on dyslexia

ディスレクシア
(読字障害、読み書き障害、失読症、難読症、学習障害、読み書きのLD)について、調べて分かったこと/実践したこと/英語から訳した文章をアップしています。

ディスレクシアとは:
-
​​
知能は普通だが、読み書きが苦手(誤字が多い、読み書きが遅い、読み間違いが多い)。
-勉強しているにもかかわらず、読み書きがなかなかできない状態を指す。知的障害ではなく、普通~ギフテッドのあらゆるIQにみられる。
-
​​
独創的で、​​対人能力が高い。
​​
全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力
に長ける。
- ​音と文字の脳内での結びつきが弱いことから起こるらしい
- ​読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい。その理由は、英語のほうが日本語よりも"音の粒"が小さいから​
- ​細​​​​かい聞き間違いがみられるが、音声情報の処理能力は高い
- エピソード記憶が得意。固有名詞などの細かい丸暗記は苦手
- 適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される-
​ ​
10人に1人程度いるというのが通説
​。アメリカの調査では3人に1人とも
- 家族性であり、遺伝による​。ただしディスレクシアの表れ方は個人差が大きい



当ブログは、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能である、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要--という立場です。


2013-03-06

予備校で見るディスレクシアの生徒

今年の大学入試がほぼ終わりました。

ディスレクシア(と本人はあまり分かっていない)のR君は、
最後までスペリングミスや-sの抜けがなくならなかったけど、
現役の時以上にいい答案が短時間で書けるようになって、
無事に東大の前期試験に駒を進めました。

ディスレクシアという状態があることを知ったこの1年、
予備校の演習で生徒と答案を見ていると、
一見「やる気がない」「エンジンのかかっていない」子に
ディスレクシアと思しき子がけっこういることに気がつきます。
20人のクラスに1人くらいは、ほぼ必ずいると言ってもいいくらいです。



☆  ☆  ☆




いま、私が特に目をかけているのは、2年生で理系のS君。
彼は字が超~乱雑!
しかも和訳が全部ひらがな!
「コンピューターはせいかつをふくざつにしたが、べんりにもした」みたいな調子で、あらゆる内容をひらがなで書き倒していきます。
書くスピードは非常に速いです。
「漢字で書ける?」と聞いてみたら、めんどくさそ~に書いてましたが、すぐにひらがなに戻ってしまいました。

都立トップ高に在籍しているので、高校入試を突破できる英語力はあるのでしょうが、ちょっと文構造が複雑になると、拾い読みになってしまいます。

板書は一切とらず。
そもそも授業を座って聞いているのもけっこう大変そうで、一番うしろでぐにゃぐにゃしています。

最初のうちは、書けるところまで書いたらノートの上に突っ伏して寝てしまい(寝たふりかも)
答案を見せてくれませんでした。
「ここまではよく出来てるよ。ここの訳が抜けてるから入れてごらん」
「単語の意味がわからない」
「persuade A to ...で"Aを説得して…させる"だよ、ここがAで、ここが...だね」
みたいな会話を何回してから、ようやく答案を隠さずに見せてくれるようになりました。

一方、英作文はすごい。
「エコな生活習慣の例を書きましょう」というお題で、他の生徒がなかなか手が動かないなか、
「グラフィックボードを××から◎◎に替えた」と一瞬で書いてしまいました。
例によってスペルミスだらけなのですが。
テーマを与えられれば、書く内容はすぐに思いつくようです。

本人いわく、囲碁が得意らしいです。


☆  ☆  ☆


もう一人、もっと早く気づいてあげればよかったと思う3年男子がいました。
都立トップ高を落ち、付属高から外部受験予定。
演習を解くスピードは非常に遅く、1時間かけても2パラグラフほどを読むのがやっと。
和訳の字は超乱雑。漢字は使う。誤字はない。
授業中はおどおどして、板書も取らず、授業がわかっている様子もあまり感じられない。

このクラスでは、150ワードの英作文を宿題にしているのですが、
彼は11月に入るまで一度も宿題を提出しませんでした。
11月も終わりに入って、初めて出してきたのですが、、、
まず用紙がよれよれ。
かばんの中でもみくちゃになったものを、「あった」みたいな感じで掘り出して提出。
英語の字も乱雑。語と語の間隔がはっきりしていない。

しかしよく読んでみると、自分の言葉でいい内容のものを書いているのです。
(「成功に運は関係ないか」というお題に対し、
「僕は日本に生まれ、食べるものにも住むところにも不自由していない、幸せな暮らしを送っているが、自分が日本に生まれたのは運である。だから成功は運に非常に大きく依存している」といった内容でした)
この、字と内容のギャップから、彼は実は読むのがつらいだけなのでは、、とようやくピンときました。

授業後、彼を呼んで聞いてみました。
「実は読むのがつらくない?どこを読んでいるかわからなくなったりしない?」

「ええっ?みんな1行飛ばしってしないんですか?」と彼は驚いていました。

私が一番驚いたのは、授業を受けていない時の彼は、
授業中とはまったく違う、生き生きとしたいたずらっ子の顔をしていたことです。
授業は本当に苦痛だったね、、、もっと早く気づかなくてごめんね、、、
という気持ちでいっぱいになりました。

「私はあなたみたいな人に特別な興味を持っている、困ったらいつでも質問に来てほしい。
あなたは地頭はすごくいい、英作の答案を読めばよくわかる。
あなたは人と違う物の見方をしている。そういう人は遅咲きなのだから、仮に今年は志望校に受からなくても、これからすごくのびる」
と力説して別れましたが、どうなったことか・・・・


☆  ☆  ☆

さらに思い返すに、大昔、大学生だったころに家庭教師で何ヶ月かだけ会った子。
中3でbとdの区別がつかず、ひらがなの「け」や「し」が左右逆でした。
当時の私は「こんなに頭の悪い子がいるなんて!」とあきれ半分、上から目線の憐れみ半分で、
自分の勉強の仕方を押しつけることしかできませんでした。
本当に本当に申し訳ないことをしたな・・・と思います。


今、ディスレクシアらしい生徒には、

・最初のうちはスペルミスは問わない
・内容の独創性をほめる
(実際、内容は人並み以上に独創的かつ主張がしっかりしていることが多い)
・単語を調べるのがつらそうなので、そこをサポートしてあげる。
(辞書と文章を行き来するのがつらそうなので)
・通常以上に反復練習につきあう
・鉛筆や定規をあてて読むようにさせる
・3年生に入ったら、徐々に漢字のミス・スペルミスを指摘していく。
・でも、スペルミスの多さを決して責めない。

何度でもほめるし、何度でもミスを直していく、という感じでしょうか。



9 件のコメント:

  1. こんにちは。
    以前コメントさせていただきました あやめです。

    子供の検査結果が出ました。
    やはりLDでした(^^;
    (医師ではないので診断はできませんが、心理士と思われるので
    医師の診断とイコールの判断となるでしょう)
    13歳相当の知能はあるが、数唱が7歳レベルという事で
    ワーキングメモリーが小さいと。
    記号探しもケアレスミスが多かったそうです。
    どの文献を見ても数唱が低いのはディスレクシアの特徴ですね☆

    ワーキングメモリーを広げる為に『脳を鍛える鬼トレ』で遊ばせる事にしました。
    ゲーム要素が無いと続かない子なので…

    本人にはLDとは言わず、「苦手な所が分かりました」と
    注意工夫する所を伝えただけですが、学校には結果を渡しました。
    相談することになっています。
    叱責が減るだけでも、本人には喜ばしい事だと思っています。
    あとは~
    誰もが持っている個性ですもんね(^^)

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  2. あやめさんこんにちは。
    「お墨付き」がもらえて、すっきりしたことと思います。色々と方針が立ちますし、学校にも配慮してほしいと伝えやすいですし、親としても他人と比べてイラッとすることが減りますよね。

    とか言いつつ、今朝になって、子がランドセルの中に山のようにプリントを詰め込んでいたことが発覚しました。
    ここ数週間、仕事が忙しくてあまりかまってあげられなかったのですが、そうするとすぐに生活習慣がだらしなくなってしまいます。。。


    数唱は、うちも3学年分下回っていました。
    ワーキングメモリーが小さいこと、うちも指摘されました。
    このあたりのことが、身の回りがぐちゃぐちゃなことと関係あるのでしょうかね・・・?

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  3. ものすごく気になったのでおじゃまします。

    医師ではないので安易な診断は絶対に心の中だけでししかできません。私も同じような仕事していて、気づくときかなり多いです。口にせずに、対応しています。

    私の感覚では、ディスレクシアは10人に1人以上(仕事で小さい子から大きい子まで見ているためわかる)、ただし、レベルの高い大学を狙えるような子は井上智さんの本を見てもわかると思いますが、何の援助も、方法も与えられず、苦しんでも、知的レベルにそぐわない結果が多いため、振り落とされてしまい、20人に1人もいないはずです。(日本での話)

    >「やる気がない」「エンジンのかかっていない」子に
    ディスレクシアと思しき子がけっこういることに気がつきます。

    そうだと思います。
    そして、これはアスペルガーなどの軽度の自閉圏の子もいるはずです。これも診断も発見も難しく、ほとんどの人が自覚のないまま過ごしています。
    アスペで書字障害を持つ子は多く、これまたディスレクシア同様無理解にさらされています。両者の違いを見極めなくては対処が全く違います。この子達は読みに問題を抱えておらず、メインは書きの問題のみなので進学校などに結構普通にいます。理系の子多いです。文面からだと上記のSくんはこちらの可能性が高いと思われます。どうでしょうか?

    とっても熱心に勉強されており、感動したのでつい出てきてしまいました。
    学習障害というのは実に様々です。ぜひ広汎性発達障害などについて勉強なさってみてください。私も経験から勉強しました。
    これからも頑張ってください。

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  4. 匿名さん、かずかずの貴重なご指摘をありがとうございます。
    学習障害は多彩である。本当に、調べれば調べるほどわからないことがでてくる状態です。

    アスペルガーに書字障害が出ることは、本で読んで知ってはいたものの、
    生徒にいることはうかつにも考えていませんでした。
    ありがとうございます。

    おっしゃる通り、高学歴の人(特に研究者)にアスペルガーと思しき人、知り合いでもちょこちょこと思い当たります。
    S君よりも、むしろR君のほうが若干アスペルガーっぽいかなという気がしました。
    (ところで、R君は8点足りなくて東大はだめでした(泣))

    医師ではないので診断は下せない・・・本当にその通りです。
    その一方で、アスペルガーにしてもディスレクシアにしても、当人とその親がその気にならない限り、
    わざわざ病院に行かないだろうとも思います。
    (現に、私の一番のエネミー(笑)は、「この子は病気じゃないんだから病院に連れて行くのは絶対反対」
    と言う夫です。。。子がWISCを受けることを納得してもらうにも、2学期分かかりました。)

    なので、私が生徒に「ディスレクシア」とレッテルを貼ることはできないし、しませんが、
    明らかに普通の生徒と違っているので、普通とはちょっと違うアプローチを試みる、というのが、今の私のスタンスです。


    「振り落とされる」の件は、おっしゃる通りとも思うし、むしろ不思議とすりぬけた人も意外といるのでは、とも思うのですが、いかがでしょうか?
    医学部志望クラスに、びっくりするほど悪筆の子がけっこういたことを思い出しました。医者のカルテは汚いし(笑)字が苦手な人はけっこう多そうです。

    もちろん教師は、成功した人ではなく、行き詰まっている子と同じ目線に立つべきですが。。。

    手探りではありますが、
    東大などの有力大学にディスレクシア枠ができれば日本も変わる!
    くらいの野望(?!)を持って、自転車操業してます。

    またお気づきの点がありましたら、ご指南いただけるとうれしいです。

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  5. ごめんなさい、今読み返すとキツイ書き方してしまいました。

    同じような立場で同じことを考えている人を見て、つい応援したい気持ちでいっぱいになったので文にチカラ(?)がはいってしまいました。

    どうか、日々、息子さんや生徒さんに寄り添い、一緒に考えてあげてください。がんばってください。
    私も頑張ります。

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    1. とんでもありません、出会いに感謝するばかりです。
      またお立ち寄り下さい!

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  6. はじめまして 夜遅く眠いため簡略して書きますが自分はLDなのではないかと思っています 小さいころから 理解するのに時間がかかり 完璧に自分なりに理解できないととても不安になったりいつまでも気になる性格です 小学校の二年の時に時計の読み方を教わりましたがよくわからず 六年の時に それまで考えていた秒針や数字の意味 なんで1から12までしか数字がなくて その間を長いはりと短いはりが回っているのか 数字と数字の間の間隔は全て等しいがなんなのかという事が突然わかり 時間が読めるようになりました 他には いつも 廊下で課題をやらされて 理解ができなくて 一番最後に帰っていました 高校では 全てを一位になる事は無理だからと思い英語だけをやったら一番になれました 英語では文法が気になり 順番とか ここでは 名詞的用法で用いているからthat節の中のここの場所にはいっているのだな だから 目的語としてOの役割をしているからこう訳すんだなとか 全てをそのように考えていました 少しでも規則から外れている文体を見つけるとめちゃめちゃ気になっていました 大人になり仕事をするようになって人がいった事がすぐに理解できずに本当に苦労をして 人が怖くなったり 目をみる事ができなくなりました そんな自分なので 何か資格を取った方がいいのではないかと思って簿記をはじめ独学で3.2級を合格し1級も全ての範囲が終わりました ただ一級は範囲が広く専門的になるので 学校に少しだけ行きました 案の定 すわって聞いているのは 自分にとっては まったく意味がない 自分の聞きたい所を自分が納得するまで聞く事ができない そして 一度 講師に質問をしたらおこりだして 君は理論に片寄りすぎる 仕訳が切れればいいんだといわれましたが それじゃあ いったいどこからどこまでが理解にこだわらなくてよくて どこまでがこだわりすぎなのかがわからなかったし この人ではダメだ 自分は普通の人とは違うと思っていたので 無料サービスであった質問電話に自分の気がすむまで 聞きまくりました 電話の相手は あなたは試験に受かるというよりも研究者を目指しているようだと言われました そんな2.3ページ進むだけで大量の時間と精神力を使う作業を2年くらい続けていた所 色々な部分の知識やら考え方やら理解スピードの伸びの量が飛躍的に上昇してきました わざとわかりにくく書いてある会計原則や 簿記の根底に流れている共通の思考や癖というものが 講師にわざわざ確認しなくても ひとりで理解できるようになってきました 自転車にのれるようになってきた感じです そうなると 一日で勉強できる犯意や量も広がり 効率について考えがおよぶようになってきました 講師には あなたは人が気にしないような所まで考えていると言われましたが 取り敢えず 良かったのかなと思っています というのも 自分が苦労した単元ほど 思い出しやすく 応用がきくようになっているんです 全てで12さつのテキストや問題集 後過去問を終えましたが 本当によくやってきているなとおもっています 今も会社から帰ってすぐに寝て早朝に起きて一級対策をしています なんというか 自分は 他の人たちが もうだめだ こんだけやって テストに反映されないんだから 自分には向いてないんだ やーめた というふうに思うころが自分にとってのスタートのような気がしています つまり そこから ようやく自分の良い所が出てくるような スピードがでて 理解も正しいようですので 一級の後も がんばっていきます 同じ事を何年も繰り返しても平気なのも普通の人とは違う所かもしれません 後 人からこだわりがあるね と言われます こんな自分は多分 発達障害だとオモイマス

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    1. 壮絶な半生記、ありがとうございます。
      「人よりはるかに理解に時間がかかるが、一度理解できれば人よりはるかに深く理解ができる」。そういう生徒がいることを教師はきちんと知らないといけませんね。
      自分はこれまで「怒り出した教師」の側だったので、胸が痛みました。
      簿記1級の合格をお祈りしています。

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  7. また夜遅くになってしまいました 壮絶な半世だなんて そんな  ただなんか異様に生きにくいだけでございます ただ 前に専門家の人に話しをしたら よく生きてきましたね と言われました

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