on dyslexia

ディスレクシア
(読字障害、読み書き障害、失読症、難読症、学習障害、読み書きのLD)について、調べて分かったこと/実践したこと/英語から訳した文章をアップしています。

ディスレクシアとは:
- 
知能は普通だが、読み書きが苦手(誤字が多い、読み書きが遅い、読み間違いが多い)
- 独創的で、対人能力が高い。空間把握力、全体像や物事の関係性を把握する能力に長ける。
- 音と文字の脳内での結びつきが弱いことから起こるらしい
- 読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい
- 細かい聞き間違いがみられるが、音声情報の処理能力は高い
- エピソード記憶が得意。固有名詞などの細かい丸暗記は苦手
- 適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される
- 10人に1人程度いるというのが通説

当ブログは、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能である、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要--という立場です。


2013-09-20

『口で言えれば漢字は書ける!』をディスレクシア的に読む/漢字カードを購入



『口で言えれば漢字は書ける!盲学校から発信した漢字学習法』

今週は、この本を読みながらずっと泣いていた気がします…(泣き笑い)
「自分は試行錯誤する教師だ」と思う人は必読です!!



著者の道村静江先生は、盲学校で長く教員をされていた方です。

世の中のIT化により、盲学校でも、点字だけでなく漢字を教える必要に迫られました。

そこで、生まれた時から目が見えない小1のかんなちゃんに、
道村先生が漢字を教えようとする「格闘の日々」が始まります。
(このあたりから私は涙が止まらない)

「新しいことを学ぶのはなんて楽しい!」
というかんなちゃんの喜びがひしひしと伝わってきて、涙涙です。
そういえば、つい忘れがちでしたが、
漢字を覚えて書けるようになるのは、大きな喜びなのでした。
たとえディスレクシアであってもきっと。

途中から、小3で網膜剥離で全盲になったつるちゃん(号泣)や弱視の子たちも加わります。
さらに深まる試行錯誤。でも子供たちはついていきます。
目が見えなくても、子供たちはみんな、漢字が書けるようになりたいのです。



道村先生は生徒の「できない」の奥を見ながら、
10年かけて、小中9年分の漢字のこれまでにない教え方の一大体系を、一から作り上げていきます。


目の見えない子に漢字を教えるため、道村先生が考案した方法は、
漢字を「部品」(様々な漢字に共通するパーツ)に分けて覚えること
「漢字のタイトル」(その漢字の最も代表的な音訓のセット)を覚えることです。
部品を口で言えれば書けるようになる、というのがポイントです。




このあたりから、話がなにやらディスレクシア的になってきます。

ディスレクシア用漢字指導でも、漢字の成り立ちを分解して、ストーリーを作って覚えるという方法があります。
(ストーリーを考えるのが大変なので、うちではやってきませんでしたが・・・)

この方法を読んだ瞬間、
「これって一つひとつの漢字にストーリーを作るのと同じかも?」
と思いました。

道村先生は、10年かけて小中学校で登場するすべての漢字の部品とタイトルを整理してから、それを小学校で試すべく、一般の小学校に転任します。

そこで、普通学級の子も、実はかなり漢字が書けないことを知り、盲学校で構築したメソッドを学年全体、さらには学校全体で使うよう働きかけます。


着任してすぐに4年生に書いてもらったという「よくある間違い」の一覧をみて、びっくりしました。
ディスレクシア的な間違い方が、けっこうあるのです。
鏡文字、はねる方向が逆、一部がもやもやしている、など。

この方法は、ディスレクシアの子への漢字指導にも使えるのではないか?

と思い、道村先生が主宰する点字学習を支援する会から、漢字カードを購入しました。


漢字の下に書いてあるのが「部品」です。


切りながら読んでいるだけでも分かりますが、この教材はとても生徒思い。愛があります!
予備校での経験上、ディスレクシアの子は「教える側に愛があるか」「思いやりのある教材か」に非常に敏感に反応します。
ますます期待が高まります。


道村先生からは、ディスレクシアにも効果的との、次のようなお返事を頂きました:

>あのカードは、ディスクレシアの子や自閉症の子などにとても有効だと、
>小学校の普通学級を担当していた時に思いました。
>全国の通級指導教室などからも、成田さんと同様の希望で、
>漢字カードを求められる人が増えてきました。
>是非活用してください。

---

>息子さんのような学習の様子を見せている子を何人も知っていて、
>うなずけること多々ありました。
>(LDや自閉症などの知識はそんなに深くないので・・・)
>
>そんな子たちも、この学習法でかなり効果を上げました。
>特に、記憶力に問題がない子(知的障害をもっていると少し大変なのですが・・・)には、
>すぐに入っていける学習法だと思います。
>画数の多い漢字を全部丸ごと覚える必要はなく、
>画数の少ない部品だけをていねいに書いて、名称を覚えることを頑張ってみてください。
>絶対に書けるようになります。区別ができるようになります。


さっそく試した1日目。
「このやり方はとても疲れる~」と言いながら、楽しんで書いてくれました。
ものすごく頭を使うらしいです。

しばらく、「漢字カード」を試します!


続き
2013-12-11
    

7 件のコメント:

  1. バーバモジャ2013年9月22日 21:15

    いつもたくさんの情報ありがとうございます。
    点字学習を支援する会のHPみました。
    一般的な市販の教材(塾や学校などの指導法も?)は漢字に限らずですが、小学校、中学校、と、はっきり分かれている場合が多く、あまりつながっていないことが気になっていました。
    こちらの教材は中学校まで一貫した教材が用意してあるのがとてもいいなあと思います。

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    1. こちらこそ、いつもありがとうございます!

      >小中一貫
      ほんとそうですね。
      この教材は、盲学校という小中さらには就業訓練まで視野に入れた学校だからこそできた教材だと思いました。。

      中学校の漢字の話が出たので思い出しましたが、
      村井先生(『漢字が苦手な子供への漢字支援ワーク』の著者)が、「中学で習う漢字は、学習指導要領としては読めればよくて書けることは要求してないない」公立高校入試では問えないのだし、無理に書けることを要求するのはどうかと。教員の皆さんは学習指導要領を改めて見直してほしい、とおっしゃってました。


      このブログの左列に出ている「しずえばあちゃんの回想録」は道村先生のブログです。
      盲学校の話はかなりぐっと来ます!

      道村先生からはさらに話を聞くことができました。
      「ストーリーが言えれば書けるはず、ストーリーを言う練習を徹底的にして書き取り自体は1回だけでよい」とのことです。
      少しアレンジしながら試すことになりそうです。。
      詳しいことはまた追って書きますので、バーバモジャ師の経験からのご意見もさらにお聞かせ下さい!

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  2. らばらばでんて2013年9月25日 11:47

    こんにちは。はじめまして。
    いつもブログを拝見させて頂いているのですが、コメントするのは初めてです。すみません。

    うちの息子(中1)も、ディスレクシアです。
    周りに同じ困難さを抱えている子が見えないため、私が一人で試行錯誤してきました。

    漢字の学習は、親子でずっと抱えている長年の課題です。
    今回ご紹介いただいた漢字学習法は、今まで試したことがなかったので、とっても期待しています!!
    いつも情報を提供して頂いて、とても助けられています。
    本当にありがとうございます。
    これからも、楽しみにしています。

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    1. はじめまして。お越し下さりありがとうございます!

      私もこの方法には、かなり手応えを感じています(まだ始めたばかりなのですが)。もし、らばらばでんてさんも試されるようなら、ぜひ成果を教えて下さいませ。
      取り急ぎ、2日目を書いてみました。

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  3. はじめまして。小3の娘が漢字で苦労しています。短期記憶、書字が苦手です、見て書けるのですが記憶に残らないようです。
    このようなタイプにも有効ですか?またこのカードはどのようにして入手できますか?

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    1. まずは試してみられることをお勧めします。申し込みはこちらです:
      http://tenji-sien.net/kanji/kakakuannai.htm

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    2. すみません。追伸です。
      漢字を覚えるのにストーリーが必要な場合、学研から出ている「漢字九九」も効果的だと、先日行った研究会で通級指導の先生から聞きました。すべての漢字に覚えるためのストーリーがついています。アマゾンで見ると絶版なので高くつきそうですが、こちらもディスレクシアの子によさそうです。道村式漢字カードはストーリーは一切ないので、これが向いていない場合はこういったストーリーを使って覚えるものが効果があると思います。一応、ご参考まで…

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