい(?!)題名ですが、
内容は、意識の持ち方や集中の仕方などの地道な話です

この著者の本を2冊読みました。


『頭がよくなる魔法の速習法』
特にこちらは、カギ括弧や太字の使い方、タブ使いが独特で
とにかく一目で見て内容が分かるつくりで
「ディスレクシアはこういう風にしてもらうと分かりやすいんだな」と思う紙面です。


ディスレクシアの人はこうやって本を読むのかと、
つくづく思い知らされました。


著者は、本からは多くを学べるから、読書すべきだと力説した上で、
本の読み方として

・「なぜその本を読むのか」という目的を明確にする
・全体をぱらぱら見て、キーワードを拾う
・目次を見る/作るなどして、常に全体像を把握する
・細かい部分を読むときは、すでに持っている知識に関連付けて読む
・書いてある内容をエピソード記憶につなげて記憶する
(体を使う、別のストーリーに関連づけるなど)

を勧めます。

常に全体像の中での自分の立ち位置を意識すること、
関連性やストーリー性を重視すること、
目的=モチベーションが非常に重要であること。
これまで当ブログで展開してきたディスレクシアの性質そのままですね。



ディスレクシアにとっては、
本は最初から全部、一言一句通読するものではないようです。
目的意識と全体の中での立ち位置を明確にすることで
自分から情報を取捨選択しに行くという、
非常に能動的な読書の仕方をしていると分かります。

そういえば、研究者でディスレクシアという別の方からも、
以前に同じようなことを伺いました。

研究者は普通の人の何倍も読まなければならないので、
ディスレクシアで研究者というのは、一見不思議なことです。
そんなサンプルがいま2人いるわけですが。。

ディスレクシアでも人一倍本を読む人たちはきっと、
読むのが苦手だからこそ、
目的意識を持って取捨選択する"能動的な読み方"に到達したのでしょう。

逆説的なようですが、
一言一句読まない(読めない)ことで、人一倍深く内容を理解できるし、
読んだ内容を活用しやすいように見受けられます。

☆  ☆  ☆

ところで、言われてみればこれは、
実務翻訳者である私が原文や資料を読むときの方法そのものです。

依頼者がなぜこの文を訳してほしいのかを、全力で察する(目的意識)
文章全体の構造を把握し、そのなかで個々の訳語を決める(関連付け)
今知りたいことに関係する情報に絞って読む(目的意識)、
締切というモチベーションがないと、急にやる気がなくなる(笑)など・・・

翻訳者も、ディスレクシアも、
短時間で概要を理解し、アウトプットまで持っていこうとすると、
このような読み方に行き着くのかもしれません・・・?


☆  ☆  ☆

上の本を読んで思ったこと。

(1)
このような読み方を、ディスレクシア児に教えるのは、
何歳くらいからが適しているのか?

「小6を境に読み方が変わる」とある勉強会で聞きましたが→参考こちら
最近、うちの子(小6)も、逐字読みから、
内容理解をもとにした推測読みに少しずつ変わってきたふしがあります。

どのタイミングで、ディスレクシア的な能動的な読み方を教えるべきなのか、
それとも勝手に身につけるのを待つべきか。
迷います。。

(2)
外国人への日本語教育とディスレクシア日本語学習の共通性。

知り合いの日本語教師からたまたま聞いたのですが、
「全体像をざっくり把握する」「キーワードを拾う」といった読み方は、
実は、日本語中級・上級で教えるテクニックらしいです→例えばこちら

日本語が母語のディスレクシアの人に効果的な読み方と、
外国人の日本語教育には、共通点がけっこうありそうです。