on dyslexia

ディスレクシア
(読字障害、読み書き障害、失読症、難読症、学習障害、読み書きのLD)について、調べて分かったこと/実践したこと/英語から訳した文章をアップしています。

ディスレクシアとは:
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​​
知能は普通だが、読み書きが苦手(誤字が多い、読み書きが遅い、読み間違いが多い)。
-勉強しているにもかかわらず、読み書きがなかなかできない状態を指す。知的障害ではなく、普通~ギフテッドのあらゆるIQにみられる。
-
​​
独創的で、​​対人能力が高い。
​​
全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力
に長ける。
- ​音と文字の脳内での結びつきが弱いことから起こるらしい
- ​読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい。その理由は、英語のほうが日本語よりも"音の粒"が小さいから​
- ​細​​​​かい聞き間違いがみられるが、音声情報の処理能力は高い
- エピソード記憶が得意。固有名詞などの細かい丸暗記は苦手
- 適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される-
​ ​
10人に1人程度いるというのが通説
​。アメリカの調査では3人に1人とも
- 家族性であり、遺伝による​。ただしディスレクシアの表れ方は個人差が大きい



当ブログは、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能である、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要--という立場です。


2014-11-25

LD学会に行ってきました

LD学会に行ってきました!

道村先生と漢字カードを売ってきました。
「利用者の声」をお寄せ下さった方々、ありがとうございました。
ビラにして配り、画像はiPadで見られるようにしました。

道村式漢字カード 利用者の声


お買い上げの方に「英語の資料も入れておきますね」と、
地味にジョリーの宣伝もしてみました。
これが予想以上の大反響で、何人かにはLetter Sounds Bookやアプリを見せてデモまでいたしました。その場でアプリを買っていた人もいました。
「漢字の次のハードルは英語だ」という認識は、現場の小学校教員には実はかなり浸透しているようです。
来年(福岡)はジョリーのブースも出しましょう!



道村先生ともじこ

漢字カードに関心を示す小学校の先生(普通学級、通級指導、特別支援学級など)から、現場の話をいろいろ聞けたのが興味深かったです。

なかでも、道村先生が「このカードはLD児の親に渡して下さい。
親も巻き込めば覚えられますよ!!」と熱くプッシュしたときに
「いや~、親を説得するのが一番難しいところで…」
と躊躇していた先生が印象的でした。

当ブログには、「学校の先生に見過ごされてきた」
という不満が多く寄せられますが、
教員側にも「親が家庭学習の重要性について自覚していない」
という不満があるようで。。

☆  ☆  ☆

発表は2つ行ってきました。
うち、「高校で学習障害をどう見抜くか」というシンポジウムでは、
チェックテストが提唱されつつも、
「学習障害が疑われる生徒への具体的な支援策はこれからだ」
との結論でした。

うーむ。
自分の知るディスレクシアな大学受験生のことを考えつつ聞きましたが、
日本の高校において、白昼堂々とした、制度としての支援を、
彼ら彼女らが受けたがるとは、とても思えません。

なにしろ、高校生になると、
自分がディスレクシアだと同級生に言わないのはもちろんのこと、
学校の先生でも分かってくれなさそうな人には黙っている、
さらには親にも黙っている(!)という子も、決して珍しくありません。

同調圧力や受験・就活のプレッシャーの強い日本社会に適応したいと思っている限り、それは当然であり、その思いは尊重されるべきです。



本当は小学校入学時に全員が読み書き能力テストを受けて
ディスレクシアと思しき子を洗い出し、
小学校の最初から学び方の違いを意識した学習を進めるべきでしょう。

でも、そういう制度がない現状で、気付かれないまま高校まで進んだ場合、
日本社会の価値観を考えれば、その後の支援は制度的なものよりも、
もっと水面下での非制度的なものを、高校生は望むと思います。


☆  ☆  ☆


そこで以前、Dyslexic Advantageのウェブセミナーで聞いたことを思い出しました。

いわく、ディスレクシアの子への教育にあたり、
教師に欠かせないのはresilience(レジリエンス)である。
直訳すると「復元力」という意味ですが、ここでは
難しめの課題を与え、「諦めずに何度でもチャレンジしよう
とけしかける姿勢のようです。

それだけ聞くと「はいはい、要は"頑張れ"ということですね」と思いますが、
どうやら「レジリエンス」は、単なる丸投げ的な「頑張れ」とは全く違います。

君が苦労していることはよく分かっている、
いつでも支えるから、ここまで到達してほしい
という、深い共感が大前提にあるようなのです。
このような共感を、empathy(エンパシー)と言うようです。

さらに、「君の能力は社会に正当に評価されなければならない。
そのためにも、変なことを言うやつがいたら、先生が戦ってあげよう。
一方で、いま分からないことがあったら、分かるまで教えてあげよう
という、大局的見地にたった、細かい指導力が求められます。
これを、advocacy(アドボカシー)と言います。

レジリエンス、エンパシー、アドボカシー。
何やらサラダみたいな横文字が並びましたが(笑)、
この3つが前提にない状態で、
「学習障害の子にどのような支援を行うべきか」を議論しても不毛です。

もちろんLD学会でも「この人は分かっている」と感じさせる人もいましたが。
私が接して感じるに、道村先生やジョリーの伝道師・山下先生は、
この3つを持っている偉大な教師です。

☆  ☆  ☆

もう一つ気付いたこと、それはLD学会の会員が、
公立学校の先生、大学の研究者、
そして、研究機関や公立学校に付属する課外指導教室の関係者、
で大半を占めており(少なくとも発表の圧倒的大多数を占める)、
私学教育と民間塾の存在感は非常に薄いということです。

実は日本では私学教育が、LD教育をかなり担っているはずなのですが、
そういう立場からの発表は基本的にはありませんでした。

また、独自の気づき力によって、
小規模でも質の高いLD教育を実践している民間塾は、
おそらく全国にかなりあるはずなのですが、
そういった人たちの発表もほぼ皆無でした。
こういう人たちのノウハウを、ぜひ聞いてみたいのですが・・・・

2 件のコメント:

  1. もじこさん!
    2日間の大会、お疲れさまでした!
    もじこさんのこのパワー、きっと多くの先生方に届いているはず!来年はジョリーフォニックスのブースも出しましょう!
    私も晴れて?LD学会の会員になったので、数年後には多感覚を使ったジョリーフォニックスと子どもたちのフォニックスの習得について発表したいと、ひそかに目論んでいます(笑)。

    もじこさんがおっしゃっている三つの要素「レジリエンス、エンパシー、アドボカシー」はセルフエスティームやトラウマの勉強をしたときに頻繁に登場した言葉です。
    「自分で立ち直る力は誰もが持っている」というのがトラウマで使う言葉なんですが、勉強で躓いてしまう子どもたちにも通ずる部分があると感じていましたが、今回は教師にとって欠かせない要素だということを知り、なるほど・・・といろいろ考えてみました。教師も失敗するんです。これだ!と思って自信満々に子どもに投げかけたにも関わらず、全く役に立たず落ち込むことも多々あるのですが、そこから復活する力がレジリエンスかな~なんて自分では思ったのですが、それともまた違うようですね。おもしろい!
    エンパシーとシンパシーの違いもよく問題に挙げられます。エンパシーは強さが入っているような・・・私はそんなふうにとらえてずっと子どもたちに接してきています。
    子どもたちが私にとっての一番の先生だと感じるのは、きっと子ども・・人間が持っているそうした力を素直に見せてくれるからなのかなと、感じました。

    偉大な教師だなんて・・・ありがとうございます・・・。拝読していてうるうるきてしまいました。私はそんな大したものではありませんが、ラッキーなのが私の師である子どもたちがいつも近くにいてくれ、いろんな問題を投げかけてくれることですね。いつも教えてもらっている立場です。そして、もじこさんのように熱心に学んでいる人と知り合いになり、刺激をいただけること!本当にラッキーです。まだまだ学びたいこともたくさん!

    お話したいことはたくさんありますが、12月のお楽しみにとっておきます。お疲れさまでした。

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  2. いえいえ山下先生はスーパーティーチャーですよ!授業を拝見して、醸し出す空気感の違いからして感銘を受けました…
    その背景にはトラウマ研究でも言われるレジリエンス・エンパシー・アドボカシーがあったとは。我ながら発見でした。

    私が聞いたレジリエンスは、「教師が生徒に対してレジリエンスを要求すべき」というものでした。ある意味日本では「頑張れ!」は当たり前なので、ちょっとびっくりしました。
    一方、日本でエンパシーのある教師は本当に本当に少ないと思います。私事ですが私はこれが昔から強すぎるらしいので、弱めることが課題です(苦笑)。

    ジョリーは、実は2日目しか宣伝しなかったのですが、教材を並べているわけでもないのに反響はすごく大きかったです。みんなLD用の英語教材を探してるんだなと改めて分かりました。
    一方、本のsatやpinを見て「でもこんなの読めるようにならないでしょ!」と言ってぷいっと去って行く人もいましたし(読めるようになるのに~~)、「フォニックス?何それ」そして本を見せた瞬間に「えっ、幼児用教材なの?」という反応もありました・・・・・。もちろんオールイングリッシュであることも人によってはハードルです。アプリの英語の指示が何言っているのかわからない、何をすればいいの?(→これは道村先生)という反応からは、教師用に日本語が出るようにすべきかもと思ったり。ジョリーのセミナーに足を運ぶ熱心な利用者とは違う層に、どう訴えかけていくかが課題と知りました。。

    12月にお目にかかるのを楽しみにしています!

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