ディスレクシア専用英語塾「もじこ塾」のブログです。 ●ディスレクシアとは:知能は普通だが、読み書きが苦手(読み間違いが多い、読むのが遅い、書き間違いが多い、読むと疲れやすい)という脳の特性 ●全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力に長ける ●読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい ●適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される ●10人に1人程度いるというのが通説 ●家族性とされるが、ディスレクシアの表れ方は個人差が大きい もじこ塾は、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要、という立場です。

2015-01-22

「ジェニファー・アニストン、失読症を激白!」

本日初めてお越しの方、ようこそm(_ _)m。
ここはコメント欄がすごいブログです。どうぞゆっくりしていって下さい。

Yahooニュースのジェニファー・アニストン、失読症を激白!という記事が出て
当ブログに4時間で4000件ほどアクセスがありました。



「20代の前半に、眼鏡の処方箋をもらおうと思って検眼に行ったのがきっかけで失読症が判明したの。片方が青で片方が赤いレンズ眼鏡をかけてパラグラフを読まされて、その後それに関して10問のクイズを出されたんだけど、答えられたのは3問だけだったわ」

この方、私とほぼ同い年なのですが(年がばれますね)
四半世紀前に、ディスレクシアの検査をしているのが驚きです。。
1990年代前半に日本ではディスレクシアという言葉は
まったく知られていなかったはず。

お母さんとの不仲も告白していますが、
お母さんも何か"特性"がありそうですね。

2015-01-20

[追記つき]多言語環境に暮らすディスレクシア親子より(2)「漢字は書けるがカタカナは一切書けない」

オーストラリア在住、息子さん(6歳)のディスレクシア発覚を機に、
自身もディスレクシアだと気付いたSuiさんの手記の続きです。
前記事はこちら→★
映像思考型の驚くべき認知様式が語られます・・・

[15/02/27 追記]
Suiさんからの要望により、紹介させて頂いたメールを削除するか要点のみ記しました。
私のコメントだけを残してあります。



(漢字は絵と同じように理解出来るが、まだカタカナは書けない)

→ディスレクシア漢字指導に一石を投じる内容ですね!

「漢字が絵に見える」「意味は分かる」
           =「"絵"と意味の共感覚は強い」
「カタカナは書けない」=「"絵"と音の共感覚は弱い」
ということですよね。
「音と文字のつながりが弱い」というディスレクシアの定義そのままですね。

ここから分かるのは、ディスレクシア児には、まず漢字を教えてから、漢字を分解してカタカナを教えるという順番もありかもしれない、ということですね。
常々、「ひらがな/カタカナが完璧にならないと、漢字練習に進んではいけない」という考え方は、ディスレクシアにはつらすぎると思っていたのですが、やっぱりそうですよね。


(削除)

→すみません、漢字の話を続けます。
この例のように、鳩を細部まで頭に描けるほどの能力を持ったディスレクシアは、たぶん漢字も、細部まで頭に描けると思うんです。その結果、小学校の漢字学習の際には問題が表面化しない可能性がありますよね。
となると、中学で英語が登場して初めてディスレクシア的につまづくことになります。
つまり、漢字で苦労しないディスレクシアのほうが、実はディスレクシアとしては重度かもしれませんね。

(第六感が鋭い)

→きましたデジャビュ(笑)。Suiさんは夢や共感覚ではなく、「視界に入る細かい情報をとらえる能力」と思われますか。なるほど・・・


(削除)

→この診断結果の表現にびっくりしました!文法的に読めば「アーレンシンドローム、イコール、ディスレクシアの一種」と言っているわけですから。
それに、「空間認識力が高ければ音韻性ディスレクシア」とか、「音に敏感なら視覚性ディスレクシア」というような、単純なものでもないのですね。

(脳のエネルギーを普通より多く消費するため、水を多く飲むように指示されている)

→ブレインジムでも、水を飲むことは決して我慢してはならないという決まりがあります(ついでに、あくびも我慢禁止とのこと)。脳の活動は結局は電気信号であり、脳内の電気信号は水を介して伝わるので、というのがその理由のようです。
ディスレクシアの人は読むときにものすごく脳を使っていますよね。

それにしても、オーストラリアの教室におけるディスレクシアへの配慮は日本のはるか先を行っているらしいことが、この注意ひとつからも分かります。。


(感情のコントロールはどうしているか)

→考え込んでたら1日たってしまいました。ここはひとつコメントに期待したいです(^^;)
ヨガ(と瞑想)を5年ほど続けていますが、これは思考を手放す訓練なので、思考の暴走を止めるという点では根底的な効果があると感じています。
ただ、子供にヨガを勧めるのは難しいかも?即効性はないですし。
子供にはベビーマッサージをしていたのですが、今でも勉強のあとに「足もんで~」と言ってきます。これも落ち着くのに効いているのかも。

2015-01-18

[追記つき]多言語環境に暮らすディスレクシア親子より(1)「一つ一つの事象が立方体の箱のような感覚」

たいへん間があきまして申し訳ありません。。。
ようやくここに戻ってくることができました。

数日前、オーストラリア在住のSuiさんという方から、大変に読み応えのある当事者の告白を頂きましたので、ご了解を得て、数回に分けて紹介します。

[15/02/27 追記]
Suiさんからの要望により、紹介させて頂いたメールを削除するか要点のみ記しました。
私のコメントだけを残してあります。

☆  ☆  ☆

(漢字の書き取りは不得意だったが、化学や数式、解剖学など全てを立体に見る事ができる。
文字とイマジネーションが強く結び付いている)

→字を読んでいると味がする!これは共感覚ですね。
言語の起源に「共感覚」をあげる説があるようです。以下、ちょっと難しい話になりますが…
太古の人類において、音と意味が他の感覚よりも強く結びついたから、ヒトは音声言語を進化させた(「音響信号から話者性をそぎ落とすと音⇔意味のシナプス結合が否応なく起こるようになる」ことが立証できれば、言語の起源を化学的に(シナプス結合というケミカルな方法で)説明できるはずだ
[by峯松信明先生])、
さらには、音を聞くと特定の絵(のちの文字)が浮かぶ共感覚が他の共感覚よりも強く結びついたから、ヒトは文字言語を進化させた、と妄想できるわけです。
香りと記憶(意味)が強く結びついていることは知られていますが、それ以外にも、ある感覚と別の感覚との結びつき、つまり共感覚には、いろんな組み合わせがあります(音と味とか、音と色とか←実は私、これがちょっとあります)
ディスレクシアは、音と字の共感覚を、普通の人ほど持っていない人とも言えるわけですね。
その分、別の共感覚を持っているのかもしれませんよね。

(一つひとつの事象が立方体のように知覚される)

→箱を自由自在に取り出して回す・・・「数学の問題で、頭の中で正八面体を回すことも止めることもできる、止めないと式が書けないので止めたけど」と話してくれた生徒のことを思い出しました→★。「すべてが立体に見える」の意味するところはそれにとどまらず、すべてに及ぶのですね!

「長い文のほうが短い文よりも理解出来る」は、大学受験生はもちろん(4択の設問文より本文のほうが読むのが楽)、小6の子からも最近感じるようになりました。立方体を作る材料(文脈)を使って立方体の一面(細部)を理解しているということなのでしょうね。


(削除)

→これもよく分かります。ディスレクシアの子は概して、抜群に空気が読めるようです。これも一種の共感覚とも言えそうですね。

空気が読めることがその子の人格にどういう影を落とし、どんな行動になって表れるかは、さまざまであるように思います。
うちの家庭教師君は大学入学時には「僕が我慢することですべてが丸く収まるならそうしましょう」という人格になっていて、非常に温和なのですが見ていてかわいそうなくらい不満を出さない、抱え込んでしまう子になっていました(泣)。そんな彼もかわいい彼女が出来てから、ずいぶん不満を出せるようになりました(彼は親に自分がディスレクシアだと言っていません)。
自分の”特性”について話せる人、受け入れてくれる人を持つことは、ディスレクシア的に非常に大事だと感じます。

(物語を小さな箱に分けるのをイメージして、「そして」「しかし」「何故ならば」といった箱と箱を繋げる糊の役割を理解したら、読解は簡単になった)

→「箱をつなげる糊」という比喩からしてとてもディスレクシア的です!
ディスレクシアは「糊」(つなぎ言葉)が、少なくとも設問としては苦手なようです。文意というものを、もっと直観的に理解しているのかもしれません。本質が見えてしまうので、論理的にものを述べるのが面倒(または、どこから手を付けていいか分からない)なようにも見えます。
そこをこらえてもらい、「他人にわかるように物を述べるには、『しかし』や『よって』を正しく使えるといいよ」と辛抱強く説得すると、だんだん要領をつかんでくるようです。
「糊」の理解力については、学会でも言われているように、小5と小6の間に読解力の転換があるように思います→★。さらに、ディスレクシアの有無にかかわらず、数学で証明問題がある程度出てきた後(高2あたり)に次のステップアップがあると感じます。
大学受験生の年頃になると、ディスレクシアでもそれなりに「糊」を理解できるようになります。

(続く)


2015-01-01

2014年に反響の大きかった記事

明けましておめでとうございます。

昨年1年、ここにディスレクシア・コミュニティが育ったことに
文字通りの意味も含めて、たいへんに有り難く思っています。
当ブログから一番多くの情報を得ているのは、わたし自身だと思います。
ありがとうございます。

情報が役に立つとか心の支えになっているとまでの過分な言葉も頂き、
大いに恐縮しています。
ディスレクシアの子を持つフリーランス翻訳者で英語講師というだけの、
偉い肩書きの何一つない者ですが、誰かの役に立っているなら嬉しいです。

とはいえ、私のディスレクシア的短期目標は受験生を合格させること、
長期目標はディスレクシアの得意が認められ尊重される社会変革
(↑去年も同じことを書いた気がしますが、本気です)
なので、ここで満足するわけにはまいりません。

メールへのお返事が遅れがち・途絶えがちで申し訳ありません。
予備校講師的には、ここから2月末まで大量添削期間に入りまして
受験生以外のメールにはお返事が遅れがちになること、何とぞご了承下さい。
とはいえ、頂いたメールはすべてありがたく拝読し、心の中で返事し、
特にディスレクシア本人からのものは一字一句食い入るように読んでいます。


2014年の当ブログの動きを総括しておきます。

2014年に書いた反響の大きかった記事、
トップ5

◆第1位
ジョリーフォニックスその6:中1ショックはきっと克服できる

当ブログには「中1ディスレクシア児の母」という読者層(?!)がいますが、
「うちの子もまさにこれです!」
という方々が次々と名乗り出る、きっかけになった記事です。

中1での英語学習をきっかけにディスレクシアが発覚する場合が多い、
中1だと反抗期が始まっていて、親に素直に応じてもらえない難しさがある、
一方、ジョリーによって、中1ショックもかなり克服できる、
・・・といったことがわかりました。

中1ショックは簡単にクリアできるわけではない、大変な問題ですが、
それでも中1ショックについて話し合える場をここに持てることを
たぶん私自身が一番ありがたく思っています。


◆第2位
道村式「漢字カード」はディスレクシア児の漢字学習に絶大な効果があると思います!!

2013年12月の記事ですが、昨年を通じて大変多くの反響があったので
ここに含めました。
一時「ディスレクシア 漢字」で検索すると一番上に出てくるように( ̄д ̄!)


先週、道村先生とジョリーの伝道師・山下桂世子先生の顔合わせが実現!
ジョリーと道村式漢字カードには共通点が多いですし、
特別支援教育へのまなざしなども、お二人は重なる部分が多いようです。

道村式漢字カードからジョリーへと続く「ディスレクシア学習ライン」が見えてきました。

引き続き、道村式漢字カードの愛用者として支援活動を続けてまいります!

ジョリーについては、日本普及プロジェクトが少しずつ進んでおり、
できる範囲で協力させて頂いています。
この件については、近日中に発表できるよう、頑張ります。


◆第3位
ハイパーレクシアでADHDな私が本当に「読める」ようになるまで

当ブログはいまやコメント欄が「裏ブログ」と言えるくらい充実してますが(?!)
そのきっかけになった記事です。

ブログを始めようと思ったきっかけとして、
「情報はたくさん出した人のところに集まる」(糸井重里『インターネット的』)
が、半信半疑ながら頭の中にあったのですが、
この言葉は本当だと、つくづく実感した記事でもありました。
今の時代、情報がほしいなら、自分がまず情報を出すのが一番だということ、
しかも、「自分の(無意識の)姿勢がきっちり反映した情報だけが返ってくる」
ということのようです。


◆第4位
ディスレクシアはデジャビュが多い?

コメント欄にはそこまで反応がないのですが、隠れた反響が大きかった記事。
以後頂くメールのなかで、「デジャビュ、私も(うちの子も)あります」
とのカミングアウトが、もうすぐ2桁に達する勢いです。
私の中では、「ディスレクシアはデジャビュが多い」
=「時間感覚が人と違うらしい」は、ほぼ確定事項になりつつあります(笑)


◆第5位
匿名さんへのお返事(+中一ディスレクシア児のお母さんからのメール)

「中1ショック+反抗期の子に、どうやってジョリーに取り組んでもらえるか?
ジョリーよりもとっつきやすい代案はないのか?」
に答えようとすることから始まったこの記事、
途中から「ジョリーに代わる、より低価格の選択肢はないか?」
という議論も加わり、山下先生も加わって白熱した議論に。
「現状ではジョリーフォニックスエクストラ[3万円]を買う以外の方法はない」
という、申し訳ない結論になったのですが・・・

最初は「高くて買えない」と言っていた方が、最新のコメントでは
「自分へのご褒美に買うつもり」
「知り合いの中学英語教師を巻き込んで教えてもらう予定」
「その教師もディスレクシアの存在を知ってびっくりし、一緒に考えてくれると言ってくれた」と(T T)。

「中1の子が振り向いてくれない」と言っていた方も、
先日の山下先生のセミナーに参加され、
「母が諦めたら終わりですものね!」と言うほどに(T T)。

ディスレクシアの母としての進化を遂げていく様子に、胸を打たれました。


◆次点

「大人ディスレクシア向けやり直し英語」は数名にモニターになって頂き、
そろそろ講師として本格対応ができそうです。
興味のある方はご連絡下さい。


2014年・自分的には大発見、トップ7

◆第1位

視写の効果は本当に絶大です!
最近では、予備校で見かける弱いディスレクシアの生徒にも
視写を勧めています。
「視写に効果がある」と説得するのが一苦労ですが、
実際に試してもらうと、その効果はかなり驚くべきものがあります。

毎日視写を送ってくる受験生もいます。
うちの子にも視写は、毎日2セット書かせています。

ディスレクシア大学受験生の個別指導は、随時承っています。

こちらも、ご興味のある方はご連絡下さい。


◆第2位

ほとんど反響のなかった記事なのですが、
「自分の音読を再生して聞く」は、読み能力アップに効果絶大なのです!
この件については、今年さらに実践を重ね、プッシュしていきたいです。


◆第3位

視写の前に、まず読めることが必要です。その方法と重要性に関する記事。

上は読み訓練のポイントを列挙したもので、
下はディスレクシア読み訓練の効果を調べた、脳研究の記事(翻訳)です。

2つを合わせると、

「ディスレクシアでも、読みの訓練を諦めてはいけない。
なぜなら脳には「可塑性」と呼ばれる、訓練によって変わる性質があるから。
そして、ディスレクシア読み訓練は、ポジティブな声かけとともに行うべき。」

「一緒に楽しむこと」は、当ブログがまだ1日20PVの頃、
コメントを下さった方に教えてもらいました。
この方の立場は私と同じですが、
どんな研究会や学会でも聞けないような鋭いコメントを下さいます。
そういうことがままあるということも、この1年で学びました。


読み練習の効果を最も実感したのは、自分の子と日本語を読んだ時よりも
コスモ君(浪人生)と英語を読んだ時だと思っています。
3月にはセンター試験の文法問題の選択肢の1語も音読できなかった彼が、
今では800語の文章を、単語の意味さえ分かれば読破できるようになりました。

私に多くのインスピレーションを与え続ける彼については、
合格してから総括したいです。



◆第4位

音楽に対して、絶対音感を持つ人と相対音感を持つ人がいるように、
話し言葉に対しても、絶対音感の人と相対音感の人がいるはず。
話し言葉(音韻)に対する究極的な相対音感者とは、
「前後の音との関係でしか音韻を把握できない人」である。
そんな人をディスレクシアと呼ぶ。・・・という斬新な仮説にびっくりし、
その勢いで本年度は水曜2限に峯松先生の東大の授業にもぐらせて頂きました。
文系院生に音響音声学を語る難解な授業に前のめりのおばさんが一人(爆)

この授業の内容をディスレクシア学習につなげていくのは今後の課題です。
とりあえず、峯松先生が初回の授業で
「ことばについては、脳まで行かずとも、
音声言語の工学的分析から分かることがたくさんある」
と言われていたのは本当に本当でした。
デジャビュやスマホ学習法は、峯松先生の授業内容がヒントになっています。


◆第5位
ディスレクシアのなかには、光過敏症の人が相当数いるようです。

うちの子は、そこまで光過敏ではないと思っていたのですが
PCメガネをかけて「ここから俺の天才伝説が始動する」と言っています(笑)
メガネ1つでそこまでポジティブになれて、実によかったです。


◆第6位

夏目漱石が(きっと)ディスレクシアというのも驚きでしたが、それ以上に
文学研究者が持つ「優れた思想が誤字交じりの悪筆で書かれるはずがない」
という間違った思い込みを、再確認することができました。

小説家には悪筆の人がかなりいるようです。石原慎太郎とか村上春樹とか…
なかなか読み込む時間がないのですが、
「村上春樹『1Q84』をディスレクシア的に読む」をいずれ書きたいです。


◆第7位

「発達障害は遺伝性ですが、それだけで終わるような単純な話でもない」
という答えを、『発達障害の原因と発症メカニズム』から得ることができました。

当ブログには「発達障害 遺伝」「ADHD 遺伝」で検索して来る人がけっこういますが
そういう人たちに対する答えがこの本にはあります。


◆番外
1つの記事にはまとめていないのですが、
当ブログで歴代最も反響の多い記事である「隠れディスレクシア」
の著者、エイデ博士から連絡があり
「一緒にディスレクシアの利点を伝える活動を進めていきましょう!」
と言ってもらえたのは、大きな出来事でした。
ファーネットさん(妻、中国系アメリカ人)からは、
信仰心と西海岸らしさが合わさったポジティブパワーをたくさんもらっています。

当ブログのディスレクシアの旅(?!)がポジティブに見えるとしたら、
それはエイデ夫妻に非常に大きな影響を受けているからです。
これは本当に、私一人が独占してはならない、素晴らしいものでして、
日本のディスレクシア界にもぜひ広めたいと思っています。


最後に、新年の決意とばかりに、
2015年にディスレクシア的に追求したいテーマを書いておきます:

1) ディスレクシア的・大学受験英語の学習方法

2) 「ジョリーの42音」の次にすべきこと

3) Dyslexic Advantageを翻訳する

4) ディスレクシアにとっての「オト」の単位とは何か。
音楽・音韻・リズムとディスレクシアの関係

5) スマホを使ったディスレクシア・フレンドリーな学習法


2015年も、当ブログをどうぞよろしくお願いいたします!

2014-12-24

世界仰天ニュースのディスレクシア特集+裏番組でも

「仰天ニュース」のディスレクシア特集がyoutubeにアップされているとのお知らせを頂きました。
匿名さん、ありがとうございますm(_ _)m






個人的には、竹田契一先生(LD学会の重鎮)が、
「ディスレクシアは医学ではなく、教育の問題」
と言い切っていたのに、我が意を得たりと思いました(←何様(笑))。



こんなコメントも頂きました:
この週末、1週遅れて「仰天ニュース」が放映されました。迷ったのですが、思い切って息子と高校生の長女と見ました。息子は真剣な顔つきで、画面に釘付けになりました。小学生時代のエピソードでは,「むかつく!この先生」と怒りも見せたり。番組が終わると、「俺もこれだよ!ひらがなは大丈夫だけど、漢字が覚えられないんだ!」と、笑顔で興奮気味に話しかけてきて・・「この人の気持ちがよくわかるの?」「うん!」。傷ついたという感じでもなく、「俺より困っている人もいるんだね~学校の先生は昔からわかってくれないんだね~」みたいな感じで、けろりとしているんですが・・専門家の人が「障害ではなく特性です」といってくれたのも良かったです。
その反応を見て、もじこさんのブログに私が出会ったことを話し、この記事も見せてみようかなと思っています。幼い6年生ですが、同い年の子ががんばってる姿をみたら、刺激になるかな・・と。番組内のつるのさんのように「そっか~おれは勉強しなくていいのか!」に流れてしまう可能性もある子なんで(泣笑)
バラエティーの中で重くならずに放映してくれたのも、息子にはよかったです。こうゆうう番組が増えるといいですね。主人にも録画を後で見せたら、やっと息子の特性を理解して受け入れてくれた感じです・・・テレビ一族の我が家には効果的な番組でした!
明るい感じでの"告知"にも使えるとのこと。
告知派※の私にとっては、嬉しい限りです。

※ちなみに、わたくし的には「ディスレクシアの告知」とは、
「××は字が苦手だけど、クラスに1人か2人しかいない、
特殊な能力を持ったほんとにすごい子なの。」
「進化した人類がクラスに紛れ込んでいるようなものなの。
でも地球の字が苦手みたいだから、頑張って毎日練習しようね」
と伝えることを意味します。(本気です。)


また、同じ12月10日は、裏番組であるNHKニュースウォッチ9でも、
なんとディスレクシアの小特集があったようです。見たかった…

頂いたご報告より。ありがとうございます:

NHKニュースウォッチ9を見ていたら、東大先端研の中邑先生のプロジェクトをやっていました。
色々な事情で、学校には適応できないのだけど、突き抜けた能力を持つ子供たちを集めて、各界の一流の講師を招いて、その子たちを育てる、というものです。
出てきた子供たちの中で、あきらかにディスレクシアの6年生の男の子がいました。
その子は、一度見ただけで映像をぱっと記憶し、スケッチブックにその絵を描くことができます。1日にそれこそ何十枚も描くこともあるそうです。しかし、文字はひらがなも十分には書けないため、学習から落ちこぼれ、学校にも行けなくなってしまったとのこと。実際に「あいうえお」と書くところを放映していましたが、非常に苦労しながら書いているのがよくわかりました(やはり、ちょっと驚く映像ですね)、
そのニュースでは、主題が「不登校」とか「学校への不適応」だったため、ディスレクシアという用語は出ませんでしたし、それ以上の深堀りはありませんでしたが、中邑先生は色々なアプローチで、この方面の研究を進めているようですね。
以上、非常に簡単ですが、ご報告でした。

追記(15/01/01)
上のプロジェクトはこれだと、教えて頂きました。ありがとうございます:
異才発掘プロジェクトがスタート 第一期生に全国から15人
→★

2014-12-20

「ディスレクシアでそこそこできる子は、同級生の2~3倍は努力している」

「2eニュースレター」で見た記事を訳しました。

著者のケリ・サンドマン=ハーリー博士は、
アメリカ西海岸でディスレクシア研究所を運営しているようです。

2eは直訳すると「二重に例外的」、
発達障害であり、かつギフテッド(=定義がいろいろあるようですが、
ざっくり言えば特定能力で突出して優秀だということ)を言うようです。

当ブログで反響の最も大きい記事、「隠れディスレクシア」も
もとは「2eニュースレター」に寄稿された文章です。
つまり、英語圏では隠れディスレクシアはギフテッドの特徴のひとつ
ということになっています。

しかし・・・ここからは私の仮説ですが、
アメリカの2e教育で言われていることは、
日本では2eに限らず、ディスレクシア(英語)教育全般に多くのヒントをくれる
と実感しています。

「日本のディスレクシアは、中学に入って英語の学習が始まるまで
ディスレクシアに気付かずに過ごすことが少なくない」
という、日本語ならではの状況と関係しているような気がします。

なので、以下の記事で「2e/ギフテッドでディスレクシア」とある箇所は、
こと日本のディスレクシアの英語学習という面については、
「学校の勉強にそこそこ追いついている、問題行動のないディスレクシア」
と読み替えてよいと思います。


<要旨>
・2eでディスレクシアの生徒は、同級生と同じ成果を出すのに、2~3倍は努力している。
・自分の本当の語彙力で書けないので、作文の成績は悪い
・2eでディスレクシアかどうか、4分間の音読で判断する「読みアセスメント」
・書くことを支援するテクノロジー紹介
・2eでディスレクシアがどう感じているか、英作文のシミュレーション
------------------------

ギフテッドかつディスレクシア:2eについて
ケリ・サンドマン=ハーリー
2014年12月10日
原文→★

皆さんにジェニーを紹介したい。中学2年生で成績は良好、いや優秀と言っていいくらいだ。先生たちによれば、人あたりがよく、決まりを守る、賢い生徒、ただ、ちょっと大人しいという。考えることは複雑で面白く、いつもベストを尽くそうとする努力家だ。

なぜ私は、彼女の話をしたいだろうか? 私がジェニーに関心を持つのは、彼女は先生達に「中の上の生徒」との印象を与えるために、同級生の2~3倍は努力しているからだ。

ジェニーは2e、つまりディスレクシア(とディスグラフィア)であり、かつ知的ギフテッドだ。
このことは、同級生が45分で終わる宿題に、彼女は3時間かかることを意味する。何かを書けば3~4回書き直すまでは誰にも見せない。書くときはスペルミスを避けるために短い単語を選ぶ。
そこまでしてもなお、彼女は自分の本当の語彙力のレベルで書くことができないので、作文の成績は悪い。

ジェニーの現在の良い成績は、ディスレクシアにもかかわらず(またはディスレクシアのおかげで)我慢を重ねたおかげだ。これはもちろん称賛すべきことだ。だが、ジェニーが同級生と公平に競えるよう対応策を取ってもらえていたら、彼女はもっと良い成績を取るはずだ。そうすれば、彼女は従来の方法で読み書きできることではなく、自分が実際に理解していることをアピールできるはずだ。
彼女は成績も悪くなく、問題行動もないが、だからと言ってIDEA(障害のある個人教育法)のアコモデーション(合理的配慮)が不要という意味ではない。ディスレクシアの生徒がどのように学んでいくのかを考える際には、私たちは「箱の外に出る」、つまり従来の枠組みにとらわれない発想が求められる。


◆音読による読み能力アセスメント
ジェニーは、表面的には読めているように見えるし、合理的配慮が必要には見えないが、細かく見れば彼女の苦労が分かる。

そのひとつとして、読みに伴う疲労に関するデータを集めてみたい。
ひとつの方法は、生徒に学年並みの内容の長文を、4分間読んでもらうというものがある。
・1分経過ごとに、現在読んでいる場所に印を付けていく。
・4分後、毎分ごとに読んだ語数を数える。

ディスレクシアの生徒の多くから、このような疲れ方をしている証拠が得られる:

正しく読めた単語の数
0:00-1:00       106語
1:00-2:00       96語
2:00-3:00       85語
3:00-4:00       45語


◆合理的配慮のテクノロジーを使って/使わずに書く
作文については、ジェニーは次のような感じの文章を書くだろう:

I went on a trip with my mom and dad.
(パパとママと旅行に行きました)。

特に問題はないように見えるかもしれない。
だが、実は彼女はこのように書きたかったとしたら?

Last weekend, my family and I visited the Grand Canyon. It was beautiful with deep canyons and breathtaking views. I enjoyed the time with my family and look forward to our next vacation.
(先週、家族とグランドキャニオンを訪れた。深い渓谷に息を呑むような景観がとても美しかった。家族で楽しい時間を過ごすことができた。次の休暇が楽しみだ。)

なぜ、彼女が本当はこう言いたかったと分かるのか。 
それは、彼女の話し言葉と書き言葉の言語能力の差の大きさで分かるのだ。

つまり、2eの生徒の書くことの困難についてのデータを集めるもう一つの方法は:
1)まず、誰の助けも借りずに1人で何かを書いてもらう
2)書きたいことを言ってもらい、それを文字に起こしてあげる。
3) 1)と2)の語彙の選択、文法、概念の複雑さを比較する。

1)と2)のどちらが、その子の知的能力を表していると言えるだろうか。

◆支援テクノロジー
こうして、ディスレクシアかつ知的にギフテッドでもある生徒を、見抜くことができた。次に、試合のフィールドを公平にし、非ディスレクシアの同級生と同程度の努力で競争できる環境を整えることが求められる。
そのために導入できる支援テクノロジーの例:

オーディオブック
音声認識
ライブスクライブペン(Livescribe Smartpen)
キーボード入力を許可する
板書の内容を渡す
板書の撮影を許可する

訳注:ライブスクライブペン。
ペンとノートがiPhone/iPad上のEvernoteに連携しており、
そのほかOCRとボイスレコーダーが付属しているとのこと。
これは使えるかも?!

◆ディスレクシアが作文においてどう感じているか、
簡単なシミュレーション
ここで、皆さんにも簡単な課題を試していただこう。
今朝何をしたか、一瞬考えて書いてみてほしい。

ただし、次の言葉は使えない:a, the, of, and, is, or。
(訳注:日本語だと、「は、が、を、の、と、や、~だ」あたりに相当)
これらは、これから書くことの中に一切使ってはならない。

書き終わってから、この記事の続きを読んでほしい。

======== 

手ごたえはどうだろうか?

このシミュレーションを私は何度も行ってきたが、その経験から「この課題は簡単ではない」と皆さんが思っていると確信している。
実は「簡単」と最初に言ったのも実験の一部なのだ。実際に着手する前から「そんなの、何の問題もなくできるはず」と思い込んでほしかったので、あえてそう言ったのである。

おそらく、今あなたが書いた内容は、あなたの知的能力を正しく反映していないはずだ。
(訳注:英語では、a/theが正しくない文は、すごく稚拙に見えます)
もし、そんな状態で書いたものだけが、成績の基準になったとしたら…?

これがアメリカの学校現場の現実だ。つまり、アメリカの公教育制度は、生徒が持てる能力を完全に発揮していることを確かめる仕組みになっていない。だが、ディスレクシアの生徒が持てる能力を発揮できずにイライラが募れば、自尊感情を大いに傷つけることになる。

だが、これからは違う。これを読んでいるあなたは、ディスレクシアの生徒の気持ちを実感できたからだ。共に力を合わせて、ディスレクシアと知的ギフテッドの生徒に特徴的な「沈黙」の文化を変えることができる。
こうした生徒たちは公平を求めているだけで、それ以上は求めていない。そして、公平が必ずしも平等を意味しないことは、アメリカ人なら誰でも分かっているはずだ。

-----------------------------

最後のシミュレーションテストは、ディスレクシア的な英語の難所について
「やっぱり!」なことを言っていると思いました。
これについては改めます。

2014-12-18

小学生向け視写教材・音声教材いろいろ

小学生の視写教材について、ご質問を頂きました。

コメントでちゅら海さんが書かれていた
「うつしまるくんを宿題に出してもらうよう、学校の先生に頼む」
は、その手があるかと。うまいアイデアだと思いました!
(うつしまるくんは、学校だけに販売する、書店取扱のない商品です)

うちは最近、薄い問題集を、天声人語ノートに貼って使っています。

『朝5分ドリル』
5~10分で視写するのに、ちょうどいい分量です。
内容も、ニュース、歴史、小説、カタカナ多め/漢字多めなど、
いろいろ入っています。

1学年下の教材から始めました。

今は6年生のものを使っています。
PCメガネをかけ出したら、最後まで書き通すことができるように。
(よく見るといろいろ間違ってますが)


手順
1)設問を解く(問題集の指示通り、最長5分で)
2)視写する(10分。書き終わったら2周目に入る)
3)音読してもらう(視写した字のほうを。これが読めない。。)

この教材を見つける前は、小学生新聞を使っていました→★
視写教材としてはとても良いですが、毎日の素材選びがけっこう面倒なので
今はありがたく問題集を使っています。

小説が好きな子なら、長い小説を少しずつ視写するのも良いと思います。

視写は、毎日地道に続けて、習慣化することが大事だと感じています。
大学受験生や大人での効果を見て以来、最近は毎朝行っています。


☆追記(14/12/19)
さる方から情報提供を受けました。教材比較写真を載せておきます。
ありがとうございます!

◆うつしまるくん

うつしまるくん(1年生)。
「ていねいにはやく」はディスレクシアには無理かも・・・


ディスレクシアだと、最初のうちは学年相当の視写は難しいかも、とのこと。
確かにそうかも・・・うちのやつが1年のとき、この視写が宿題だったとしたら、
相当つらかっただろうと思います。



◆「グレーゾーンの子どもに対応した作文ワーク」


初級・中級・上級があります。
単語、機能語、音便(「っ」「ょ」など)を正しく書く練習、
そして単文、複文の視写・・・という徹底したスモールステップ構成です。
うちでは3年3学期から4年1学期に(途中まで)解きました。
今見ると、全部解けばよかったと思う、充実の内容です。

「グレーゾーンの子どもに対応した作文ワーク 初級」で
うつしまるくん(1年)と同じくらいかも?


◆「読み書きが苦手な子どもへの<基礎>トレーニングワーク」
「読み書きが苦手な子どもへの<基礎>トレーニングワーク」
このシリーズはよく出来ています。
ディスレクシアだと分かったら、学年問わず一度戻ってみるのがおすすめ


これもおそらく、4年生か5年生の時の字。
たしか、漢字学習と並行して、疲れたら1ページだけこの本から練習、
という使い方をしていたように記憶しています。

当ブログは視写推しですが、それでもあえて言いたいのは、
視写は、ディスレクシアな子の発達段階によっては、すごくつらいので、
嫌がるようなら無理強いはいけないということです。

そのうち、ディスレクシアでも視写が楽しいと思える時期が来るようです。
そのときが、視写の取り組み時なのでしょう。

☆  ☆  ☆

ついでに、音声教材について、知っていることを書いておきます。

・「中学英語の教科書ガイドについているCDを何度も聞かせています」
と、さる方からメールで教えて頂きました。
なるほど!ありがとうございます。

・ディスレクシア支援を行っているNPO「エッジ」のサイトでは、
ディスレクシアだと自己申告すれば、
小中学校の教科書の音源を無料でダウンロードできるようです。
私はまだ使ったことがないですが、非常にありがたい教材だと思います。

・うちは、小学校の国語の音声教材として、
オーディオブック販売サイトFeBeをチェックしたり、youtubeを探したりします。

FeBeはプロの朗読なので、さすがのうまさです。
ディスレクシア的には、聞いているとありありと映像が浮かぶようです。
子供は「トロッコ」を聞いたときに「怖い(´Д`;;)」と震えてました(笑)。

『脳が良くなる耳勉強法』

FeBe創業者が語る、聴覚を使った勉強法。

神奈川の私立中高に入るも偏差値30まで落ち、
そこから耳勉強法を編み出して東大に合格との経歴からは、
この方もディスレクシアなのかも、、という気にさせられます。

本人がブログに出してくれと言うので、失礼します。
「やまなし」はFeBeで聞いてから、学校の授業に臨んだところ、
先生の言っていることもよく分かったそうです。