ディスレクシア専用英語塾「もじこ塾」のブログです。 ●ディスレクシアとは:知能は普通だが、読み書きが苦手(読み間違いが多い、読むのが遅い、書き間違いが多い、読むと疲れやすい)という脳の特性 ●全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力に長ける ●読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい ●適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される ●10人に1人程度いるというのが通説 ●家族性とされるが、ディスレクシアの表れ方は個人差が大きい もじこ塾は、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要、という立場です。

2022-09-24

フォント・スイッチ・プロジェクトに登場!(1)無料ダウンロード教材について

UDデジタル教科書体の生みの親、(株)モリサワの高田裕美さんに取材を受け、

このたび、フォント・スイッチ・プロジェクトのサイトに記事がアップされました→ 

とても懐かしい取材でした……高田さんと私は長年の戦友なのです。

詳しくは記事を読んでいただくとして、

当ブログには、記事に書ききれなかったことを書いていきます。

今回は、付録であるダウンロード可能な教材について。

これが無料でいいの?!というハイクオリティなものに仕上がりました!!

(教材ダウンロードはこちら→)


★  ★  ★


もじこ塾でもおなじみ「UDデジタル教科書体」。教材の日本語は、すべてこのフォントを使用しています。

そのアルファベット版である「UD Digikyo Latin」(UDデジキョウ・ラテン)が、少し前にリリースされました。

このフォントの良さを、少しでも多くの人に知ってもらうこと・・・

  • フォントを変えることで、生徒の混乱や疲労感を減らすことができる。
  • フォントを変えるだけで読みやすさがだいぶ変わる生徒も、なかにはいる。

が、記事の目的です。


そこで、微力ながらお役に立てるのならと、もじこ塾の代表的教材を、UD Digikyo Latinで提供することに。

教材無料ダウンロードの運びとなりました。


しかも!

単にフォントを変更しただけでなく、内容もパワーアップ!!

高田さんはフォントデザイナー界のトップランナーですが、フォニックスに関しては当たり前ですが専門外で。

そんな彼女の素朴な疑問は、学習者の疑問そのもの。

そのむちゃぶり(笑)に答えることで、いま一番ディスレクシア・フレンドリーなフォントによる、ディスレクシア・フレンドリーなフォニックス教材ができました!

たとえばこちら・・・


◆進化した点、その1:フォニックス表がUD Digikyo Latinで登場!


(このフォニックス表は、こちらからダウンロード可能です→)

これまで公開していたフォニックス表をもとに、フォント面でいろいろ微調整しました。

加えて、いくつかの単語も見直しました。

単語選びはなかなか大変なんです。詳しくはその2で。


改訂作業中・・・





◆進化した点、その2:フラッシュカード登場!

フラッシュカードはフォニックス指導の必須アイテム。
だのに、もじこ塾では、フォニックス表を拡大してプリントアウトし、文字ごとに切ってラミネートしたものをずっと使っていました(苦笑)。

今回、はじめてフラッシュカードを作りました!



とてもあたたかみのある雰囲気!
これはおすすめ!



・・・しかし、大変なのははここから。
高田さんから
「裏面に単語を載せたい。できれば1つではなく複数」という要望が。きゃ~

この単語選びには、とて~も厳しい条件があることは、分かってました。
ディスレクシア的なフォニックスの教え方のルールに従うなら既習の文字しか使えないのです。

既習の文字だけから単語を構成する」は、ディスレクシアにフォニックスを教えるにあたり(本当は非ディスレクシアにと教えるにあたっても)、とても大切なこと。
段階的に教えるためにも、生徒の心をくじかないためにも、必要なことです。

そのうえ、日本で英語を学ぶ小5くらいから中学生に適した単語・・・
子供っぽくない、イメージしやすい、ネガティブでない、できれば知的関心にヒットする、という条件を満たす必要があります。
使える文字に制約があるなかでこの条件もとなると、これがなかなか難しいのです。

今回、既習のに含まれる文字しか使えないというルールのもと、単語を選びました。
そうしてできたのがこちら!



これは親切!!
「satipncke」という字の読み方を教えたら、それらのカードに書かれている単語を読むことができます。  (topだけ間違えて入れてしまいましたが。。)

それ以外にも、単語の配列、音素の数や配列など、工夫がいっぱい。
もじこ塾でのフォニックス指導経験を惜しげなく詰め込みました。
生徒に読ませてみれば、その効果を実感できるはず・・・!

いま日本で流通しているフォニックス教材は、aに対してはapple、oに対してはorangeを使うのが定番です。検定教科書もそうなってます。
しかし、どちらもフォニックスワードではないので、ディスレクシア的には読めません・・・
その部分を改善したという点で、かな~りディスレクシア・フレンドリーです。

ぜひご活用いただきたい!


さらに!なんと!
フラッシュカードがアニメーションに!
近日中に、音声もつける予定です!


(このパワポは、こちらからダウンロードできます→)





◆進化した点、その3:ブレンディングの動画!

フォニックスは、「フォニックス表を覚えればおしまい」ではありません。
教えなければならないことは、他にもいくつかあります。

その一つが「ブレンディング」の指導と練習。
一つひとつの文字をつなげて読むことです。

この部分も、ディスレクシアには明示的に教える必要がありますし、
生徒によっては、ブレンディングができるようになるまで、相当の反復練習が必要です。

そんな「ブレンディング」とは何か。
今回、説明動画を作りました。
高田さんがアニメーションを作ってくれました。
そうそう、こういうことです!ありがとう~~


(音が出ます)


ブレンディングが何かわかったら、フォニックスビンゴで練習しましょう。
リンク先に5パターン用意。6人の教室でそのまま使えます。


使い方も、できるだけ書いてみました。


(印刷用のバージョンは、こちらからダウンロードできます→)


★  ★  ★

高田さん自ら、これらの教材の編集作業を、全部手がけてくれました。
プロのデザイナーの手にかかれるとは、なんとありがたいことでしょう。
こうして、これが無料でいいの?というハイクオリティなものができました!

・・・いいんです。もじこ塾の設立目的は社会変革だから( ̄ー ̄)。

UDフォントの存在、そしてフォニックスの重要性が、ひとりでも多くの英語を教える立場の人に、伝わることを願っています。



高田さんからは
「satipn~という配列には意味があるの?」といったツッコミもありました。
そうですよね。。satipnにはたしかに意味があります。このあたりのことは次回。

記事へのリンク→ 

最後に・・・
フォント・スイッチ・プロジェクトの記事拡散のために、もじこ塾はついにツイッターを始めました!→
よろしくお願いします!

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