on dyslexia

ディスレクシア
(読字障害、読み書き障害、失読症、難読症、学習障害、読み書きのLD)について、調べて分かったこと/実践したこと/英語から訳した文章をアップしています。

ディスレクシアとは:
-
​​
知能は普通だが、読み書きが苦手(誤字が多い、読み書きが遅い、読み間違いが多い)。
-勉強しているにもかかわらず、読み書きがなかなかできない状態を指す。知的障害ではなく、普通~ギフテッドのあらゆるIQにみられる。
-
​​
独創的で、​​対人能力が高い。
​​
全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力
に長ける。
- ​音と文字の脳内での結びつきが弱いことから起こるらしい
- ​読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい。その理由は、英語のほうが日本語よりも"音の粒"が小さいから​
- ​細​​​​かい聞き間違いがみられるが、音声情報の処理能力は高い
- エピソード記憶が得意。固有名詞などの細かい丸暗記は苦手
- 適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される-
​ ​
10人に1人程度いるというのが通説
​。アメリカの調査では3人に1人とも
- 家族性であり、遺伝による​。ただしディスレクシアの表れ方は個人差が大きい



当ブログは、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能である、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要--という立場です。


2014-07-15

発達性ディスレクシア研究会で、正しい多感覚などについて考える

土日は発達性ディスレクシア研究会(の一部)に行き、
翌日は紹介を受けた別の研究会に行き、
2日連続でフランスの脳科学者、フランク・ラミュ博士の講演を聴きました。

紹介によると、世界トップのディスレクシア研究者とのこと、しかもまだ四十代前半。まさに脂ののった研究者という感じ。2回の講演では脳画像満載のパワポをバンバン見せ、しかも同じ内容はほぼ全くなし(@。@)

2回の講演と発達性ディスレクシア研究会から、ディスレクシア(英語)教育に生かせそうなことを拾ってみます・・・




・ディスレクシアはprosody(韻律、抑揚)、syllable(音節)の聞き取りに問題はほとんどないが、phoneme(音素)の聞き取りに障害がある

特別な音を聞かせ、脳の動きを調べた実験の結果、そんなことが分かったそうです。
英語は音素(例:c/a/t)が単位とされ、日本語は音節(例:ね/こ)が単位とされ、確かに英語よりも日本語のほうがディスレクシアははるかに出にくいので、この実験結果はそんな現実にも即しています。

うちの子はバランスボールにのって跳ねながらだと、単語やフレーズを覚えやすいのですが、
これはprosody(韻律、抑揚)から単語にアプローチする、ディスレクシア的に正しい方法だったのかも知れません。

バランスボールで跳ねながら単語を覚える
「音素から積み上げないとダメ」と思ってましたが、あえて大きい単位から入ったほうが、単語も覚えやすいかも・・・?


・「ディスレクシアは音韻認識の障害である、言語によって視覚的な困難のほうが強くでる場合があるけれども」と明言していました。
日本では、ディスレクシアが知られているとしても「字が苦手」とされ、聞くほうは問題ないとされがちですが、本質的には言葉の音(それも音節(ね/こ)ではなく音韻(c/a/t)のみ)の認識の障害ということです。


講演では、「音韻表象へのアクセスの障害」(音は聞こえているがそれがどの音か区別し、想起(retrieve)し、操作(manipulate)するのが遅い)という仮説を立てていました。
(私自身は、「音もそうだが時間の認識、シークエンスを(物事を順番通りに)認識するのが弱いのでは」という仮説を勝手に立てているのですが)


・「この10年間、ディスレクシアの原因となる脳の部位を特定するのに失敗し続けてきた」と、質疑応答の時にさらっと言っていたのが、非常に印象的でした。
トップを走ると自負する脳科学者だから言えることですね・・・

・発達性ディスレクシア研究会で発表を聞きながら、ふと「ディスレクシア・ムーブメント」(というものがあるとして)はリレーなんだな」と思いました。
研究者には原因特定を是非がんばってもらい、と同時に、教育政策を作る人には科学的知識をもとに教育制度を変えてもらい、もちろん現場の個々の先生にも勉強してもらってでどんどん工夫してもらい・・・
ずっと「専門家は、今もこうして学校でやりきれない思いをしている子を、一刻も早く救ってほしい」と心のどこかで思っていましたが、どんな専門家だって一人ですべてのことはできないのですよね。
いろんな専門家のリレーで、ディスレクシア対応が変わっていったらいいんだなと気がつきました。
ディスレクシアの子を持つ親も、自分もリレーの一端を担っていることに気づき、変わっていかないといけませんね。

・正しい「多感覚」とは
発達性ディスレクシア研究会での質疑応答で、
「多感覚法」の実践として「漢字を3Dプリンターで作ってみては」という方法が指摘されていましたが、
漢字を立体で作らせて効果がいまいちだった者から言わせてもらえば、
多感覚法というのは、「字を立体で作る」こと以上に、
「複数の感覚を同時に使う」ことであると力説したい!
(そういう意味で、道村式漢字カードもジョリーフォニックスも、後者の「多感覚」なのです)


こういうこともしましたが・・・




部品を言いながら書く、これこそが正しい「多感覚」

4 件のコメント:

  1. 「ディスレクシア・ムーブメント」(というものがあるとして)はリレーなんだな」という部分に叩首しました。本当にそう思います。障害を持つ子の親でしかわからないことって絶対にあると思います。

    返信削除
    返信
    1. はい、特にディスレクシアの子は非常に独創的な感覚を持っている点は、いまのところ学会で聞いたことがありません(!)。

      再来週お目にかかれるのを楽しみにしています!

      削除
  2. 以前セミナーに参加し、ジョリーに出会った親子です。
    親の私もたいして英語ができないけれど、子どもとともに楽しみながら学習しています。わからないところもあるけれど、黄色の本をにさしかかったところで、

    「たまには私自身がノートに英語を書きながら学習しようかしら。」
    と試写を始めたところ、

    「。。。あれ?英文が書きやすくなっている。。」

    子供に教えつつ、自分自身も学習されているのを感じました。
    単語をヘンな風に頭のなかで変換しなくても書ける!

    中学生時代の私は「フレンド」と言ったらわからなくて「friendはフリエンド」と覚えないと書けなかったのです。
    子供にはあまり書かせていませんが、苦手意識を感じないで英語に親しめればいいな。。と期待して学習しております。

    返信削除
  3. いい話です~。ありがとうございます。
    音をきちんと学んだこと、意味をわかったものを視写していることが、きっとよいのでしょうね^^。

    一方で、「friendはフリエンド」は、ディスレクシア的にはOKな覚え方らしいです(→「例外的な綴りの単語は、あえてフォニックス読みをする」。ジョリーのTeacher's Bookにも書いてあります)。
    いろんな覚え方をしていいみたいです!

    返信削除