on dyslexia

ディスレクシア
(読字障害、読み書き障害、失読症、難読症、学習障害、読み書きのLD)について、調べて分かったこと/実践したこと/英語から訳した文章をアップしています。

ディスレクシアとは:
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知能は普通だが、読み書きが苦手(誤字が多い、読み書きが遅い、読み間違いが多い)
- 独創的で、対人能力が高い。空間把握力、全体像や物事の関係性を把握する能力に長ける。
- 音と文字の脳内での結びつきが弱いことから起こるらしい
- 読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい
- 細かい聞き間違いがみられるが、音声情報の処理能力は高い
- エピソード記憶が得意。固有名詞などの細かい丸暗記は苦手
- 適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される
- 10人に1人程度いるというのが通説

当ブログは、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能である、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要--という立場です。


2013-07-22

女子のディスレクシアは男子とは異なる

「女の子のディスレクシアは分かりにくい」とさる方から言われて以来、ずっと考えてきました。

思えば予備校の生徒や学生時代の知り合いにも何人か、「あれって実はディスレクシアだったのかも」と思う女の子がいました。

私がディスレクシアだと思う女子高校生・大学生は、ディスレクシアの男子高校生・大学生のような乱雑な字は書きません。

ものすごく丁寧な、でも異常なほど勢いのない字を書きます。

それだけでも、女の子のディスレクシアは男の子のディスレクシアとは出方が異なるんだろうなと推測できます。

女の子には「整理整頓をきちんとしていないと」「真面目にこつこつやらないと」「ノートというものはきれいに書かないと」というプレッシャーが大きいので、男の子とは別の問題がありそうな気がします。

そんな「女の子のディスレクシア」の記事を2本、訳してみました。
ねむねむさんに捧ぐ。


ディスレクシアの脳解剖は男女で異なる

201358日、Science Daily 原文はこちら

  • 成人の男性と女性、また男の子と女の子では、ディスレクシアと非ディスレクシアの脳が少し違う
  • 男性ディスレクシアは、言語処理を行う脳の灰白質が少ない
  • 女性ディスレクシアは、感覚処理と運動処理を行う脳の灰白質が少ない


ジョージタウン大学メディカルセンター所属の神経科学者は、MRIを使いディスレクシアの男女と非ディスレクシアの対象群を比べたところ、有意な違いがあることを明らかにした。このことは、脳の男女差をもとにディスレクシアは男女で異なる現れ方をする可能性があることを示唆している。

この実験はディスレクシアの男性と女性の両方を対象に行われ、ディスレクシアの女性と非ディスレクシアの女性(子供と成人の両方)の脳解剖を直接比較した初めての研究である。Brain Structure and Function誌(オンライン版)に発表された。

ディスレクシアは女性より男性のほうが二~三倍多く現れる。このため「女性のディスレクシアは見過ごされてきた」と、同論文の第一著者であるGuinevere Eden, PhD(学習研究センター長、国際ディスレクシア協会前会長)は述べている。

「これまで、男性を対象に行われてきた研究結果は、男女両方に一般化可能だと考えられてきた。だが今回の研究は、男のディスレクシアと女のディスレクシアを分けて取り組まなければならないことを示唆している。そうすることでディスレクシアの根本原因、さらには場合によっては治療方法の解明につながるかもしれない」(Eden博士)

ディスレクシア以外の研究では、男性の脳と女性の脳は全般的に違うことが示されていると、同研究の主席著者であるTanya Evans, PhDも言う。

「脳解剖には男女特有の差がある。女性は言語作業を右脳と左脳の両方で行う傾向があるのに対し、男性は左脳しか使わない傾向がある。また、エストロゲンなどの女性ホルモンは脳損傷後に脳を保護する場合があるなど、性ホルモンが脳細胞に関係することも知られている。ここから、本研究で報告された男女差を説明する道筋があることが示唆される」

本研究では118名を対象に、ディスレクシアの脳構造と非ディスレクシアの脳構造を比較した。調査は成人男女と子供の男女のそれぞれに分けて行われた。
先行研究と同様、男性ディスレクシアの脳では、言語処理を行う部位の灰白質がより少なかった。女性ディスレクシアでは、感覚処理と運動処理に関係する部位の灰白質がより少なかった。

これらの結果は、ディスレクシアの根本原因を解明すること、また言語と感覚処理との関係を理解することに向けて、重要な意味を持つとEvans博士は言う。


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もうひとつ、dyslexia girlsで検索していて見つけたコラムを訳してみました。


「私が学校で落ちこぼれていたのはディスレクシアのせいかもしれない」

原文はこちら


保守党大物議員Lord Heseltineの娘であるコラムニストのAnnabel Heseltineは女子校協会に対し、「ディスレクシアは男の子のほうが圧倒的に多く診断されているが、女の子においても同じぐらい多く見られることが研究によって示唆されている」と言うつもりだ。

Annabel Heseltineは一女三男さらには弟と父親がディスレクシアのうえ、自分自身もそうかも知れないと思い始め、診断テストを受けることを検討している。
「自分自身の昔の通知表がたまたま見つかり、それを見ていたら『発達の遅れ』『考えをまとめられない』『きちんとコミュニケーションをとれない』といったコメントが次々と出てきて、もしかしたら自分も弱いディスレクシアかもしれないと思い始めた」。Annabel48歳、インディペンデントスクール(訳注:政府などの援助を受けない私立学校)に子供を通わせる親のための雑誌「First Eleven magazine」の編集長を務める。

15歳の時、校長先生に呼び出され、『家政学や裁縫のほうに進んだらどうか。美術はどう?』と聞かれたが、わたしは美術はめちゃくちゃに不得意だったので頭に来た」
そこで当時在籍していた全寮制女子校を退学し、女子高校生を受け入れていたStowe Schoolに入学。Aレベル(イギリスの大学入学資格試験)ではB1つ、C1つ、D2つ獲得した。これは「今日の基準では最低」だと言う。

「もし誰かに『あなたはディスレクシアですよ』と言ってもらえたら、本当に楽になれると思う。もし自分がディスレクシアなら、学校時代そして卒業してからの人生でずっと抱えてきたフラストレーションの説明がつくのだから」

娘のイザベラ(9歳)は読書が大好きだが、ディスレクシアの診断を受け、学校で少し手助けを受けている。
Annabelは教頭先生らに対し、「発達が遅い、またはポテンシャルを出し切れていない女の子がいたら、ディスレクシアを疑ってほしい」と伝える予定だ。
「一部の研究では、ディスレクシアには男女差はないとされているのに、男の子に比べて女の子がディスレクシアと診断されることはあまりに少ない。これはどういうことか」。
「この説をつきつめていくと、ディスレクシアだと気づいてもらえていない女の子がまだたくさんいるはず。
女の子は男の子より真面目で責任感が強く、一生懸命努力する。女の子のディスレクシアは表れ方が違う可能性がある

「ディスレクシアは一人一人出方が異なる。それでも、できるだけ幼いうちに気づいてあげることが必要。『できる』と自分で思っていることができないとフラストレーションがたまり、自信を失うことにつながるのは必至だから」

イギリスでは375,000人の児童を含め、10人に1人がディスレクシアの診断を受けている。ディスレクシアの診断を受けたことで追加的教育を受ける男の子は、女の子の3倍にのぼる。

ディスレクシアの症状は、年齢が低い子供だと、話し言葉の発達の遅れや、フォニックス・綴り・読み書きの問題などがある。思考が混乱したり、短期記憶が悪いといった症状に苦しむこともある。

ディスレクシアの発生率に男女差があるかどうかに関する、決定的な証拠はない。
過去20年間にアメリカで行われた大型研究(イェール大学、ボウマン・グレイ大学、コロラド大学)では、女の子と男の子のディスレクシアの発生率は等しいとされている。
しかしながら、イギリスとニュージーランドの1万人の子供の読み能力を調べた研究(ウォーウィック大学とロンドンのキングスカレッジ)によると、ディスレクシアの男の子は最大22%である一方、女の子のディスレクシアは最大13%であった。

なかには、ディスレクシアというのは中産階級が学業不振を隠すために使うレッテルだと主張する批評家もいる。
ダラム大学で教育心理学を教えるJulian Elliott氏は、30年以上の研究によってもなお、ディスレクシアを医学的状態だと特定する証拠を見つけていないと主張する。
Annabellはこれに対し「私もこの人と同じぐらい『本当?』と思うけど、でも色々つなげてみても、また自分の娘という動かしがたい証拠からも、ディスレクシアというものが存在すると思わざるを得ない。
もしかしたら、中産階級の親は、ディスレクシアの子供に何らかの対処をしやすいのかもしれない」



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