ディスレクシア専用英語塾「もじこ塾」のブログです。 ●ディスレクシアとは:知能は普通だが、読み書きが苦手(読み間違いが多い、読むのが遅い、書き間違いが多い、読むと疲れやすい)という脳の特性 ●全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力に長ける ●読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい ●適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される ●10人に1人程度いるというのが通説 ●家族性とされるが、ディスレクシアの表れ方は個人差が大きい もじこ塾は、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要、という立場です。

2014-05-23

6年生の漢字学習:漢字をあきらめてはいけない

道村式漢字カードの進捗です。

「道村式漢字カード」は5年の2学期から使い始め、3学期目に入りました。

イイ感じで、日々のサイクルの一部になっています。

道村式漢字カード」がなかったら、
家庭学習は漢字だけでへとへとになっていたことでしょう。
道村先生、本当にありがとうございます!



現在は、学校の進度を少し先取りする形で、カードを使っています。
学校の漢字の授業についていけるので、本人の気持ちも楽なようです。


週3回程度、1回につき2個の新しい漢字を、漢字カードを使って覚えます。


おもて面を見ながら、何回か部品を言ってもらいます。
おもてを見ないでも言えるようになったら、1回だけ書きます。
このように、「書き取りの繰り返しをしない」のが
道村式の大きな特徴で、
ディスレクシアにやさしいポイントです。


ついでに、数日分の復習をします。

最近は、漢字カードの裏面を黙読してもらい、部品を言わせています。

上手に言えないものだけ、書いてもらいます。

画数が少ない漢字のほうが、記憶も再現もしづらいのは、相変わらずです。


今年の担任の先生は、漢字テストの出題内容を、完全に教えてくれます。
なので、前々日から、1回ずつ練習します。

前々日、学校で


前日。この日一番苦労したのは「場所」

そして本番。

「立」の書きかけな感じが、漱石の「冗」(誤字)にそっくり

先生!「耳」よりも大きな間違いがあります!(笑)

このように、前に書けていた字がなぜか書けないのが、ディスレクシアです。

だから、だいたい定着したらよしとして、次に進みます。



「収」がなかなか覚えられません。

☆  ☆  ☆


少し前、同年代のディスレクシア児をお持ちの方から
「書くことを諦めてはいけないんですね。」
というメッセージを頂きました。

そうですね・・・
私も、子がディスレクシアと分かった直後は、
「個々の漢字の意味さえ分かれば、
音にできなくても、なんとなく意味が分かるのが漢字の良さだし。
こんなに漢字を正しく書くのに苦労してるなら、
無理して漢字一つ一つの徹底的な定着をはかる必要はないのかも?
漢字は”なんとなく”でいいかも?」
と思っていた頃がありました。

でも、ディスレクシア教育の師と仰ぐ方から
「漢字をあきらめてはいけない!」という言葉を頂き、
多感覚式を試行錯誤しながら道村式カードにたどり着き、現在に至ります。




大学の恩師にも、背中を押されました。
この人のことは、今後少しずつ書いていくつもりですが、
『漢字は日本語をほろぼす』という本まで書いているほどなのです。
「漢字はことばではなく、文字にすぎない」
「漢字は日本語に打ち込まれたくさび。明らかに異物だが、抜いたら日本語は死ぬ」
だが「いまこそ漢字から日本語を解放すべきだ」等々と
日本の漢字信仰を徹底的に批判してきました。

しかも、この本を書いているとき、恩師は自分がディスレクシアだと気がついていませんでした。
独・露・蒙を完全に操り、英・仏・西など多少読める言語は限りなくある、その道では有名な言語学者なのですが。。

話を戻すと、私も恩師の漢字批判の影響を長年受けているので、
「先生が"漢字は日本語をほろぼす"なんて言うから、
私も子供も、どうも漢字学習に本腰が入らないんですよ」
と、話したことがあります。
そうしたら、恩師は「それはそうなんだけど、でも漢字は頑張るしかないね」
と言うのです。
「え?は?漢字やらないとだめ?!」とは思いましたが、
私自身が本腰を入れて漢字学習の試行錯誤を始めたのは、そんなやりとりがきっかけです(ひねくれ者ですみません)。


で、うちの子ですが、
道村式カードをもってしても漢字大好き☆にはならず
(道村先生ごめんなさい)、
むしろ「漢字は日本語をほろぼす」という言葉が心の支えなのですが、
でも、道村式カードのおかげで漢字をなんとか書けることも、
それ以上に心の支えになっています。

だから、やっぱり漢字をあきらめてはいけないと思います。
特に、ディスレクシア児に接する親や教師は・・・。



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道村式漢字カードのこれまでの進捗はこちら

漢字カードはこちらのサイトで買えます。書店での取り扱いはありません。

6 件のコメント:

  1. いつも有難く拝読させていただいております。
    小5の息子が、ディスレクシアかもしれず、漢字も苦手なので、こちらで知った道村式カードを現在有難く使わさせて頂いております。
    実はうちではもうひとつ、学研から出ている
    「調べて覚える○年の漢字辞典ドリル」というのも
    使っております。
    これも、漢字を分解して覚えるコツをほぼ全部の漢字で
    見せてくれているので(だいぶ苦しいだじゃれのようなのも
    あるのですが)
    とても役立ちます。
    もしよかったら見てみて下さい(回し者ではないですよ)
    これからもブログ、参考にさせて頂きます
    大変でしょうが頑張ってください!!

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    1. こんにちは。情報ありがとうございます!
      学研の「調べて覚える…」さっそく書店で見てみます。
      こちらこそ色々教えて下さい!

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  2. こんにちは。
    「点字使用者のための漢字学習資料」のページに行って来まして、道村式漢字カードを使った授業風景や、漢字の部首の意味を知ることを交えて漢字学習する様子のビデオを見てみました。面白かったです。
    これまでの自分の少しステレオタイプ的な「学校での漢字学習」というイメージと違って、何か「根本」を据えた中身の濃さのようなものを感じて、私自身も「へぇーっ」と思うことがある内容でした。
    「へぇーっ」と思える瞬間や、「出来たっ!」と思える瞬間が多いと、学ぶ側もより楽しいでしょうねぇ。
    教える側、伴走する側としては、それをどう仕組んでいくか、それも出来るだけシンプルな内容、または方法で取り組みやすさを感じてもらえたり続けたいと思ってもらえるよう・・・、ということを改めて考えました。 

    峯松先生の論、道村先生の授業、・・(ビデオの中の先生が道村先生ですよね?)と、とてもいい刺激を頂いています。・・・・学ぶ側のために日夜尽力されている方のことを知ることは、大きな励みになります。学ぶ側(お子さん)のためにもじこさんご自身が学ばれているからこそのアンテナの感度の良さと、それをブログ上でシェアーして下さっていることが、とても有難いです。

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    1. あ゛~!お返事が遅れておりまして申し訳ありません。
      こちらこそ、ご縁をいただけて色々教えてもらえて、とても感謝しています。

      道村先生が盲学校で指導する様子の動画があること、りべさんに教えて頂いて初めて知りました。
      http://tenji-sien.net/kanji/kanjijugyo.htm
      漢字を触る様子がぐっときました、、その子にあった入り方があるんだなと痛感させられます。

      メールにもお返事差し上げますので、いましばらくお待ち下さい!

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  3. 子君がんばっていて、そしてもじこさんももっとがんばっていますね。
    うちの兄にいも漢字定着しはじめました。
    道村式➕宇野式です。
    まだ進出漢字は完全ではないのですが、2年生の漢字復習をしていて、成果出てきました。
    彼は視覚優位なのと、比較的ワーキングメモリが平均的なので、漢字を覚える時にストーリーを作って覚えます。
    ストーリーは自分が納得したストーリーでなければならないので、作るのは大変ですが、一度覚えてしまったら定着率がかなりよく、2週間で10文字はほぼパーフェクト。
    三ヶ月後のテストでも7割越えで定着していて、親の私も方がビックリです。
    その子に合った覚え方は多様性を持って教えるべきと気づきました。

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    1. ごぶさたしてます!
      兄にい君、漢字一つひとつにストーリーですか!適した方法が見つかってよかったですね!
      うちはストーリー作りには行きませんでしたが、
      コメントを寄せて下さるかなり多くの方からも、漢字にストーリーを作って覚えるのはディスレクシアに効果があると聞いています。

      多様性をもって教えるべき。おっしゃる通りです。

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