ディスレクシア専用英語塾「もじこ塾」のブログです。 ●ディスレクシアとは:知能は普通だが、読み書きが苦手(読み間違いが多い、読むのが遅い、書き間違いが多い、読むと疲れやすい)という脳の特性 ●全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力に長ける ●読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい ●適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される ●10人に1人程度いるというのが通説 ●家族性とされるが、ディスレクシアの表れ方は個人差が大きい もじこ塾は、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要、という立場です。

2016-05-21

「カード」をめぐる2つの特別セミナーを行います!

すでにこちら→★でお知らせしておりますが、
「カード」に関する2つの特別セミナーを行います。

5/25(水):特別セミナー「ディスレクシアでも漢字が覚えられる!道村式漢字カードの活用法」

5/25(水)は、当ブログでも取り上げてきた道村静江先生をお迎えして
「道村式漢字カード」の使い方を、たっぷりとお話し頂きます。
教室で子どもに教える実演も行って頂きます。
質疑応答の時間も十分にとって、
読み書きが苦手な子に道村式漢字カードを使って漢字を教える方法について
議論する予定です。


道村式漢字カードについてはこちら→★
漢字を、部品に分けて唱えることで、"書かずに"覚えるカードです。

私は、道村式カードの販売のお手伝いをさせて頂いた折に
先生がカードを使って教える様子を少しだけ拝見しましたが、
聞き手をぐいぐい引き込む力は、すごいものがあります。
のせられるままに言い、気がついたら書けていた…という感じです。

また、カードに書かれていないこと(字の成り立ち、部首の意味など)も
先生はもちろんご存知で、それらも上手に使いながら漢字を紹介していきます。

いま、ディスレクシアなお子さんの漢字指導に苦労されている方、
道村先生が実際に教える様子をご覧になったら、
きっと漢字の家庭学習の方法について、何かヒントを得られると思います。

道村先生は保護者向けにこうしたセミナーを行うのは初めてとのこと。
ふるってご参加下さい!
お申し込みはこちら→★


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6/7(火):特別セミナー「読み書き困難を抱える子どものための、BBカードの使い方」

6/7(火)には、BBカードの開発者、難波悦子先生をお迎えして、
「BBカード」の使い方を、こちらもたっぷりとお話し頂きます。
こちらも実演があります。
質疑応答では、BBカードをディスレクシア英語教育に活用する方法について
議論する予定です。

BBカードは、私自身がいま消化している最中です。
「全体から部分」の順に教わることを好むディスレクシアの子にとって
特に小学生の頃に英語を学ぶのに適してるのではと思っています。

BBカードの特徴は、難波先生いわく、"教えない"こと。
教えない=「すでに知っていることをベースに気付かせる」ことだそうですが
これが深い。。ディスレクシア英語教育のヒントだと思っています。

難波先生も、非常にテンポよく、速いくらいの調子で進めていきます。
ビンゴをしているうちに、子どもに呪文のように基本例文を定着させ、
それをベースにして、文法も教える気付かせていきます。

こちらもふるってご参加下さい!→★

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私自身も、この2つの特別セミナーからいろんな手がかりが得られる予感がして
2人の先生方のお話が、今からとても楽しみです!

面白いと思うのは、子供に適した教え方を模索しているうちに
両先生とも「カード」という形式に行き着いたこと。
しかし、カードに書いているのは、日本語は漢字、英語は例文であること。
「最も効果的に応用できることばの最小単位が、日本語と英語では違う」
ことを、表しているのでしょう。

両先生とも、とてもパワフルです。
道村先生は60代(!)、難波先生は80歳(!!)ですが、年齢を超越しており
話し始めるとパワーがどんどん出てきて止まらないのも共通しています。
「ディスレクシアのことは数年前まで知らなかったけれど、
言われてみればそういう子は確かにいた・・・」
と振り返っておられる点まで、共通しています。

子どもを観察する力がものすごく高く、
さらには、それを教材やメソッドにまで持って行ける力をお持ちの
偉大な先達のオーラに、ぜひこの機会に触れて頂きたいです!!





2016-05-16

第1回「読み書き困難の子への英語の教え方をシェアする指導者の会」を行いました。

先日、「読み書き困難の子への英語の教え方をシェアする指導者の会」
の第1回を行いました。
お越し下さった方、ありがとうございました。
不手際も多く、また、一人一人にきちんとご挨拶できず、
申し訳ありませんでした。

この会は、3月のUD研究会の終了後、参加者同士で話しているなかで
「英語講師と、こういう話をする機会はなかなかない。
こういう場を定期的に持てないだろうか」
という声があがって、立ち上げたものです。
ありがたいご高説を学ぶというよりも、
発表者の議論を出発点にして参加者で議論し、
ディスレクシアや発達障害の子にやさしい(=すべての子にやさしい)
英語教育を模索していこうという主旨の会です。

今回は、勉強したいという保護者の方も、全体の4分の1ほど来られました。
私自身、これまでいろんな研究会や学会に潜入してきて
「お母さん必死ですね( ´,_ゝ`)プッ」という目には何度も遭っているので
熱心な保護者をできれば排除したくないのです。
この業界、専門職の保護者(教師、医師、薬剤師など)が不思議と多いですし、
そうでなくても、力のある保護者は、教える側に働きかける力を持っています。

保護者の方には、
「"自分の子をどうにかしたい"を超えた所で、積極的な発言をお願いします」
と申しました。

集まった指導者の方も、保護者との協力は不可欠というスタンスでした。
率直で建設的な議論ができたことを、嬉しく思います。

「さらに具体的な教え方のノウハウを知りたい」という声もありました。
次に発表する方々、よろしくお願いしますね~
(次回は9月上旬に行います。詳細は後日告知します)

記憶に残っている主なことばをご紹介します。

◆「グレーゾーンの子」の存在。
記念すべき最初の発表は、大手の英語教室で児童英語講師をされている方。
「発達障害ではないか」と未就学段階で気付いた子に、
親に言うことなく、どう対処したか/対処できなかったかという話でした。

私も予備校で、本人にさえ「キミはディスレクシアだね」などとは言わずに
対応を変えているので、よく分かります。
こうした話は、実践報告や学会の研究発表では、表に出てきづらいものです。
それだけに「グレーゾーンの子に、それと指摘せずに配慮する」
という教師側の心構えは、大事と思いました。


以下は、私が話したことです。

◆ジョリーをアレンジすること
ジョリーフォニックスは、現地の未就学児~を対象に作られたパッケージ。
日本のディスレクシア中学生に使う場合は、アレンジしたほうが効果的。

ディスレクシアであっても、年齢が上がるほど、1回にできる量が多くなる。
中2なら1回に10字程度、高校生なら20字以上。
一覧を使って全体像を見せるべき(「英語の字はたったこれだけだよ」と)。

生徒に刺さる多感覚も、幼児と中学生では変わってくるのは当然。

例えばアクションは、うちの実験台(小5男ディスレクシア)には徹底的に教え、
つい最近までスペルが分からないときはアクションをヒントにしていたが、
中1で「アクションは子供っぽくて恥ずかしい」と言う子もいる。
ませてくる年頃になると、アクションは難しくなるらしい
(「左脳で英語を学ぶようになる頃が境界線」と指摘を頂きました)。

もじこ塾春期講習では、
「教師の発音と、生徒の発音を、交互にiPadで録画したもの」を作り、
それを再生して言えるようにすることを、宿題にした。
自分の声を自分で聞くことは、記憶定着効果が抜群な多感覚。
また、教師の発音と生徒の発音が交互に入っているのを聞くことで、
修正しやすいという効果もある。

◆日本のディスレクシア中学生とフォニックス
海外ではフォニックス不要論もあるようだが、
それは、母語として英語を使っている環境での主張であることを認識すべき。
また、フォニックスにはアナリティック
(←現在日本のフォニックス最大派閥である松香式はこちら)
と、後発のシンセティック(←ジョリーはこちら)の2種類がある。
フォニックスの議論をするときは、
どちらのフォニックスの話をしているのか、注意する必要がある。

外国語として英語を学ぶ場合、音と文字の対応
(アルファベットの各文字を、どのような音に対応しているか)を教えるべき。
特に、ディスレクシアだと、音と文字の対応に自力で気付けないので、
教える必要がある。

フォニックスは英語学習の長いはしごの、最初の1段にすぎない。
フォニックス後も、おそらくは大学受験の英語まで、
ディスレクシアには普通とは異なるアプローチが必要になる。
しかしながら、thisをなんと読むか、
中3の1月まで分からないディスレクシアもいるほどなのだから、
ディスレクシア的にはフォニックスは不可欠。


◆聞く→話す→読む→書く




日本にいる普通の人(非ディスレクシア)の英語力は、
「読む」力が一番大きく、
それとほぼ同じくらい、「書く」力があり(※単なる書字能力)
それから一回り小さく「聞く」力があり、
さらに二回りくらい小さな「話す」能力がある。

教育方法としても、「読む」の円を大きくすることに主眼がおかれている。
字が得意な子は、「読む」から外国語に入ることができ、
「読む」が大きくなると、「書く」もおのずと大きくなる。

だが、ディスレクシアの英語力は、「聞く」が一番大きく、
それとほぼ同じくらい「話す」能力がある。
その半分くらいの大きさの「読む」円があり、
そのさらに2割くらいの大きさの「書く」円がある。

ディスレクシア英語教育は、大きい円から順にアプローチすべき。
つまり、「聞く」→「話す」→「読む」→「書く」の順に。
1)「聞く→話す」で文法力をどこまで伸ばせるか
2) 「話す」力に、「読む」力をどこまで近づけられるか
3)「読む」力に、「書く」力をどこまで近づけられるか
が、ポイントになる。

なお、「聞く」ときも、文字を見せながら。
文字を見せながら読んであげるのが「聞く」、
文字を自力で読んでもらうのが「読む」こと。

#という話をしたところ、
#「外国に行ったときの英語の学び方は、右ですよね」
#「四技能の学習方法は右であるべきだ」
#「右の円の外側に、「英語を遊ぶ」という円を描きたい(=モチベーションの円ですね)」
#などの感想を頂きました。

◆bとdは、ディスレクシア的には最後まで鬼門
「bとdの区別をどう教えるか」という話が出ました。
ベッドの絵を描くとか、ボールとバットのアクションとか、色々出ましたが、
予備校講師的には、bとdは、ディスレクシアなら最後の最後まで間違う
と言いたい!

butとdotを、年間で5回も読み間違えて、
読解に詰まって気絶しそうになったり、設問を間違えて頭を抱えたりして、
それでもW大に合格したりするのが、ディスレクシアです。

「bとdの区別ができなかったら、先に進めないよ!」
と、bとdだけの猛特訓をするのではなく、
何度でも、さらっと「あ、これbutだよ」と指摘するにとどめる
(↑こちらのテンションはできるだけ地味に。大げさに指摘しない、笑わない)
ほうが、この件に関しては効果的だと思ってます。

2016-05-11

大人ディスレクシアから教えられる「信じて待つ度量」

大人ディスレクシアのお話は、いつも含蓄に富んでいて、
重いテーマをもらうことが多いです。
これまでも何人か、そういった方とお話しする機会がありましたが、
どの方も話が深すぎて、考えこむうちに文章化できずじまいでした
(該当者の方にはこの場を借りてお詫びを)。
なので、今回はまとまらないなりに、書いておきます。

~~~

その方は奇しくも私と同学年で、出身地も同じ(横浜)。
今は妻子もあり、会社を経営しておられる、ディスレクシアです。
これまでの人生を、ご本人の口から聞くことができました。
一言でまとめれば「同期にこんなに波瀾万丈な人がいるとは!」
私とはまったく違う人生を送ってきた方と、
ディスレクシアという共通項でつながる不思議。
そして、やんちゃな半面、一言一言に含蓄がある方です。

多くを語りませんでしたが、小学校ではバカ扱いされ、
相当ひどい目にあったようです
(「今でも小学校の先生に会ったら殴れる」とのこと(- -;))
中学ではついに非行に走るも、
高校で良い先生との出会いがあり、更正したそうです。

これを聞いて、私が小学校の頃にバカ扱いされていた人を思い出しました。
クラスに何人か、漢字テストを何回受けてもほぼ0点という人がいました。
先生にも生徒にもバカにされていましたが、
思えば、その人たちのかなりの部分は、ディスレクシアだったのでしょう。

私は、字が人一倍得意というだけで、なんと過大評価されてきたことよ…
と申し訳なさでいっぱいになりました。
もじこ塾は、"若い頃、鼻持ちならないやつで、ごめんなさい"
という懺悔企画なのかもしれません。

☆ ☆ ☆

その方は、その後も波瀾万丈。
いわゆる、普通に大学を出て就職して、、という人生ではありません。
また、詳しくは控えますが、人より事件や事故に多く遭遇しています。
(事件はともかく、事故はもしかしてディスレクシア的なのかも?)

正義漢でもあります。
「自分は人の言うことを聞かない。親の言うことも聞かない。
仲間を守るために、上の人にたてついてしまう」と繰り返し言っていました。

私の仮説ですが・・・
ある種のディスレクシアは、弱者に寄り添う能力を持ち、
我が身を省みず権威にたてつくようになるようですが(周囲に事例複数あり)
この方もそのタイプとお見受けしました。

☆ ☆ ☆

いま、人を採用する立場になられて、
「中卒や高校中退の子のほうが、営業もうまいし、ちゃんと働いてくれる。
一流大学卒の人たちが、仕事が出来るとは限らない」
と言い切っていましたが、その半面、
「自分が若い頃のほうが、勢いで仕事につけた。今のほうが難しいかも」とも。

この言葉は重いです。
私自身は、子のおかげで、学歴信仰から抜け出すことができました。
「子がディスレクシアで最もよかった点」の一つと思っています。
無駄に学歴だけはある者(笑)にとって、
このピラミッドから外れたところにも多彩な能力があるし、
違う道もあるんだと分かったことは、本当に大きいことでした。

しかし、この方は、"違う道"を歩いてきたにもかかわらず、
「今の日本では、"違う道"を歩くのは、20年前よりも難しくなっている」
と言っているのです。
う~む・・・そうですか・・・これは重いです。

☆ ☆ ☆

この方も、お子さんが学校でディスレクシアだと指摘されたのをきっかけに、
自分もディスレクシアだと気付きました。
それまでは字が苦手なのも、人の顔や名前が覚えられないことも、
英語ができないことも、"性格"だと思っていたそうです。

これも多くは語れないのですが・・・
そこには、小説のように美しい、ディスレクシアな父子関係がありました。

「息子は、時間を守ること、あいさつ、敬語、人づきあいが
きちんとできればいいと思っている。
彼はそれを身に着けつつあるので良かった。」

「もうちょっと成長すれば、人の痛みが分かるようになるだろう。
読めないことで、彼はそれを早くに知ることができる」

。゜。゜(ノД`)゜。゜。
こういう指摘って、なかなか母親からは出てこないですよね。

☆ ☆ ☆

「ディスレクシアは治るんですか?」
と、ストレートに聞かれました。
この問いには目が点になりました(゜Д゜)
だって、ご自身の今のご活躍されている様子が、答えそのものなのに!

無粋ですが、もうちょっと説明してみると、
「ディスレクシア的な性質は、一生続く。
それを持ち味として生かし切ることで、社会人として問題なくやっていける。
読み書きの苦手は、日本語はまあカバーできる。英語は大変だけど…」
まとめると、治るというよりは
「得意を発展させることで、苦手が覆い隠される」ということらしいです。

(この方は、現在は、日本語は特に問題なく読み書きできるようです。
カタカナだけ、若干あやしいようです。
マンガで字を覚えた、親が厳しかったとも言っていました。)

☆ ☆ ☆

経営者としての発言からは、かずかずの修羅場をくぐった深さを感じました。
そこから、
「ディスレクシアは、学習面では、完成形に達するまでに普通より時間がかかる。
だが、意識を高く持って、時間をかければ、いずれは到達点に達し、
しかも、到達したときには、普通の人以上に深い洞察を得る」
という「ディスレクシア=遅咲き」説を改めて確認しました。

この方も、15や18のときの、テストの結果はどん底だったでしょう。
20代でも、上司に啖呵切って会社をやめたりして、周りをはらはらさせていたかもしれません。
でも、40代も半ばにもなると、同年代の安穏と過ごしてきた人よりも、一つひとつの指摘が深いのです。


お話ししていて、「ディスレクシアな子の力を信じて待つ度量が必要なんだ」
と、改めて感じました。
読み書きの訓練はこつこつ続けるべきですが、
「遅咲きなんだからゆっくり行こう」と、ど~んと構えることも
ディスレクシアの子には同じくらい必要なのです。
(学校だと、どうしても、すぐに結果を出すことが求められますが…)

~~~

そのほかでは、
・同い年で、同じ横浜にいたのに、見ているものがだいぶ違う!
80年代の中華街や本牧、寿町がいかに怖かったかを話して下さいましたが、
そういうことを高校生で実体験しているなんて・・・
私ときたら、サーティーワンに行ったらすごく寄り道したと思うような、
超~まじめなガリ勉高校生でした(苦笑) なんかくやしい。
これも、字が読めることがもたらす損でしょうか。

・味覚と嗅覚がとても敏感だそうです。
(私はなぜか、そういうディスレクシアによく遭遇します)
しかも、おいしいものを食べたら、自力でほぼ再現できるのだそう。

・人が話している声を聞くと、人が話している映像が思い浮かび、
そこから意味を理解する(??!)そうです。
声を聞いても、文字は浮かばないようです。
(もしかして、声を聞いて文字が浮かぶのは、私だけでしょうか?)

・「障害と言われて一人だけ違う扱いを受けるくらいなら、
バカと言われるほうがまし。
学校に負い目は作りたくない。きっと息子もそう思ってるはず」
・・・はい、うちの子もそう言ってます。
学校に何を求めていくかについて、難しさを感じました。

2016-05-05

【翻訳】ディスレクシアへの音楽指導

1年ほど前に、
「楽譜が読めない生徒がいます。実はディスレクシアなのかもしれません。
このような生徒に、どうやってピアノを教えたらよいでしょう?」
という質問を頂きました。
その方のために訳したものを、以下に紹介しておきます:

Music and Dyslexia: A Positive Approach
(音楽とディスレクシア:ポジティブなアプローチ)より

・ディスレクシアの子にピアノを教える際に、一番やってはいけないのは、
楽譜を読んで音名なり階名なりを言わせること

・音符と体の感覚を直接結びつけさせるとよい。
例:ピアノの正面に立ち、両手を脇にだらんとたらした状態から、
ピアノの上に一番自然な状態で置いたときの音を「ホームポジション」として、
五線の上の音符と結びつける。

・少し覚えたら・・・
床にガムテープを貼って巨大な五線をつくり、音を聞かせて、
生徒には自分が五線紙の上の音符になったつもりで移動してもらう

要は、多感覚的に楽譜という記号と音を結びつけ、
その際、階名や音名はディスレクシアにはさらなる負担になるので介在させない。

~ ~ ~

上を訳したときに、当ブログにもいっとき多数登場した
コスモ君(→水を得た魚のように音楽に夢中)のお母様に意見を求めました:
ヘ音記号の音符は覚えて下さいと言っています。覚えやすいそうです。耳コピが得意なので耳でも取ってますが、中級以上は楽譜が複雑になり、音符を読んでると言うか確認しているようです。
楽典も習ったので、調の違い、隣り合う音の関係性などの理屈を
解っているのも助けているように思います。
「音楽を好きならそのうちに読めるようになる、諦めないで」とのことです。

改めて読むと、英語の学習方法とまったく同じですね。
多感覚、聞く→言う(弾く)→読む、文法(楽典)が役に立つ、
そしてモチベーションが原動力になることなど…

----------------------------------

話が低俗になりますが、子(中2、楽譜読めない)の最近のマイブームは
ゲーセンでの太鼓の達人です。myバチまで持ってます。
また、今頃になって日本語の韻が気になるようで、ラップで返事をしようとします。
彼にとっては、ことばはまず「リズム」のようです。
「話す」と「歌う」、「しゃべり」と「ビート」が地続きです。

しかし、ディスレクシアといっても全員がそうというわけでもないようで、
上のコスモ君は「僕はタイタツ(太鼓の達人)はま~ったくできませんよ」
と言い、実際できませんでした。。

~ ~ ~

Dyslexic Advantageの有料メルマガに、最近、
音楽とディスレクシアの記事があったので訳しました。
以下の話は、「ディスレクシアはリズムを把握するのが難しい」
つまりコスモ君タイプがディスレクシアの王道と言っているように見えます・・・


音楽とディスレクシア
多くのディスレクシアの音楽家にとっての大きなハードルは、楽譜を読むことである。
ほとんどのディスレクシアの音楽家は、読譜ではなく、耳で拾って演奏することを好む。1990年代の研究によると、ディスレクシアの音楽家が直面する主な困難は

・楽譜を読むこと
・スピードを処理すること
・左右を区別すること
・時間(time)とリズム
・音符やフレーズをシークエンスにすること(sequencing notes or phrases)
・なめらかに演奏すること
・暗譜をもとに演奏すること
・位置を把握すること(keeping place)
・集中すること

ディスレクシアが音楽を学ぶための戦略
1. まず行う、そのあと話し合う(スズキ、コダーイ)。
2. 弾こうとする前に、まず録音を聞く。
3. タイミング?(time)とリズムは別々に伸ばす。
4. 音楽用語の意味をはっきりさせる。
5. その子に適した楽器を選ぶ。
6. 体の使い方を意識する。最初はゆっくり演奏して、指使いを覚える。それからだんだんスピードをあげていく。さまざまなスピードで演奏してみる。
7. 音階(scales)を学ぶ。音楽のパッセージを体で感じ、もう一度それを見たときに「あれだ」と分かるように。
8. できれば、理解ある先生と一対一で練習する時間を持つ。
9. 弾きたい曲の名演奏を聞く。
10. 自分の進歩を前向きにとらえる。
11. リズムを体にしみこませて覚える。太ももや腹をたたいて、パッセージの感覚をつかむ(クラシックの場合でも)。
12. シンプルなパーツから始め、だんだん加えていき、スピードをあげる。
13. 1曲を学ぶときは、少しずつに分けて。音楽家のなかには、短いフレーズを聞いては演奏することを繰り返しながら、次第に1曲全体をマスターする人もいる。
14. 作曲にはMIDIキーボードを使う。


2016-04-29

お礼+感謝企画のお知らせ

もじこ塾保護者向け勉強会の動画をご覧下さり、ご寄付を下さった皆様、
心から感謝しております。ありがとうございます。
お一人お一人にお礼を申し上げるべきところ、このような形で失礼いたします。
ディスレクシア英語教育をより一層普及させるべきの皆様のお気持ち、
しっかりと受け止めました。

ここをご覧で、
「自分はディスレクシアだと思うけど、親にはとても言えない/
いくら言っても聞く耳を持たない」とお悩みの受験生がいたら、ご一報下さい。

4月中に、春期講習のご感想、保護者勉強会のご感想、
動画を見てのご指摘、ご質問など、本当にいろいろ頂いております。
ありがとうございます。
お返事が間に合っておらず、大変申し訳ありません。
少しずつ、ここでの記事の形で、または直接返信していきますので、
どうかいましばらくお待ち下さい。


感謝企画につきまして。
5/7(土)の13:00~17:00(ご都合によってはその前後も)、
都心で無料学習相談会を行います。
(中1ショック対策会を行おうと思って会場をおさえたのですが、
諸般の事情から中止しました)
もじこ塾の対象年齢以外の方、特に英語に困っている大人ディスレクシアの方で
この機会にディスレクシア的な学習相談のある方、ぜひお越し下さい。
もちろん、中1ショック対策をご希望の方も歓迎します。
詳しくはこちら→★

また、週明けには特別セミナーの告知ができる予定です!
ぜひご覧下さい。


2016-04-17

もじこ塾勉強会Vol.1、終了しました。

4/14、「もじこ塾春期講習を振り返って」と題して、保護者向け勉強会を行いました。
お越し下さった方、ありがとうございました。
当日頂いた感想をご紹介します:

◆お話を聞いて、なるほどなと思う勉強法や教えが知れて、とても参考になりました。
今まではとりあえず書いて書いて書いて、ひたすら書いて、むりやり英文法や単語を覚えていましたが、これからは「聞く、言う、読む、書く」の順で勉強していこうと思いました。

◆信頼関係を築くこと、モチベーションに訴えることの大切さがよくわかりました。

◆私が自分のやり方を押しつけていたところがあると気づき反省。まずは森を見せるというところを大事にしたいです。ちょっとあせり過ぎていたかもしれません。そのせいで英語に対する苦手意識をつくってしまったのかも。あせらず、息子に合わせてやっていきたいです。いろいろやらせ過ぎにも気をつけようと思います。

◆子供自身がモチベーションを持てるような環境を、親がさり気なく創り出すことの大切さについて強調されていたのが、とても感銘を受けました。
全てのお子さんに大切なことだと思います!!!

◆現在、家で実践している勉強のしかたが、大まかに正解だったと確認できました
(聞く、言うに重点をおいている点)
この悩みを持っている親御さんの話を聞くことができたことも、これから頑張っていく力になりました。

◆モチベーションの話は、まさにうちの子。核心をつかれた(それも一番痛いところ)な気がします。無理強いはダメ、「やだ。」と言ったら「ふ~ん。」と言うしかないと肝に銘じておきます。
学校へのお願いの仕方、大変参考になりました。
「セルフアドボカシー」できるように、本人に君は特別な子なんだよと言い続けようと思います。

◆高校生の保護者の方のご意見や現状を伺えて参考になりました。

◆セルフ・アドボカシー、自覚しています。必要ですね。
高校生になると、本人が「こうしたい、こうしてほしい」と主張したほうが、先生は耳を傾けてくれるように思います。

◆木を教えたいなら森を見せるという話、とてもよくわかりました。親としては「物事には順序が…」とか「筋道を立てて…」などと言ってしまいがちですが、元から子供がやっていた方法で良かったのだと目からウロコでした。彼は部屋のそうじも、とにかくイメージがあるらしく、すべてをガチャガチャにして(いるように見えていた)のですが、それは効率的でなくても、そうするしできないのだと・・・。
小6の頃には、PCで提出物を出したり、自分で工夫していましたが、「中学ではそうもいかないかもよ!」と間違ったハッパをかけてしまったようです。反省です。

~~~~~~~
皆様、ありがとうございます!

私自身は、同じ悩みを抱える保護者の方が一同に会して、建設的な情報交換ができたことを、とても有り難く思いました。
また「みんな同じ悩みを抱えている、自分の悩みはみんなの悩みでもある」という雰囲気に、大変勇気付けられました(ノД`)
ディスレクシア教育は「モチベーション+ノウハウ」。
諦めるには及びませんが、ノウハウも大事。
その両方をシェアする場を、今後も設けていきたいです。

会場の好意により(この場を借りて感謝)、当日の様子を動画にしました。
自分のしゃべる姿は相当に恥ずかしいものですが、
遠方の方、当日都合の付かなかった方のために、配信いたします→★

動画をご覧下さる方に、ひとつお願いがあります。
500円以上の寄付をお願いできれば幸いです。
集まったお金は、もじこ塾の野望のひとつである
「自分ではディスレクシアだと気付いたものの親には分かってもらえない」
そんな子の進学を支援する奨学金に使いたいと思っています。
どうかこの趣旨をご理解のうえ、ご協力を頂けると嬉しいです。

2016-04-12

もじこ塾春期講習:受講後の感想

みなさん!ハンカチの用意はよろしいでしょうか。
もじこ塾春期講習の感想をご紹介します。
(感想をさっそくお寄せ下さった方々に、取り急ぎこの場を借りて御礼申し上げます):

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春期講習、とても熱心に指導して頂きありがとうございました。
最終日の帰り、まず息子が言ったのが
「前置詞と発音だけでこんな劇的に変わるとは!」
何が?とたずねたら
「俺でも読めるんだな。」でした。
今までとの違いに驚きと、それと嬉しい気持ちがいっぱいで出てきた言葉です。
録画を弟も私も一緒に楽しく何度も繰り返しみました。
受講させて頂けたことで息子が自分自身の変化を実感できたことに、嬉しく、とても感謝しています。
(新高1・男)
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。゜。゜(ノД`)゜。゜。
初日、「親がいつのまにか申し込んでいた」とつぶやいた彼は、
部活で競技生活を送ることを条件に高校入学していることもあり
高校生活へのモチベーションは抜群にありました。
ちょっと英語を読んでもらうと、前置詞が分かっていないことが見て取れたので
初日は前置詞を教え、
翌日は単語の読みに苦労していたので、3日でジョリーの42音を教えました
(上で「発音」と言われているもの)。
最終日は「やることいっぱいあるから母には来ないでと言った」と言い
高校の教科書の予習(音読と訳の録画)にひたすら励みました。
4日目、読める自分に驚く暇もないとばかりにひたすら録音する姿は、
ほんとに美しかったです。。

「この調子で部活を頑張れば、その競技で大学に入るのも夢じゃないよ」
と告げました。

彼はアスペルガータイプだそうで、
課題を明確に示すと、確実にこなしてきます。


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「又夏休みに講座があったらよろしくお願いします。楽しかったです」
という、とてもシンプルな答えが返ってきました。
作文などが苦手なので自分の感想を聞かれてもこんな感じですが
親が代弁すると
今まで、いろいろな塾を体験した事があり好き嫌いがハッキリしてる子で…
英語への拒絶反応が今まで特に酷かった…それなのに
今回のもじ子先生の短期講習で…もしかして自分でも英語わかるようになるのかも…
と、思えたようです。
先生から教えて頂いた家庭学習の方法も気をつけて実践する様に頑張ってみます。

個別塾の先生方にも一応説明したのですが、
音読ができるまでは文法は教えられないと言われてしまいました。
先生という職業の方は中々新しい方法を受け入れてもらうのに時間がかかるものなんですね。。。
(新中2・男)
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キミから「夏にもまた来たい」と言われるだけで、
先生は、教えたかいが十分にありましたよ( ̄ー ̄)また会おうね~

「カレンダーに「もじこ」って書いてあって何だろう?と思ってたら
1週間前にこのことを告げられた」「親はいつも無理やり僕を連れ回す」
「英語ができるようになりたいとは全然思わない」と公言していた彼。
英語の授業はまったく理解出来ないとのことで、
1~3日目でジョリー42音を攻略。
耳が抜群に良く、元来真面目でもあり、
rとl、aとoとuも、翌日には完全に言い分けられるレベルに仕上げてきました。
最終日には中1の文法を時間の許す限り口頭で伝授。
口もよく動き、理解度も申し分ないものでした。
最後にはiPadを指して「これなら分かるのに」。

「一切書かせずに文法をざっと教えて、口で完璧にリピートできたら書く」
が最も合っているタイプとお見受けしました、が、
「音読ができるまでは文法は教えられない」ですか・・・orz

彼は、多動のない、純粋?なディスレクシアと感じました。
例文ひとつにも、絵や状況が見えているタイプです。
この絵を大事にすることが指導のポイントでしょう。


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もじこさん、こんにちは、◎◎です。先日の春講習ありがとうございました。
その時に、私の意見を送っていいとおっしゃってくれたので、送ろうと思います。
迷惑でしたら無視して構いません。
下が意見です。

多くの人は、若者は学校に行って勉強します。その中にはディスレクシアは必ずいます。ですが、学校に行ってないディスレクシアは必ずいます、事例として私がです。
私はもの心ついた時からいろんなことを知りたい、学びたいとゆう知的好奇心は溢れていて、絵を描いたり物語を作ったりすることが好きですが、不登校です。
自閉症とゆう特性もあり、現代日本の大人とは思えない教師との遭遇を何度も経験して、小中高と合わせても1年未満しか学校に行ってません。
それはいいのですが、私は市販の「学校に行っている」前提で作られている教材が使えません。いろいろ教材を試して頑張ったのですが、失敗に終わりました。
学校に行けない、教材もない、どうやって勉強するのかわからない。ものすごい努力と根性で歴史の本などを読み、読める本で知識を得るしかない。それも、ひとりで。
勉強できないうっぷんを創作活動ではらし、それでも知識を渇望します。
学校に行かない人でも、学びたいと思う人はいます。10年20年先に全ての人が学べる社会ができていてほしいと、思います。

もじこさんとの授業は楽しかったです。
では、失礼します。
(17歳・女)
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名古屋から来てくれたかぐや姫。
今回受講された女子は全員、男子とは対照的に
「もじこ先生に会うのが楽しみだね~」とお母様と話しながら来ました。
彼女もそうです。


一人で、ものすごいエネルギー(念力とも言う)を使って英語を読んでいたので、
もう少し楽に読めるよう、5文型を教えてあげました。
頭の中に途方もなく豊かなイメージの世界をもっている彼女は、
ひとつひとつの切り返しが宇宙人的で、ものすごく鋭くて、
教えていてとてつもない浮遊感?! 新たな視点を得る感覚を味わいました。

このタイプも、内的世界に寄り添い、
例文ひとつにしても、その内的世界を損なわない指摘をすることが
大事だと感じました。

かぐや姫さんの「学校に行っていない人でも学べる英語の教材がほしい」
という願い、しかと受け止めました。
というブログへのリンクが貼ってあります(残念ながら英語のみなのですが)
カリフォルニア在住、8児のうち7児がディスレクシアで、
全員をホームスクーリングして20年目というお母さん
(というか、ディスレクシア教育の大実践家)のブログです。
引用したことはないのですが、私もすごく参考にさせてもらってます。
かぐや姫さんのためにも、いずれきちんと紹介したいです
(だれか訳すの手伝ってくれ~)




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