神奈川LD協会主催・村井敏宏先生によるセミナーに参加してきました。
奈良県の小学校教員で、放課後にディスレクシア・ADHD児の指導に取り組まれているそうです。
以下の本の著者でいらっしゃいます。
セミナーでは、この本の背景にある考え方や知見について説明されました。
『読み書きが苦手な子どもへの<基礎>トレーニングワーク』には、「ひらがな聴写テスト」が掲載されています。
小1で、普通学級で全員の生徒に行うことで、読み書きが苦手な子のスクリーニングとなることを意図しているとのこと。
もちろん、家庭や塾でも使えます。
「ひらがな聴写テスト」は、どのような間違いが多いかに応じて、子供の苦手な部分が分かるように作られています。
つまり、
拗音(きゃきゅきょなど)の間違いが多い→音韻認識(音韻に対する意識)が弱く、
長音(のばす音)や促音(っ)の間違いが多い→空間認知が弱い、ひいては時間感覚がわかりにくい
のだそうです。
さらに、弱い部分を補強できるプリントが収録されています。
たとえば、「っ」が抜けてしまう子のための、「っ」のつく言葉を穴埋めする練習問題。
モーラごとに一緒に手をたたきながら確認すると、より効果的だそうです。
うちの子は、小4で上の本の途中まで取り組みました。
特に「ひらがな聴写テスト」は、ディスレクシアの疑いがある子なら、一度は試してみる価値があると思います。
うちの場合も、小4でもひらがなの特殊音節を間違えていました。中学年になっても十分に有効だと感じます。
これらの本にうちでは直接書き込んでしまったのですが、本来はコピーして、一人の子が同じ問題を何度か解くようにしたほうがよいかもしれません。
村井先生は「引っかかりやすいところを重点的に抜き出して問題にしている」とおっしゃっていました。
このシリーズには4~6年生用の『読み書きが苦手な子どもへの<漢字>支援ワーク』もあります。
漢字をパーツに分け、場合によっては成り立ちを説明することで、理解を促すというアプローチです。
うちの場合は、漢字のパーツをパズルのように並べると混乱しそうなので、この方法は避けていましたが、有効なようなのでいずれ試してみたいと思います。
村井先生は、「ないなら自分で作ろうと」「いま試作中のものは…」とさらりと言ってしまうあたりに、大変な引き出しの多さを感じました。
現場の教師が生徒の顔を思い浮かべて自作する教材はホンモノです!教えながら教材を作るのは理想ですが、並大抵のことではありません。
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