on dyslexia

ディスレクシア
(読字障害、読み書き障害、失読症、難読症、学習障害、読み書きのLD)について、調べて分かったこと/実践したこと/英語から訳した文章をアップしています。

ディスレクシアとは:
- 
知能は普通だが、読み書きが苦手(誤字が多い、読み書きが遅い、読み間違いが多い)
- 独創的で、対人能力が高い。空間把握力、全体像や物事の関係性を把握する能力に長ける。
- 音と文字の脳内での結びつきが弱いことから起こるらしい
- 読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい
- 細かい聞き間違いがみられるが、音声情報の処理能力は高い
- エピソード記憶が得意。固有名詞などの細かい丸暗記は苦手
- 適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される
- 10人に1人程度いるというのが通説

当ブログは、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能である、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要--という立場です。


2016-09-21

「読み書き困難の子への英語の教え方をシェアする指導者の会」第2回を行いました。

さる9/13に、
「読み書き困難の子への英語の教え方をシェアする指導者の会」の
第2回を行いました。

Maru先生(お教室のHP→)と、保護者の方、2名が発表を行いました。
ありがとうございました!

保護者の方からは、
「アナリティック・フォニックスが致命的なのは(会場笑)、
ダイグラフがまったく入らないこと」
「フォニックスの前に、英語の絵本や音をたくさん聞いていたのが役立った」
という、大変鋭い指摘がありました。

当日出た教材につきまして、以下のフィードバックを頂きました。
I.Y.さん、ありがとうございます:
・verb allは「ジャスト・フォー・キッズ→」というWeb Shopで購入可能。
・マージャンゲームは、「英語と子ども ブログ」で検索すると、トップにヒットするブログの先生に、メールで連絡すると、購入方法を教えてくれます。

この会は、分かっていないことだらけのディスレクシア英語指導について、
うまくいった方法/いかなかった方法を出し合い、シェアしたい、
という意見が講師数名から出て、
まずはできることからと立ち上がったものです。

今回、Maru先生→が、英語に困難を抱えている子への指導にあたり、
講師に必要と思うこと/保護者に必要なことを、まとめて下さりました。
ぜひとも広まるべき内容だと思いますので、以下、許可を得て転載いたします。
(→以下はもじこのコメントです)

☆  ☆  ☆


講師側に必要と思われること

・生徒を日々良く観察すること。英語力だけではなく、性格、長所、短所、どういった事に気分が左右されるのか、他の学力面がどうかなど、観察し全てを書き出して客観的に見てみること。
「観察」。私はこれをエンパシーと呼んでいます。
実に、ディスレクシア指導の(本当はすべての英語指導の)出発点です。

・その子供の優位性はなにか(聴覚・視覚・エピソードなど)のだいたいの見当をつけること。逆に弱い箇所も探してみること。

・保護者とのコミュニケーションを密にとること。親御さんの抱えている悩みも聞くこと。
私の弱い部分(苦笑)。言い訳させてもらうと、そろそろ~入試までは延々と18歳の人生相談が続くようなわたくしの授業スタイルの場合、親御さんの悩みまで真剣に抱えるといろんなことが立ちゆかなくて。。。

・必要であればその子供を既存のクラスから離すことも視野に入れること。
つまり、ディスレクシアだと分かったら、個別指導を検討すべきとのこと。Maru先生のここの部分のエピソードは圧巻でした。必要だと思った指導はすべてするという熱いコミットメント。

・子供に「全て」や「完璧」を求めないこと。総合的に考えてあまり重要ではないところや、捨てられると判断できるところは捨てること。

・間違いを全て指摘するようなことはしないこと。間違えていても「サラッと」流せるようにすること。
→120%同意。受験指導さらには学校教育で最も欠けているものの、どちらにおいても必要なことです。

・自身の信じるべき教授法は持つべきだが、決してそれに固執しないこと。

・その子供に適した「これだ!」という方法に巡り合うまではあの手、この手でやっていくこと。

・以前成功した方法でも今回は適さないかもしれない、という事を忘れないこと。「万能な方法はない」と肝に命じること。
3点には激しく同意するとともに、Maru先生の誠実さを感じました。「きみにはこれが効くと思う」という信念も必要ですが、効果が薄かったら(その可能性も低くない)すぐに別を試す勇気と研究心も必要です。

・クラス内に「間違えてもよい」「間違える事は恥ずかしくない」「全員が得意・不得意がある」という雰囲気を作り上げること。
この部分のMaru先生の話も圧巻でした。「間違いを批判する空気にだけは毅然とNoと言う」という、断固としたものを感じました。かっこよかったです!

・使えるものはなんでも使うこと。

・品詞はしっかりと教えること。
     →もじこ塾夏期講習でつくづく実感したことのひとつ。学習指導要領がアンチ文法に傾いているからこそ、またディスレクシアの子には文法なら理解しやすいからこそ、品詞や文法の知識はしっかり(でも文法用語を教えることが最終目的にならないようにしながら)、教えることが不可欠です。

・適度にテキトーが役に立つ事がある
→Maru先生はこの項目だけ小さく書いていましたが、これは「子供に完璧を求めない」という上の項目に通じる、とても重要なポイントだと思います。


保護者の方が心に留めておいたらどうかと思うこと:

・親御さんの精神的および物理的サポートは必要であるが、親が子に教える場合は適度な距離感や冷静さを保つことが難しいこともある。その際は「外部で教えてもらう」という選択肢を選んだほうが良いこともある。
→この部分には、Maru先生から、以下を追記してほしいとの依頼を受けました。
大事な内容ですので、メールを転載いたします:
「お教室がどのような形態なのか、先生はマニュアルに沿って教えているのかどうか、先生の自己裁量の自由度がどれくらいあるのか、などを見極める必要があります()困難をお持ちのお子さんがお教室を選ばれる場合は先生の指導力以外にも、どれだけそのお子さんに沿った内容の指導が出来、また授業内容をその子の上達具合に応じて臨機応変に変えられるかがとても大切で、結果お子さんの成長に大きく左右するのではないか()やはり外部のお教室を探すにしても親御さんがリサーチする手間は必要になってきますし、大切だと思います」。
もじこのように、予備校でテキストを使わない講師もいます^^

・子供との関係性にもよるが、フォニックスなど親のサポートが大きな助けとなることがある(家での復習など)

・特に何度繰り返しても覚えられない場合は家で「ちょこちょこ」行うのが有効な時もある(勉強という形ではなく)
→ほんとそうですね。現在うちではyoutubeを見たりアイスを食べたりする前に、不規則動詞変化に答えるという関門があります()

・学校がどこまで協力的か非協力的かを冷静に見極める。その中で出来ることを探してみる。

・英語塾などに行っている場合は講師にざっくばらんに相談をしてみる。家では気付かない箇所を講師が把握している場合もある


・焦らない。完璧を求めない。今、この目の前よりは年後を見据えて、基礎(や土台)作りをおろそかにしない(急がば回れ、的な感じ)
      →「その子の将来の姿を想像すること」。
       これは、当ブログに連絡を下さった方第1号が私に教えてくれた、もじこ塾最大の指針です。

☆  ☆  ☆

次回は1/24(火)に行います。
12月頭にはこちら→で募集を開始する予定ですので、ふるってご参加下さい。

「お互いの指導をシェアするという目的はわかりますが、基本的な共通認識(知識)は確認したほうがよいと思う。Constructive Criticismに慣れていない日本では、シェアリングだけで終わり改良にまで結びつけるのは難しいのでは」
「紹介された教材を使ってみる会を行ってほしい」
などの声をいただきました。
確かに・・・場所は手配しますので、どなたか主催して下さい!


3 件のコメント:

  1. アブダビ在住です。中学からこちらに来た息子が、英語の困難に遭遇して、ディスレクシシアが分かりました。ちょうどこちらの書店で、Jolly Phonicsの教材がまとめて売り出されていたので、それをパソコンで自学習できるように作り直しました。要するに文字、あるいは綴りの部分をフラッシュカードのように見せて、そこからクリックすると対応する音が聞こえるようにしたものです。後で息子に聞くと、英語を始めた当初は、アルファベットは全く「文字」に見えなかったそうです。それが、音ー綴りの対応を何度も聞いているうちに、感じ方が変わったと言います。ある日、彼が身の回りにある英語の単語を見て、「フォフォ・・・」とか読み始め、多少の助けを得ながら読むようになりました。その時点から「文字」と認識し始めたと言っています。全く彼一人で、音付きフラッシュカードを、パソコンでやっていただけなのですが。本当に人間の認知システムというのは、不思議なものだと思います。けれど、適切な方法をとればいいということが分かります。でも裏返せば、柔軟に対応できない先生は、息子のような子供に何の益もない苦役を与えているだけだということ(うちもそうでした)、知ってほしいものだと思います。もじこさんには、ご連絡さしあげて、お世話になりました。こんなところで、一部を報告させていただきます。

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  2. すばらしい公開報告をありがとうございます。まさに、「読めば読むほど脳は変わる。たとえディスレクシアであっても」ですね。

    今もじこ塾で見ている生徒にも、息子さんとほぼ同じ状況のお子さんがいます。その子は最初「英語の字は大きなかたまりに見える。(語と語の)間も見えない」「何と読むのかまったく分からない」「thisとthatの区別を発見するのに1年かかった」と豪語していた(自分の認知を言語化する能力はとても高い)のですが、ジョリーを教えたら「ああ!そういうことか・・・」と、少しずつ、1文字ずつに音が結びつき始めたようです。毎回、相当苦しみながらですが、少しずつ字を読んでいます(ちなみに、読字の練習にはToe by Toeという本を使っています)。そして、学習曲線の角度はだんだん急になっていくようです。彼は16歳なのですが、はじめて英語の字に出会って驚いている3歳児のような、初々しい感動が毎回あります。

    それにしても、ジョリーをご自身で改変したパソコンソフト、ぜひ一度拝見したいです!大好きなUAEまで見に行きたいくらいです(笑)

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  3. ありがとうございます。ソフトと言っても、要するにプレゼンテーションで使うものを使っただけです。一般には PowerPointですが、私は使いやすいの Apple の Keynote を使っています。非常にシンプルで、まず当該の文字が、大きく出て、例えば"a"。見る人がクリックすると、Jolly PhのDVD映像の一部の発音している動画が映り、音声も聞こえるというものです。その他の単語のところでは、web上にある英語辞書の音声ファイルをダウンロードしてきて、それを組み込み、文字の後にクリックで音が出る・・・そういう単純なものです。繰り返しやる時に、後の方では先に音が出て、あとから文字が出るなど、順番を変えてみました。やはり、どう見ても文字と音が出てこないとだめのようなので、ダウンロードできる音声ファイルを探しました。まあ購入したDVDの動画、音声を抜き取って使うのは、自分の使用範囲ならいいのかな・・・・という感じです。
    プレゼンスライドのソフトは、フラッシュカードとしても十分使用可能で、音声、動画にも対応しますので、うまく使えばおもしろいと思います。何らかの方法で、見ていただけるようにと思います。

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