ディスレクシア専用英語塾「もじこ塾」のブログです。 ●ディスレクシアとは:知能は普通だが、読み書きが苦手(読み間違いが多い、読むのが遅い、書き間違いが多い、読むと疲れやすい)という脳の特性 ●全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力に長ける ●読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい ●適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される ●10人に1人程度いるというのが通説 ●家族性とされるが、ディスレクシアの表れ方は個人差が大きい もじこ塾は、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要、という立場です。

2015-03-09

「隠れディスレクシア」の著者が、日本のディスレクシアからの質問を募集します。

当ブログで、当事者の方からの反響が最も大きい記事である
「隠れディスレクシア」の著者は、
アメリカで「ディスレクシアの長所」(Dyslexic Advantage)を推進している
エイデ夫妻とおっしゃる方々です。

エイデ夫妻に、「日本では『隠れディスレクシア』への反応が大きい」
 と伝えたところ、大変興味を示し、
「日本の読者からの質問があればぜひ受けたい」と言っておられます。

そこで、Dyslexic Advantageが出版された時のインタビューを訳しました。
以下の内容につきまして、あるいは「隠れディスレクシア」につきまして、
著者に直接聞きたいことがありましたら、ぜひお知らせ下さい!
質問は、日本語でも英語でもOKです。

こちらもあわせてどうぞ:「ディスレクシアであることの利点」

☆  ☆  ☆

<まとめ>

ディスレクシアは、脳の配線が違う。
「全体像を描く力」「大きな流れを見抜く力」
「あるプロセスが今後どうなっていくかを想像する力」を持つ。
その分、細かいディテールの処理が弱い。

ここから導かれる、ディスレクシアの4つの能力:

1)空間的理解力
 (三次元的に認識したものを組み立てる能力)
2)相互関連的な理解力
(他の人に見えないつながりを見抜く能力 
3)ストーリー的理解力 
(事実を抽象化せず、経験や例として理解する能力)
 4)事実関係が不完全または変わり続けるような不安定な状況で、筋道立てて考える能力

ディスレクシアだと、小学校の低学年の時に、得意なことと学校教育が要求することの間に大きなミスマッチが生じる
(これは日本では、小学校低学年に加え、「英語学習が始まる中1の時に」と読み替えられると思います)

得意を見抜き、それを伸ばすことに注力すべき。 
苦手を底上げする対策については、その子にあわせた方法を模索する必要がある。

☆  ☆  ☆

ディスレクシアは普通、障害と見なされている。読み、割り算の筆算、あるいは文字や数字の正しい向きがなかなか覚えられないといった心的欠陥だというのが一般的な考え方だ。
この見方に異議を唱える学習障害の専門家、ブロック&ファネット・エイデ博士夫妻は、ディスレクシアは脳の配線の違いであり、それは数多くの有利な点をもたらすと主張する。
学習障害の専門家であるエイデ博士夫妻は、The Dyslexic Advantage: Unlocking the Hidden Potential of the Dyslexic Brainの著者。ディスレクシアの利点についてのブログを運営しているほか、シアトル近郊でクリニックを開設している。

ディスレクシアの子は小学校低学年の頃は非常に苦労することが少なくないが、才能豊かなストーリーテラー、発明家、起業家になることも少なくない。
夫妻の近著、The Dyslexic Advantageは、ディスレクシアの本人とその家族が、ディスレクシア脳の利点を認識し育てる助けとなる。Wiredへのインタビューでは、ディスレクシアの利点について語ってくれた。
☆          ☆          ☆
--ディスレクシアを、実際に則して定義すると?

エイデ夫妻
ブロック:一般に受け入れられているディスレクシアの定義は、「子供の知能レベルにもかかわらず、また教育を受けているにもかかわらず、それに釣り合わない読みや綴りの困難があること」だけに注意を向けています。でも私たちは、現場にはこの定義は合わないと考えています。なぜならディスレクシアの表れ方は非常に大きな幅があるからです。

ディスレクシアで言語性IQが140や145あり、読解力も非常に高いため、ディスレクシアと診断されない子もいます。[訳注:隠れディスレクシアですね。] そんな子は、ギフテッドクラスの他の生徒に比べれば、読みの速度は相対的に遅いですし、読みの遅さゆえに成績も伸びません。
さらに、ディスレクシアの学生の中には、読みの問題はそれほどでもないですが、他の分野、例えば書きや作文、暗記、計算作業などの問題の方が大きいケースもあります。実はこうした問題も、ディスレクシア的な読みや綴りの問題の原因となっている「脳の配線の違い」に起因しているのですが、従来のディスレクシアの定義は、音や言語の処理だけに焦点をあてていて、脳の配線の違いがもたらす広範な影響をとらえ切れていないのです。

--ディスレクシアをめぐる主な誤解は?

ファネット:大きな誤解に「ディスレクシアの脳は、紙に書かれた文字の処理方法だけが異なる」というものがあります。実際は、あらゆる情報処理に影響を及ぼす、普通とは異なる処理パターンを示しているのですが。
ディスレクシア脳は、全体像としてのつながりを見抜く点に強みを発揮する分、細かいディテールの処理が弱い配線になっています。
ディスレクシアの子の脳が、「普通の子と同じ発達過程をたどっているが、あまりうまくいっていない」と考えるのは、大きな間違いです。実際には、ディスレクシア的な処理方法を持つ子の脳は、普通とはまったく異なる方法で発達を遂げているのです。異なる接続や回路のパターンを確立し、普通とは違う種類の問題解決の方法を身につけます。その違いは脳の特定の部位にとどまらず、全体に及びます。
ディスレクシア的に通常の発達とは、7~8歳の頃には他の子供よりも読み方を学ぶのが当然のことながら大変になる、そんな発達過程のことです。そしてこの発達の違いゆえに、子供が学ばなければならないことと、従来の低学年の教育のあり方との間に大きなミスマッチが生まれます。教室で求められることと、その年齢で得意なことの間にギャップが激しすぎる。そのため、従来の教室では実力を発揮するのがとても困難なのです。

-- ディスレクシア脳の主な強みとは?

ブロック:近著では、ディスレクシアの利点を4点にまとめました。いずれも、ディスレクシア脳が得意な「全体像を描く力」「大きな流れを見抜く力」「あるプロセスが今後どうなっていくかを想像する力」が違う形で、でも相互に関連し合いながら発揮されたものです:

ディスレクシアのなかには、空間的理解力が非常に高い人がいます。三次元的に認識したものを簡単に組み立てる人たちです。デザイン、3Dアート、建築の世界に進んだり、エンジニア、発明家、有機化学者になったり、あるいは買ったものをレジ袋の中に非常に上手に詰めたりします。

相互関連的な理解力も、ディスレクシアの強みです。ここで言う相互関連とは、共通性(アナロジーなど)のこともありますし、因果関係のこともあります。物事をさまざまな角度から眺めたり、ある出来事や概念を取り巻く全体像や大きな流れを把握する力です。ディスレクシアには、領域横断的な分野で活躍する人や、複数の異なる分野や背景で得た視点や技術を組み合わせることが要求される分野で頭角を現す人がたくさんいます。複数分野のスペシャリスト、普通と異なる職業的経歴をたどってきた人も少なくありません。こうした人たちは「他の人にはこれまで見えてこなかったつながりが自分には見える」と言うことが多いのも特徴です。

ディスレクシアは、事実を経験や例、ストーリーとして理解する傾向があり、抽象化しない傾向があります。私たちはこれが第3のディスレクシア的長所、「ストーリー的理解」だと考えています。
家族のなかで「昔のことをよく覚えている人」という位置付けであることが少なくありません。2年前のお姉ちゃんの誕生日に誰が何をプレゼントしたかを知りたいとき、ディスレクシアの子が覚えているのです。いわば家族の中の歴史家。でも、九九は覚えられない。それがディスレクシアです。
このような人たちは、ストーリーを語り理解する能力が重要な分野で頭角を現します。営業、カウンセラー、弁護士、教職につく場合もあります。
作家にもディスレクシアは少なくありません。ピュリッツァー賞を受賞した詩人のフィリップ・シュルツは、近刊My Dyslexia(『私のディスレクシアhttps://blogger.googleusercontent.com/img/proxy/AVvXsEi3zihZkj72hHk8MI3NNEJZvAI4Lf7HlUtAyhG8Elh19CfH1Zy957WWAbas6zyXUiIrXcSOwtl3Pqb3jrnZiRCktT9v9XkE1HRaBYNAySQp2DcXCSJ62G64d6AJEUv2MJZ5UmcpyU_mv6hn8_mMGpMeL6K_WluYWW2NwU5cR32CEXOfGmZvrPCow6OE5EE=』)についてニューヨーク・タイムズに寄稿した文章のなかで、子供時代についての非常に鮮やかな記憶を披露しています。こうした記憶力は、ディスレクシアにはごく幼い頃からよく見られます。

ディスレクシアの第4の長所は、事実関係が不完全または変わり続けるような不安定な状況で、筋道立てて考える能力です。この能力が高いディスレクシアは、実業界や金融市場で活躍したり、サイエンスのなかでも過去の出来事を再構築するような分野、例えば地質学や恐竜学などに進みます。刻々と変化するようなプロセスを相手に仕事をし、予測を立てることを得意とします。

--ディスレクシアの人は、そのような長所がひとつだけ見られるのでしょうか、それとも一人が複数のディスレクシア的長所を示すのでしょうか。

ブロック:ほとんどのディスレクシアの人は、これらの長所を複数持っています。私たちが知っているディスレクシアの80~90%は、物事を物語的に理解し、かつその多くが変化する状況での判断を得意とします。空間把握能力はディスレクシアの本質的能力とされることが多いのですが、意外なことにそこまで多くありません。近著にはダグラス・メリルという、GoogleのCIO[最高情報責任者]を何年か勤めた、非常に個性的で印象的な人へのインタビューが載っていますが、彼は「いま目を閉じたら、どちらの方向にドアがあるか分からない」と言っています。でも、それ以外のディスレクシア的長所はすべて持ち合わせていました。

--ディスレクシアには、苦手な種類の脳内処理があり、そのせいで得意な種類の脳内処理が見えにくくなっているとのことですが。

ファネット:小学校低学年の授業は暗記--それも耳や目からの情報を緻密に認識できる能力が前提になるような種類の暗記に偏っています。
機械的な暗記、そして緻密なディテールに焦点をあてる技術は、ディスレクシアの子なら習得に苦労することです。
しかし、小学校低学年では、まさにそういう種類の学習に力点が置かれているため、ディスレクシアに得意な、大きな視点で物事を処理する力や、経験を記憶する力が、見過ごされてしまう傾向があります。

ディスレクシアは「あることを反復学習することでそれを考えずにできるようになる」能力が欠けています。しかしそれゆえに、自分が関わった学習事項や仕事により深く関わったり、常に心に留めておいたりします。その結果、そのあちこちをいじっては改良していくことが非ディスレクシアより多いのです。

--Dyslexic Advantageには、「ディスレクシア脳は配線が違う」とあります。

ブロック:それについてはDr. Manuel Casanovaが大変興味深いデータを示しています。博士は何千人もの脳を分析した結果、「ミニ円柱構造」と呼ばれる脳内処理を行う部位の間隔が、釣鐘型の分布をしていることを明らかにしました。
ミニ円柱はニューロンの束で、まとまって一つの単位として機能します。ミニ円柱が密集している人と、間隔の開いている人がいます。
ミニ円柱の隙間に軸索が伸び、軸索同士がつながってより大きな回路になりますが、ミニ円柱が密集して隙間がないと、似た機能を持つ近隣のミニ円柱が密につながります。結果、高速処理や微細な処理を行う回路が出来上がります。類似するシグナルの微差を識別するような回路です。
そんな回路を持つ脳は、脳の離れた部位同士のつながりが形成されにくい傾向があります。そうすると、背景・文脈、アナロジー(類推)、意義など、より高次の機能が育ちにくくなります。
博士によると、ミニ円柱の密度が最も高い集団には、自閉症の診断を受けた人が多く含まれていました。
一方、その対極にある、ミニ円柱の密度が低い集団の人たちは、脳の中でも異なる機能を持つ部位のつながりが強い傾向が見られました。そういう人は、昔の出来事を生き生きと記憶したり、複雑なシミュレーションや比較を頭の中で行ったりすることが得意になります。
博士によると、この集団にはディスレクシアの人たちが多い傾向があったのです。

--ディスレクシアの子を持つ親へのアドバイスを。

得意を見抜き、それを伸ばすことに力を注いで下さい。「うまくいっていない点を正す」ことに重点が置かれ、うまくいっている点をほめて伸ばすことが、あまりにないがしろにされがちです。
​
その一方で、苦労している分野のパフォーマンスを高める手助けについては、その子に合わせて変える必要があります。

​ディスレクシアの子のなかには、​自分と同じくらい賢いクラスメートより苦労していても、そのことにあまり悩まないケースもあります。学校で友達といるのが大好き、そんな子たちです。こういう子は、通常学級で勉強し、苦労する分野だけ通常学級の外で支援を受けるのがよいでしょう。 
しかし、他の子があっという間に学習内容を習得する様子を目の当たりにしたり、教師にみんなの前で注意されたり、笑われたり、圧力をかけられたり…そんなことに堪えられない子もたくさんいます。
そういう子供たちが、自己イメージをどんどん低下させたり、不眠になったり、ものごとをこなす力がどんどん低下するのを見るのは、本当に悲しいことです。発達の仕方に合った教育をしてくれる場所に移す必要があります。具体的な方法はDyslexic Advantageの本に書きました。とにかく、こういう子供達は、なぜ苦しんでいるのかを理解できないまま辛い学習環境にあまり長くいすぎると、壊れてしまうこともある。そう認識することが重要です。​

--もし選べるなら、ディスレクシアになりたいですか。

もちろんです!特殊ですごい脳の配線ですよ。

2015-03-03

隠れディスレクシアの高校生へのお返事

高校生の方から、「隠れディスレクシア」の記事にご質問を頂きました→★
お返事が長くなりましたので、ここに載せます:

~~~
壱さんへ。

10代半ばにして「私の人生は動物に捧げる」と誓ったんですね。
よほどの体験があったんでしょうね。素敵です(^◇^)。

こちらはもうご覧頂けたでしょうか:
「ディスレクシアは動物の扱いが上手」→★


「動物感覚」
著者のテンプル・グランディンさんはアスペルガーの動物学者です。
アスペルガーと動物の気持ちには、共通点が多々あるのだそうです。


◆ディスレクシアのカミングアウト?について

早速ご両親の理解を得られてよかったですね。「個性に名前がついただけ」と言えるご両親は、度量の大きい方々ですね。

ディスレクシアな生徒達の話を総合すると、信頼できる人や分かってくれそうな人(部活の仲間、信頼できる教師、親友など)にだけ、「ディスレクシア」という言葉を使わずにさりげなく、自分はそういう系の人だと言うみたいです。
専門用語を使って分かってくれそうな人には、ちょこっと使ってみたり。
相手が知っていそうな有名人の名前を出して「あれと同じ」みたいな言い方をしている人もいます。

言ってみると、意外と分かってもらえたり、自分も実は…みたいな話になったり、助けてもらえたり、ということがよくあるらしいです。
なので、相手を選んで、ちょっとずつ、さりげなく言ってみることをお勧めします。

逆に、理解してくれなさそうな人については、無理に分かってもらおうとしないほうが得策です。たとえそれが担任などの重要人物であっても。
これが2015年のディスレクシアをめぐる日本社会の現状です。
10代の人にこういうことを言わなければならないのが情けないです。。


◆検査について

診断がほしい場合は、発達障害を専門に診る病院に行くことになります。ここでは特定の病院を挙げることは控えますが、もし知りたい場合はメール下さい(mojiko222アットgmail.com)。このブログの読者の方々から教えてもらった病院をリストアップすることができます。

壱さんの場合、診断をもらう最大のメリットは、センター試験で診断書を提出して申請すれば1.3倍の時間延長を認めてもらえる点だと思います。これを有利と感じるのであれば、診断をとって損はないでしょう。

一方、診断をもらったからといってディスレクシアは治りません。ディスカリキュリアもしかりです(- -;)。

ディスレクシアは診断が下ろうが下るまいが、自分がそうだと自覚したら、
(1)得意を伸ばして周囲に貢献する、
(2)不得意なことはあえてしない・助けてもらう・失敗しても大目に見てもらう、
(3)不得意を通常とは異なる方法でカバーして、傍から見て不得意が存在しないかのような状態を作り出す

…を、ずっと微調整しながら実践(試行錯誤とも言います)し続けるもので、治療して治すものではないです。

壱さんも、すでに(3)の方法をいろいろ持ってますよね?「名前は呼ぶ可能性のある人だけ全力で覚える」や会話の掌握の仕方は、まさに不得意をカバーする戦略ですよね。
(ところで、名前はディスレクシア的には覚えにくいことの一つと皆さん言います。うちの子も小5あたりですでに、「相手の名前がわかんない時は『お前、名前なんだっけ?』て聞くわけよ。そうすると『ハァ?スズキだよ』って言うからさ、『違う違う、下の名前だよ』って言うわけ。そうすると教えてくれるじゃん?そうやって人の名前を聞き出すのさv」などと得意げに言ってました(笑))

で、「隠れディスレクシア」の人は、こういう戦略をたくさん持っているようです。
そうすると、検査をしても引っかからない可能性があるようです。何しろ「隠れ」なのですから。。

なお、ディスレクシアの診断に最も使われているWISC-IVという検査には16歳11ヶ月までという年齢制限があります。

~~~

以下は質問からは外れますが、よろしければ。

◆特定の周波数が聞こえない
三歳からピアノを習っていたため、絶対音感はあるのですが、特定の周波数(電子音のソなど…精密検査はしていませんが、自分で把握はしています)が聞こえません。難聴だと思っていましたが、これはディスレクシアが関係あるのでしょうか?
「特定の周波数が聞こえない」のは、ディスレクシアと関係あると思います(!)

「トマティス」という聴覚トレーニングがあります→★
すべての周波数の音をバランスよく聞けるよう聴覚をトレーニングすることで、発達障害をケアするというものです。
私は子供ともども、トマティスの自宅トレーニングを去年の夏から秋に受けたのですが、いまだにじわじわと変化が来ています。
壱さんのように、「特定の周波数の音が聞こえない」という自覚がはっきりある人なら、奥深いところから効果があるような気がします。。。一応、お知らせまで。
トマティスのリスニングチェックテスト→★



◆受験勉強について

私は予備校講師(英語)という職業柄、進学校に通うディスレクシアも毎年見て来ました(現在の担当クラスにもいます)。やはり非ディスレクシアと比べるとケアレスや誤字がどうしてもなくならなかったり、日本語にまとめるところで苦労するケースが多いです。それをまた人一倍のがむしゃらな努力でカバーしようとします。

ディスカリキュリアとなると、さらに知られていないので、単に「数学が超絶に不得意」で片付けられていることが多いと思います。

「定理を覚えられないのでいちいち証明しなければならない」は、当ブログにもたびたび登場するコスモ君もまったく同じことを言っていました。
ある意味、それができるほうが賢いと思うのですが、でも入試では大変ですよね。。


あくまで一般論ですが、進学校に通う隠れディスレクシアにとっては:

・客観式よりも記述式の試験問題のほうが得意
私大よりも国公立の問題のほうが、基本的には向いています。

・大量の問題をすばやく解くよりも、少ない問題数をじっくり解く入試のほうが得意
前者の筆頭は東大です(苦笑)。ケアレスミスに厳しい、スピーディーな処理が要求される、そんな東大入試はディスレクシアにはとことん優しくない試験です。

・満点競争よりも、難問のほうが有利に戦える
易しい問題を出し、満点近い点数を取らないと合格できない大学(地方総合大学の医学部など)はディスレクシアにはかなり不利だと思います。それよりもひらめきを要求されるような難問を出題し、合格者平均が低めの入試のほうが、ディスレクシア的には有利です。


・・・という傾向があるかと思います。

とはいえ、一番大事なのは、行きたい大学・学部を自分の意思で選び、そこに入りたいというモチベーションをしっかり持つことです。「ディスレクシアは普通の人よりもモチベーションの力に後押しされる」と「隠れディスレクシア」の原著者も言っています。

きっと壱さんは、そのあたりの問題はクリアしていることでしょう…!

何か質問があったら、また遠慮なくどうぞ。


2015-02-14

[追記つき]多言語環境に暮らすディスレクシア親子より(3)「パズルの最後のピースがはまった時にすべてを理解する」「箱と糊」

前回の記事はひっそり沈めるつもりだったのに、大変多くの方に「おめでとう」の言葉を頂き、本当にありがとうございます。
子供にも伝えたところ、まんざらでないという顔をしています(笑)

職業上毎年たくさん言っている「おめでとう!」を、本当に多くの方から頂いて、
このほめ言葉が自分の心のもちようを確実に変えていくことを知りました。
何度言われても、なんと甘美な響き(´Д`)。
改めて、ディスレクシアの子にも毎日せっせとほめ言葉の水やりをするのは
大事なことだと実感しました。


☆  ☆  ☆

Suiさんのディスレクシア感覚の告白の続きです。

[15/02/27 追記]
Suiさんからの要望により、紹介させて頂いたメールを削除するか要点のみ記しました。
私のコメントだけを残してあります。



☆  ☆  ☆

(削除)
→長時間しめつけるような根性型の努力はまったく無意味、
でも、「コツをつかむための努力」は必要で、それは「色々な角度からのアプローチ」という形をとる。。
あと、親は勉強量をつい「どれだけ長時間、机に向かっているか」で計りがちですが、ディスレクシア的にはそれは違うのですね。

10以上の足し算が理解出来なかったが、5が入る小さな箱と10が入る小さな箱を使って計算出来る事が分かった時に、九九まで一気に理解が広がった。

→数の単位を「箱」でとらえるのは、別記事の翻訳でも出てきました★

「時間は箱で、箱の中を埋めて1日というタワーを作る。このタワーをいくつか積み上げると、1週間というより大きな建物になる」。

ディスレクシアで九九につまづく子、当ブログにもかなり来ますが、 「箱」の概念を使えばすっと入るのかもしれません。
こんな感じ?
作ってみてわかりましたが、
「5が入る小さな箱」とはまさに「そろばん」ですね!



英語とはコミュニケーションの道具と理解してからは、紙の上での英語も普通に意味が分かるようになった。
理解出来る言語が増えると同時に、右手が左手と同じように使えるようになっていた。
→来ました利き手の話!ここはコメント欄に任せます(笑)
英語学習も、ディスレクシア的には「机に向かってがりがり」ではないアプローチを、少なくとも最初のうちはとるべきだ、ということですね。
コミュニケーションの道具、つまり音声言語として英語に触れるのが最初、
紙の上での、書き言葉の英語を読むのはその後、
細かいスペルの書き分けや音韻認識はさらに後
(というか最後まで克服できないかも?!)
・・・という順番なのでしょうね。 

私はディスレクシアを障害とは思っていない。幼い頃から得意不得意を本人が理解するだけでも、大分変わってくる。
→私もディスレクシアを障害とは思ってませんよ~!異能者だと思ってます。
☆  ☆  ☆

箱と糊(削除)

→当ブログにも何回か登場したコスモ君(現在受験の真っ最中)。
彼の読み方と、たぶんこれはまったく同じです。

彼はまず、問題文ではなく設問(内容一致問題)の選択肢をじっくり読みます。
そうすると問題文のだいたいの内容が想像つくそうです。
確かに、これが非常~にいい線いってます。

それから問題文を読んでいきますが、もちろん冒頭から読んだりしません。
設問の前後1~2文だけ読んでは解答していきます(Suiさんと同じ)。
その1~2文を読む過程で、文章理解はさらに確かなものになります。
※ただ、単語力が不足しているので、そこが辛いのですが…

たとえるなら、1時間ドラマの内容を理解するのに、
15秒のシーンを10ヵ所ほど見れば、見ていない部分は推測で分かる感じです。

すごく能動的で、主体的な読解方法です。
全体像を頭の中に描く作業や、読んでいない部分を推測する作業には
ものすごく頭を使っており、非常に疲れるようです。

予備校ではこのような読み方は絶対に教えませんが、
ディスレクシア的には実はこのような読み方こそが王道なのかも?
それどころか、「読字」はできても「読解」はあやしい一般の読み方よりも、
このような読み方のほうが、実は本当の意味で読んでいると言えるのでは?
とさえ思います。

~~

「糊」つまりつなぎ言葉はディスレクシアにとってハードルであり、
非ディスレクシア的な読み方に歩み寄るための要と感じています。

ディスレクシアの生徒たちを見ていると、程度の差はあれ
「論理関係」「筋道立った説明」に戸惑っている印象を受けます。
私はこれは、ディスレクシア的な物事の理解が「直観的」だからだと考えます。
全体像をまるごとのものとして、直観的に把握しているので、
それを「筋道立てて説明せよ」と言われても困る・・・そんなふうに見えます。

そこに「箱」と「糊」という考え方を取り入れて文章読解を行うのは、
ディスレクシアにとって非常に有効だと思います。
全体像を「箱」に細かくわけて、箱同士のつながり(糊)を理解するんですよね。
まさに「全体から細部へ」、ディスレクシア的理解の流れに沿っています。


以下は、まだ考えがまとまってない部分ですが・・・

ディスレクシアでも、訓練によって論理関係を身につけることはできます。

うちの子の場合、過去問で
「しかし」「よって」を入れる問題や、「なぜなら」の前や後を書く問題で、
最初は「なんでそうなるの?」と反論したいようでしたが、
練習を重ねるとできるようになりました。

小学生の場合、まだ弁がそれほど立たないせいもあり
「訓練によって論理関係を理解出来るようになる」というふうに見えます。
おそらくは、すでに直観的に物事を理解しているのでしょうが。

大学受験生なコスモ君の年頃になると、
直観力と、いきなり核心を突く発言ができるだけの言語能力があるので
「論理」を習得することは、直観をルールに従って飼い慣らすことのように見えます。

ただ、不思議なことに、
核心を突く発言までには、それなりに思考のステップがあるようですが、
いざそれを文章にするとなると、言葉が逃げていくそうで、難しいようです。

予備校でも、ディスレクシアの子の自由英作文は、
「なかなかいいことを言っているが、論旨が飛躍しすぎている」「言葉足らず」
という印象を与えるケースがけっこうあります(全員とは言いませんが)
論理的にものを述べるのは、ディスレクシアにはけっこう難しそうです。

2015-01-22

「ジェニファー・アニストン、失読症を激白!」

本日初めてお越しの方、ようこそm(_ _)m。
ここはコメント欄がすごいブログです。どうぞゆっくりしていって下さい。

Yahooニュースのジェニファー・アニストン、失読症を激白!という記事が出て
当ブログに4時間で4000件ほどアクセスがありました。



「20代の前半に、眼鏡の処方箋をもらおうと思って検眼に行ったのがきっかけで失読症が判明したの。片方が青で片方が赤いレンズ眼鏡をかけてパラグラフを読まされて、その後それに関して10問のクイズを出されたんだけど、答えられたのは3問だけだったわ」

この方、私とほぼ同い年なのですが(年がばれますね)
四半世紀前に、ディスレクシアの検査をしているのが驚きです。。
1990年代前半に日本ではディスレクシアという言葉は
まったく知られていなかったはず。

お母さんとの不仲も告白していますが、
お母さんも何か"特性"がありそうですね。

2015-01-20

[追記つき]多言語環境に暮らすディスレクシア親子より(2)「漢字は書けるがカタカナは一切書けない」

オーストラリア在住、息子さん(6歳)のディスレクシア発覚を機に、
自身もディスレクシアだと気付いたSuiさんの手記の続きです。
前記事はこちら→★
映像思考型の驚くべき認知様式が語られます・・・

[15/02/27 追記]
Suiさんからの要望により、紹介させて頂いたメールを削除するか要点のみ記しました。
私のコメントだけを残してあります。



(漢字は絵と同じように理解出来るが、まだカタカナは書けない)

→ディスレクシア漢字指導に一石を投じる内容ですね!

「漢字が絵に見える」「意味は分かる」
           =「"絵"と意味の共感覚は強い」
「カタカナは書けない」=「"絵"と音の共感覚は弱い」
ということですよね。
「音と文字のつながりが弱い」というディスレクシアの定義そのままですね。

ここから分かるのは、ディスレクシア児には、まず漢字を教えてから、漢字を分解してカタカナを教えるという順番もありかもしれない、ということですね。
常々、「ひらがな/カタカナが完璧にならないと、漢字練習に進んではいけない」という考え方は、ディスレクシアにはつらすぎると思っていたのですが、やっぱりそうですよね。


(削除)

→すみません、漢字の話を続けます。
この例のように、鳩を細部まで頭に描けるほどの能力を持ったディスレクシアは、たぶん漢字も、細部まで頭に描けると思うんです。その結果、小学校の漢字学習の際には問題が表面化しない可能性がありますよね。
となると、中学で英語が登場して初めてディスレクシア的につまづくことになります。
つまり、漢字で苦労しないディスレクシアのほうが、実はディスレクシアとしては重度かもしれませんね。

(第六感が鋭い)

→きましたデジャビュ(笑)。Suiさんは夢や共感覚ではなく、「視界に入る細かい情報をとらえる能力」と思われますか。なるほど・・・


(削除)

→この診断結果の表現にびっくりしました!文法的に読めば「アーレンシンドローム、イコール、ディスレクシアの一種」と言っているわけですから。
それに、「空間認識力が高ければ音韻性ディスレクシア」とか、「音に敏感なら視覚性ディスレクシア」というような、単純なものでもないのですね。

(脳のエネルギーを普通より多く消費するため、水を多く飲むように指示されている)

→ブレインジムでも、水を飲むことは決して我慢してはならないという決まりがあります(ついでに、あくびも我慢禁止とのこと)。脳の活動は結局は電気信号であり、脳内の電気信号は水を介して伝わるので、というのがその理由のようです。
ディスレクシアの人は読むときにものすごく脳を使っていますよね。

それにしても、オーストラリアの教室におけるディスレクシアへの配慮は日本のはるか先を行っているらしいことが、この注意ひとつからも分かります。。


(感情のコントロールはどうしているか)

→考え込んでたら1日たってしまいました。ここはひとつコメントに期待したいです(^^;)
ヨガ(と瞑想)を5年ほど続けていますが、これは思考を手放す訓練なので、思考の暴走を止めるという点では根底的な効果があると感じています。
ただ、子供にヨガを勧めるのは難しいかも?即効性はないですし。
子供にはベビーマッサージをしていたのですが、今でも勉強のあとに「足もんで~」と言ってきます。これも落ち着くのに効いているのかも。

2015-01-18

[追記つき]多言語環境に暮らすディスレクシア親子より(1)「一つ一つの事象が立方体の箱のような感覚」

たいへん間があきまして申し訳ありません。。。
ようやくここに戻ってくることができました。

数日前、オーストラリア在住のSuiさんという方から、大変に読み応えのある当事者の告白を頂きましたので、ご了解を得て、数回に分けて紹介します。

[15/02/27 追記]
Suiさんからの要望により、紹介させて頂いたメールを削除するか要点のみ記しました。
私のコメントだけを残してあります。

☆  ☆  ☆

(漢字の書き取りは不得意だったが、化学や数式、解剖学など全てを立体に見る事ができる。
文字とイマジネーションが強く結び付いている)

→字を読んでいると味がする!これは共感覚ですね。
言語の起源に「共感覚」をあげる説があるようです。以下、ちょっと難しい話になりますが…
太古の人類において、音と意味が他の感覚よりも強く結びついたから、ヒトは音声言語を進化させた(「音響信号から話者性をそぎ落とすと音⇔意味のシナプス結合が否応なく起こるようになる」ことが立証できれば、言語の起源を化学的に(シナプス結合というケミカルな方法で)説明できるはずだ
[by峯松信明先生])、
さらには、音を聞くと特定の絵(のちの文字)が浮かぶ共感覚が他の共感覚よりも強く結びついたから、ヒトは文字言語を進化させた、と妄想できるわけです。
香りと記憶(意味)が強く結びついていることは知られていますが、それ以外にも、ある感覚と別の感覚との結びつき、つまり共感覚には、いろんな組み合わせがあります(音と味とか、音と色とか←実は私、これがちょっとあります)
ディスレクシアは、音と字の共感覚を、普通の人ほど持っていない人とも言えるわけですね。
その分、別の共感覚を持っているのかもしれませんよね。

(一つひとつの事象が立方体のように知覚される)

→箱を自由自在に取り出して回す・・・「数学の問題で、頭の中で正八面体を回すことも止めることもできる、止めないと式が書けないので止めたけど」と話してくれた生徒のことを思い出しました→★。「すべてが立体に見える」の意味するところはそれにとどまらず、すべてに及ぶのですね!

「長い文のほうが短い文よりも理解出来る」は、大学受験生はもちろん(4択の設問文より本文のほうが読むのが楽)、小6の子からも最近感じるようになりました。立方体を作る材料(文脈)を使って立方体の一面(細部)を理解しているということなのでしょうね。


(削除)

→これもよく分かります。ディスレクシアの子は概して、抜群に空気が読めるようです。これも一種の共感覚とも言えそうですね。

空気が読めることがその子の人格にどういう影を落とし、どんな行動になって表れるかは、さまざまであるように思います。
うちの家庭教師君は大学入学時には「僕が我慢することですべてが丸く収まるならそうしましょう」という人格になっていて、非常に温和なのですが見ていてかわいそうなくらい不満を出さない、抱え込んでしまう子になっていました(泣)。そんな彼もかわいい彼女が出来てから、ずいぶん不満を出せるようになりました(彼は親に自分がディスレクシアだと言っていません)。
自分の”特性”について話せる人、受け入れてくれる人を持つことは、ディスレクシア的に非常に大事だと感じます。

(物語を小さな箱に分けるのをイメージして、「そして」「しかし」「何故ならば」といった箱と箱を繋げる糊の役割を理解したら、読解は簡単になった)

→「箱をつなげる糊」という比喩からしてとてもディスレクシア的です!
ディスレクシアは「糊」(つなぎ言葉)が、少なくとも設問としては苦手なようです。文意というものを、もっと直観的に理解しているのかもしれません。本質が見えてしまうので、論理的にものを述べるのが面倒(または、どこから手を付けていいか分からない)なようにも見えます。
そこをこらえてもらい、「他人にわかるように物を述べるには、『しかし』や『よって』を正しく使えるといいよ」と辛抱強く説得すると、だんだん要領をつかんでくるようです。
「糊」の理解力については、学会でも言われているように、小5と小6の間に読解力の転換があるように思います→★。さらに、ディスレクシアの有無にかかわらず、数学で証明問題がある程度出てきた後(高2あたり)に次のステップアップがあると感じます。
大学受験生の年頃になると、ディスレクシアでもそれなりに「糊」を理解できるようになります。

(続く)


2015-01-01

2014年に反響の大きかった記事

明けましておめでとうございます。

昨年1年、ここにディスレクシア・コミュニティが育ったことに
文字通りの意味も含めて、たいへんに有り難く思っています。
当ブログから一番多くの情報を得ているのは、わたし自身だと思います。
ありがとうございます。

情報が役に立つとか心の支えになっているとまでの過分な言葉も頂き、
大いに恐縮しています。
ディスレクシアの子を持つフリーランス翻訳者で英語講師というだけの、
偉い肩書きの何一つない者ですが、誰かの役に立っているなら嬉しいです。

とはいえ、私のディスレクシア的短期目標は受験生を合格させること、
長期目標はディスレクシアの得意が認められ尊重される社会変革
(↑去年も同じことを書いた気がしますが、本気です)
なので、ここで満足するわけにはまいりません。

メールへのお返事が遅れがち・途絶えがちで申し訳ありません。
予備校講師的には、ここから2月末まで大量添削期間に入りまして
受験生以外のメールにはお返事が遅れがちになること、何とぞご了承下さい。
とはいえ、頂いたメールはすべてありがたく拝読し、心の中で返事し、
特にディスレクシア本人からのものは一字一句食い入るように読んでいます。


2014年の当ブログの動きを総括しておきます。

2014年に書いた反響の大きかった記事、
トップ5

◆第1位
ジョリーフォニックスその6:中1ショックはきっと克服できる

当ブログには「中1ディスレクシア児の母」という読者層(?!)がいますが、
「うちの子もまさにこれです!」
という方々が次々と名乗り出る、きっかけになった記事です。

中1での英語学習をきっかけにディスレクシアが発覚する場合が多い、
中1だと反抗期が始まっていて、親に素直に応じてもらえない難しさがある、
一方、ジョリーによって、中1ショックもかなり克服できる、
・・・といったことがわかりました。

中1ショックは簡単にクリアできるわけではない、大変な問題ですが、
それでも中1ショックについて話し合える場をここに持てることを
たぶん私自身が一番ありがたく思っています。


◆第2位
道村式「漢字カード」はディスレクシア児の漢字学習に絶大な効果があると思います!!

2013年12月の記事ですが、昨年を通じて大変多くの反響があったので
ここに含めました。
一時「ディスレクシア 漢字」で検索すると一番上に出てくるように( ̄д ̄!)


先週、道村先生とジョリーの伝道師・山下桂世子先生の顔合わせが実現!
ジョリーと道村式漢字カードには共通点が多いですし、
特別支援教育へのまなざしなども、お二人は重なる部分が多いようです。

道村式漢字カードからジョリーへと続く「ディスレクシア学習ライン」が見えてきました。

引き続き、道村式漢字カードの愛用者として支援活動を続けてまいります!

ジョリーについては、日本普及プロジェクトが少しずつ進んでおり、
できる範囲で協力させて頂いています。
この件については、近日中に発表できるよう、頑張ります。


◆第3位
ハイパーレクシアでADHDな私が本当に「読める」ようになるまで

当ブログはいまやコメント欄が「裏ブログ」と言えるくらい充実してますが(?!)
そのきっかけになった記事です。

ブログを始めようと思ったきっかけとして、
「情報はたくさん出した人のところに集まる」(糸井重里『インターネット的』)
が、半信半疑ながら頭の中にあったのですが、
この言葉は本当だと、つくづく実感した記事でもありました。
今の時代、情報がほしいなら、自分がまず情報を出すのが一番だということ、
しかも、「自分の(無意識の)姿勢がきっちり反映した情報だけが返ってくる」
ということのようです。


◆第4位
ディスレクシアはデジャビュが多い?

コメント欄にはそこまで反応がないのですが、隠れた反響が大きかった記事。
以後頂くメールのなかで、「デジャビュ、私も(うちの子も)あります」
とのカミングアウトが、もうすぐ2桁に達する勢いです。
私の中では、「ディスレクシアはデジャビュが多い」
=「時間感覚が人と違うらしい」は、ほぼ確定事項になりつつあります(笑)


◆第5位
匿名さんへのお返事(+中一ディスレクシア児のお母さんからのメール)

「中1ショック+反抗期の子に、どうやってジョリーに取り組んでもらえるか?
ジョリーよりもとっつきやすい代案はないのか?」
に答えようとすることから始まったこの記事、
途中から「ジョリーに代わる、より低価格の選択肢はないか?」
という議論も加わり、山下先生も加わって白熱した議論に。
「現状ではジョリーフォニックスエクストラ[3万円]を買う以外の方法はない」
という、申し訳ない結論になったのですが・・・

最初は「高くて買えない」と言っていた方が、最新のコメントでは
「自分へのご褒美に買うつもり」
「知り合いの中学英語教師を巻き込んで教えてもらう予定」
「その教師もディスレクシアの存在を知ってびっくりし、一緒に考えてくれると言ってくれた」と(T T)。

「中1の子が振り向いてくれない」と言っていた方も、
先日の山下先生のセミナーに参加され、
「母が諦めたら終わりですものね!」と言うほどに(T T)。

ディスレクシアの母としての進化を遂げていく様子に、胸を打たれました。


◆次点

「大人ディスレクシア向けやり直し英語」は数名にモニターになって頂き、
そろそろ講師として本格対応ができそうです。
興味のある方はご連絡下さい。


2014年・自分的には大発見、トップ7

◆第1位

視写の効果は本当に絶大です!
最近では、予備校で見かける弱いディスレクシアの生徒にも
視写を勧めています。
「視写に効果がある」と説得するのが一苦労ですが、
実際に試してもらうと、その効果はかなり驚くべきものがあります。

毎日視写を送ってくる受験生もいます。
うちの子にも視写は、毎日2セット書かせています。

ディスレクシア大学受験生の個別指導は、随時承っています。

こちらも、ご興味のある方はご連絡下さい。


◆第2位

ほとんど反響のなかった記事なのですが、
「自分の音読を再生して聞く」は、読み能力アップに効果絶大なのです!
この件については、今年さらに実践を重ね、プッシュしていきたいです。


◆第3位

視写の前に、まず読めることが必要です。その方法と重要性に関する記事。

上は読み訓練のポイントを列挙したもので、
下はディスレクシア読み訓練の効果を調べた、脳研究の記事(翻訳)です。

2つを合わせると、

「ディスレクシアでも、読みの訓練を諦めてはいけない。
なぜなら脳には「可塑性」と呼ばれる、訓練によって変わる性質があるから。
そして、ディスレクシア読み訓練は、ポジティブな声かけとともに行うべき。」

「一緒に楽しむこと」は、当ブログがまだ1日20PVの頃、
コメントを下さった方に教えてもらいました。
この方の立場は私と同じですが、
どんな研究会や学会でも聞けないような鋭いコメントを下さいます。
そういうことがままあるということも、この1年で学びました。


読み練習の効果を最も実感したのは、自分の子と日本語を読んだ時よりも
コスモ君(浪人生)と英語を読んだ時だと思っています。
3月にはセンター試験の文法問題の選択肢の1語も音読できなかった彼が、
今では800語の文章を、単語の意味さえ分かれば読破できるようになりました。

私に多くのインスピレーションを与え続ける彼については、
合格してから総括したいです。



◆第4位

音楽に対して、絶対音感を持つ人と相対音感を持つ人がいるように、
話し言葉に対しても、絶対音感の人と相対音感の人がいるはず。
話し言葉(音韻)に対する究極的な相対音感者とは、
「前後の音との関係でしか音韻を把握できない人」である。
そんな人をディスレクシアと呼ぶ。・・・という斬新な仮説にびっくりし、
その勢いで本年度は水曜2限に峯松先生の東大の授業にもぐらせて頂きました。
文系院生に音響音声学を語る難解な授業に前のめりのおばさんが一人(爆)

この授業の内容をディスレクシア学習につなげていくのは今後の課題です。
とりあえず、峯松先生が初回の授業で
「ことばについては、脳まで行かずとも、
音声言語の工学的分析から分かることがたくさんある」
と言われていたのは本当に本当でした。
デジャビュやスマホ学習法は、峯松先生の授業内容がヒントになっています。


◆第5位
ディスレクシアのなかには、光過敏症の人が相当数いるようです。

うちの子は、そこまで光過敏ではないと思っていたのですが
PCメガネをかけて「ここから俺の天才伝説が始動する」と言っています(笑)
メガネ1つでそこまでポジティブになれて、実によかったです。


◆第6位

夏目漱石が(きっと)ディスレクシアというのも驚きでしたが、それ以上に
文学研究者が持つ「優れた思想が誤字交じりの悪筆で書かれるはずがない」
という間違った思い込みを、再確認することができました。

小説家には悪筆の人がかなりいるようです。石原慎太郎とか村上春樹とか…
なかなか読み込む時間がないのですが、
「村上春樹『1Q84』をディスレクシア的に読む」をいずれ書きたいです。


◆第7位

「発達障害は遺伝性ですが、それだけで終わるような単純な話でもない」
という答えを、『発達障害の原因と発症メカニズム』から得ることができました。

当ブログには「発達障害 遺伝」「ADHD 遺伝」で検索して来る人がけっこういますが
そういう人たちに対する答えがこの本にはあります。


◆番外
1つの記事にはまとめていないのですが、
当ブログで歴代最も反響の多い記事である「隠れディスレクシア」
の著者、エイデ博士から連絡があり
「一緒にディスレクシアの利点を伝える活動を進めていきましょう!」
と言ってもらえたのは、大きな出来事でした。
ファーネットさん(妻、中国系アメリカ人)からは、
信仰心と西海岸らしさが合わさったポジティブパワーをたくさんもらっています。

当ブログのディスレクシアの旅(?!)がポジティブに見えるとしたら、
それはエイデ夫妻に非常に大きな影響を受けているからです。
これは本当に、私一人が独占してはならない、素晴らしいものでして、
日本のディスレクシア界にもぜひ広めたいと思っています。


最後に、新年の決意とばかりに、
2015年にディスレクシア的に追求したいテーマを書いておきます:

1) ディスレクシア的・大学受験英語の学習方法

2) 「ジョリーの42音」の次にすべきこと

3) Dyslexic Advantageを翻訳する

4) ディスレクシアにとっての「オト」の単位とは何か。
音楽・音韻・リズムとディスレクシアの関係

5) スマホを使ったディスレクシア・フレンドリーな学習法


2015年も、当ブログをどうぞよろしくお願いいたします!