ディスレクシア専用英語塾「もじこ塾」のブログです。 ●ディスレクシアとは:知能は普通だが、読み書きが苦手(読み間違いが多い、読むのが遅い、書き間違いが多い、読むと疲れやすい)という脳の特性 ●全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力に長ける ●読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい ●適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される ●10人に1人程度いるというのが通説 ●家族性とされるが、ディスレクシアの表れ方は個人差が大きい もじこ塾は、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要、という立場です。

2022-01-06

OG(オートン・ギリンガム)日記!#5(フォニックスの追加ルール、間違ったときの指摘の仕方)

あけましておめでとうございます!



もじこ塾は,大学受験生は4日、中学生は5日から授業再開しました。今年も楽しく頑張りましょう!

そして今日も早朝からOGの授業。

生徒に教える様子を動画に撮って送りなさいという宿題が出たりして、だんだん難しさが増してきました。。 

本日は、フォニックスの追加ルールを学び、授業動画を1本見ました。


●フォニックスの追加ルール

1) マジックe

 

語末にeがあると、1つ前の母音がロングに変わる。

 

capcape 

ratrate

2) ソフトc

cの後にi, e, yが来るとき、c/s/と読む。

cent, cell, ice,

ソフトg

gの後にi, e, yが来るとき、g/j/と読む。

page, stage

giant

3) ckk

long spelling right after short vowel

ショートな母音の直後だと/k/ckと書く

sick, check, pick

milk, skill, silk

chtch

同様。ショートな母音の直後だとtchと書く。

 

catch match

lunch bench


gedge

同様。ショートな母音の直後だとdgeと書く。

bridge / cage

 

4) floss rule

 

別名frightened, lonely, or sad

f,l,sで終わる単語は、f, l, s2つ書く

 

kiss, miss, boss,

hill, kill, well, bell

puff, stiff,

 

5)y says i

 

 

 

6)3 sounds of-ed

-ed3種類の読み方

edの発音の仕方は3種類ある

 

7)s2種類の読み方

s/s/と読むほか、短い言葉(tiny words)では/z/と濁る

these

 

上まではルールとして教えるようです。

日本でも教えているもの(7)など)もありますし、初めて聞くもの(floss rule)もあります。

 

●vowel digraph2通りの書き方

oi oy

oiは語中にくる、

oyは語末または語根の末尾にくる

boil a toy

ou ow

ouは語中、owは語末

owの後にはlnがくる

loud cow

au ow

 

auは語頭または語中

awは語末のことが多い

Paul is awesome

August  draw

 「母音2文字で1つの音」は難しいですよね。これは使えそうなので、もじこ塾でも取り入れる予定。

 

●OGのレッスン1回分の動画を視聴。

成人相手の授業。オンラインで、所要時間は30分ほど。トレーニングのイメージに近く、各項目を間髪入れずに淡々と進行。

生徒にピュアな負荷をかけるべきなので、生徒が読み書きしている最中は、教師は声を発しない。ほめることも含めて。先生は「私は黙ってるよ」と口をつぐんでいる様子を強調して見せていました。セクション終わりごとにほめますが、それもテンションは低め。


今回、個人的に興味深かったのは、間違っているときの訂正の仕方。

◆生徒の努力を尊重し傷つけないように(emotionally sound)行うのがOG流。

cell(携帯電話)のスペルを書かせようとして生徒がsellと書いた場合、

"Hey, that’s a great way to spell /sell/, but we’re looking for another way to spell /sell/"(そうも書くよね、でも今回は別の書き方を探してるんだよね)

と言います。

もじこ塾では、どの助手もさすが当事者だけあり、こちらが思いつかないような声かけをするので、これまでいろいろ盗ませてもらいました。「おしい」「ほぼ正解」「わかる、でもね…」など。 


◆明示的に、言語化して

ルールを明示的に教えていることを利用し、間違えた場合はルールを言葉で指摘するというのも、OGに特徴的な間違いの指摘の仕方です。

Look at what you have written. What does it need to make it an open syllable?

(書いたものを見てごらん。オープンな音節にするには何が必要?)

 

●復習の重要性

もう一つ、復習に非常に大きな力点を置いているのが印象的でした。復習というより、これでもかというほどの反復ですね。1つの新出項目はその後、何回も何回も次の授業で取り上げますし、授業時間でみても、半分以上は既習事項の復習に使っています。

なんと、授業が週1回なら、フォニックスの既習事項の全復習も可とのこと(゚Д゚)

また、単語を読む練習では、既習事項のみ含めるように注意する必要がある。準備する側にとってはこれが本当に大変です。。


以上、走り書きで失礼します!


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