on dyslexia

ディスレクシア
(読字障害、読み書き障害、失読症、難読症、学習障害、読み書きのLD)について、調べて分かったこと/実践したこと/英語から訳した文章をアップしています。

ディスレクシアとは:
-
​​
知能は普通だが、読み書きが苦手(誤字が多い、読み書きが遅い、読み間違いが多い)。
-勉強しているにもかかわらず、読み書きがなかなかできない状態を指す。知的障害ではなく、普通~ギフテッドのあらゆるIQにみられる。
-
​​
独創的で、​​対人能力が高い。
​​
全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力
に長ける。
- ​音と文字の脳内での結びつきが弱いことから起こるらしい
- ​読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい。その理由は、英語のほうが日本語よりも"音の粒"が小さいから​
- ​細​​​​かい聞き間違いがみられるが、音声情報の処理能力は高い
- エピソード記憶が得意。固有名詞などの細かい丸暗記は苦手
- 適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される-
​ ​
10人に1人程度いるというのが通説
​。アメリカの調査では3人に1人とも
- 家族性であり、遺伝による​。ただしディスレクシアの表れ方は個人差が大きい



当ブログは、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能である、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要--という立場です。


2016-10-21

ディスレクシアの寝落ち問題。

いま、もじこ塾で最もホットな話題(?!)、それは「寝落ち」です。

少なからぬ割合の子が、読んでいる最中、一瞬意識が飛びます。
中学生は少ない(まだそこまでの量を読んでいないので)が、
学年が上がり、読む量が増えると、寝落ち率も増える気がします。
現時点の実感では、ディスレクシアの生徒の3割が、
英語を読んでいて(または字を目で追いながら聞いていて)寝落ちします。

個人的意見ですが、ディスレクシアと寝落ちは関係があり、
脳の使い方の違いによる過労が原因だと、私は思ってます。

ディスレクシアで寝落ちする生徒への対策としては・・・

まず、寝落ちがディスレクシアに関係があるものだと認識することが、
第一段階だと感じます。
寝落ちは、気のゆるみややる気のなさに由来するものではない、
読むというのはそれだけの大変な労力を要することなのだ、
寝落ちは例外的状況ではないと、本人が受け入れることです。

その上で、教師が寝落ちを非難することなく、オープンな話題にすること。
目の前で遠慮なく寝落ちしてもらうこと。
これが第二段階です。
これができれば、生徒は少しずつ心を開いてくれるようになります。
寝落ちする生徒は、寝落ちすることを見せまいと、色々とかたくな※なので
そのバリアを取り払うことが必要だと感じます。


教師の目の前で読もうとしない(すぐ諦める、宿題として持ち帰ろうとする)
こちらが勧めたことをしようとしない、など。
雑談をやたら好むのも、読むのを避ける行動の一つかもしれません。


その上で、寝落ちにどう対処するかを考えるのが第三段階ですが、
・・・これがまだ見つかっていません。
誰か良い方法を知っていたら、教えてほしいです。

前の日にしっかり寝ること、食生活を変えること、
(寝落ちする子は、本当に個人的な意見ですが、独特の甘いにおいがします)
などは多少は役立ちそうですが、決定打にはならないようです。

気圧や満月(?)も、関係あるかもしれません。
どんよりした雨の日、満月の日は、特に寝落ちしやすいようです。
「月に1回、特に寝落ちしやすい日がある」と言った子もいます。
男子なのに!∑( ̄0 ̄

☆ ☆ ☆

読みながら寝落ちしそうになる姿は、傍で見ていて本当につらそうです。
眠るというより、意識を失うというか、気絶するような感じに近いです。
そういう生徒は読もうとする時、体全体から気が張った緊張感が出ています。

そんな、寝落ちする生徒の一人に
「なんだか見ていて、雲梯(うんてい)にずっとぶら下がっているとか、
登り棒にずっとつかまっている、みたいな感じがするよ。
あんまり込み入ったことを話しかけてはまずい、みたいな」
と言ってみたところ、
「わかりますか?」と言われ、
以来、彼は寝落ちの時の気分をいろいろ話してくれるようになりました。
「全身がぐったり疲れる。特に足がだるい」
「もう何も考えられないくらい頭が疲れる」など。。

今日は「気が済むまで寝てみて、その後どうなるのか」実験しました。
3時間半近くかけて、某難関大の1年分の問題のうち80%を解きました。

30分解く→30分寝る→30分解く→20分寝る→30分解く→30分寝る→30分解く
という展開になりました。

起きている時間だけ見れば、普通の子と同じくらいのスピード感で読解しますし
正解できるだけの構文把握力と論理的思考力はある(読み上げは必要)のですが、
寝落ちも含めれば、倍くらいの時間が必要です。

彼にとって読むことは、逆風のなか岩場を登るような、大変な格闘です。
もちろん、難関私大の問題なので難しい文章ではあるのですが、
それにしても、普通の子が絶対にしていないレベルの苦労をしています。

こんなに辛い思いをしてまで、読字する必要があるのだろうか・・・
この疑問は、
「こんなに字の解読に苦労している生徒の存在を、大学側は想定していないだろうに。
その大学で学べるだけの論理的思考力を証明する方法を、大学側は他に用意すべきではないか」という方向にも行きますし、
「こんなふうに真っ正面から困難にぶつかっていく方法は間違っていて、
寝落ちを克服できる方法が実はあるのかも」という方向にも行きます。
でも今はとりあえず、入試対策をするしかありません。

~ ~ ~

ネットで英語の文章を検索すると、「ディスレクシアだと睡眠時間が長く必要」という話はかなり出てくるのですが、「読んでいる最中に寝てしまう」という話はほとんど出てきません。
関連記事を、参考のために訳しておきます。

①原文→
独自なディスレクシア教育を行っているらしいカナダの団体。
この比喩にはとても納得しました。
どんな子供も、睡眠・食事・運動が必要だが、ディスレクシアの子が教室でインプット/アウトプットするために必要な脳の労力の差は大変なものだ。それは歩くことと走ることの差に相当する。ペース配分をきちんとすれば、一日中だって歩くことは可能だが、全速力で一日中走れと言われても、1時間も持たないだろう。ディスレクシアの人は脳の限界に毎日挑戦している。時には成功し、時には力尽きる。」

と言った上で、ディスレクシアに必要なこととして、
・十分な睡眠
・しっかり朝食をとること(日本の常識と内容が違うようですが)、
・水を十分に飲むこと(「水を十分に飲まないと、頭痛や傾眠に陥ることがある」)
・オメガ3油とビタミンDを摂ること
・砂糖を控えること
・運動すること・・・を挙げています。

水はかなり大事なようですね。もじこ塾ではお茶を出しています^^。


②原文→
「ディスレクシアの子の睡眠の質は普通の子の睡眠と違う」
「読字障害の子は、ステージ4の睡眠(深い睡眠)が通常と比べかなり多く、レム睡眠が少なく、レム睡眠に移行するまでの時間が長く、最初のノンレム睡眠のサイクルが長いことが明らかになった。
こうした睡眠構造の違いにつながる可能性のある要素のうち、慢性的な睡眠不足と成熟の遅れ(?maturational delay)特に顕著である。こうした要因は単独でも複合的にも、読字障害の子の情報処理を阻害し、認知の欠陥に加担する可能性がある。」


7 件のコメント:

  1. お久しぶりです。寝落ち勢の私の気になる話。まず寝落ちない当事者もいるんだ!ってことに驚いてますけども。w
    私も細かく眠くなるので、マイペースでできる宿題の充実感が好きでした。自習も緊張も減るので楽しかった。「逆風のなか岩場を登る」ってのはまさに。私は音で読み上げるように字を読むと急激に眠くなる。視読に頼りがちなんです。英語は本当にどうしたものか…。
    私が読む時の緊張も高いと思います…たぶん。PCで記事読むときは、必ずってくらい猫に鳴いて邪魔されます。猫なで声じゃなく「こっちを向け」くらい強さのある声で呼んでくるのです。おとなしい性格の子なので、何かを察して止めに来た?って思うほど。笑顔で撫で返すと気が済むみたいですが、読み出すとまた鳴いてくるので、読まないとならないものがあるときは部屋にこもります…(苦笑)
    睡眠の話。私は寝つきがすごく早く深いみたいで夢も見ませんが、寝すぎるとだるくなる。睡眠不足は学生時代のがひどかった。毎朝母に無理矢理にでも起こしてもらってご飯だけは食べ、脳みそが目覚めるのは登校時でいいや〜って感じ。歩くと脳が目覚めるのは今でもあるので徒歩好きです。

    今思うのは、こんなところでしょうかね。

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  2. 受験はただでさえ大変なのに、ふつうと異なる成長曲線を描くディスレクシアの脳にとってどれほど負担か。そんな苦労をしてまで頑張って勉強するなんて本当に健気で立派ですが、それにしてもどうにかならないでしょうか、入試制度。教える側のもじこさんの苦悩が偲ばれます。

    この寝落ちって、単に読み書きの苦手だけではない発達凸凹なディスレクシア脳の本質と大なり小なり関わっているのですよね。紹介されているとおり生活習慣や体調管理などに気を配りながら、年数をかけてじっくり改善というか調整(?)するのが王道なのでしょうね。食事に関しては、本人が若いうちは特に家族が果たす役割が大きいと思います。
    それと同時に、自分に合う環境を見つけるための模索も必要でしょうね。こちらは、家族はむしろ引いて見守るのがよいのでしょうね。

    オメガ3系といえば、前に子が極度の疲労でダウンしたとき、ある有名な漢方のお店に相談したことがありました。そしたらそれは脳内ホルモンの問題だからと、伝統的な漢方薬ではなく最先端っぽい感じのホスファチジルセリンのサプリを勧められました。ディスレクシアはからんでいなかったのですが、今から思えばけっこう的確なアドバイスだったかも、と思います。
    効果は人によるのでしょうが、受験のように目的や期間が明確で、ふつうの食事や睡眠ではとてもリカバーできない疲労と戦う必要があるなら、そういうものの助けを借りる手もありかもしれないですね。
    ちなみに、オメガ3系オイルは非常に酸化しやすいので、抽出技術がきちんとしたものを選ばないとダメだそうです。それだとすごく高価になるので、うちはお刺身をせっせと食べる方向にいきましたが。
    あ、うちの子は寝落ちするほど頑張りはしませんが、家で英語をやったあとはベッドに倒れ込んで数時間ぐったりしてます。。。

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  3. お二人ともありがとうございます!
    思えば、寝落ち問題を最初に提起したのは、紺さんでしたね:
    https://konna-nitijo.blogspot.jp/2016/08/blog-post_11.html

    ここに自分で書いたコメントを読んで気付いたのですが、彼は「10分読んで10分寝る」から「30分、読み上げを聞きながら読んで、30分近く寝る」に進歩している!「大学入試で読み上げてもらえるかも」という期待と、志望大学の問題だというモチベーションだけで、こんなに変わるもんですね。

    あと、紺さんも書いていますが、寝落ちしない残りの7割の生徒の中には、「電車の中で寝たことがない、ところかまわず爆睡とかできない」と言う子が、半分くらいいますね。

    ホスファチジルセリン?! 初耳です。ありがとうございます。
    私はけっこう高いアマニ油を買ってきて、この夏はトマトにかけていたら、子に「この油はトマトに合わないっしょ」とダメ出しされました(泣)相変わらず味に超うるさいです。お刺身のほうが取り入れやすいですね!
    あとは、もじこ塾的には、グルテンフリーとチョコレートを、常に誰かしらが話題にしています^^

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  4. 亜麻仁オイルとトマトでダメですか。わたしはココナッツオイルを和食に試した前科がありまして、それは不評でした。

    ごめんなさい、記憶でいい加減なことを書きましたが、よく思い出してみたらホスファチジルセリンだけでなくDHA&EPAのサプリとのセットで勧められたのでした。前者はリン脂質の一種で、食品では大豆や牛肉に含まれるもののごくわずかだそうです。
    脂質(と水分)は脳の原材料としての割合が高いから、特に負担がかかりやすいディスレクシアは気をつけて摂ることが大切なんでしょうね。

    寝落ちとあんまり関係なくてすみません。

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  5. このコメントの彼の話なんですね〜!時間伸びてる!寝る時間も比例して増えてますが…でもすごいすごい!読む労力をいかに減らすか…が私の戦略なので英語も視読できないか妄想してしまいます。以前買ったジョリーのアプリもきちんと眺め直そうかと。
    寝落ちしない子の言葉にも共感が多いようで私も安心してます。友人とか私をよく知ってくれてる相手の前なら寝るのはいいんですが、不慣れな状況で寝るのは怖さが先行して難しいです。警戒心強めの野生動物みたいですね…笑 深夜バスは体調崩しただけでしたので、自分には使えません。

    栄養話は馴染みないカタカナ言葉ばかりで興味もないですが(爆)刺身は好きです。マグロやカツオなど淡白な味が好きです。サーモンなど脂の多い?ものも苦手になってきた…。洋菓子系もなぜか苦手が多い。
    私は人間が意図的にこしらえたような甘さや匂いが苦手であることが多いです。それとは別で自然由来だとキツさも平気であることが多い。
    人参ピーマングリーンピースは子供当時から平気で食べたし、和菓子の砂糖甘さ、仏壇のお線香の香り、畳の匂い、セロリゴーヤ山菜などの独特のえぐみ?は平気。でも芳香剤や化粧品の香りとかは、香り次第ですぐ気持ち悪くなってしまう。
    乾物(わかめなどの即席用乾物でなく、ドライフルーツなどのもの)、漬物(たくあんとかのお茶請けな漬物じゃなく、ピクルスなど保存食としての漬物)は子供の頃は大の苦手でしたが、大人になってから食べれるようになりました。変なところで味覚の鋭敏さがあるので子供用メニューが無難であることが多いし、私の外食=ファミレスが一番安泰みたいです。

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  6. 英語の視読ですか・・・やっぱりそれはとても困難なことかと。だからこそ、英語圏のろう者の7割が読むのが下手(うち6%はものすごく下手→おそらくろう+ディスレクシア)だし、「手話はひとつの独立した言語である」という話につながっていくのでしょうね。

    わたしはもう一つ法則を発見しました!寝落ちする人は遅刻も多く、寝れないという人は時間に厳格というか、待ち合わせにきっちり早めに来るケースが多い。紺さんもいつだって待ち合わせには超早め到着ですよね。

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    1. そうなんですよね〜。頭に辛くても音と字をつながないとダメなんでしょうね…。足がムズムズしてばたばた動かしたくなるくらいイライラするので、今の自分でもきっと大変辛いんですが…そうも言ってられませんね。自室では絶対にやりたくない感覚がありますし、教室で教師と限られた時間・空間でやるほうが短期集中的に頑張れそうです。私ももじこさんに勉強見てもらいたいくらいです。羨ましい。
      待ち合わせの法則!そうなんです?!いや、いろんな子を見てるもじこさんが言うならきっとそうなのでしょう。
      言われてみれば確かに。私早めに行って待つくらいが好きです。相手を慌てさせるのは不本意なので(私が好きで早く到着して待ちたいだけなので)ゆっくりでいいからねーと伝えることなどは意識してます。あとは「合流したら出かけよう」っていうかなりアバウトな予定組んでも抵抗はなく、かなり適当でもあります。笑

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