ディスレクシア専用英語塾「もじこ塾」のブログです。 ●ディスレクシアとは:知能は普通だが、読み書きが苦手(読み間違いが多い、読むのが遅い、書き間違いが多い、読むと疲れやすい)という脳の特性 ●全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力に長ける ●読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい ●適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される ●10人に1人程度いるというのが通説 ●家族性とされるが、ディスレクシアの表れ方は個人差が大きい もじこ塾は、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要、という立場です。
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2015-04-15

聴覚過敏対策その2:トマティス

聴覚過敏対策として、(1)でノイズキャンセリングヘッドホンを紹介しました。
わたくしが実体験からお勧めできる聴覚過敏対策は、トマティスです。

私は子供とともに、昨年の夏にトマティスの聴覚トレーニングを受けました。
その影響が、少なくとも私にとってはあまりに大きくて、
逆になかなか書けずにいました。
良い機会なので、まとめてみました。



「トマティスのトレーニング」とは、特殊加工した音楽を聴くことで聴く力を整え、
それによってディスレクシアや発達障害を改善するプログラムです。
詳しくはこちら→★

(以下の記事は、リンク先とは何ら関係のない、もじこの個人的意見です)


聴く力を整えることでなんでディスレクシアが?って感じですよね。
「聴く」と「読む」ひいては「書く」がつながっていると考えるのがトマティスです。

機器を借りてきて、特殊なヘッドホンを使って家で聴きます。
1回2時間×15回を2セット。
うちでは昨年の夏、子供と私が一日交代で、夜寝るときに聴きました。
子供は平気でしたが、私はけっこう寝不足になる感じがありました。


私はこれを受けて、
・体幹ができた
4日目くらいに、それまでずっとできなかったヨガの「ボートのポーズ」が
できるようになりました。
体幹ができたのです!これはうれしい変化でした。

そして、
・自分の声を落ち着いて聞けるようになった。

どうやら、トマティスによって聴く力を整えると、
自分の声がよく聞こえる(というか客観的に聞こえる)ようになるのです。

そうすると、あわあわしなくなるし、会話の間(ま)が怖くなくなるので
授業でもだいぶ落ち着いて話せるようになりましたし
1対1でも、相手の話を落ち着いて聞いてから、返せるようになりました。

このあたりは私のADHD的気質の改善に大きく効いたと感じてます。
以前は、相手の話に割り込んで話の腰を折ってしまったり、
生徒に言わせるべき答えを自分が言っちゃったりして、
「ああまたやっちゃった・・・」と自己嫌悪に陥ることが多かったのですが。
トマティス後、一番変わったのは、それが(ほぼ)皆無になったことです。

また、自分の声が客観的に聴けるようになると、
もっと届く声にするにはどうしたらいいだろうと考えるようにもなりましたし、
自分の発音が舌足らずなことも、自分で聴いていて分かるようになりました。
(それで、今週から歯列矯正をすることにしました(!!))

とにかく、60時間のコースを受けただけで、
その後もずっと、変化が変化を呼ぶ感じなのです。

子供はといえば、本人は明確な効果を自覚していないのですが、
その後、視写や計算などを比較的スムーズに進めることができたので、
おそらく効果はあったと思います。


私の実感としては、トマティスは聴く力を整える効果があるので、
聴覚過敏の人、特定の周波数が聞こえない自覚のある人、
そして落ち着きがない人(落ち着いて人の話が聞けない人)は、
特に変化を自覚しやすいと思います。
お値段は張りますが、かなり奥深いところから変わります。

☆  ☆  ☆

トマティスを初めて知ったのは、
私が教えている通訳翻訳者養成学校で行われた
トマティスの講師による発音改善講座がきっかけでした→★

米語・英語・日本語のパスバンド(周波数帯)の違いに着目し、
日本語になく英語・米語だけにある周波数のヒアリング力を高めることで、
スピーキング力も高まる、という内容です。
私はこのときは受けなかったのですが、
知り合いで何人か、これを試してリスニング力や発音が良くなったと言っている人がいます。


その後、トマティスは発達障害にも効くと知り、
まず2時間の入門講座に行ってきました→★
(そこでの話はいろいろ衝撃的だったのですが、また別の機会に)

そこで買った「耳と聲」という、トマティスの思想をまとめた小冊子の内容が
私が翻訳者として思うことや、ヨガで言われていることと重なる部分が多く
とても腑に落ちたので(一部の内容をこちらで読めます→★)
これがディスレクシアに効くと言っているのは正しいに違いない、
と思って、トマティス発達障害コースを親子で試したのでした。

☆  ☆  ☆

ところで、「トマティス」とは、発達障害や発音に効く聴覚改善アプローチの名称であると同時に、そのアプローチの開発者であるフランス人、アルフレッド・A・トマティス博士の名前でもあります。

トマティス博士はこのメソッドを、まず声楽者用に編み出したようですが、
早くからディスレクシアにも関心があり、
その名も「Education and Dyslexia」(教育とディスレクシア)という本も書いています。

これがなんと1972年刊!だのに、哲学書っぽいこともあり、
その内容は今も古さを感じさせません。
(裏を返せば、ディスレクシアとはそれだけ分かりにくいものなのでしょう)
邦訳はなく、英語版も絶版で、アメリカのアマゾンで中古で手に入れました。

この本が全貌がつかめない奥深さでして・・・
まだ途中までしか読んでいないのですが、気になった部分を訳してみます:



p16
ディスレクシアという状態は、文字が初めて登場して以来存在していたし、おそらく文字が登場する前から存在していたことは疑いない。それどころか、我々が現在知っている通り、ディスレクシアは文字によって引き起こされるのではなく、文字によって浮き彫りにされるに過ぎないのだ。

p56
本書の関心は、「ディスレクシア」という名称で知られるに至ったものが聞きの障害だという点にある。

p59
古来、ラテン語のlegereは「収穫する」「耳から集める」を意味したが、そこから発展して「読む」ことのみを意味するようになっても「声に出して読む、音読する」という意味合いを持っていた。ギリシャ語のlexisは「話す」を意味することから、duslectos(ディスレクシア)は「話すことの障害」という意味であることがよりくっきりと明らかにされる。・・・古来、「読む」という行為は、パピルスを膝に置いた読み手が、その人を取り囲む聞き手たちの耳を、ことばで満たす行為だったのだ。lecture(講義)という語に、このイメージは忠実に残っている。

→トマティス博士は、「読む」=「文字を音にして理解する」ことだと、しつこく主張します。
誰かに読み聞かせしてもらう場合も(朗読)、
自分のために声に出して読む場合も(音読)、
そして、黙ってひとりで読む場合も(黙読)、
文字は必ず音に転換されなければ理解出来ないのです。
そして、文字を見ても脳内で音を鳴らすことができない
(または遅い)のが、ディスレクシアなのです。
ただし、トマティスは言っていませんが…  
漢字は世界でもまれな、「音にしなくても理解出来る文字」です。
そのことが、日本では隠れディスレクシアを多く生んでいます。 
また、ディスレクシアのタイプはいろいろでしょう。
ここに来られる人の話を総合すると、
音声言語はそれはそれで分かるが、文字を見ても「?」という人がいる一方、視覚的記憶力が非常に優れていて、絵として字を理解しようとするが、それを音にはできないというディスレクシアもいるようです。


p75
つまりディスレクシアとは、「書き言葉をめぐるハンディキャップを抱えた人」というにはとどまらない。むろん主訴はそうだが。むしろ、laterality(耳に由来する左右の感覚?)と聴く力が十分に構造化されていない人でもあるのだ。この一方または両方が欠落していると、子供は読むという行為を簡単にこなせなくなる。

→lateralityはトマティス理論のキーワードのようですが、
いまいち何のことか腑に落ちていません。
でも、当ブログに寄せられるディスレクシア感覚から考えるに、
左右の感覚と関係している気がします。 
左右感覚が欠落しているのがディスレクシアであり、
また、トマティスメソッドは左右感覚を整えるものなのだろうと思います。

私の中でトマティスの影響はまだまだ続いています! 

聴覚過敏対策その1:ノイズキャンセリングヘッドホン

rinaさんのコメント→★に、メールでコメントを頂きました。
ありがとうございます!


~~~

4月10日のもじこさんのブログにrinaさんがコメントされたものを拝見しまして、共感する部分がありました。
ブログの方にコメントさせて頂くかどうか迷いましたが、うまくまとめられず、
怪しい商品説明のようになってしまいましたので、こちらに記載させて頂きます。
もしよろしければ、こんな情報もある、ということで、役立ちそうな部分をrinaさんにお伝え頂ければ、と思います。

もじこさんも既にアドバイスされているかもしれませんが、
聴覚過敏にはノイズキャンセルヘッドホン、ノイズキャンセルイヤホン等を使って、物理的に音をシャットダウンする対応策もあります。


特定の波長のみをカットするので、人の声は聞こえます。
波長によってはカットされない音もありますが、私の経験上では、低周波、高周波の雑音がカットされるだけでもかなり楽になります。

私にも聴覚過敏があるようで、雑踏の中で待ち合わせなどすると心拍数が上がり、苦しくなることがあります
(rinaさんの言う、その場にいることが辛い、と言う状態です)。
そういった時でも、ノイズキャンセルイヤホンを使用すると、次第に落ち着いてきます。
私はBOSEのノイズキャンセルイヤホンを使用しています。
ヘッドホンのように見た目が大げさではないので気に入っています。
以前は電車通勤後に毎朝頭痛がしていましたが、こちらを通勤時に使うようになってからは頭痛の頻度が劇的に減りました。



また、娘のディスレクシア仲間(小中学生)には程度の差はありますが聴覚過敏の子が多く、
日常的にノイズキャンセルヘッドホンを使用している子も複数います。
ノイズキャンセルヘッドホンを使用することで教室内に入れるようになり、
授業をみんなと一緒に受けられるようになった子もいます。
以前娘は学校に許可をもらい、ノイズキャンセルヘッドホンを授業中に使用させて頂いていました。
(以前よりも聴覚過敏が低減したのか、最近はあまり使用していないようです。)
低音だけのカットでよければ、4000円ほどの商品(キングジム デジタル耳栓)もあります。
アマゾンのレビューには、聴覚過敏で使用した方の感想なども書いてありました。
もし、大学での授業中などにノイズキャンセルヘッドホン・イヤホン等を使用したい際には、
予め保健室や学生支援室?(大学によって呼び名は違うかもしれませんが、学生をサポートする部署があると思います)
の先生に現状での困難さと使用の許可について相談し、
授業を受ける科目の先生方に周知してもらうと言った手順を踏むと、スムーズに理解が進むのでは、と思います。

rinaさんのコメントを読んで、辛さ、困難さが伝わってきました。
少しでもお役に立てれば、と思います。



☆  ☆  ☆

以上です~。ありがとうございます!


子供の小学校の運動会で、
耳をふさいで泣きながら「殺してやる~!」と悪態をついていた
特別支援クラスの子がいたのを思い出しました。
その言葉の激しさに、周りの子たちも見て見ぬふりをしていましたが
今思えば、あれは聴覚過敏でしたね、、運動会はさぞつらかったことでしょう。
「これ使いなよ」とデジタル耳栓を出せる大人になりたいと思いました(ノД`)

2015-03-03

隠れディスレクシアの高校生へのお返事

高校生の方から、「隠れディスレクシア」の記事にご質問を頂きました→★
お返事が長くなりましたので、ここに載せます:

~~~
壱さんへ。

10代半ばにして「私の人生は動物に捧げる」と誓ったんですね。
よほどの体験があったんでしょうね。素敵です(^◇^)。

こちらはもうご覧頂けたでしょうか:
「ディスレクシアは動物の扱いが上手」→★


「動物感覚」
著者のテンプル・グランディンさんはアスペルガーの動物学者です。
アスペルガーと動物の気持ちには、共通点が多々あるのだそうです。


◆ディスレクシアのカミングアウト?について

早速ご両親の理解を得られてよかったですね。「個性に名前がついただけ」と言えるご両親は、度量の大きい方々ですね。

ディスレクシアな生徒達の話を総合すると、信頼できる人や分かってくれそうな人(部活の仲間、信頼できる教師、親友など)にだけ、「ディスレクシア」という言葉を使わずにさりげなく、自分はそういう系の人だと言うみたいです。
専門用語を使って分かってくれそうな人には、ちょこっと使ってみたり。
相手が知っていそうな有名人の名前を出して「あれと同じ」みたいな言い方をしている人もいます。

言ってみると、意外と分かってもらえたり、自分も実は…みたいな話になったり、助けてもらえたり、ということがよくあるらしいです。
なので、相手を選んで、ちょっとずつ、さりげなく言ってみることをお勧めします。

逆に、理解してくれなさそうな人については、無理に分かってもらおうとしないほうが得策です。たとえそれが担任などの重要人物であっても。
これが2015年のディスレクシアをめぐる日本社会の現状です。
10代の人にこういうことを言わなければならないのが情けないです。。


◆検査について

診断がほしい場合は、発達障害を専門に診る病院に行くことになります。ここでは特定の病院を挙げることは控えますが、もし知りたい場合はメール下さい(mojiko222アットgmail.com)。このブログの読者の方々から教えてもらった病院をリストアップすることができます。

壱さんの場合、診断をもらう最大のメリットは、センター試験で診断書を提出して申請すれば1.3倍の時間延長を認めてもらえる点だと思います。これを有利と感じるのであれば、診断をとって損はないでしょう。

一方、診断をもらったからといってディスレクシアは治りません。ディスカリキュリアもしかりです(- -;)。

ディスレクシアは診断が下ろうが下るまいが、自分がそうだと自覚したら、
(1)得意を伸ばして周囲に貢献する、
(2)不得意なことはあえてしない・助けてもらう・失敗しても大目に見てもらう、
(3)不得意を通常とは異なる方法でカバーして、傍から見て不得意が存在しないかのような状態を作り出す

…を、ずっと微調整しながら実践(試行錯誤とも言います)し続けるもので、治療して治すものではないです。

壱さんも、すでに(3)の方法をいろいろ持ってますよね?「名前は呼ぶ可能性のある人だけ全力で覚える」や会話の掌握の仕方は、まさに不得意をカバーする戦略ですよね。
(ところで、名前はディスレクシア的には覚えにくいことの一つと皆さん言います。うちの子も小5あたりですでに、「相手の名前がわかんない時は『お前、名前なんだっけ?』て聞くわけよ。そうすると『ハァ?スズキだよ』って言うからさ、『違う違う、下の名前だよ』って言うわけ。そうすると教えてくれるじゃん?そうやって人の名前を聞き出すのさv」などと得意げに言ってました(笑))

で、「隠れディスレクシア」の人は、こういう戦略をたくさん持っているようです。
そうすると、検査をしても引っかからない可能性があるようです。何しろ「隠れ」なのですから。。

なお、ディスレクシアの診断に最も使われているWISC-IVという検査には16歳11ヶ月までという年齢制限があります。

~~~

以下は質問からは外れますが、よろしければ。

◆特定の周波数が聞こえない
三歳からピアノを習っていたため、絶対音感はあるのですが、特定の周波数(電子音のソなど…精密検査はしていませんが、自分で把握はしています)が聞こえません。難聴だと思っていましたが、これはディスレクシアが関係あるのでしょうか?
「特定の周波数が聞こえない」のは、ディスレクシアと関係あると思います(!)

「トマティス」という聴覚トレーニングがあります→★
すべての周波数の音をバランスよく聞けるよう聴覚をトレーニングすることで、発達障害をケアするというものです。
私は子供ともども、トマティスの自宅トレーニングを去年の夏から秋に受けたのですが、いまだにじわじわと変化が来ています。
壱さんのように、「特定の周波数の音が聞こえない」という自覚がはっきりある人なら、奥深いところから効果があるような気がします。。。一応、お知らせまで。
トマティスのリスニングチェックテスト→★



◆受験勉強について

私は予備校講師(英語)という職業柄、進学校に通うディスレクシアも毎年見て来ました(現在の担当クラスにもいます)。やはり非ディスレクシアと比べるとケアレスや誤字がどうしてもなくならなかったり、日本語にまとめるところで苦労するケースが多いです。それをまた人一倍のがむしゃらな努力でカバーしようとします。

ディスカリキュリアとなると、さらに知られていないので、単に「数学が超絶に不得意」で片付けられていることが多いと思います。

「定理を覚えられないのでいちいち証明しなければならない」は、当ブログにもたびたび登場するコスモ君もまったく同じことを言っていました。
ある意味、それができるほうが賢いと思うのですが、でも入試では大変ですよね。。


あくまで一般論ですが、進学校に通う隠れディスレクシアにとっては:

・客観式よりも記述式の試験問題のほうが得意
私大よりも国公立の問題のほうが、基本的には向いています。

・大量の問題をすばやく解くよりも、少ない問題数をじっくり解く入試のほうが得意
前者の筆頭は東大です(苦笑)。ケアレスミスに厳しい、スピーディーな処理が要求される、そんな東大入試はディスレクシアにはとことん優しくない試験です。

・満点競争よりも、難問のほうが有利に戦える
易しい問題を出し、満点近い点数を取らないと合格できない大学(地方総合大学の医学部など)はディスレクシアにはかなり不利だと思います。それよりもひらめきを要求されるような難問を出題し、合格者平均が低めの入試のほうが、ディスレクシア的には有利です。


・・・という傾向があるかと思います。

とはいえ、一番大事なのは、行きたい大学・学部を自分の意思で選び、そこに入りたいというモチベーションをしっかり持つことです。「ディスレクシアは普通の人よりもモチベーションの力に後押しされる」と「隠れディスレクシア」の原著者も言っています。

きっと壱さんは、そのあたりの問題はクリアしていることでしょう…!

何か質問があったら、また遠慮なくどうぞ。


2015-02-14

[追記つき]多言語環境に暮らすディスレクシア親子より(3)「パズルの最後のピースがはまった時にすべてを理解する」「箱と糊」

前回の記事はひっそり沈めるつもりだったのに、大変多くの方に「おめでとう」の言葉を頂き、本当にありがとうございます。
子供にも伝えたところ、まんざらでないという顔をしています(笑)

職業上毎年たくさん言っている「おめでとう!」を、本当に多くの方から頂いて、
このほめ言葉が自分の心のもちようを確実に変えていくことを知りました。
何度言われても、なんと甘美な響き(´Д`)。
改めて、ディスレクシアの子にも毎日せっせとほめ言葉の水やりをするのは
大事なことだと実感しました。


☆  ☆  ☆

Suiさんのディスレクシア感覚の告白の続きです。

[15/02/27 追記]
Suiさんからの要望により、紹介させて頂いたメールを削除するか要点のみ記しました。
私のコメントだけを残してあります。



☆  ☆  ☆

(削除)
→長時間しめつけるような根性型の努力はまったく無意味、
でも、「コツをつかむための努力」は必要で、それは「色々な角度からのアプローチ」という形をとる。。
あと、親は勉強量をつい「どれだけ長時間、机に向かっているか」で計りがちですが、ディスレクシア的にはそれは違うのですね。

10以上の足し算が理解出来なかったが、5が入る小さな箱と10が入る小さな箱を使って計算出来る事が分かった時に、九九まで一気に理解が広がった。

→数の単位を「箱」でとらえるのは、別記事の翻訳でも出てきました★

「時間は箱で、箱の中を埋めて1日というタワーを作る。このタワーをいくつか積み上げると、1週間というより大きな建物になる」。

ディスレクシアで九九につまづく子、当ブログにもかなり来ますが、 「箱」の概念を使えばすっと入るのかもしれません。
こんな感じ?
作ってみてわかりましたが、
「5が入る小さな箱」とはまさに「そろばん」ですね!



英語とはコミュニケーションの道具と理解してからは、紙の上での英語も普通に意味が分かるようになった。
理解出来る言語が増えると同時に、右手が左手と同じように使えるようになっていた。
→来ました利き手の話!ここはコメント欄に任せます(笑)
英語学習も、ディスレクシア的には「机に向かってがりがり」ではないアプローチを、少なくとも最初のうちはとるべきだ、ということですね。
コミュニケーションの道具、つまり音声言語として英語に触れるのが最初、
紙の上での、書き言葉の英語を読むのはその後、
細かいスペルの書き分けや音韻認識はさらに後
(というか最後まで克服できないかも?!)
・・・という順番なのでしょうね。 

私はディスレクシアを障害とは思っていない。幼い頃から得意不得意を本人が理解するだけでも、大分変わってくる。
→私もディスレクシアを障害とは思ってませんよ~!異能者だと思ってます。
☆  ☆  ☆

箱と糊(削除)

→当ブログにも何回か登場したコスモ君(現在受験の真っ最中)。
彼の読み方と、たぶんこれはまったく同じです。

彼はまず、問題文ではなく設問(内容一致問題)の選択肢をじっくり読みます。
そうすると問題文のだいたいの内容が想像つくそうです。
確かに、これが非常~にいい線いってます。

それから問題文を読んでいきますが、もちろん冒頭から読んだりしません。
設問の前後1~2文だけ読んでは解答していきます(Suiさんと同じ)。
その1~2文を読む過程で、文章理解はさらに確かなものになります。
※ただ、単語力が不足しているので、そこが辛いのですが…

たとえるなら、1時間ドラマの内容を理解するのに、
15秒のシーンを10ヵ所ほど見れば、見ていない部分は推測で分かる感じです。

すごく能動的で、主体的な読解方法です。
全体像を頭の中に描く作業や、読んでいない部分を推測する作業には
ものすごく頭を使っており、非常に疲れるようです。

予備校ではこのような読み方は絶対に教えませんが、
ディスレクシア的には実はこのような読み方こそが王道なのかも?
それどころか、「読字」はできても「読解」はあやしい一般の読み方よりも、
このような読み方のほうが、実は本当の意味で読んでいると言えるのでは?
とさえ思います。

~~

「糊」つまりつなぎ言葉はディスレクシアにとってハードルであり、
非ディスレクシア的な読み方に歩み寄るための要と感じています。

ディスレクシアの生徒たちを見ていると、程度の差はあれ
「論理関係」「筋道立った説明」に戸惑っている印象を受けます。
私はこれは、ディスレクシア的な物事の理解が「直観的」だからだと考えます。
全体像をまるごとのものとして、直観的に把握しているので、
それを「筋道立てて説明せよ」と言われても困る・・・そんなふうに見えます。

そこに「箱」と「糊」という考え方を取り入れて文章読解を行うのは、
ディスレクシアにとって非常に有効だと思います。
全体像を「箱」に細かくわけて、箱同士のつながり(糊)を理解するんですよね。
まさに「全体から細部へ」、ディスレクシア的理解の流れに沿っています。


以下は、まだ考えがまとまってない部分ですが・・・

ディスレクシアでも、訓練によって論理関係を身につけることはできます。

うちの子の場合、過去問で
「しかし」「よって」を入れる問題や、「なぜなら」の前や後を書く問題で、
最初は「なんでそうなるの?」と反論したいようでしたが、
練習を重ねるとできるようになりました。

小学生の場合、まだ弁がそれほど立たないせいもあり
「訓練によって論理関係を理解出来るようになる」というふうに見えます。
おそらくは、すでに直観的に物事を理解しているのでしょうが。

大学受験生なコスモ君の年頃になると、
直観力と、いきなり核心を突く発言ができるだけの言語能力があるので
「論理」を習得することは、直観をルールに従って飼い慣らすことのように見えます。

ただ、不思議なことに、
核心を突く発言までには、それなりに思考のステップがあるようですが、
いざそれを文章にするとなると、言葉が逃げていくそうで、難しいようです。

予備校でも、ディスレクシアの子の自由英作文は、
「なかなかいいことを言っているが、論旨が飛躍しすぎている」「言葉足らず」
という印象を与えるケースがけっこうあります(全員とは言いませんが)
論理的にものを述べるのは、ディスレクシアにはけっこう難しそうです。

2015-01-20

[追記つき]多言語環境に暮らすディスレクシア親子より(2)「漢字は書けるがカタカナは一切書けない」

オーストラリア在住、息子さん(6歳)のディスレクシア発覚を機に、
自身もディスレクシアだと気付いたSuiさんの手記の続きです。
前記事はこちら→★
映像思考型の驚くべき認知様式が語られます・・・

[15/02/27 追記]
Suiさんからの要望により、紹介させて頂いたメールを削除するか要点のみ記しました。
私のコメントだけを残してあります。



(漢字は絵と同じように理解出来るが、まだカタカナは書けない)

→ディスレクシア漢字指導に一石を投じる内容ですね!

「漢字が絵に見える」「意味は分かる」
           =「"絵"と意味の共感覚は強い」
「カタカナは書けない」=「"絵"と音の共感覚は弱い」
ということですよね。
「音と文字のつながりが弱い」というディスレクシアの定義そのままですね。

ここから分かるのは、ディスレクシア児には、まず漢字を教えてから、漢字を分解してカタカナを教えるという順番もありかもしれない、ということですね。
常々、「ひらがな/カタカナが完璧にならないと、漢字練習に進んではいけない」という考え方は、ディスレクシアにはつらすぎると思っていたのですが、やっぱりそうですよね。


(削除)

→すみません、漢字の話を続けます。
この例のように、鳩を細部まで頭に描けるほどの能力を持ったディスレクシアは、たぶん漢字も、細部まで頭に描けると思うんです。その結果、小学校の漢字学習の際には問題が表面化しない可能性がありますよね。
となると、中学で英語が登場して初めてディスレクシア的につまづくことになります。
つまり、漢字で苦労しないディスレクシアのほうが、実はディスレクシアとしては重度かもしれませんね。

(第六感が鋭い)

→きましたデジャビュ(笑)。Suiさんは夢や共感覚ではなく、「視界に入る細かい情報をとらえる能力」と思われますか。なるほど・・・


(削除)

→この診断結果の表現にびっくりしました!文法的に読めば「アーレンシンドローム、イコール、ディスレクシアの一種」と言っているわけですから。
それに、「空間認識力が高ければ音韻性ディスレクシア」とか、「音に敏感なら視覚性ディスレクシア」というような、単純なものでもないのですね。

(脳のエネルギーを普通より多く消費するため、水を多く飲むように指示されている)

→ブレインジムでも、水を飲むことは決して我慢してはならないという決まりがあります(ついでに、あくびも我慢禁止とのこと)。脳の活動は結局は電気信号であり、脳内の電気信号は水を介して伝わるので、というのがその理由のようです。
ディスレクシアの人は読むときにものすごく脳を使っていますよね。

それにしても、オーストラリアの教室におけるディスレクシアへの配慮は日本のはるか先を行っているらしいことが、この注意ひとつからも分かります。。


(感情のコントロールはどうしているか)

→考え込んでたら1日たってしまいました。ここはひとつコメントに期待したいです(^^;)
ヨガ(と瞑想)を5年ほど続けていますが、これは思考を手放す訓練なので、思考の暴走を止めるという点では根底的な効果があると感じています。
ただ、子供にヨガを勧めるのは難しいかも?即効性はないですし。
子供にはベビーマッサージをしていたのですが、今でも勉強のあとに「足もんで~」と言ってきます。これも落ち着くのに効いているのかも。

2015-01-18

[追記つき]多言語環境に暮らすディスレクシア親子より(1)「一つ一つの事象が立方体の箱のような感覚」

たいへん間があきまして申し訳ありません。。。
ようやくここに戻ってくることができました。

数日前、オーストラリア在住のSuiさんという方から、大変に読み応えのある当事者の告白を頂きましたので、ご了解を得て、数回に分けて紹介します。

[15/02/27 追記]
Suiさんからの要望により、紹介させて頂いたメールを削除するか要点のみ記しました。
私のコメントだけを残してあります。

☆  ☆  ☆

(漢字の書き取りは不得意だったが、化学や数式、解剖学など全てを立体に見る事ができる。
文字とイマジネーションが強く結び付いている)

→字を読んでいると味がする!これは共感覚ですね。
言語の起源に「共感覚」をあげる説があるようです。以下、ちょっと難しい話になりますが…
太古の人類において、音と意味が他の感覚よりも強く結びついたから、ヒトは音声言語を進化させた(「音響信号から話者性をそぎ落とすと音⇔意味のシナプス結合が否応なく起こるようになる」ことが立証できれば、言語の起源を化学的に(シナプス結合というケミカルな方法で)説明できるはずだ
[by峯松信明先生])、
さらには、音を聞くと特定の絵(のちの文字)が浮かぶ共感覚が他の共感覚よりも強く結びついたから、ヒトは文字言語を進化させた、と妄想できるわけです。
香りと記憶(意味)が強く結びついていることは知られていますが、それ以外にも、ある感覚と別の感覚との結びつき、つまり共感覚には、いろんな組み合わせがあります(音と味とか、音と色とか←実は私、これがちょっとあります)
ディスレクシアは、音と字の共感覚を、普通の人ほど持っていない人とも言えるわけですね。
その分、別の共感覚を持っているのかもしれませんよね。

(一つひとつの事象が立方体のように知覚される)

→箱を自由自在に取り出して回す・・・「数学の問題で、頭の中で正八面体を回すことも止めることもできる、止めないと式が書けないので止めたけど」と話してくれた生徒のことを思い出しました→★。「すべてが立体に見える」の意味するところはそれにとどまらず、すべてに及ぶのですね!

「長い文のほうが短い文よりも理解出来る」は、大学受験生はもちろん(4択の設問文より本文のほうが読むのが楽)、小6の子からも最近感じるようになりました。立方体を作る材料(文脈)を使って立方体の一面(細部)を理解しているということなのでしょうね。


(削除)

→これもよく分かります。ディスレクシアの子は概して、抜群に空気が読めるようです。これも一種の共感覚とも言えそうですね。

空気が読めることがその子の人格にどういう影を落とし、どんな行動になって表れるかは、さまざまであるように思います。
うちの家庭教師君は大学入学時には「僕が我慢することですべてが丸く収まるならそうしましょう」という人格になっていて、非常に温和なのですが見ていてかわいそうなくらい不満を出さない、抱え込んでしまう子になっていました(泣)。そんな彼もかわいい彼女が出来てから、ずいぶん不満を出せるようになりました(彼は親に自分がディスレクシアだと言っていません)。
自分の”特性”について話せる人、受け入れてくれる人を持つことは、ディスレクシア的に非常に大事だと感じます。

(物語を小さな箱に分けるのをイメージして、「そして」「しかし」「何故ならば」といった箱と箱を繋げる糊の役割を理解したら、読解は簡単になった)

→「箱をつなげる糊」という比喩からしてとてもディスレクシア的です!
ディスレクシアは「糊」(つなぎ言葉)が、少なくとも設問としては苦手なようです。文意というものを、もっと直観的に理解しているのかもしれません。本質が見えてしまうので、論理的にものを述べるのが面倒(または、どこから手を付けていいか分からない)なようにも見えます。
そこをこらえてもらい、「他人にわかるように物を述べるには、『しかし』や『よって』を正しく使えるといいよ」と辛抱強く説得すると、だんだん要領をつかんでくるようです。
「糊」の理解力については、学会でも言われているように、小5と小6の間に読解力の転換があるように思います→★。さらに、ディスレクシアの有無にかかわらず、数学で証明問題がある程度出てきた後(高2あたり)に次のステップアップがあると感じます。
大学受験生の年頃になると、ディスレクシアでもそれなりに「糊」を理解できるようになります。

(続く)


2014-12-12

10歳のディスレクシアかも?な息子さんについてのご質問とコメント

昨日今日で初めてお越しの方々、ようこそいらっしゃいました。
ここはディスレクシアの親と当事者が主に集まっています(と思います)。
まだまだ知られていない「ディスレクシア」の学習法・対処方法について、
できるだけ具体的かつ建設的に探っていきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。

先日の「世界仰天ニュース」後のアクセスはすごかったです。
放映中の1時間に1万アクセス、翌朝までにもう1万アクセスがありました。
延べ2万人が新たにディスレクシアを知ったならよかったです。
なお、99%が「ディスレクシアのチェックテスト」に来ました。


以下の質問に、てぷさんから非常に有意義なコメントを頂きました。
ここに集う方にぜひ読んで頂きたい内容ですので、こちらに上げておきます:

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匿名 さんが投稿「【まとめ】ディスレクシア自己診断テスト5本」にコメントを書き込みました。 


はじめまして。10歳の息子について質問させてください。読みについては問題はないのですが、書くことがとても苦手です。ノートは誤字脱字だらけです。漢字を覚えるのも大変です。ただ何度も練習すれば覚えられます。教育センターで検査してもらったところ、黒板を書き写すことや文字については困難を感じているとの診断でしたが。特にその後のフォローや訓練の提案はありません。子供用のディスレクシア診断では13個でした。これは単に字が汚いだけで、ディスレクシアではないのでしょうか?
よろしくお願いします!

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てぷ さんが投稿「【まとめ】ディスレクシア自己診断テスト5本」にコメントを書き込みました。 
匿名さん

息子のかつての姿に似ているので気になってコメントします。

うちの場合は、話し方が年齢の割にたどたどしく、本は読めなくはないけど親に読んでもらいたがる、
マンガや子供向けの自然科学系の雑誌などは大好きでいくらでも読む、というタイプでした。

字を書くことは入学当初から苦手で、成績表の書字の項目は「がんばろう」ばかり、
気心の知れた友人(教師)に「それって、ふつう外国籍の子にしかつかない」と言われて唖然。

でも、授業態度はいいし発言も積極的、理解も悪くないということで、
親も先生も「書くことさえもうちょっと頑張れば問題なし」という認識でした。
集中力に欠けるのも「男の子ってそんなものらしい、少しずつできるようになるだろう」と思っていました。

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年生になって、それまで家庭で繰り返し書かせてなんとかなっていた漢字がいよいよどうにもならなくなりました。

今思えば、ここが分かれ目だったと思います。もじこさんが紹介してくれているような、何度も書かずに口で言って覚える漢字カードで取り組めばだいぶちがったのだろうと思います。

残念ながらうちの場合は親にも学校にも知識がなく、テストのたびに居残り学習をさせられ、何度も書いては追試、合格するまで終わらないみたいなことが続きました。

「人の何倍もかかるけど繰り返しやればできる」という既成事実が積み上がっていく、子にとっては救いのない状況だったと思います。

勉強そのものに対するやる気が失われ、そのうち担任を嫌って登校しぶりをするようになりました。
今だから言えるのですが、10歳あたりというのは、周囲に気付かれにくい発達凸凹を抱える子にとっていよいよ大変になってきて二次障害の危険が高まる最初の時期なのかもしれません。

漢字や作文に追い立てられるつらさ以外に、運動が苦手、連絡帳が穴だらけで忘れ物が多い、しょっちゅうものをなくす、発言が多い割に話し方が今ひとつ不明瞭orまだるっこしいなど、次第に子を蔑む空気がクラスに広がってきて、学校そのものが非常につらい場所になりました。
幸い、心ある担任のクラス指導や子の努力(人と積極的に関わる)もあって、仲の良い友だちができて笑顔で卒業しました。

ディスレクシアかどうかをはっきりさせるのは実際には難しいし時間がかかると思います。

うちは色々あって今年の夏にようやくWISCⅣとスクリーニング検査・読み書き検査を受けましたが、書くことに対する強い疲労感と苦手意識はあるものの明らかな音韻処理の障害は認められませんでした。
不注意や自閉症スペクトラムの可能性も考えられる、暫定的な学習障害疑い、次回の診察は半年後です。

検査結果が出た頃、うちの子はといえば、中1ショックから家で寝込んでいました。学習面、体力面、対人面、すべてにおいて新しい環境に適応できなかったのです。

もちろん、ここまで対応が遅れたことでわたしはずいぶん自分を責めました。
まったく気づかなかったというより、なんかおかしいと思っているうちにどんどん色々な問題が出てきてしまったからです。

幸い、子は学校を変わって少しずつ元気を取り戻しつつあります。

子どもを誰より間近に見て長い時間を一緒に過ごしている家族の直感は、たとえ今の時点で確証がなくとも重要なことだと思います。

二次障害が起こって初めて「やっぱりそうでしたね」みたいなのは悲しすぎますから。。。 

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ですよね 。・゚・(ノД`)・゚・。

「しばらく様子をみましょう」は、ポリープか何かならともかく、
ディスレクシアを判断する場合には、害にしかならないと思います。

①ディスレクシアかも?と親が思い、
すぐディスレクシアに合った学習を補充し、
仮にディスレクシアでなかったとしても、それが害になることはありません。
ディスレクシアに優しい学習法は、すべての子に優しいからです。

②しばらく様子を見た結果として、
周りの子より読み書きできないのがどう見ても明らかになり
「ああ、やっぱりディスレクシアでしたね」と分かっても、
「じゃあ手術してとっちゃいましょう」とはいかないのですから。

てぷさんの言う通り、家族が見て「あれ?おかしいな?」と思ったら、
それなりに手を打ち始めて、悪いことは何もないと思います。

じゃあ何をすればいいか?は当ブログの1大テーマです。
医師も教師もまだ模索している最中です。
まずはこのあたりからご覧頂けると幸いです→★

てぷさん、もう自分を責めてはいないと思いますが、
そっちに行っちゃダメですよね(T T)

おっしゃっていた通り、
ディスレクシアの子に合った環境に出会うと、そこから人は変わりますよね。
それもけっこう劇的に。
そのことを私は、ここに集う方々や生徒から教えてもらいました。

2014-11-10

匿名さんへのお返事(+中一ディスレクシア児のお母さんからのメール)

隠れディスレクシアに頂いているコメントへのお返事が、
リンクが多くなったので、こちらに載せます。

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もじこさん、いつも為になるメッセージありがとうございます。
①臨床心理士の「違った場合は、そのような対応をすることで、様々な可能性まで狭めてマイナスになってしまうのでは」→この心配は無用だと思います。  
私もそんな気もしてまして・・道村式漢字カードやジョリーフォニックスは、ディスレクシアに優しい学習法であり、普通の子にとっても優しい学習法なのですね。早速、道村式は購入しました。 
ただ、英語はやはりジョリーフォニックスの教材しかないでしょうか。うちはもう中1の思春期まっただ中(親に対する反抗心むき出し、親のいうことを少しでもしたくない)で、特に私が勉強のことを言ったりやらせるのはかなり厳しい状況にあります。 
漢字カード位なら、もしかしたら気が向いたらやるかもしれませんが、この英語教材は数も多く指導者がつかないと無理な気がしまして・・。ほかに適当な教材はないでしょうか。どうしてもこれしか・・。ということなら検討して購入し、個別指導の先生に頼んでやってもらうことも考えようと思います。フルタイムで働いているため、なんせ時間がないのと、(お金は覚悟して出します。。つらいですが。。)娘が私に対して勉強のことでは殆どいうことを聞かないためそのような方法しかないのかと・・・。
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来年は我が身と思って拝読してます。ありがとうございます。

匿名さんとのやり取りを見ていて、やはり「中1ショック」をきっかけにお子さんのディスレクシアを発見した人が、メールを下さいました。
たぶん、匿名さんが求めている言葉があります(反抗期のこととか)。
泣けるので注意です。。こちらからどうぞ→★


「ジョリーは指導者が必要」。おっしゃる通りです。
ジョリーは自習できる教材ではありません。

ただ、数はそれほど必要ではないです。

中1なら、Jolly Phonics Extraというセットに入っている
Letter Sounds Book、フラッシュカード、トーキングペン、ワークブック1
の4点だけあれば足ります。

トーキングペンで、Letter Sounds Bookとフラッシュカードにさわると、音を聞くことができます。
この3つは残念ながらバラ売りしていなくて、
Jolly Phonics Extraをまるごと買わないといけないのが難点ですが。。



このセットにはいろんなものが含まれていますが、

中1のディスレクシア指導に必要なのは4点だけです。


1)Rの字が開いて置いている本(Letter Sounds Book)
2)黄色いペン(トーキングペン)
3)下中央のフラッシュカード、
4)Letter Sounds Bookの上にあるWorkbook 1
(2、3もありますが中1では不要)

「英語はどの段階から自習可能か」は、意見の分かれるところです。
今の私の意見は、
「文法にしても、単語にしても、文字にしても、
英語の第一歩を、紙の上の文字を読むだけで学ぶのは無理がある」
です。

現代日本には、あたかもそれが可能だと標榜する教材はたくさんありますが、
基本的には英語が身につかない「まやかし」だと思うのです
(文法問題集など。使える英語にならないのはもちろん、受験でも戦えない)


語学の第一歩は、やはり直接指導を受けるのが一番効果的です。
それを行うのは親でなく、個別指導でも全然問題ないと思います。
というか、私も個別指導してますので(^^;)、
反抗期でいっぱいいっぱいの親御さんは外の人に頼ってほしいです。

匿名さんから個別指導教師に「これで教えてほしい」と言って良いと思います。
心ある教師なら、ディスレクシアの子は普通とは違う指導法が必要で、
でもその指導法ならディスレクシアにも英語が"入る"んだと知ったら、
それを使って目の前の生徒を助けたいと思うはずですから。



話を戻しますと、ジョリーの利点は、

・学校の教科書につなげやすい。

・シンセティック・フォニックスの基本理念(→こちら参照)だけ理解し、
ディスレクシア指導に情熱があれば、まずまず使いこなせる。
(他にもディスレクシアに効果的な教材はあると思いますが、
教える側がプロでないと使いこなせないのではないかと)

・そして何より、他の教材に比べてディスレクシアでも学習効果がある。



個別指導の講師との直談判に、当ブログに書いてきた内容のどれかが
お役に立つとよいのですが。。

2014-10-27

オーストラリアのディスレクシア児のお母さんへ

オーストラリア在住の「大和の母」さんからコメントを頂きました→こちら
返信にリンクをたくさん貼ったので、こちらに載せることにいたします。
(そのコメント欄は特に読みごたえのある体験談が集まっています!
皆様ありがとうございます。)

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はじめまして。オーストラリア在住で、7歳の男の子の母です。6歳の時ディスレキシックと診断されたのですが、読み書きがだめなので学校ではreadingの時間にサポートを受け、speech pathologyに二週間に一回通っています。単語を覚えるというか読む為にこちらではphonicsで学習しています。特にsynthetic phonicsというやり方でやっています。ディスレキシックで無くてもこのやり方でreadingの勉強をするのですが、果たしてディスレキシックにこのやり方が一番なのかはわかりません。
→シンセティック・フォニックス!
それはまさに当ブログでも推しているジョリーフォニックスのことですね
(ジョリー以外にもシンセティックの流派はあるのかもしれませんが。。)

ジョリーの創設者、Chris Jollyさんに直接質問した時、
「『ディスレクシアの子にはシンセティック・フォニックスこそが有効』が現在主流の考え方なのは知っていましたか?」と言われました。
ですから、そこは安心して乗っかっていってよいと思います!

オーストラリアでもsynthetic phonicsが導入されつつあることは、
ジョリーフォニックスの人たちを通じて聞いてました(→★)が、
本当なんですね!ちょっと感動しました。

「アデレードの小学校でジョリーフォニックスを導入したら、
ディスレクシア指導にめざましい効果があがった」
という動画を紹介したこともあります。
初めて見たとき、5:10過ぎで涙が出ました(T T)



うちでも、進度は本当にゆっくりですが、
ジョリーフォニックスの効果は実感してます
(小3のときにローマ字がまったく入らなかったので)。

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単語も似たような音の単語を聴き分けて正しい単語を選ぶ練習をしたりします。(hat hut, track truck) 聴き分けはネイティブなので勿論日本人の私より出来ますが、単語となると絵を見ながら答えます。
→おお~、これはphonetic awareness(音韻認識)をのばしているのですね。

日本語ネイティブ11歳のうちの子も、絵と字が書いてあったら、
間違いなく絵にしか目がいかないと思います。
それがディスレクシアというものです。。
それでも、訓練をし続ければ、年齢とともにそれなりに字も読めるようになると感じています。

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日本の様に単語を暗記して覚えるのはどうだろうか?とスピーチテラピストに聞くと、まだ七歳だから大丈夫、この方法で完璧とは言わなくても、本が読める様になると言われました。確かに息子は単語を音で発音して読むようになりました。でも書くとなるとスペルがスムースにまだ出てきません。暗号の様なスペルです。やはり読める事と書ける事は別物なのでしょうね。
→いずれは、暗記でも単語を覚えることになるはずです。
フォニックスのルールにあてはまらない単語はたくさんありますし、
(ジョリーフォニックスだと、そのような単語をtricky wordsと呼んでいます)

ジョリー以外に目を転じれば、英単語丸暗記メソッドはあります
(たぶんwhole word approachというのはそういう考え方のはず)
でもそのスピーチセラピストさんは、その方法を採用せず、
あくまでシンセティック・フォニックスに沿ったステップアップを考えているのですね。
すべてを丸暗記せず、自力で未知の単語を読めるようにするための配慮だと思います。
これもちょっと感動してます・・・!

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息子は日本語が第二言語なので週一で補習校に通っていますが日本語を教えるのに四苦八苦しています。今だに平仮名を全部覚えていません。これから難しくなる漢字、九九をどう教えようかと悩んでいます。
→1)英語圏在住、2)日本語特有の習得の難しさ、
そして3)ディスレクシア特有の苦労と、
三重の苦労を抱えていらっしゃるのですね。。

1)英語圏で週1補習校だけだと、ディスレクシアでなくても、漢字を身に着けるのは大変だと思います。英語のパワーが圧倒的ですので・・・。

2)言うまでもなく、日本語の字を覚えるのは大変です。

3)7歳でディスレクシアなら、日本在住でも平仮名を全部覚えていないケースもあると思います。

道村式漢字カードは強力にお勧めです!→こちら
毎日5分などで手軽に出来るので、補習校を補えると思います。
道村先生ならきっと海外発送もしてくれるはず。

その前に、カタカナを入れる必要があります。
それについては、こちらに一度書きました→★


私(←算数超苦手、9歳までアメリカンスクール)にとって、
九九は「you're a genius at math!(もじこは算数の天才だね!)」
と誤解されるくらい、絶大な効果がありました(笑)
九九は9の段までしかなく、11と12の段がない分を差し引いても、
周囲の九九のない国の子達よりも計算が速く確実になる効果がありました。

そういえば、うちの子はそろばん教室での週1回の九九暗誦テストと、
そのためにバランスボールに乗ってびよんびよんしながら九九を覚えました。
バランスボールでびよんびよんは体性感覚と関係があるらしく、
一部のディスレクシアの子に効くようです。


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日本ではあんまり知られてないdyslexicについて、日本語を教える際にどうしようかとネットで調べているうちにこちらのブログにたどり着きました。とても興味深く読ませて頂いています。この様な色んな体験談や情報が息子を理解するのにとても役に立ちます。ありがとうございます。
こちらこそ、オーストラリアの人とご縁を頂けてありがたい限りです!

「6歳でディスレクシアの診断を受けて、学校でサポートを受けるのが当然の権利として確立されている雰囲気が伺え、本当にうらやましく思います。

日本では「ディスレクシア」という言葉はまったく浸透しておらず、
「学習障害の一種で」と言うと知的障害やコミュニケーション障害を想像されてしまい、説明に窮するのが現状ですので…。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします!