ディスレクシア専用英語塾「もじこ塾」のブログです。 ●ディスレクシアとは:知能は普通だが、読み書きが苦手(読み間違いが多い、読むのが遅い、書き間違いが多い、読むと疲れやすい)という脳の特性 ●全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力に長ける ●読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい ●適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される ●10人に1人程度いるというのが通説 ●家族性とされるが、ディスレクシアの表れ方は個人差が大きい もじこ塾は、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要、という立場です。

2017-07-27

もじこ塾で使っている道具たち[17/09/15追記]

これまで勉強会で何度か紹介してきた、ディスレクシア学習的に便利な道具たちの、リンク先をお知らせします:

◆ブギーボード→★

書いたらすぐ消せるメモパッド。
ディスレクシア的には、自分の字がいつまでも残らない点が◎です。
ホワイトボードでも良いのですが、こちらは一瞬で消えるので授業がテンポよく続けられる、消してもゴミが出ない、付属のペンでなくても書ける(爪で引っかいても書けます)点で、良いと思います。
また、このように黒地に白のほうが見やすいと言う生徒も、かなりいます。

欠点は、「間違ったところだけを消す」ができない点(漢字の偏だけ、など)ですが、慣れれば気になりません。


ブギーボード(廉価版)

本家のブギーボードは5000円前後するので、
もじこ塾ではそれより安い、2000円前後のものを使っています(↓リンク先)

機械翻訳?の日本語が若干あやしいですが
品物には問題ありません






[17/09/14追記]
とても多くの方に「ブログに出てたあれ買いました!子供がとても気に入っています」との報告を頂いています。ありがとうございます。
実は、もじこ塾では2種類の廉価版ブギーボードを使っています。
もじこ塾に来る生徒からは、「こちら↓のほうが書き味が好き」「書いている感がある」という声が多いので、紹介しておきます。
上のほうがほんの少し(本当に本当に少しです)書く時につるつるしています。下のほうが"ふこっ"としていると言いますが、ごくごくわずかながら沈み込む感じがあります。
また、下のほうが太く、緑色がかった線が書けます。
寸法は、上と全く同じです



大きさは12インチが、英語のセンテンスを書くにはよいと思います。
8.5インチだとちょっと小さめで、単語を1語だけ書いて覚えるには良いサイズです。

進化の激しい業界なので、半年後にはもっと安くなっているかもしれません。
この1年でも、使い捨てだったのが、ボタン電池を交換できる形式に進化しました。
(とはいえ、3万回は使えるそうで、まだ電池寿命まで使ったことはありません)

初めてこれを見た生徒は、たいていびっくりします。
そして、かなりの生徒が、授業後もこれに落書きをします(笑)
ディスレクシア的だなと~と思う瞬間です。


◆骨導ヘッドホン→★

正式名称は「プロナウンス」。
トマティスリスニングセンター東京(両国)などから購入できます:
http://www.ear-voice.com/brain.html


[17/09/15追記]
・骨導ヘッドホンについては、こちらの記事もあわせてどうぞ★
・トマティスリスニングセンター東京の「プロナウンス」のページにリンクを貼って頂きました。「プロナウンス」のページからお越しの方々、ようこそm(_ _)m



これは、自分の声を骨導、つまり鼓膜ではなく骨を通じて聞くためのヘッドホンです。
私はトマティス理論を信奉しているのですが(詳しくはいずれまた)
その理論に基づき、耳を整えるものです。
耳が整うと、読めるようになり、ひいては書けるようになります。

また、自分の声を自分で聞いて、お手本との差を修正していくことは、ディスレクシアでなくても、語学学習において非常に効果的だと知られています。
このプロセスを、録音せずダイレクトに行うためのヘッドホンだと言うこともできます。

私が使ってみた経験上、プロナウンスが効果を上げるのは:

◎音韻認識が非常に悪い生徒(集団授業で、先生が何を言っているのか、ぼわぼわ~となって聞こえない人。runとranの違いが耳で聞いてもわからない人)、

◎声が小さくて発音のいい生徒(耳が繊細な人/聴覚過敏の人)、

◎片側難聴や耳が詰まっているなど、耳が聞こえていない自覚のある生徒

こうした生徒は、使い続けることで、かなり効果があると感じています。

逆に、×想起が遅いタイプのディスレクシアには、あまり効かないようです。

[17/09/15追記]
こちらも、コメントにあります通り、「ヘッドホン買いました」の報告を数多く受けています。
また、「他社の骨導ヘッドホンを買ってみたが、いまいちだった」との報告も入っています。

他社からも骨導ヘッドホンはいろいろ出ていますが、「プロナウンス」は、高周波を強調することで、耳の奥の筋肉を鍛え、聞く力を整えるのだそうです(それがひいては読む力、書く力につながっていきます)。
先日、5000円程度の骨導ヘッドホンを試させてもらいましたが、「プロナウンス」はこれらと比べると、自分の声が圧倒的にくっきりはっきりと聞こえます。
はずしてからも、しばらく影響が続く感じがあります。


2017-07-18

もじこ塾の様子、by笠野紺さん

もじこ塾・中学生の部の様子を、当ブログでおなじみの笠野紺さんが
漫画でレポートしてくれました!


ディスレクシアである紺さんからは
「自分は出だしの数語が拾えないので、Did you ...の部分が聞こえない」
という指摘がありました。
なるほど!そこが聞こえないと、疑問文への答えを作るのは難しいですね。
最初に名前を呼びかけるなどして、一言入れるようにしました。

フォニックスビンゴは、
フォニックスルールで読める単語だけで構成されたビンゴで
毎回、特定の音をテーマにしています
(上では、shとsの音の区別がテーマ)。
初見の単語を、1文字ずつきちんと音にして読む練習です。かなり効果があります。



「フレンドリー」のエピソードは、私も感動しました…(T T)
紺さんが「読めないわ~」と苦笑していると、
生徒がひとり、紺さんの隣に移動して、読み方を教え始めたのです!

ディスレクシアの子は時々こういう、はっとするような優しい行動に出ますね。
私のなかでは、これができるかどうかが、純粋?ディスレクシアの判断基準のひとつになるほどです。

この生徒は、ブレンディングには昨年からすごく苦労しているのですが、
しかし、紺さんには正しい内容を教えていました…!
「生徒が教師役をするのが、学習内容の定着には最も効果的」を地で行く展開でした。

☆  ☆  ☆

紺さんは、自立への新たな一歩として、このたび東京に出てきました。
今後は、もじこ塾の広報担当として、授業の様子をレポートしてもらいます。
乞うご期待!
そして紺さん、東京へようこそ(・∀・) 
これからもどうぞよろしくお願いします!

上の授業の詳しいご案内は、こちらをご覧ください→★
まだ若干名の空きがあります。

2017-05-03

4/30受験報告会

4月30日、もじこ塾から今春進学した生徒による、受験報告会を行いました。
お越し下さった皆様、ありがとうございました。

個人的な話が多かったので、それを抜かしてまとめると:

  • 合理的配慮申請には、診断書が必須である。
  • 合理的配慮申請は、準備が大変。親のサポートがないと難しい。
  • 学校で配慮を受けていなくても、申請は可能。
  • 申請する配慮の内容は、できるだけ具体的に言える必要がある。
  • 合理的配慮を、受ける選択もできるし、受けない選択もできる。
  • 配慮を受ける場合、"障害"を自分の中で受け入れる苦労と、進学後に何か不利益を被るかもしれないという心配がある一方、入試での点数が(かなり)上がるというメリットがある。
  • 「特にカミングアウトせず、支援を受けない」という自由もある。
  • 高校在学中からディスレクシアに気付いている場合、AO入試や推薦入試なども、視野に入れるべき。
  • 一般入試[=時間制限の厳しい、ペーパーテスト一発勝負]は、ディスレクシアにとっては、非常に厳しい戦い。


【皆様のご感想より】
◆子どもたちが自分と向き合い、歩み方をしっかりと、自分で決めようとしてる、これは本当にすばらしいことだと思いました。…

◆…大学入試に関して、又はそれ以外のことについても具体的で、実感を持って発表して頂き、その大変さや対策がよく伝わりました。発表者さんおふたりの学習に対する姿勢や、後進の方に対してサポートしたいという尊い気持ちが本当に貴重で、今日、おふたりの生き方を拝見できたことも、大きな力を頂いたと感じます。

◆…どんな質問にも真摯にお答えいただくみなさまに本当に感動しました。話の本質をとらえる能力はものすごく高いのでは。すばらしいです。

→私も、生徒たちが受験を総括する様子が、実に感慨深かったです。
皆さまが熱心に聞き入る様子そのものが、2人の力になったと思います。
ありがとうございます。

◆…ディスレクシア・LDというものへの配慮は難しいのだなと思いました。お二人ともディスレクシアについては今後はカミングアウトするつもりがないということが印象的でした。「そういう自由も認めたい」というもじこ先生のコメントもいいなーと思いました。あと「ハッピー」ということが大切というのが目からウロコでした。…

→受験報告会で言おうと思ってて、言い忘れたのですが、
ディスレクシアというのは元来、勝手に工夫したり、決まり事の裏をかいたりするのが大好きな人種です。なので、がちがちに道を決めて「さあ!黙って従いなさい」と言われるのは、ものすごく嫌がるはず。「こういう制度がある、使うも使わないも好きにしなさい」と工夫の余地を残すのが、ディスレクシアを動かすコツだと思います^^。

◆…お二人とも、大変優秀であっても、大学受験がいかに厳しいかわかりました。
子どもは小学校の頃からスピードが遅いというのが悩みなのですが、解決してません。本日、当事者の方から「時間的配慮が助かる」と聞いて、子どもの悩みも深刻なのがわかりました。

→教室で見ていると、ディスレクシアには「速いけどちょいちょい間違う」タイプと、「正しいけど遅い」タイプ、(さらには「遅く、かつ間違う」という、より一層大変なタイプ)がいます。できる部分をまず認めてから、できない部分は地道に反復すること。意識を高くもって場数を踏むことが、大切だと思っています。

◆…お二人の、学歴がほしい・・・という切々な思いが伝わってきて、学歴社会を思い知らされました。中1息子がいますが、本人にしっかり、将来について考えさせる所から始めたいです。…将来、まだ色々な道もある事、英語を使わないで受験できる事、技術を身に付ける道もある事、等、選択肢が広がりました。

→「実技系や専門学校のなかには、英語が受験科目に含まれない場合がある」という話です。とても少ないですが・・・

◆点字受験の合理的配慮は30年以上の歴史があるので、現在は当事者や家族が奔走しなくてもいいシステムが出来上がっている。入試センター事業部の中にそういう部署が出来ているが、初期の頃はその体制を作るのに学校や関係団体は大変だった。
発達障害(LD、ディスレクシア含)は一律の合理的配慮事項として明確化できるかどうかわからないが、そういうシステムを作ることを国or文科省などへ公的に働きかける手段はないかを模索したらよいと思う。今回のもじこさんたちの動きが先駆者なんですね。視覚障害の世界にもそういう先駆者がいました。

→道村先生。ありがとうございます。
先生の上のご発言は、会に深みを与えて下さりました。
おっしゃる通り、LDの大学受験は、点字受験の合理的配慮から、学ぶべきことがたくさんありそうです。
また「どうしても出来ないことというのはある。それを認めた上で、自立した大人になるために、絶対に習得しなければならないことは何か/学校に何を求めるか」という姿勢は、視覚障害の世界のほうがはるかに進んでいます。

一方で、LDは外見上はわからない特性です。また、文字重視の近代社会ゆえに、この特性が"障害"と呼ばれている面もあります。
こうしたことが、一枚岩となって公的機関に働きかけることを、難しくしているかもしれません。

もじこは当分は一介の英語講師であり続ける予定なので、公的機関に声をあげる部分は、これをお読みの方々にぜひお願いしたいです!
できる人ができることから、です。。

◆もじこ塾では「いたって普通の学習をやっている」といわれたことにびっくりしました。目指すところが点数だけではないのだと知りました。もっと深い所も聞いてみたいと思いました。実際の状況など・・・

→「もじこ塾では至って普通のことをしている」こんな言葉が出たことに、自分自身、びっくりしています。
でも、生徒の顔を思い浮かべたら、きっと「普通のことをしている」と言うような気がしたのです。「ただひたすら、読む(書く)練習をしています」と。
しかしながら、「ただひたすら、読む(書く)練習をしています」は、世間一般の"普通"とはかけ離れているかもしれません。ため込む前に、少しずつここで披露していきたいです。







2017-04-16

4/30:もじこ塾 受験報告会のお知らせ

昨年度のもじこ塾に、浪人生として通い、合理的配慮を受けて入試に挑み、
この春、進学した生徒2名(男女1名ずつ)が、受験報告会を行います。

詳しいご案内はこちらでお読み下さい→★

今日、発表者のふたりと打ち合わせを行いました。
新生活の最初の1週間で、ふたりとも大きく成長し、
受験の日々を振り返る新たな視点を持つようになっていて
その指摘のひとつひとつが、実に洞察に満ちあふれたものでした。

もちろん、このような抽象的な話だけでなく、
合理的配慮入試に関する非常に具体的な話もする予定です。

ほかでは聞けない話になることうけあいです。
関心のある方、ぜひお越し下さい。

2017-03-07

「読み書き困難の子への英語の教え方をシェアする指導者の会」/ブログ開設5周年

ご報告が遅くなり申し訳ありません。
先週、3回目となる指導者向けの勉強会を行いました。
ご参加下さった皆様、発表して下さった方、ありがとうございました。

☆  ☆  ☆

1人目の発表は、教育ママから、LD児をも対象とする能力開発講師へと転身を遂げた方。
教材や心の持ちようについて、渾身の発表でした。

感想より:
・「考えない子」を育てる今の教育システムに、NGを体で表現できるLD児たちに感謝なんですね。
・私の教室に来ている読み書き困難の子は、みんな耳が良く、発音もよいです。わからない問題も多いのですが、自分の知識を使ってなんとか答えを出そうとする力は、他の子よりも強いように思います。LDの子たちのよいところをうまく利用した英語学習の可能性について学んでみたいです。 
・学校の先生にも聞かせたい!と思いました。息子のプリント、ノートに大きくつけられた、沢山の×を思いだし、心が痛かったです。(「×を大きくつけてはならない」という話に対して)

発表者の方より:
~~~
「能力あそび」の時間についてご質問頂いた方、
イメージがつかみにくかったかもしれません。
京王線・千歳烏山でやっている英語クラス(金曜日)は会場もひろく
見学可能ですので、いつでもどうぞ、とお伝えください。


教室のFBページをご覧いただくのも参考になるかもしれません。
ご質問などもFBページから受け付けてます。
~~~

☆  ☆  ☆

2人目は、予定していた方が急病につき、
ピンチヒッターでわたくし(もじこ)が発表を行いました。
「日本の中学1年生用の「シンセティック・フォニックス」の構築に向けた一提案」

いま私は、予備校で、新中1(中学受験直後の小6)に、シンセティック・フォニックスを教えています。
ジョリーは素晴らしい教材ですが、未就学児用に作られていますし、私には予備校ならではの制約があります(他社商品は使えない、教科書[特にNew Treasure]につなげなければならない)
そこで、知的好奇心旺盛な日本語ネイティブの新中1用の、さらにはディスレクシア・フレンドリーであることを念頭においたシンセティック・フォニックスの案を発表し、皆様の意見を伺いました。
感想はおおむね好評でした。が、

シンセティック・フォニックスは非常に学習効果が高く、生徒はすぐに「できる自分」を確認できる。このため、吸収力の高い子があっという間にのび、LDの子との差が開く。

という点については、参加者の方からも同じ指摘を申し込み時に受けていたのですが、答えが出ませんでした。

この発表内容については、もう少し練り上げてから、公開します。


☆  ☆  ☆

この会は、現場の声をシェアすることにこだわる、また保護者が指導者になるケースも多々あるので(今回の発表者は二人ともそうです)、両者の垣根を作らない・・・という趣旨で始まりました。
3回目の今回は(も)、平日昼間の開催にもかかわらず、さまざまな立場で学校現場に関わる方、さらには当事者の方まで、多彩な方にご参加いただくようになりました。
ありがとうございます。

・保護者の方たちの声を生で聞くことができたのが今日の一番の収穫でした。また、指導者の方たちの知識や熱意に触れ、大変勉強になりました。学校現場で、どんなことができるのか、真剣に考えていきたいとあらためて感じました。

☆  ☆  ☆

もじこの個人的感想は、あいかわらず飛躍が多いのですが
「気付いた人が、それぞれの場所で、できることをする」
これが、変化に不可欠な一歩だと、
そして、自分の直観で「これはディスレクシアの子に響いている」と思えたことは、たとえ一般に"良い"とされることとは違っていても、勇気をもって実行すべきだと、改めて実感しました。

さらに、次の段階として、「気付いた人同士がゆるやかにつながると、変化がさらに加速する」があるようですが、私にとってはここが難しい。
せっかく多彩な方をお迎えしているのに・・・大きな課題です。



当ブログは3月3日をもって、開設からまる5年が経過しました。
この勉強会もそうですが、ディスレクシア・ジャーニー最大の教訓のひとつは「情報は、出せば出すほど入ってくる」。
情報というのは、ため込んだり、一方的にもらおうとするだけだと、手に入らない種類のものらしいです(少なくとも良い情報は)。本当です。

この5年、ずいぶんいろんなことが変わった気もしますし、特に英語教育の現場は何も変わっていない気もします。
今後とも、ディスレクシア・ムーブメントを加速させていきたいです。
皆様のお力添えを、どうぞよろしくお願いいたします。



(次回の指導者向け勉強会の開催は未定です。発表してみたいという方が1名いれば、開催が決定します。私でよければ・・・という方、ぜひお知らせ下さい!!)



2017-02-02

もじこ塾の新体制につきまして(その2)

いよいよ大学入試のシーズンが始まり、もじこ塾の1年目は一区切りを迎えました。
1年間がんばった生徒たちには、(月並みな表現ですが)全力を出し切ってほしいです。

さて。
偶然にもこの区切りのタイミングで、もじこ塾は常設の教室を持つことになりました。


新宿駅・新南口を出て、少し直進して、右を見たところ。
新しいもじこ塾の教室は、この歩道橋を渡りきった所にある茶色いマンションの一室です

新しい教室は、新宿と代々木の中間、代ゼミタワーのとなりの巨大なワンルームマンションの一室です。

これまでもじこ塾は、とても雰囲気のよい2ヵ所の教室を、時間単位で借りていました。
貸して下さる方々はいずれも、ディスレクシア英語教育にとても理解があり、生徒たちを何かと気にかけて下さっていました。いずれも、ディスレクシアの個別指導には最高と思える場所でした。

しかしその一方で、生徒同士が交流し、お互いから学び合えるような"場"を作りたい・・・とも思うようになりました。
そういう"場"がほしい、ほかの生徒と話してみたい、と言う生徒が何人かいたことに、とても後押しされました。

そして年末以来いくつもの偶然が重なり、新しい教室を作ることになりました。

新しい場所は、新宿駅から徒歩圏ですが、繁華街は通らず、むしろ予備校街と言えるエリア(なにせ代ゼミの隣り)のため、新宿駅との往復に治安上の不安は一切なく、
「その1」の予備校からも徒歩3~4分と、偶然にも土地勘がある場所で、
さらにはバスタ新宿が出来て以来、外国人観光客がますます増えており、世界を肌で感じられる場所でもあります。
マンション自体も、24時間守衛さんがいる、非常に管理の行き届いたところで、
これだけの好立地にありながら、家賃は現在払っている教室使用料とほぼ同額。
部屋の雰囲気も、感覚の鋭いディスレクシアな生徒のおめがねにかなうものだと信じています。
よくぞこれほどの場所が見つかったという物件です。

来年度のもじこ塾新宿教室は、ここに大学受験生をお迎えします。


これまで、当ブログを通じて共にディスレクシア・ジャーニーを歩んで下さった方々、もじこ塾を物心両面で支えて下さった方々、そして何より、もじこ塾に通った(いる)生徒のみなさん。本当にありがとうございます。
皆様の存在に支えられて、2年目のもじこ塾は進化します。

新しい教室に生徒の皆さんをお迎えするのが、今から楽しみです。

2017-01-10

ディスレクシアを知る(知ってもらう)ための本

2016年は、ディスレクシア関連の良書がたくさん出版されました。
定番書とあわせて、まとめてみました。★は2016年に出た本です。

★①わたしのそばできいていて
【!号泣注意!】

学校にディスレクシアのことを伝えるのに、実に最適な絵本が登場しました!!
読めない子供の気持ちが痛切に分かるだけでなく、教師はディスレクシアの子にどう接するのがよいのかまで教えてくれる一冊。あと、犬の素晴らしさも分かります(泣き笑い)

「ディスレクシア」という単語は出てこないので、子ども本人にディスレクシアのことを伝えるのにもいいかも。

②読めなくても、書けなくても、勉強したい

ディスレクシアを、日本でほぼ最初にカミングアウトされた方による手記。
ブログを書籍化したものです→★【ブログ号泣注意!】
この本を担任の先生に渡しているという親御さんも、かなりいるようです。

1点だけあえて釘を刺すと・・・
この著者の方は不運な境遇と、ディスレクシアをひた隠しにできた時代的状況があって、今も驚くほど読み書きが困難です、が、「この方ほど読み書きが困難でないとディスレクシアではない」わけではない(=この方より読み書きができても、ディスレクシアの可能性は十分にある)ということです。



★③発達障害の僕が輝ける場所をみつけられた理由

2016年に出版された、発達障害(特にADD)を知るための、新たな必読書。
本人の当事者感覚の話も良いですが、お母さんの文章がとても勉強になります。

自分の特性を早いうちからきちんと理解し、親子で話題にすること、
できないことも諦めず、地道に努力すること、
助けてくれる人で周囲を固めること・・・
「ディスレクシアには温室が必要」を改めて実感する一冊です。




当ブログでもいまもアクセスの多い翻訳記事「ADHDにはグルテン除去が効果的」の内容について、日本語で書かれた本がついに出ました!
発達障害と腸の関係、酵素や代謝の重要性について、全部書いてあります。
この方面の話には賛否両論あると思いますが、腸内細菌不足が発達障害の悪い表れ方を助長している可能性が高いということは、知っていて損はありません。






合理的配慮の教科書とも言える1冊が、Do-IT Japanの方々の手によってまとめられました。
お子さんがディスレクシアと知って途方に暮れている人が、いろんな手立てがあるということを知るために、また学校にそれを知らせるために最適。
②の著者、井上さんの"その後の話"も読めます。


④がDo-IT Japanなら、こちらは加藤醇子先生率いるJDAの主力メンバーの方々による、その名の通り"ディスレクシアの入門書"。
ディスレクシアの定義、検査、診断、(主に小学校での)支援…といったことが包括的に分かります。
こちらも、すでに学校でいろんな支援が行われていることを知るために、また学校に働きかけるために適しています。


★⑦人間脳を育てる

ディスレクシアは脳の配線が違うので、ディスレクシアの困難を和らげるには「脳の配線をよくする」ことも、ひとつのアプローチになります。
ブレインジム、感覚統合など、いろんな本を読み実践しておりますが、この方面について最初に読む一冊としてお勧め。
読者の方からご紹介頂きました。てぷさん、ありがとうございますm(_ _)m


★当事者感覚を知るための本★

★⑧ぼくが発達障害だからできたこと


この方は「過度激動」の当事者であり、かつ書字に困難があるそうです。
感覚がものすごく鋭敏で感動しやすく、過集中(倒れるまで走ったり)の傾向があるようです。
そんな方が作家的視点から、発達障害の思考法を語り尽くします。
当事者感覚が、圧倒的な密度で語られます。発達障害の突出した部分と欠落した部分は裏表であることがよくわかる一冊。

そしてこの本には、下の著者がかかりつけ医として登場します…
著者はたくさんの発達障害本を書いていますが、そのなかで1冊と言われれば私はこれを挙げます。ADHDの当事者感覚がよくわかります。

ところでこの方は、ガンのサバイバーでもあり、その経験をもとに「腸活でガンを治す」というテーマの本も書いています→★。発達障害と腸との関係を、そんなところからも感じます…


長見良くんは中2でディスレクシア、漢字はほぼまったく読めないという設定。
今回改めて途中まで読み直しましたが、本当に驚くほど細部まで、ディスレクシアの子の行動や考え方、間違い方、学校のこと、家族のことまでもが、リアルに描かれています。作者の観察力に脱帽です。物語としても、とても切ない。
筑波大の宇野先生が監修しています。




アメリカ人の詩人による、ディスレクシアの当事者感覚の本。
不安、孤独、少しずつ再起、子供と同時に自分もディスレクシアだと知ったことによる自己発見など…を詩的な言葉で語っていて、大人ディスレクシア本人に刺さる本かなと思います。
何人かの大人の、ディスレクシアに理解を示す非ディスレクシアの人から、この本は感動した、ディスレクシアの人の気持ちがよくわかったという感想が届いています。
私は英語で読み、具体的なこの言葉というよりも、著者の子供の頃の心象風景が、強く印象に残っています。きっとディスレクシアの子はこういう思いを抱えているのだなと…
上の原書

題名を直訳すると「ディスレクシア的アドバンテージ」

当ブログ最大推しの1冊。英語が読めるならぜひぜひご一読を!
もじこ自身がディスレクシアについて最初に読んだ本。
おかげで、ディスレクシアについて、最初からポジティブで俯瞰的な見方ができました。これ以上のことは長くなるので、ここでは語りません。要旨はこちら→★

「ニューロダイバーシティー」(神経多様性)の基本書。ディスレクシアについて、学問的見地からも知りたいという人には、私はまずこの一冊を推します。詳しい内容はこちら→★