セミナーを行いました。
全国を飛び回って普及活動を続ける先生ですが、
保護者向けに話をするのは、意外にも初めてとのこと。
ひとたび口を開いたら、道村節の圧倒的な勢いが会場を覆い尽くす!!!!
予想通り、ものすごい気迫とパワーに満ちた道村先生でした。
皆様の感想もそのことを物語っています。ありがとうございます:
◆とてもエネルギッシュな道村先生のお話に引き込まれました。学校の内部のこと(現場のこと)をよく知っていらっしゃる先生だからこその具体的な注意ポイントを教えていただき、今ひとつ使いこなせていなかったカードの効果的な使い方がよくわかりました!
最低限の努力は必要で、その部分は徹底的にやらせる覚悟が必要というお話は、強く沁みました。親は覚悟とユーモアが必要ですね!
◆カードを購入しましたが、ついつい今やっている宿題と連動させてカードをやっていたらなかなか進まず、今は休止していました。
やはり2、3年生を徹底してやろうと、私が楽しんでやろうと心に決めました。というか覚悟を決めました。
先生のパワフルかつ楽しい説明に、まず私がグイグイひきこまれました。いいきっかけをありがとうございました。
「この子の親であること」「この子を社会に(この子なりの)一人前にして出すこと」の覚悟を先生から目覚めさせられたような気がします。
◆漢字カードの使い方のポイントがよく分かりました。勉強嫌いで、今までカードを使うのを嫌がって使えていませんでしたが、先生のように、テンポよく元気に楽しくできれば、本人のやる気が出るのではないかと思いました。
親の私が楽しくやってあげようと思います。
◆…日々の学習に追われ、復習が出来ずにいましたが、改めて、戻ることの大切さ、現在小3でこのメソッドに出会えたことが、とても幸運だったと思いました。
まとめると、
「最低限これだけは」を見極めて、それだけは徹底的に習得。
教える側が心から漢字に興味を持つ。
2~3年の漢字(の部品・部首)を覚えれば、その後はその組み合わせで覚えられる。
以下、当日の道村先生のお話です。
☆ ☆ ☆
道村式漢字カードは、盲学校の子に漢字の字形と音訓読みを面白く印象づける方法として、たどりついたもの。
このカードを使うと、ほとんどの子が楽に覚えられるが、なかにはカードを見て何度も書いて覚えている子がいるらしい。
その使い方は間違っている。書いて覚えるのではない。
これから話す方法には根拠がある。その方法で進めてほしい。
~ ~ ~
①1年生の40の基本漢字は書けるように。
最終的には、漢字を書けるようになるのが目標。でも書く練習は最小限にしたい、というのがこのカードの立場。
1年生の基本漢字40字(日、田など)。ここはしっかり書けるように。
また、11の部首・部品(気の外側、六の上など)も。
道村式カードでは、これらは初出の時は、非常に細かく丁寧に教える。
「青の上」(最初の4画)も、「あおのうえ」という部品にすることで、
一度「青」が書けるようになれば、子供は「何本だっけ?」と迷わなくなる。
これをさらに「よこ・たて・よこ・よこ」と分解すると線構成になってしまう。
②ひらがなとカタカナを同時に教える
教科書では、小1の1学期はひらがなの練習。9月から漢字の練習が始まる。
カタカナの練習も、夏休み明けから。この時期は学習意欲が低下しているので、インプットが悪い。
その結果、6年生になっても、カタカナが読めるが書けない子がいる。
カタカナの多くは、漢字の部品になっているので、きちんと覚えたい。
そこで、ひらがなとカタカナを同時に教えるべき。
「ソ」「ハ」を正しく教えれば、漢字でもこれらの部品が出てきたときに、向きを迷わなくなる。
カタカナの足し算で、上の学年の字も書ける。
③2~3年の漢字では、頑張って覚えることと、そうでもないことを区別するべき
2~3年で、漢字の重要な部品の多くが登場する。
例えば「ふるとり」。初出のときに丁寧に教える。そうすれば後が楽になる。
すべての漢字を完璧に正しく、格好もよく、というのは欲張りすぎ。書き順、とめはね、線の長さのバランス、そんなことまで初出で要求されたら、特に書くのが苦手な子供はいやになってしまう。
例えば、「竹」の6画目のハネは、初出の時にはあまりハネていなくてもよしとする。それは第2ステージでのこと。
「食」の3画目のテンが垂直か斜めかは、書体の違いであり、これは間違いとは見なさないと文科省も言っている。学校の先生は教科書体しか許さないけど(※以下参照)
書き順も後回しでいい。でも「口」の書き順は、徹底させたほうがいいけど。
・・・といったふうに、細かいところについては、子供が書く時の特徴を見ながら、どうしても直してほしいところだけを直すようにする。
最終的には、漢字を書けるようになるのが目標。でも書く練習は最小限にしたい、というのがこのカードの立場。
1年生の基本漢字40字(日、田など)。ここはしっかり書けるように。
また、11の部首・部品(気の外側、六の上など)も。
道村式カードでは、これらは初出の時は、非常に細かく丁寧に教える。
※目の見えない子が漢字を分かるようにするのが目標なので、
それはそれは懇切丁寧です。[詳しくはカードで]
※ディスレクシア的には、あわせて「体を大きく使う」と良いと思います。ひとやね(金の上)は「屋根なんだからもれちゃだめ」などと言えば、子供は面白がってくっつけるようになる。腑に落ちる教え方を。
(飛び上がるような巨大な空書き、新聞紙に書くなど)
唱えるのに加え、体を使うという多感覚式です。
※先生は、小学生がみたら絶対に笑いそうな身振り手振りを交え、
体全体を使って漢字を教えていきます。先生が率先して多感覚(笑)
「笑わせながら関心を引く」「体全体を使って語る」 。カードに書かれていないですが、教え方の大事なポイントです。
※これもカードには書かれていませんが、先生は1つの漢字を教えるのに、部首の由来や語源も、すごく生き生きと説明します。ストーリー性抜群です。それらは『視覚障害者の漢字学習』という本にまとめてあるとのこと。漢字辞典なども参考になると思います。
皆様からお寄せ頂いた話を総合すると、道村式漢字カードに書かれていること(部品を唱える)だけでは覚えられない場合、こうした由来をストーリーとしてたくさん語るのが、どうやら効果があるようです。
「青の上」(最初の4画)も、「あおのうえ」という部品にすることで、
一度「青」が書けるようになれば、子供は「何本だっけ?」と迷わなくなる。
これをさらに「よこ・たて・よこ・よこ」と分解すると線構成になってしまう。
※「既出の部品を活用して、新出の漢字を楽に覚える」これも道村式漢字カードの大きなポイントです。~ ~ ~
②ひらがなとカタカナを同時に教える
教科書では、小1の1学期はひらがなの練習。9月から漢字の練習が始まる。
カタカナの練習も、夏休み明けから。この時期は学習意欲が低下しているので、インプットが悪い。
その結果、6年生になっても、カタカナが読めるが書けない子がいる。
カタカナの多くは、漢字の部品になっているので、きちんと覚えたい。
そこで、ひらがなとカタカナを同時に教えるべき。
「ソ」「ハ」を正しく教えれば、漢字でもこれらの部品が出てきたときに、向きを迷わなくなる。
カタカナの足し算で、上の学年の字も書ける。
※理想はそうですが、、ディスレクシアにとって、カタカナはとても覚えづらいように見えます。たぶん、アルファベットと同じで、ディスレクシア的には単位が小さすぎかつ字面が単純すぎるのだと思います。カタカナというもの存在は早くから教えつつ、完全に書けなくても、左右が反転しても、かまわず漢字に進み、漢字(大)の一部としてカタカナ(小)を教えるうちに、だんだん定着するのではないかと、個人的には推測しています。
③2~3年の漢字では、頑張って覚えることと、そうでもないことを区別するべき
2~3年で、漢字の重要な部品の多くが登場する。
例えば「ふるとり」。初出のときに丁寧に教える。そうすれば後が楽になる。
すべての漢字を完璧に正しく、格好もよく、というのは欲張りすぎ。書き順、とめはね、線の長さのバランス、そんなことまで初出で要求されたら、特に書くのが苦手な子供はいやになってしまう。
例えば、「竹」の6画目のハネは、初出の時にはあまりハネていなくてもよしとする。それは第2ステージでのこと。
「食」の3画目のテンが垂直か斜めかは、書体の違いであり、これは間違いとは見なさないと文科省も言っている。学校の先生は教科書体しか許さないけど(※以下参照)
書き順も後回しでいい。でも「口」の書き順は、徹底させたほうがいいけど。
・・・といったふうに、細かいところについては、子供が書く時の特徴を見ながら、どうしても直してほしいところだけを直すようにする。
| 「文化庁はいま、・・・手書きの漢字が正しいかまちがっているかは、ゆるやかに判断してほしいといいます」 |
※「書き順は後回しでいい」と先生は背中を押して下さいますが、
道村式カードの長所は、カードに書かれている通りに言えれば
書き順も整うところだと、私は感じてます。
「集」を右下から書くようなことが、なくなります。
④親が率先して楽しむこと!!
家で子供と漢字学習をするとき、お母さんが『やりなさい』と言うだけ、あるいは『面倒くさい』という姿勢を示していては、子供は覚えない。お母さんが率先して楽しむこと。
漢字辞典でも引き、『へえ~、家の下はぶたなんだ!』。子供そっちのけで『そうなんだ~』と言うくらいに。
このくらいの年の子はお母さんが大好きなので、寄ってくるはず。
まずお母さんが漢字に興味を持つこと。自分が感動したことだけを子供に聞かせればいい。
※「教える側が率先して楽しむ、時には演技を交えるくらいのつもりで」。これも道村式カードの教え方の重要ポイント。腑に落ちた人が多かったようです。
⑤学校との兼ね合い。2~3年の部品をしっかり覚えること。
学校では4年以降、漢字を1字ずつしっかり教える時間はない。
普通級の先生は、クラスに35人もいたら、気になる子がいても対応できない。
部首名とその意味は、家庭でしっかり教えるべき。親が時間をとってつきあうことが必要。
学校には「しばらく、家でしっかり復習しますので、見逃して下さい」と言う。
漢字は、2~3年生に主な「部品」(漢字にいっぱい使われているが名前がないパーツ)のほとんどが出尽くし、高学年になるとその組み合わせがほとんどになる。
だから、2~3年生の漢字をしっかり覚えることが大事。
高学年で漢字が書けずに苦しんでいる場合は、2~3年生の漢字の復習に戻るのがよい。復習には1年もかからない、数ヵ月で終わることが多いし、2~3年の復習が終われば本来の学年に戻ってよい。
戻るのは、部首・部品の名前を覚えるのが目的。
その際、学校には、宿題の量を加減してもらうよう頼むのが理想だが・・・
現在、学校では「平等」の名の下に、同じ宿題の量が全員に課されている。普通の子なら15分ほどで終わるが、ディスレクシアの子は何時間もかかってしまう。これが平等ですか?と言いたいところだが、親も先生もそこまで踏み込む勇気がないのが現状。
個にあった支援とは、「大丈夫か」と声かけすることではなく、こういうことなのだが。
※ここで、「衣のした」(3画目以降)、「長いの下」の(6画目以降)の~ ~ ~
部品の唱え方を練習したのですが、、
一同、道村先生に「おそい!」「声が小さい!」
「もっとリズムよく!」「はっきり!」と叱られました(笑)
九九をやや早口言葉で言うくらいの、かなりのハイペースです。
教える側がテンポよく、楽しげに唱えることがポイント。
「ああ、ここが出来てなかったかも」と思った人は多かったに違いありません。
⑥音と訓を1つずつ、セットで覚える
読みが苦手な子は、音読みを苦手とすることが多い。
特に、光村図書の教科書(最大手)では、音読みと訓読みをバラバラに教える。
学校では、何年も先になって登場した音読みをわざわざ教えることはしない。
これが音読みの苦手な子をつくる原因のひとつになっている。
漢字はほぼ必ず音読みがある。しかもカ行とサ行が多い。音読みが中国語に由来していることと関係があるのだろう。
1つの音と訓を覚えることが大事。
そこで、道村式カードでは「漢字のタイトル」と題し、音と訓を1つずつ同時に提示している。
この音読みは、『NTTデータベース・日本語の語彙特性』をもとにしている。1万人が聞いたら6000人以上が分かる、親密度の高い語彙だけを使用。しかも、視覚障害者のために、同音異義語はほぼ全く含まれていない。(※すごい!!)
2つ以上の音は後回しでいい。
同音異義の漢字を覚えるのは第2ステージ。カードに書いてあるが、ディスレクシアならここは不要。
唱えるとは、自分のことばで言うこと。
カードのおもて面を見ながら、リズムよく唱えることが大事。
例えば「修」を見て、字を目に焼き付けながら、「にんべん・たて・のぶん・さんづくり」と唱える。
3回言わせる。そのときに、頭の中にイメージが浮かんでいるはず。
それから初めて書く。
※1つの漢字につき1日1回が、書く限界だと思います。
※経験上、唱えるのは意外と大変なことです。ディスレクシアな子が、言うより書くほうが楽なので書こうとするほどに∑( ̄0 ̄~ ~ ~
書こうとするのをあえて止めて、「言えれば書けるんだから」と言い聞かせて、唱えさせることもありました。 それがよかったと思います。
⑦自立に必要な最低限のことは、絶対に身につけなければ
発達障害を持つ子の親が「うちの子はあれがダメ、これがダメ」「うちの子にあった方法を探してほしい」と学校に言うのをよく聞く。今は子供が拒絶すれば、その子にあった方法をさまざまな方法のなかから選べる時代でもある。
しかし、これを視覚障害児の置かれた状況と比べた場合・・・視覚障害があったら、泣こうがわめこうが、覚えるべきことは絶対に覚えなければならない。
全盲の子、弱視の子は、普通の子よりもできることはずっと少ない、すべて同じようにできるようにはならない。全盲でかつ発達障害を持つ子もいた。入る言葉は少ない。それでも自立に必要な最低限のことは、絶対に身につけなければならない。
最低限がどこかは、本人を見ている親と教師が決めること。見極めが大事。
「最低限ここだけは」を半年間続ける。続けさせるのは親の責任。先生は1年で担当を離れてしまうもの。生徒の将来は親が責任を持つべき。
最低限を、手を変え品を変え、頑張らせると、いずれ芽が出てくる。
※会場が静まりかえった、渾身のメッセージ。漢字が読めることが日本で生きていくために必要不可欠というのは、本当に切実な事実です。英語とはまったく重さが違います。「自立するために漢字は必要、だからがんばろう」という大きな展望を、教える側が見せる必要があるということです。目の前の漢字テストをクリアするために必要なのではなく。
教える側が、あきらめず、怒らず、「絶対に入れてみせる」という気迫を持って伴走するんだというメッセージを、私は受け取りました。~ ~ ~
そのほか、質疑応答を走り書きしたメモから・・・
●校長先生にいきなり文句を言うのは×。うるさい親と思われたらおしまい(会場から苦笑が)。先生と親がなんとかうまく手をとりあいながら、同じ目線で進むのが理想。
●中学生以降の漢字学習で、どこまで戻るかは、本人のプライドがある(ので難しい…)。小3までは素直。4年以降、漢字の習得率が低下するのは、全国的な傾向。
●技術の進展により、いずれ書くことが必要のない時代が来る。どれだけのことを妥協するか。一方、これだけはということは頑張ることも大事。
●字が苦手な子も、できれば、できるようになりたいと思っている。そういう子には部首名を教える。その気にさせてあげることが重要。
●社会で自立させることを考えると、指示待ち人間に育てるのは×。「これ(漢字)ができるようになりたい」と思わせることが大切。
☆ ☆ ☆
当日の朝、うちの実験台(道村式漢字カードで5~6年の漢字を習得。
現在は読みにはほとんど支障はないが、漢検5級に落ち続けてます^^;)
に聞いたところ
(道村式漢字カードは)「俺には合ってたよ。」
(どこがよかった?)「よくわかんね。使いやすい、かな。」
(これが合わないと言う人には何と?)「これは"愛のムチ"」
とのことでした。
愛のムチ!!
実は道村先生自身からも、終了後この言葉が出たので、びっくりしました。
次回は録画して、その気迫と語り口を他の方にもお見せしたいと、先生と話しました。
道村先生、ありがとうございました!
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