前記事では、ジョリーと診断について、すごく学ぶことができました。
山下先生、もんきちママさん、ぴろりんりんさん、離島の匿名さん、本当にありがとうございます。
道村式漢字カードも、予想以上に当ブログにお越し下さる方の間に浸透しているようで、びっくりしています。
週明けまで使用の感想を募集しています。
1行でも大歓迎です。お待ちしています!
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ジョリーで盛り上がったところ恐縮ですが(?!)、視写の話をさせて下さい。
どうやら、
ディスレクシア大学受験生にとって、視写は効果絶大です!
~これまでのあらすじ~
・コスモ君(浪人生)に、
単語暗記用に、興味のある文章の中で単語を強調したものを渡したら
頼まないのに全部写してきて「
書いたほうが覚えられる」と→
★
↓
・Kさん(社内翻訳者)に、視写を勧めたところ、
「
書きながらのほうがわかる」「
書いていて楽しい」と→
★
↓
・小学生と大学受験生・大人だと視写への反応が違うぞ?!→
★
と思いつつ、コスモ君と本格的に視写開始
↓
・ちょうどその頃、ブログに
「
隠れディスレクシアな気がします。英語だけできなくて焦ってます。
何をすればいいでしょうか」
と受験生から問い合わせがあったので、視写を勧めた
↓
・この受験生さん、開始1週間後で受けたセンター模試の点数が、
前回から60点近く上がったそうです!!!
コスモ君も2週間の視写により、病み上がりにもかかわらず
同じ模試で50点上がりました!!←今ここ
あまりに短期間で結果が数字に出たので、私のほうが恐ろしくなってます。
さらに50点アップが目標です。(センター英語筆記は200点満点。)
今の時点で分かっている、受験生用の視写について、整理しておきます。
☆ ☆ ☆
大学受験生で
・
自分なりに英語を頑張っている
・
他教科はそこそこできる
・
高校入試はなんとかクリアした
それなのに
英語が極端にできない
(センター90点以下、他教科より3割以上低い)人は、
ディスレクシアを疑ってもいいかもしれません。
こういう人たちには、英文の視写が効果的な可能性があります。
18歳になったディスレクシアは、
・「読解」はできるが、「解読」でつまっている。
解読(字を読む)さえできれば、読解(内容を理解する)はたやすい
・単語の意味を覚えるのに、
文脈が絶対に欠かせない
・読解のミスは、多くの場合、
簡単な単語の解読ミスが原因
・普通の人以上に、文章に対する
モチベーションが理解に関係する
という観察をもとに、
・徹底的に
解読を練習する
・文脈の中で単語を覚える
・簡単な単語の解読ミスをつぶしていく
・以上を、志望校の入試問題を使い、常に努力をたたえながら行う
を実行してみました。
以下に方法を書きましたので、
これを読んで「自分も試してみよう」「試してもらおう」と思う人は、
まずは
5分、続けて書いてみて下さい。
最初は、センター試験の視写をお勧めします。
難易度や単語がコントロールされた文章だからです。
本文の英単語の横に日本語を入れたものを、用意します。
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覚えるべき英単語の訳が赤になっています。
日本語の意味を、英単語の直後に入れるのがポイント。 |
PCの画面を撮ったのでハレーションが。。すみません
(ご連絡頂ければ、データ[Word版]をお送り出来ます)
この英文をひたすら写すのが、視写です。
ディスレクシア的受験用英文視写の目的は、
単語を暗記することと、一つひとつの単語を正確に解読することです。
ディスレクシアなら、初日は本当に少ししか書けませんし、すごく疲れます。
コスモ君は初回、混乱しながら2行半しか書けず、
終了後は倒れこんでいました。
どこを書いているのか分からなくなったり、
スペルミスや抜けが頻発したり、
2度同じところを書いたり、1行抜かしてしまったりします。
それが、
黙読でどんな解読ミスをしているかを示しています。
そのミスをつぶし、疲れずに書けるようになれば、点数は上がります。
視写はこういう疲れやミスを減らし、
解読のための基礎体力をつけるトレーニングです。
☆手順☆
(1)視写する
・原文とノートを並べ、一字一句正確に写す。
・1回5分から始め、最終的には1回10~15分。
・休憩を入れず、一気に書く。
・以上を守れば、あとは自由。自分が疲れずに書ける方法を模索する。
↓
(2)単語を覚える
・分からない単語が多すぎる場合は、先に覚えてもよい。
↓
(3)単語を完全に覚えられたと思ったら、文章を読む
・このとき、単語の意味が分かると思えたら、ひとまず合格。
・この時点で内容把握。(1)では完全に内容が理解出来なくてもOK。
↓
(4)関係する設問を解いてみる
・ディスレクシアは、字が正しく解読できれば、内容は理解できているので、
これはおまけのようなもの。
・全文を書いてから解いてもよいし(つまり数日に1回)
15分終了後や、1パラグラフ単位で解いてもよい。
↓
(5)フィードバックを受ける
・視写のフィードバックを受けるのがポイント。これで効果が倍増する。
・教師は、解釈や設問にかかわる書き間違いのみ、指摘する。
×解釈を左右しないミスは、特に指摘しない。
×減点法的な指摘はしない。
・その他、視写そのものや内容の感想を言ってもらう。
◎ポジティブな変化を指摘できるとなおよい。
↓
(以下オプション)
↓
(6)音読
・視写したノートを音読してもらい、大きな発音のミスがあれば直す。
・意外と、基本的な単語の誤読が明らかになることも。(warmとwormなど)
・解読ミスを確認するためなので、過度な発音の美しさは求めない。
☆Q&A☆
Q:15分以上、続けてもよいか。
A:あまり続けると疲れすぎ、その後の勉強に差し障るので、避けるべき。
これは、集中しすぎて燃え尽きないための訓練でもある。
(とはいえ、やり始めるとすごく楽しいらしい(!)ので、
後に何もないなら無理に止めません)
Q:どのくらいの量、視写するべきか。
A:量ではなく、時間で区切るとよい。時間が来たら、途中でもやめてよい。
どうしても区切りのよいところまで書きたかったら、書いてもよいが、
「あとちょっと書けるな」と思うところで、あえておしまいにしたほうが、
長期的には伸びます。
Q:1日何回、視写するべきか。
A:1日1回以上、好きなだけ。
1回を長時間するより、すきま時間を見つけては視写する方が◎。
「5分でも時間があれば視写しています」(by受験生さん)。最高です。
Q:手が疲れるのですが。
A:これは手の訓練ではないので(笑)、
弱い筆圧でも書ける筆記具(水性ボールペンなど)を使ってよい。
短期記憶の訓練なので15分は続けるようにして、
頭より先に手が疲れてダウンしないように。
(続けるとペンだこが復活するそうです(byコスモ))
Q:あまり単語を知らないのに、いきなり文章の中で覚えていいのか。
A:もちろんです。ディスレクシアは文章の中で単語を覚える人種です。
安心して文章の中で覚えて下さい。
Q:どのくらいの難度の文章を使うべきか。
A:センター英語から始めるのが効果的と思われます。
その後は、日本語で読めば内容が理解出来る程度の入試問題を。
いきなり志望校の入試問題の視写に取り組むのもありです。
言っていることが理解出来ないほど難しすぎると、
単語の暗記が進まないようです(一回、素材選びに失敗しました)
易しすぎる文章は、効果はありますがモチベーションが下がるよう。
Q:単語の意味を横に書かない文章で、視写をしてもよいか。
A:まだ試していませんが、
ある程度単語量の蓄積ができたら、おそらく効果的。
Q:どの程度の英語力から、取り組むことができるか。
A:構文の一番基本的な部分※は、入っている必要がある。
(※主節と従属節、前置詞の係り方、andの並列の仕方、
-ingのいろいろ、-edのいろいろ、thatのいろいろ、toのいろいろ)
この部分はディスレクシアであるなしに関係なく、
教師から教わるのが一番効率的。
また、たいていの生徒は(断片的にせよ)入っている分野でもある。
とはいえ、どうしても自習で確認する必要があるなら、以下の本がお勧め。
 |
『英文熟考』
内容も良いし、
解説がCDになっている(!)のがディスレクシアに優しい
|
上下2巻でが、ディスレクシア的には、
センター150点を目指すなら、上巻だけで十分。
Q:視写の目的は。
A:ディスレクシア的な英文視写の目的は、
単語や文字のレベルで、正しく読む能力を高めるため。
また、短期記憶や、1文字・1語・1行を追う力を向上させるため。
びっくりするほど地道な方法ですが、まずは1週間、試してほしいです。
本当に変わりますから…
☆ ☆ ☆
視写を本格的に開始して2週間目のコスモ君に、いろいろ聞いてみました。
Q:視写の良い点は?
A:・・・・・・・・強いて言えば達成感?(笑)
実はけっこう何時間でも続けられる。最長で自習室で3時間(!)
(ADHDの発言とは思えません)
Q:なぜそもそも、全文書こうと思ったのか?
A:最初にガ×ダムの文章で単語を覚えていたときに、書きたくなった。
書いたら意味が分かったので、続けていった。
Q:和訳は書かなくてもよいと思うけど、どうしても書きたいの?
A:書くことで単語を覚えられる。
目の前で10分、視写をしてもらいました。
・音楽を聴きながら視写をする(10分ぴったりで終わる曲をセレクトする)
最近のお気に入りはラフマニノフ。
・視写しながら、覚えるべき単語も色分けする。これは譲れないらしい。
・字を美しく書きたいという思いがあり
( ̄□ ̄;)、
「本当はこのf は書き直したい」etc.と思いながら書いているらしい
・波に乗ると、すべての動きが協調しており、スペルミスもない。
一度崩れると、「どこ読んでたっけ?」となるし、スペルも間違う
(「快調に書いていてスペルを間違う」ということはない)
・ノート見開きを大きな1ページとして使っている。
1文を1行で書けるので、後からいろいろ確認しやすい。
・10分かけて書き終わったら、その後に訳を書く。
この過程で単語を覚えるらしいので、これも譲れないとのこと。
(ちなみに彼は、言語感覚が非常に鋭く、
職業的翻訳者であるわたくしが「言われてみたらそうだねorz」
と思うような訳語をつけることもしばしばです)
・視写の間は何かとぶつぶつ言っている。「あっ間違えた」など。
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10分でこの分量。(訳はその後書いています)
たった2週間で、書ける量、字の力強さ、集中力…ものすごく変わりました |
たった2週間でも、ずいぶん書けるようになりました。
前よりリズム良く書けているので、字がいい意味で「雑」になりました。
(「さらに雑に書こう!」と確認しました)
視写の効果は、あっという間に模試の点数に表れました。
が、効果はそれだけではありません。
過集中でも散漫でもない、決めた時間だけ書き続けられるような
「普通の集中」ができていること、
∞や「いちごのショートケーキ」(効いたそうです)もあってか、
見る力が明らかに増していること、
そんなこんなに伴い、自分に自信が持てるようになってきたようで
雰囲気や話し方まで変わってきました。
視写をするのは、あくまでも志望校合格のためですが、
そういう根底的な変化も、大きな産物かもしれません。
…というくらい、ディスレクシア受験生の視写は効果絶大です!
☆ ☆ ☆
最後に、視写指導をする人へ。
これは、一見すると非常に地味な行為ですが、
教える側には、生徒が何に苦労しているかを見抜こうとする姿勢が問われます。
単なる○×の採点ではなく、もう2段階くらい字面の奥に行くイメージです。
生徒の実力にぴったりあった素材の選択、
スルーすべきミスと、建設的指摘につなげるべきミスを見分ける力、
そして、生徒の意欲の芽を大事にして励まし続ける力が要求されます。