on dyslexia

ディスレクシア
(読字障害、読み書き障害、失読症、難読症、学習障害、読み書きのLD)について、調べて分かったこと/実践したこと/英語から訳した文章をアップしています。

ディスレクシアとは:
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知能は普通だが、読み書きが苦手(誤字が多い、読み書きが遅い、読み間違いが多い)
- 独創的で、対人能力が高い。空間把握力、全体像や物事の関係性を把握する能力に長ける。
- 音と文字の脳内での結びつきが弱いことから起こるらしい
- 読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい
- 細かい聞き間違いがみられるが、音声情報の処理能力は高い
- エピソード記憶が得意。固有名詞などの細かい丸暗記は苦手
- 適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される
- 10人に1人程度いるというのが通説

当ブログは、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能である、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要--という立場です。


2012-05-18

ディスレクシアに関連する遺伝子変異体が、聴覚路の正中交差を減少させる


Dyslexia-Linked Genetic Variant Decreases Midline Crossing of Auditory Pathways

(ディスレクシアに関連する遺伝子変異体が、聴覚路の正中交差を減少させる)
ScienceDaily、2012/02/01 


を訳してみました。
Midline Crossingの訳に自信がありません。おそらく、脳の正中線を超えて神経細胞が伸びることだと思うのですが…


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ROBO 1遺伝子のうちディスレクシアに関連する珍しい遺伝子変異体によってヒトの脳の聴覚路における正中線交差が減少することを、フィンランド人科学者グループが発見した。この遺伝子の発現が弱いほど正中線交差に異常がみられる。この研究結果は、ディスレクシア感受性遺伝子を脳の特定の感覚機能に初めて結びつけたものである。

本共同研究はフィンランドのアールト大学とヘルシンキ大学、およびスウェーデンのカロリンスカ研究所により行われThe Journal of Neuroscienceに発表された。

動物実験を使った先行研究によると、ROBO 1遺伝子の障害は、胎児の発達時に神経細胞が正常に正中線を越えることを妨げる。ROBO 1遺伝子が完全に不全なケースはこれまで見つかっていない。ただしフィンランドのある大家族では複数のディスレクシアの人たちがROBO 1遺伝子の機能不全コピーを1つ遺伝していた例がある。ROBO 1とディスレクシアのこうした関係は、2005年にすでに発見されている。


今回の研究では、同家族の10名の聴覚路の機能的交差(functional crossing)を定量化した。定量化にはMEG(脳の弱い磁場の記録、脳磁気図検査)をもとにした高感度法を使用した。ディスレクシアと関連するROBO 1遺伝子変異を有する個人では、聴覚路の機能的交差は有意に弱かった。ディスレクシアは多くの国で人口の10%近くを占める、最も一般的な学習障害である。

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これとは直接関係ないかもしれませんが、

学習に向かう力を育てるための見取りと体づくりの提案(2年次)
(島根県教育センター研究紀要)
「今回の調査ではこの「正中線交叉(運動)」と「聞く(学習規律)」の2つの間には何らかの関係があるかもしれないという結果となっている。」

ここでの正中線交叉とは、右手で左耳・左手で右耳を触ることを意味しているようなので、
脳の正中交差とは違うかもしれませんが、
ディスレクシアでは字の左右が混乱するので、
神経細胞の正中交差が弱いと、身体運動での正中交差も苦手になる、ということものかも?