ディスレクシア専用英語塾「もじこ塾」のブログです。 ●ディスレクシアとは:知能は普通だが、読み書きが苦手(読み間違いが多い、読むのが遅い、書き間違いが多い、読むと疲れやすい)という脳の特性 ●全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力に長ける ●読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい ●適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される ●10人に1人程度いるというのが通説 ●家族性とされるが、ディスレクシアの表れ方は個人差が大きい もじこ塾は、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要、という立場です。
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2014-12-18

小学生向け視写教材・音声教材いろいろ

小学生の視写教材について、ご質問を頂きました。

コメントでちゅら海さんが書かれていた
「うつしまるくんを宿題に出してもらうよう、学校の先生に頼む」
は、その手があるかと。うまいアイデアだと思いました!
(うつしまるくんは、学校だけに販売する、書店取扱のない商品です)

うちは最近、薄い問題集を、天声人語ノートに貼って使っています。

『朝5分ドリル』
5~10分で視写するのに、ちょうどいい分量です。
内容も、ニュース、歴史、小説、カタカナ多め/漢字多めなど、
いろいろ入っています。

1学年下の教材から始めました。

今は6年生のものを使っています。
PCメガネをかけ出したら、最後まで書き通すことができるように。
(よく見るといろいろ間違ってますが)


手順
1)設問を解く(問題集の指示通り、最長5分で)
2)視写する(10分。書き終わったら2周目に入る)
3)音読してもらう(視写した字のほうを。これが読めない。。)

この教材を見つける前は、小学生新聞を使っていました→★
視写教材としてはとても良いですが、毎日の素材選びがけっこう面倒なので
今はありがたく問題集を使っています。

小説が好きな子なら、長い小説を少しずつ視写するのも良いと思います。

視写は、毎日地道に続けて、習慣化することが大事だと感じています。
大学受験生や大人での効果を見て以来、最近は毎朝行っています。


☆追記(14/12/19)
さる方から情報提供を受けました。教材比較写真を載せておきます。
ありがとうございます!

◆うつしまるくん

うつしまるくん(1年生)。
「ていねいにはやく」はディスレクシアには無理かも・・・


ディスレクシアだと、最初のうちは学年相当の視写は難しいかも、とのこと。
確かにそうかも・・・うちのやつが1年のとき、この視写が宿題だったとしたら、
相当つらかっただろうと思います。



◆「グレーゾーンの子どもに対応した作文ワーク」


初級・中級・上級があります。
単語、機能語、音便(「っ」「ょ」など)を正しく書く練習、
そして単文、複文の視写・・・という徹底したスモールステップ構成です。
うちでは3年3学期から4年1学期に(途中まで)解きました。
今見ると、全部解けばよかったと思う、充実の内容です。

「グレーゾーンの子どもに対応した作文ワーク 初級」で
うつしまるくん(1年)と同じくらいかも?


◆「読み書きが苦手な子どもへの<基礎>トレーニングワーク」
「読み書きが苦手な子どもへの<基礎>トレーニングワーク」
このシリーズはよく出来ています。
ディスレクシアだと分かったら、学年問わず一度戻ってみるのがおすすめ


これもおそらく、4年生か5年生の時の字。
たしか、漢字学習と並行して、疲れたら1ページだけこの本から練習、
という使い方をしていたように記憶しています。

当ブログは視写推しですが、それでもあえて言いたいのは、
視写は、ディスレクシアな子の発達段階によっては、すごくつらいので、
嫌がるようなら無理強いはいけないということです。

そのうち、ディスレクシアでも視写が楽しいと思える時期が来るようです。
そのときが、視写の取り組み時なのでしょう。

☆  ☆  ☆

ついでに、音声教材について、知っていることを書いておきます。

・「中学英語の教科書ガイドについているCDを何度も聞かせています」
と、さる方からメールで教えて頂きました。
なるほど!ありがとうございます。

・ディスレクシア支援を行っているNPO「エッジ」のサイトでは、
ディスレクシアだと自己申告すれば、
小中学校の教科書の音源を無料でダウンロードできるようです。
私はまだ使ったことがないですが、非常にありがたい教材だと思います。

・うちは、小学校の国語の音声教材として、
オーディオブック販売サイトFeBeをチェックしたり、youtubeを探したりします。

FeBeはプロの朗読なので、さすがのうまさです。
ディスレクシア的には、聞いているとありありと映像が浮かぶようです。
子供は「トロッコ」を聞いたときに「怖い(´Д`;;)」と震えてました(笑)。

『脳が良くなる耳勉強法』

FeBe創業者が語る、聴覚を使った勉強法。

神奈川の私立中高に入るも偏差値30まで落ち、
そこから耳勉強法を編み出して東大に合格との経歴からは、
この方もディスレクシアなのかも、、という気にさせられます。

本人がブログに出してくれと言うので、失礼します。
「やまなし」はFeBeで聞いてから、学校の授業に臨んだところ、
先生の言っていることもよく分かったそうです。

2014-11-15

ディスレクシア大学受験生にとっての英文視写の絶大な効果について

前記事では、ジョリーと診断について、すごく学ぶことができました。
山下先生、もんきちママさん、ぴろりんりんさん、離島の匿名さん、本当にありがとうございます。

道村式漢字カードも、予想以上に当ブログにお越し下さる方の間に浸透しているようで、びっくりしています。
週明けまで使用の感想を募集しています。
1行でも大歓迎です。お待ちしています!

------------
ジョリーで盛り上がったところ恐縮ですが(?!)、視写の話をさせて下さい。

どうやら、ディスレクシア大学受験生にとって、視写は効果絶大です!

~これまでのあらすじ~

・コスモ君(浪人生)に、
単語暗記用に、興味のある文章の中で単語を強調したものを渡したら
頼まないのに全部写してきて「書いたほうが覚えられる」と→★
↓
・Kさん(社内翻訳者)に、視写を勧めたところ、
「書きながらのほうがわかる」「書いていて楽しい」と→★
↓
・小学生と大学受験生・大人だと視写への反応が違うぞ?!→★
と思いつつ、コスモ君と本格的に視写開始
↓
・ちょうどその頃、ブログに
「隠れディスレクシアな気がします。英語だけできなくて焦ってます。
何をすればいいでしょうか」
と受験生から問い合わせがあったので、視写を勧めた
↓
・この受験生さん、開始1週間後で受けたセンター模試の点数が、
前回から60点近く上がったそうです!!!
コスモ君も2週間の視写により、病み上がりにもかかわらず
同じ模試で50点上がりました!!←今ここ

あまりに短期間で結果が数字に出たので、私のほうが恐ろしくなってます。

さらに50点アップが目標です。(センター英語筆記は200点満点。)

今の時点で分かっている、受験生用の視写について、整理しておきます。

☆  ☆  ☆

大学受験生で
・自分なりに英語を頑張っている
・他教科はそこそこできる
・高校入試はなんとかクリアした
それなのに英語が極端にできない
(センター90点以下、他教科より3割以上低い)人は、
ディスレクシアを疑ってもいいかもしれません。

こういう人たちには、英文の視写が効果的な可能性があります。

18歳になったディスレクシアは、

・「読解」はできるが、「解読」でつまっている。
解読(字を読む)さえできれば、読解(内容を理解する)はたやすい
・単語の意味を覚えるのに、文脈が絶対に欠かせない
・読解のミスは、多くの場合、簡単な単語の解読ミスが原因
・普通の人以上に、文章に対するモチベーションが理解に関係する

という観察をもとに、

・徹底的に解読を練習する
・文脈の中で単語を覚える
・簡単な単語の解読ミスをつぶしていく
・以上を、志望校の入試問題を使い、常に努力をたたえながら行う

を実行してみました。

以下に方法を書きましたので、
これを読んで「自分も試してみよう」「試してもらおう」と思う人は、
まずは5分、続けて書いてみて下さい。

最初は、センター試験の視写をお勧めします。
難易度や単語がコントロールされた文章だからです。

本文の英単語の横に日本語を入れたものを、用意します。

覚えるべき英単語の訳が赤になっています。
日本語の意味を、英単語の直後に入れるのがポイント。
 PCの画面を撮ったのでハレーションが。。すみません


(ご連絡頂ければ、データ[Word版]をお送り出来ます)

この英文をひたすら写すのが、視写です。

ディスレクシア的受験用英文視写の目的は、
単語を暗記することと、一つひとつの単語を正確に解読することです。

ディスレクシアなら、初日は本当に少ししか書けませんし、すごく疲れます。
コスモ君は初回、混乱しながら2行半しか書けず、
終了後は倒れこんでいました。

どこを書いているのか分からなくなったり、
スペルミスや抜けが頻発したり、
2度同じところを書いたり、1行抜かしてしまったりします。

それが、黙読でどんな解読ミスをしているかを示しています。
そのミスをつぶし、疲れずに書けるようになれば、点数は上がります。
視写はこういう疲れやミスを減らし、
解読のための基礎体力をつけるトレーニングです。

☆手順☆

(1)視写する
・原文とノートを並べ、一字一句正確に写す。
・1回5分から始め、最終的には1回10~15分。
・休憩を入れず、一気に書く。
・以上を守れば、あとは自由。自分が疲れずに書ける方法を模索する。
↓
(2)単語を覚える
・分からない単語が多すぎる場合は、先に覚えてもよい。
↓
(3)単語を完全に覚えられたと思ったら、文章を読む
・このとき、単語の意味が分かると思えたら、ひとまず合格。
・この時点で内容把握。(1)では完全に内容が理解出来なくてもOK。
↓
(4)関係する設問を解いてみる
・ディスレクシアは、字が正しく解読できれば、内容は理解できているので、
これはおまけのようなもの。
・全文を書いてから解いてもよいし(つまり数日に1回)
 15分終了後や、1パラグラフ単位で解いてもよい。
↓
(5)フィードバックを受ける
・視写のフィードバックを受けるのがポイント。これで効果が倍増する。
・教師は、解釈や設問にかかわる書き間違いのみ、指摘する。
×解釈を左右しないミスは、特に指摘しない。
×減点法的な指摘はしない。
・その他、視写そのものや内容の感想を言ってもらう。
◎ポジティブな変化を指摘できるとなおよい。
↓
(以下オプション)
↓
(6)音読
・視写したノートを音読してもらい、大きな発音のミスがあれば直す。
・意外と、基本的な単語の誤読が明らかになることも。(warmとwormなど)
・解読ミスを確認するためなので、過度な発音の美しさは求めない。


☆Q&A☆

Q:15分以上、続けてもよいか。
A:あまり続けると疲れすぎ、その後の勉強に差し障るので、避けるべき。
  これは、集中しすぎて燃え尽きないための訓練でもある。

  (とはいえ、やり始めるとすごく楽しいらしい(!)ので、
  後に何もないなら無理に止めません)

Q:どのくらいの量、視写するべきか。
A:量ではなく、時間で区切るとよい。時間が来たら、途中でもやめてよい。
  
 どうしても区切りのよいところまで書きたかったら、書いてもよいが、
 「あとちょっと書けるな」と思うところで、あえておしまいにしたほうが、
 長期的には伸びます。

Q:1日何回、視写するべきか。
A:1日1回以上、好きなだけ。
  1回を長時間するより、すきま時間を見つけては視写する方が◎。
 「5分でも時間があれば視写しています」(by受験生さん)。最高です。

Q:手が疲れるのですが。
A:これは手の訓練ではないので(笑)、
  弱い筆圧でも書ける筆記具(水性ボールペンなど)を使ってよい。
  短期記憶の訓練なので15分は続けるようにして、
  頭より先に手が疲れてダウンしないように。

  (続けるとペンだこが復活するそうです(byコスモ))

Q:あまり単語を知らないのに、いきなり文章の中で覚えていいのか。
A:もちろんです。ディスレクシアは文章の中で単語を覚える人種です。
  安心して文章の中で覚えて下さい。

Q:どのくらいの難度の文章を使うべきか。
A:センター英語から始めるのが効果的と思われます。
  その後は、日本語で読めば内容が理解出来る程度の入試問題を。
  いきなり志望校の入試問題の視写に取り組むのもありです。
  
  言っていることが理解出来ないほど難しすぎると、
  単語の暗記が進まないようです(一回、素材選びに失敗しました)
  易しすぎる文章は、効果はありますがモチベーションが下がるよう。

Q:単語の意味を横に書かない文章で、視写をしてもよいか。
A:まだ試していませんが、
  ある程度単語量の蓄積ができたら、おそらく効果的。

Q:どの程度の英語力から、取り組むことができるか。
A:構文の一番基本的な部分※は、入っている必要がある。

(※主節と従属節、前置詞の係り方、andの並列の仕方、
-ingのいろいろ、-edのいろいろ、thatのいろいろ、toのいろいろ)

この部分はディスレクシアであるなしに関係なく、
教師から教わるのが一番効率的。
また、たいていの生徒は(断片的にせよ)入っている分野でもある。
とはいえ、どうしても自習で確認する必要があるなら、以下の本がお勧め。

『英文熟考』
内容も良いし、
解説がCDになっている(!)のがディスレクシアに優しい


上下2巻でが、ディスレクシア的には、
センター150点を目指すなら、上巻だけで十分。



Q:視写の目的は。
A:ディスレクシア的な英文視写の目的は、
  単語や文字のレベルで、正しく読む能力を高めるため。
  また、短期記憶や、1文字・1語・1行を追う力を向上させるため。



びっくりするほど地道な方法ですが、まずは1週間、試してほしいです。
本当に変わりますから…

☆  ☆  ☆

視写を本格的に開始して2週間目のコスモ君に、いろいろ聞いてみました。

Q:視写の良い点は?
A:・・・・・・・・強いて言えば達成感?(笑)
  実はけっこう何時間でも続けられる。最長で自習室で3時間(!)
  (ADHDの発言とは思えません)

Q:なぜそもそも、全文書こうと思ったのか?
A:最初にガ×ダムの文章で単語を覚えていたときに、書きたくなった。
 書いたら意味が分かったので、続けていった。

Q:和訳は書かなくてもよいと思うけど、どうしても書きたいの?
A:書くことで単語を覚えられる。


目の前で10分、視写をしてもらいました。

・音楽を聴きながら視写をする(10分ぴったりで終わる曲をセレクトする)
 最近のお気に入りはラフマニノフ。
・視写しながら、覚えるべき単語も色分けする。これは譲れないらしい。
・字を美しく書きたいという思いがあり( ̄□ ̄;)、
 「本当はこのf は書き直したい」etc.と思いながら書いているらしい
・波に乗ると、すべての動きが協調しており、スペルミスもない。
 一度崩れると、「どこ読んでたっけ?」となるし、スペルも間違う
(「快調に書いていてスペルを間違う」ということはない)
・ノート見開きを大きな1ページとして使っている。
 1文を1行で書けるので、後からいろいろ確認しやすい。

・10分かけて書き終わったら、その後に訳を書く。
この過程で単語を覚えるらしいので、これも譲れないとのこと。
(ちなみに彼は、言語感覚が非常に鋭く、
 職業的翻訳者であるわたくしが「言われてみたらそうだねorz」
 と思うような訳語をつけることもしばしばです)
・視写の間は何かとぶつぶつ言っている。「あっ間違えた」など。

10分でこの分量。(訳はその後書いています)
たった2週間で、書ける量、字の力強さ、集中力…ものすごく変わりました

たった2週間でも、ずいぶん書けるようになりました。
前よりリズム良く書けているので、字がいい意味で「雑」になりました。
(「さらに雑に書こう!」と確認しました)

視写の効果は、あっという間に模試の点数に表れました。
が、効果はそれだけではありません。

過集中でも散漫でもない、決めた時間だけ書き続けられるような
「普通の集中」ができていること、

∞や「いちごのショートケーキ」(効いたそうです)もあってか、
見る力が明らかに増していること、

そんなこんなに伴い、自分に自信が持てるようになってきたようで
雰囲気や話し方まで変わってきました。

視写をするのは、あくまでも志望校合格のためですが、
そういう根底的な変化も、大きな産物かもしれません。
…というくらい、ディスレクシア受験生の視写は効果絶大です!

☆  ☆  ☆

最後に、視写指導をする人へ。
これは、一見すると非常に地味な行為ですが、
教える側には、生徒が何に苦労しているかを見抜こうとする姿勢が問われます。
単なる○×の採点ではなく、もう2段階くらい字面の奥に行くイメージです。

生徒の実力にぴったりあった素材の選択、
スルーすべきミスと、建設的指摘につなげるべきミスを見分ける力、
そして、生徒の意欲の芽を大事にして励まし続ける力が要求されます。




2014-10-09

小学生新聞のディスレクシア的活用法

小学生新聞を購読して半年たちました。前回は→こちら

ノンフィクション好み、社会派(?)のディスレクシア児にとって、
小学生新聞は良い素材だと感じています。
うちはフィクションの文章がぴんとこないので(特に私が)、ありがたいです。

小学生新聞はディスレクシアな高学年にも効果的ですが、
もっと早い時期から購読して、読み聞かせに使ってもいいかもしれません。
「字は最後」作戦の一環になるはずです。

うちでの使い方をまとめてみました。

◆1 視写教材として

視写はかれこれ1年半近く、週1回、家庭教師君と続けています。
短期記憶の訓練になっている、と思います。


視写。最初は原文とノートの1行の文字数を合わせていましたが
最近はそこまで厳密にはやらなくなりました。


視写は週1回、10分。


実は、視写の効果は、自分の子よりもコスモ君
(私が英語を教えている浪人生)を見て実感しています。
私の前では一切鉛筆を持たせていなかった彼が先日、
英文を色分けまでしてきれいに写したノートを持って来て
「書いて覚えています」と言ったときには、目が点になりました。

ちなみに彼がしているのは「何度も書いて覚える」ではなく、
「本文を書き写す」、つまり視写です。

文字を書き写すというのは、
各駅停車の速度で文を理解していくようなところがあると思います。
じっくりと深いところに効くと思います。
が、ディスレクシアでもその効果は感じられるんだ・・・とびっくりしました。

ところで、私もハイパーレクシアが行き詰まったどん底期にしていたのは、
ラテン語入門(笑)と、Japan Timesの記事の視写でした。
どちらも、ノートにたくさん字を写しました。
1年ほどで終わりましたが、実は読み方に根底から作用していたのかもしれません・・・?




◆音読+内容確認

視写終了後、全文を音読してもらいます。
実は、書いているときは意味はほとんど頭に入っていないらしいです。
今後の課題です。



視写以外では、小学生新聞は夕食の前に黙読してもらうことが多く、
時間に余裕があれば、音読につきあいます。

音読の方法は、
-全部子供に読んでもらう
-1文ずつ交代で読む
-地の文とセリフで交代
-QとAで交代
などを使います。

新聞のおかげかどうか分かりませんが、6年生に入ってうちの子は
「おれはもう読める。書くのは苦手だけど」
と明言するようになりました。
確かに、音読させてみると、まあ問題なく読めます。
ルビのない文章も、ずいぶん読めるようになりました。

WISC的にも「記号」はそろそろ6歳並みになるはずの昨今、
だんだん「隠れディスレクシア」の特徴にあてはまるようになってきました。

音読そのものは実は内容理解のためには微妙・・・です。
でも、音読で正しく読めていることをチェックしないと、
黙読で正しく読めていると確信することもできず、
そして、黙読の時に正しい音(特に助詞)を頭の中で出すことは、
正しく読むためにはきっと必要なことなので、
その意味で、ディスレクシアに音読はやはり必要だと、今は思っています。




音読の後は、お互いに一言、感想を言い合います。

これが意外とできません。
感想を言語化できれば、作文の苦手もかなり改善すると思うのですが・・・。

この点も、コスモ君と比べてすごく違う部分です。
コスモ君はたった1行の例文でも感想を持ち、物語さえ語れるくらい、
一言一句をビジュアル化し、自分のものにしながら読んでいます。
これはこれで、妄想が激しくて大変そうですが(と本人も言ってます)
ある文章を読み、その感想を語るのは、彼にとってわけないことです。

ディスレクシアも多彩だと感じます。。。




さらに余裕があれば、全体の内容理解を確認します。

「給食で牛乳を廃止する学校が増えている」という記事で
牛乳賛成派vs反対派の意見を色分けしてもらいました。
ガリレオの伝記を読んだので、天動説と地動説の話に広げました。
いい素材が見つかればyoutubeは教材の宝庫ですね。
※向きが変ですみません


実際には、6年生にもなると他にやることも多くて、
ここまで活用できる日は少ないです。



◆スクラップ

子供の小学校では毎日「自主勉」(=何をしてもいいが、何か提出する)
という宿題が出ます。
そこで、小学生新聞から1つ記事を自分で選んでスクラップさせ、
一言感想を書いてもらっています。
これは音読とは別に、できるだけ自力で取り組んでもらっています。

これが一筋縄でいかず(苦笑)
ディスレクシアは作文も苦手と言いますが、うちも例外ではありません。
なかなか鋭い批評眼を持っている子だと思うのですが、
原稿用紙を前にすると
「○○はすごいと思いました。おわり」
のような、稚拙な文しか書けませんorz

2学期に入り「スクラップの感想で『すごい』は禁止」と言い渡したところ
頭を抱えながら書いています(笑)



感想を書く訓練と同時に、はさみの使い方の訓練にも・・・(苦笑)




まれに、なかなかいいことを書く。ワンピールではなくてワンピースですが


◆朝小と毎小、どちらがディスレクシア・フレンドリーか?

結局うちは朝小と毎小、両方購読しています(!)

両方とっても進○ゼミより安いからまあいいか。。塾代と思えば。。
と、ちょっともったいないと思いつつ両方購読していますが、
ディスレクシアにはそれぞれ一長一短があり、決められません。

子供は毎小のほうが好きです。
理由は、判型が小さい、つまり1記事の分量が少ないから(笑)

しかし、毎小にはたまに、スクラップや音読の素材になる文章がない日があります。
より中学年向きと言えるかもしれません。

この点、朝小は科学的な記事が充実しています。
これらは、特に視写(カタカナが連続するので)や、
内容理解まで掘り下げて使う場合に向いています。

朝小の欠点は、本文も広告も、中学受験に偏りすぎていることです。
大手進学塾の準拠教材かというくらい偏ってます。

30数年前、私は中学受験ワールドに過剰に順応していました。
そこからの解脱に30年近くを要した者としては、
朝小の中学受験を煽るような記事の数々を見ると
「早熟な子をそんなにも強く大人の価値観で縛り上げて、いいことあるの?」
とつい思ってしまいます、、

毎小が科学の記事を充実させてくれれば、
最もディスレクシア・フレンドリーになるのですが。。



2014-04-14

毎小(毎日小学生新聞)と朝小(朝日小学生新聞)をディスレクシア的に読み比べる

たいへん間があいてしまい申し訳ありません!
数々の音信不通につきまして、この場を借りてお詫びを申し上げます。
順次お返事してまいりますので、なにとぞご容赦下さい。

子は6年になり、私と同い年の男性教員が新しく担任になりました。
新学期3日目、
「A4 1枚にお願いしたいことを簡潔にまとめて」に従い→こちら
保護者会の最後に立ち話でお願いしたところ
「ほかの子の何倍も、努力してるわけですね!」
と言ってもらえました(TT)
いままでで一番イイ感じの滑り出しかも。子の態度が明らかに違います。
これについては改めて。


☆  ☆  ☆

すみません、ここからが本題です。

3月末から、子供用新聞を試読中です。
毎日小学生新聞(以下「毎小」)と朝日小学生新聞(以下「朝小」)です。
まだ決められないのですが、どちらにしても、
小学生新聞はディスレクシアの読み練習の素材としてお勧めです!
以下、ここまでの途中経過です。


■小学生新聞の、ディスレクシア的に良い点

長所1:
総ルビ、写真・イラストつきで、良い文章が手に入る。

毎小・朝小とも全部ふりがなつきです!!
ディスレクシア的に大変ありがたいポイントです。
内容的に興味がある記事なら、4年生ごろから読めると思います。

記者が書いているので文章がきちんとしているのも、ポイント高いです。
イラストもありますし、写真も当たり前ですがプロのもので、理解の手助けになっています。


毎小は毎週土曜に、「15歳のニュース」と題して、
ルビなしのちょっと難しい記事のページがあります。
この音読は、やはり難しいようです(内容ではなく字が)


15歳のニュース(毎小)


長所2:
毎日新しいものが来るので、読む習慣が身につきやすい。

仮に読んでみようと思う記事がなくても、また翌日来るのは、
うちのようにあきっぽい子でも挫折しにくく、大変ありがたい点です。


今日はこれを読んでいました。(毎小)
具志堅さんはきっとディスレクシアなので、子はたいへん共感を寄せています(笑)




長所3:
1本の記事が短いので、ディスレクシアでも最後まで読める。

新聞は1つの記事がそれほど長くないので、
ディスレクシアでも「読めた!」という達成感を味わえます。
子は「僕は新聞を毎日読んでいる」と自信を持っています
(全部は読んでいないのですが、、、)

これは記事としてはかなり長い方(朝小)
興味があればディスレクシアでも読破できます。



☆小学生新聞の、ディスレクシア的に物足りない点・・・
あえて言えばですが、
・フィクション好きの子だと、もしかしたら物足りないかも(連載小説は載ってますが)。
うちのやつは社会的事象に関心があるので、新聞は興味の持てる読み物のようです。

・映像を喚起する文章ばかりではない(!)
これは子を傍で見ていて実感したことですが、
新聞には、映像が思い浮かぶような文章とそうでない文章があり
(記事の種類というより、書き手が映像を思い浮かべて書いているかによる気がします)
映像が思い浮かばない文章は、読んでいてつらそうです。
特に「中学受験の問題を解いてみよう!」的な抽象的な内容には、頭を抱えています。

これを読んだときは「綿花」「原油」「綿織物」「ガソリン」の画像をiPadで見せて
ようやくイメージがつかめたようでした。
あと、外国の話をするときは地球儀は必須です。(毎小)



・新聞記事は書き言葉なので、音読するとリズムに乗れない場合が時々あります。
でもこれは、書き言葉に慣れるための訓練だと、肯定的にとらえることができると思います。




朝小と毎小、どちらがディスレクシア的にはお勧めか?

実は、これがまだ結論が出ていないのです。
今月で朝小の試読期間が終わるので、どちらかに決めたいのですが。。

・「コスパ」
(この言葉はあまり好きではないですが・・・)

毎小は1580円/月で8ページ、
朝小は1769円/月ですが、同じ8ページでも1ページの面積が毎小の2倍です。
(朝小は普通の新聞と同じ判型、毎小はその半分)

ただし、朝小は2ページは全面広告だし各面の広告も大きいので、
単純に朝小のほうがコスパがはるかに良い、とは言い切れません。


・内容面
子供が「好き」と言っているのは毎小です。
最大の理由は、判型が小さいのでとっつきやすいこと、
それと、はっきりは言いませんが、中学受験色が薄いことだろうと思います。

朝小は受験産業色があまりにも強すぎます。
中学入試の解説、受験塾の広告、中学受験推しの教育評論家による寄稿などが毎日掲載され、
某有名中教師の校内紹介の連載もあり、
中学受験を煽る新聞といっても、過言ではありません。
毎小はもっと「普通の」小学生用新聞です。

*  *  *

朝小と毎小は、朝日新聞と毎日新聞のカラーをそのまま受け継いでいます。
前者はやっぱり教条主義的で、良くも悪くも「望ましい大衆」へと誘導するきらいがあります。
後者は「中立とはこういうことですよね?」と装うところがあります。

そこまで子供が感じ取っているかはわかりませんが、
うちのやつは、「良い子」の枠が見え隠れするような内容にひときわ反発するので、
中立的な内容のほうがしっくりくるのかもしれません。

*  *  *

ここまで言ったうえで、朝小の長所を挙げるなら、
外部の人が書いた文化的な記事に、読み応えあるものが多い点でしょうか。
子は、「毎小が好き」といいながら、朝小の特集記事もちょこちょこ読んでます。
なのでどちらにしようか悩みます・・・

この連載は写真もですが、文章もとても映像喚起的で
ディスレクシア・フレンドリーです。(朝小)





複数紙を読み比べるのも面白いことですが、
お金のこともあるし、読まない新聞がたまるのは非常にストレスなので、
そこまでするかは思案中です。


浦和の無観客試合の記事を読み比べました。



どちらの新聞も、教科的な内容に、力を入れています。
いわゆる新聞記事と、同じかそれ以上の分量を割いています。

これを音読してもらいながら
iPadの画像検索で「古墳」「卑弥呼」「銅鏡」「埴輪」などを見せて
歴史の勉強をしてみました。(朝小)





うちでは現在のところ、

・毎日1つは、自分で面白そうな記事を選んで読む
・それとは別に、毎日1つ記事を音読してもらい、それについて質疑応答
・発展性のある記事があれば、それを使って社会か国語の勉強をする。
・視写(週1本、家庭教師の先生としている)の素材に使えるかも。

という使い方をしています。



ディスレクシアの子が毎日何かを少しずつ読むとしたら、
小学生新聞は、かなりお勧めです!
ルビが振ってあるので、4年生にもなればぼちぼち読めると思います。
朝小と毎小のどちらが合うかは、試読して決めてもいいかもしれません。

毎日小学生新聞の試読申し込み
https://form.mainichi.co.jp/annuncio/koudoku/shidoku/form.html

朝日小学生新聞の購読申し込み
http://www.asagaku.com/shimen.html





2014-01-31

Do-IT Japan成果報告会/URAWSS(ディスレクシア検査)を試してみました

中邑賢龍先生率いるDo-IT Japanのディスレクシアプログラムの成果報告会、当事者の保護者も参加可能ということでしたので、行ってきました。
iPadなどのICT機器をディスレクシア指導にどう生かすかについての事例発表会です。
(マイクロソフトが協賛なので、正確にはiPadではなくSurfaceを使っているようです)

その前に。
2週間ほど前、LD児へのiPadの使い方について、ご質問を頂いていました。
届いていないことを案じ、お返事を以下にコピーします。
届いていたらごめんなさい…。
私自身は、iPadの使い方を、今の時点では次のように考えています。


☆  ☆  ☆


結論から申しますと、現状では学校でiPadを使わせるのは、研究校以外ではかなり困難だろうと思います
(こんな結論で申し訳ありません)
・タブレットを学校の授業に取り入れるには、教師(または大人)の誘導が不可欠
・だが現場の教師は、学習障害向けのタブレットの使用方法はもちろん、学習障害についても知識がない場合がほとんどである
・また、高学年になれば、周囲の目もあるし、子供自身も周囲と違うものを使うことに抵抗が出てくる
・・・あたりがその理由です。
もちろん、これらをすべてクリアできれば、問題はないのでしょうが。。


家庭学習用にいくつかアプリはあります。
ブログに書いたものでは:

(村上先生は神戸でこうしたアプリも使って指導をする塾をされています。)


実はうちでは、現在ではiPadの学習アプリは使っていません。
漢字カードや視写のほうが効果があがっているのが、その理由です。
iPadは、社会の勉強で何か出てきたときに、画像検索や動画検索して実物の絵を見せるのに使っています。
ディスレクシアだと、映像や画像があると、記憶に非常によく定着するようです。


今週末に、東大先端研で、ディスレクシア児へのICT(→タブレット)使用プロジェクトの成果報告会があります
すでに満席ですが、時々キャンセルが出るようなので、うまく行けば申し込めるかもしれません
(私もキャンセルの隙をねらって今日申し込みました)
めぼしい情報があったら、ブログで報告したいと思います。


☆  ☆  ☆

というわけで、
当日1週間前にキャンセルが出た隙に申し込んで、行ってきました。

当日は数百人のホールが超満員!
全国の特別支援学校から教員が集結しているようです。
肢体障害の子もいます。大変な熱気です。
書籍を物色しているうちに会場が満席になってしまい、
サテライト会場で映像で発表を視聴しました。


そして、結論はやはり、くつがえりませんでした。
iPadは教師力(教材準備力、授業構成力)が、より一層問われるツールである。
本気で導入するには、教える側の強力なイニシアチブが必要である。
授業(要は指導要領)を超える・変えるくらいの勢いで臨まなければならない。

現状では、普通学級にLD児が単にiPadを持ち込んでも、現実的な解決策にはならない。

教師や親は、「毎日こつこつ」といった基本訓練に辛抱強く付き合う度量が必要だ。
(ディスレクシアならなおのこと)


・・・という、やや厳しい結論に至りました。

ディスレクシアに関する発表はこちら。

午前10時00分 「ディスレクシア プログラム」 実践研究事例紹介
奈良県 生駒市立生駒小学校  高橋 順治(発表資料
鳥取県 大山町立名和小学校  内田 利幸(発表資料
島根県 安来市立赤江小学校  井上 賞子(発表資料

この発表の中に出てくる、ディスレクシア検査ツールを買ってみました。
朝日新聞13/06/01の回で紹介した河野俊寛先生らが、作成した検査です。




読み書きが困難な子どもを理解するツールとしてご利用ください。
 ・学習に影響しやすい読み書き速度を評価。
 ・個別でも集団でも実施可能。

・評価のための時間は約40分。
・アルテク(デジタルカメラやスマートフォンなどの身の回りにあるテクノロジー)を使った支援を示唆してくれる。





普通の視写、非語文の視写、黙読と+内容の○×問題、の3題構成です。

あ~非語文は全然書けないんだろうな~、
普通の子の半分くらいのスピードしか出ないんだろうな・・・
と思いながら、さっそく試してみました。

すると、驚くべきことに、
すべての項目でA評価(ディスレクシアでない)が出ました(! ̄д ̄)
非語文のほうが普通の視写よりもたくさん書けましたし、
黙読は全部読め、質問も全問正解してしまいました。(! ̄д ̄)
意表をつく結果です。

「なんだかこの1ヵ月で、読むのがずいぶん早くなったような?」
と伝えると、「最近マンガをいっぱい読んでるからね。ってブログに書いといて」と言われましたorz。


彼がこのテストに取り組む様子は、明らかにゲーム感覚です。
非語文のテストは普通の視写のテストで感触をつかんだので、
ゲームで敵を倒す感覚でガンガン書いてます。

彼が一番できなかったのは、「ページを開けたら、手を膝の上において、先生に教えて下さい」という指示です。
膝を思いっきり上げてみたり下げてみたりして、真面目な「手を膝の上に置く」をなかなかやってくれません。


どうやら彼は、ディスレクシア的な成長を、着々と遂げているようです。
読むのも書くのも相変わらず大変なことですが、読みの「正攻法」(1文字1文字、きちんと読む)でない技術によって独自の読み戦略を編み出しつつあり、それによって一見読めているように見える状態になりつつあります。
本人は、読めているとさえ思っているかもしれません。
だってこの検査の問題を解ける程度には読めているわけですから。。

(何をもって「読めている」と言えるのかは、なかなか難しい問題です。
これについては改めます)


普通学級で、知的に遅れがないディスレクシアなら、
高学年になる頃にはこんな感じになるのは、珍しくないように思います。
なんだか初めて、私が予備校で知るディスレクシアの生徒たちと、つながった気がしました・・・。

☆  ☆  ☆

中邑先生は、ちょっとしたコメントにも、困っている子をどうにかしたい、後進も育てたい、できることからどんどん社会を変えたい、という意欲がびしびし感じられる、謙虚でパワフルな方でした。
自分の特別講演の時間を削って事例発表の紹介にあてるあたりには、現場の先生を励ましたいという思いを感じました。

「モバイル技術を自分の一部にすることで、こういうところ(東大)にだって入れるようになるべき。
もうそろそろ、学校にツールを入れるべきか否かというレベルではなく、教育はどうあるべきかという能力観の議論が学校で行われるべきなのに、まったく行われていない」

というのはまったくその通りです。

残念ながら、そんな議論が公立小の普通学級の教育現場で起きるのは、もう少し先になると思います。少なくとも来年度はないでしょう。
でも、うちの子が親になったときには、ディスレクシア教育が日本でも確立しているといいな・・・いや、確立させようじゃないの(笑)などと考えました。




2013-07-29

視写を始めて2ヵ月/「こんな簡単な問題も分からないの?」

夏休みはディスレクシアの子にとってはsummer slide(「夏のすべり台」、それまでコツコツ積み上げてきた成果を忘れ去ってしまう時期(泣))らしいので、1日1時間と決めて算数・視写・書き取り・音読の勉強を続けています。




視写は6月から週1回10分続けています。
7月上旬には、間違いはあっても300字書けるようになりました。





遊びに行ったり合宿があったりで少し間があくと、あっという間に書けなくなりました。。
最後は同じ行を繰り返して書いてます。


視写は一応習慣化したのですが、いま最大の課題は別のところにあります。

子は終業式の日、しくしく泣きながら、社会の教科書を目の前に放り出して
「ここに書いてあることが全然わかんない。
読むのをあてられると「読み方が変」ってみんなに笑われるし。
読んでも全然意味がわかんない。ちんぷんかんぷん。」
と告白しました。
本当は社会的事象に関心のある子なだけに、社会の教科書が分からないのは本人にとって屈辱のようです。



試しに社会の教科書を1ページ読ませると、声には出せますが、内容がまったく頭に入っていないようです。


「サピに行ってる子に
『こんな簡単な問題も分からないの?』
ってバカにされて、笑ってごまかしてるけど、
本当は分からないのがくやしい(泣)。
ぼくはこのまま、ずっとバカなの・・・?」とも言います。

家では、自分がディスレクシアであることに納得して、こつこつ読み書きの勉強を続けています。
学校の担任も、完璧ではないものの、少なくとも子を精神的に追い詰めてはいないようです。
でも、ここへきて「クラスメートの言葉」という新たな難問が出てきました。



子の小学校は中学受験熱が高く、クラスの半分以上が受験します。
そんななか、本人の意志により友達にはディスレクシアだと一切言っていない子は、クラスメートにバカにされることも増えてきたようです。

子の名誉のために言うと、勉強以外の場では子は社交的でリーダータイプ、むしろ人気者です。
社交性と勉強のできなさのギャップが激しいことも、周囲の子から厳しい言葉が飛んでくる原因になるようです。
「『もっとがんばりなよ』『もっと字をきれいに書きなよ』とも言われる。でもこれは励ましだから」とも言っていました。
そのセリフは、ディスレクシアの子には最大の禁句のはず。
心の中では、どんなにか悔しい思いをしていることでしょう。



「こんな簡単な問題も分からないの?」は、中学受験組のクラスメートが家で親に言われているセリフに違いありません。
親に言われた言葉がストレスになり、それをそのまま自分よりできない人にぶつけているのでしょう。

実は私も中学受験経験者なので、中学受験がいかにストレスフルな経験かはよくわかります。
でも、だからこそ言いたい。
人を見下して「自分はできる側の人間」と選民意識にひたるための勉強なら、なんの意味もないと。



子は友達の言葉に相当へこんでいますが、字を忘れないための勉強を黙々と続けています。

2013-06-20

視写をディスレクシア用に少し改良、安藤百福氏の字

5月に始めた視写は、毎週1回10分続けています。



子は、間違えながらもよく集中して取り組み、
終わったあとは「あ~~これ疲れる~~」と言っています。


改良点
・フォントを、ディスレクシアの子が読みやすいものにした
・・・と思いましたが、今検索してみたところ、
丸ゴシック体よりも良いフォントがあるかも?
もう少し調べる必要がありそうです。

子は、ディスレクシアでよく言われる、
文字が踊って見える・色シートをかけると読みやすくなる・
字が突き刺すように感じる
ということはないらしいです(本人談)

・1行の文字数は、ノートに合わせて18字。
本人にも、
「一番上の字が同じにならなかったら、ずれてるってことだから、
前に戻って抜けを探してね」と言ってあります。
(この抜けを探すのが子にはとても難しい・・・)

・目標字数に合わせた分量を用意。
300字(5年生で標準的に書けるとされる字数、前記事参照)なので、300字強にしてあります。

・写している場所を見失ったら、誘導する
初回は完全に自力で書かせましたが、今回は誘導しました。
そのため、初回より3行ほど多く書けました。

本当は「そこじゃなくてここだよ」と、教えないほうがいいのかもしれません。
でも、どこを書いているのか見失うと集中が切れて、
視写の一番の目的である「ワーキングメモリの向上」ができなくなってしまうので、
目標字数が書けるようになるまでは誘導してみようと思います。






・素材は、安藤百福さんの伝記を使用。
頑張ってリライトしました!
予備校の英語の教材はかなり自作してますが、国語は初めてかも。

子は学校でいま、国語の授業で「伝記を書く」という課題に取り組んでいて、
そのための安藤百福さんの素材がいくつか家にありました。
(マンガ世界の偉人(朝日新聞出版)、「安藤百福伝」など)

「マンガ世界の偉人」の最後に2ページ分の、コンパクトにまとまった伝記が載っています。
これをベースにリライトしました。


安藤百福さんは今で言う中卒で、
10代のうちに事業を始めて成功するも、
憲兵隊の拷問を受けたり騙されて一文無しになったりと
何度も振り出しに戻り、
48歳で一念発起してチキンラーメンを開発した人です。

そんな、いわゆる学校秀才でないところを、子は気に入ったようでした。

でも、ディスレクシアの子が共感できるような視点で書かれた伝記はなかなかありません。
「学校ではできなかったのに成功した」という伝記は数多くても、
「学校に合わなかったので成功した」という伝記はなかなかないのです。
なので、「安藤百福伝」に載っていたエピソードをいくつか加え、
ディスレクシア的にポジティブな安藤百福伝にリライトしてみました。


何年か前(ディスレクシアを知らない頃)、
「私の履歴書」の安藤百福さんの回を読んでいたときは、
日本人にはない底抜けの楽天性としたたかさを感じながら、
「なんかその行動の動機が読めない・・・」とも思っていました。

でも今、改めて「安藤百福伝」を読むと、
「わたしには学問はない。あるのは実際の経験だけ」(p9)と言い切っていたり、
昔から面白いテーマがあると、我を忘れて没頭してしまうところがある(p22)とされたり、
奥さんが天ぷらを揚げているのを見てチキンラーメンの保存方法を思いついたり・・・
といったエピソードが、いかにも起業家タイプのディスレクシアのような気がしてしまいます。
希望的観測なのでしょうが。




どうでしょう・・・・・


13/06/25
匿名さんのコメントに触発されて、『安藤百福伝』からもう少し拝借しました。












































・平成4年、「キザシ」という表記があやしいと感じるのは細かすぎでしょうか・・・

・大企業のトップなのに自社の利益みたいな話は一切しないあたりに、次元の違いを感じます。
視点が宇宙レベルで壮大です。

・「時流無停 接点生力」の字からは、気を感じました。
四字熟語自体もたぶん台湾語でも日本語でもないと思います。
実に独創的です。

・絶筆となった「企業在人 成業在天」は、エジソンが言っていることにそっくりだと思いました。

・インスタントラーメンは、iPhoneと同様、
「登場以後は、それがない世界が想像できない」レベルの発明です。
普通の人とはまったく異なる視点をもっているのでしょう。

以上、安藤百福さんは、ディスレクシアの特徴はかなりお持ちだと思いますが、決定的証拠はない、が現時点での結論だと思います。

2013-05-31

視写を試してみる



「うつしまるくん」が手に入らなかったので、画像検索を参考にして視写教材を自作してみました。
朝日新聞社 天声人語学習用ノート 360021 に、天声人語の代わりに谷川俊太郎さまの詩を貼ってみました。
天声人語はまだ難しすぎるので。文章のチョイスは私の好みです(笑)
谷川俊太郎さまの詩は教科書にも出ているのでよかろうと。
せっかく視写するなら、リズムがあって偉そうでない日本語がいいかなと思いました
(たとえ、子にはあまり意味が頭に入らなくても・・・)

初日は10分で200字。
改行の見落としが多く、訂正しているうちにどんどん時間がたってしまいました。
最初は5分しかできないかもと思いましたが、
10分は本人にとってもあっという間で、最後まできちんと集中していました。
終わったあとはどっと疲れたようです。



私もやってみましたが、
まず手が疲れる!(笑)
黒板や添削でけっこう字は書いているつもりですが、
書くための手の筋肉が明らかに衰えてます。
そして5分すぎたあたりから感じる気持ちよさ。
「書く速度で読んでは書く」この単純作業がなんとも気持ちいいのです。
書いているうちに、そういえば中学の夏休みの宿題で天声人語を書き写したのは今の仕事の基礎になってるなとか
翻訳者になりたてで仕事が全然なかったころ、毎晩「写経」と称していろんな文章を写してたなとか、
いろんなことを思い出しました。
文豪の助詞使いや点の打ち方に感心したり・・・
ちなみにわたしが本日視写できたのは534字でした。

ディスレクシアの小五は、写経の気持ちよさという境地には全然達していないようですが、
「これをすると、覚えが良くなるよ」と言い聞かせてのスタートです。
言い忘れましたが、視写は短期記憶向上のために始めてみました。


追記
ディスレクシアの子に対応する向国実践QAによると、
「学年×60字を10分で書く」のが視写の基準となるスピードらしいです。
5年生だと300字、4年生だと240字、3年生だと180字。
WISCで短期記憶が2学年分遅れていると言われているのですが、
その結果通りの字数でした。





2012-04-11

グレーゾーン

まず視写をしてから、













同じ型にはめて文章を書く。