今日から、オートン・ギリンガム講習に参加しています!
アメリカで行われているトレーニングに、週1回半年間、zoomで参加することになりました。
『ディスレクシアだから大丈夫!』にもおすすめとして登場しているオートン・ギリンガム。ずっと気になる存在でした。オンラインで講座を行ってくれるのはコロナ時代のありがたい進化ですね。
備忘録的に、ここに書いていこうと思います!
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オートン・ギリンガム(OG)とは、ディスレクシアを対象とした英語の読み訓練のアプローチです。オートンは(ディスレクシアをアメリカで初めて提唱した眼科医、アナ・ギリンガムはオートンの同志のスーパーティーチャーで、ディスレクシア用の読み訓練をゼロから考案した人です。OGは今でもアメリカのディスレクシア教育の最も有効なアプローチに数えられています。IDAも当初は「オートン・ソサエティ」として出発しました。
私が参加しているのは、Diana Hanbury Kingが創設したKildonan(キルドナン)というディスレクシア専用学校の主催するトレーニング。
学校自体は資金繰りに失敗して2019年に閉校になった(泣)ようですが、創設者の遺志を受け継いで、サマーキャンプと教師訓練だけは続いているようです。
今日は、OGの7つの原則を習いました:
●オートン・ギリンガムの7つの原則
1. 多感覚(視覚・聴覚・運動・触覚)
2. 明示的
3. 言語化して説明する
4. 体系的、順番に積み重ねていく
5. よく観察し、生徒の様子に応じて微調整を加える
6. ルールを網羅的に(?)(cognitive:iのスペル方法はi, i-e, igh, yであると教えること)
7. 生徒の心をくじかない:すでに教えた音素だけを扱って授業をし、生徒が習っていない字を読めない書けないのは教師の責任とする。生徒には明示的に教えたことしか説明させない
・・・教師のとるすべての行動に、これ(ら)が反映されていなくてはならない。
・OGは固定化されたという意味での「プログラム」ではなく、生徒に応じて個別に変更可能なものという意味で「アプローチ」である。
●OGの名教師、ダイアナ・ハンバリー・キング
ディスレクシア教育の祖であるアナ・ギリンガムから直接学び、ディスレクシア教師として多大な影響を与えた故・ダイアナ・ハンバリー・キングの言葉。(部分訳)
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ディスレクシアの生徒に読み方を教えること、特に一対一で教えることは、教えるなかでも最もハードルが高く、最も厳しいものです。
教師はまず、言語について非常に高度な知識を持っていなくてはいけません。英語は非常に複雑な言語であり、その膨大な語彙はゲルマン語、ラテン語、古典ギリシャ語などに由来しており、それによって単語の作りも音も違います。・・・
アナ・ギリンガムはいつも、教師の話し方はクリアでなければならないとの信念を持っていました・・・私はここに、よくコントロールされた心地よい声を、教師の資産として付け加えます。教師の声は楽器であり、常にチューニングされていなくてはいけません。
読書量の豊富な教師だけが、生徒が熱中できるような完璧にちょうど良い本を、どんなレベルの生徒に対しても選ぶスキルがあるのです。教師は文構造と文法を理解しなくてはいけません。
おそらく教師にとって最も重要なのは、観察力です。生徒がしていることを緻密に把握しなくてはいけません。・・・
ディスレクシア脳の仕組み・・・タイミングや区切りの感覚も重要です。・・・教師は創意工夫の心をもって、授業戦略や教材作りに取り組まなくてはなりません。生徒が何かを理解できない方法はさまざまであり、教師はそれを上回る数の説明方法の手札を持っていなくてはなりません。
最後に……最良の教師とは、情熱のある教師です。教えるということ以外に人生を賭けたいことがない人達です。目の前の生徒に完璧に波長を合わせるとき、時がしばし止まります。
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自己紹介で「英語のほうが日本語よりもディスレクシア的にははるかに難しい言語なのだ」と言ったら驚かれました。例によってアジア系の参加者はもじこだけですが(というか、海外組は私だけですが)、日本代表として楽しんできます!
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