ディスレクシア専用英語塾「もじこ塾」のブログです。 ●ディスレクシアとは:知能は普通だが、読み書きが苦手(読み間違いが多い、読むのが遅い、書き間違いが多い、読むと疲れやすい)という脳の特性 ●全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力に長ける ●読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい ●適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される ●10人に1人程度いるというのが通説 ●家族性とされるが、ディスレクシアの表れ方は個人差が大きい もじこ塾は、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要、という立場です。
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2014-11-18

社会のテスト勉強/幕末の偉人にはディスレクシア的な人がいますね

「明日、社会のテストがあるんだよ。範囲は開国から幕末」
と子が言うので、一緒に一夜漬けの勉強をしました。

「教科書は意味が分からないし、眠くなる」と言うので
(笑。私も山川の教科書が頭に入らなかったので、地理受験にしたほど)

PCで「歴史にドキリ」を見ながら、いろいろ話し合いました。
小学校でも見ているというEテレの番組。これがなかなかよくできてます。

子はディスレクシアらしく、固有名詞の暗記に、非常に苦労しています。
「にちべいしゅうこうつうしょうじょうやく」を正しく言うことができません。
「にちべい・すうこうちゅうしょう…」「にちべい・しゅうそう…」etc。

事実そのものが抜けているわけではなく、
そこに何か「日本に不利な条約」があることは分かってます。

一方、「もし日本がペリーをキョヒって開国してなかったら、
今頃日本は北朝鮮みたいになっていたかな?」
「もしペリーと戦争して負けてアメリカに占領されてたら…」
「もしこの無血開城がなかったら江戸は燃え尽きて…」
などなど、「歴史のif」を妄想するのが大好きです。
とてもディスレクシア的だと感じます。


私自身の日本史の暗記事項は、四×大塚でストップしています。
小6の頃は「予習シリーズ」で、年号や事件名をかなり詰め込んでました。

でも・・・ディスレクシアびいきではないですが、
「日米修好通商条約」と来たら「治外法権」が脊髄反射で出てくるよりも、
「もしペリーに占領されてたら、日本は今頃英語を話す国になってたかも。
その前に、フランスやイギリスとの戦争に巻き込まれて、
日本はたくさんに分かれていたかも。」
「そもそも日本が鎖国していなければ・・・」
みたいな想像が出来るほうが、よっぽど歴史を知っていると言えるような。

でも、きっと今日のテストはしょんぼりな出来なことでしょう。

~~~

で、気付いたのですが、
幕末にはディスレクシアかADHDと思わせる人がちょこちょこいますね!


既存の枠にとらわれない考え方、
正義感、好奇心、圧倒的な行動力、
カリスマ性、身分に縛られない人付き合い、好奇心、
そして悪筆・・・
憶測するしかありませんが、幕末最大の偉人はディスレクシア的です。


たとえば、坂本龍馬:
「せんたく」「はたもと」。。。
坂本龍馬にはかねてから、ADHD説があるようです。
また、悪筆も、ファンにはよく知られるところのようです。


もう一人、福沢諭吉:

一万円札とは違う、型破りな雰囲気の若き福沢諭吉
(あえてこの写真を使うEテレも偉い!)

決して美筆とは言えない

今回、ネットで調べた範囲では出てきませんでしたが、
福沢諭吉はウェブスター英語辞典が欲しくて、
でも当時、ウェブスター英語辞典は貴重品で塾に一つしかなかったので、
福沢諭吉は辞書を一字一句、全部写して自分専用にした・・・
というエピソードがあったと記憶しているのですが。
もしかして、福沢諭吉も視写で英語を覚えたのかも(笑)

そういえば、新しい訳語もたくさん作りましたね!
言葉を作れる人ってそうそういません。
その上、漢字廃止論も唱えているそうですね。

福沢諭吉はちょっと調べると、人を引きつける力のものすごく強い人、
「異端のカリスマ」だと分かります→★
学者ではなく起業家であり(ただし金勘定は苦手)、
壮大なビジョンを持ちつつ、本の中には南北の表記ミスがあったり→★
身分ではないところで人を判断したり…
あくまで推測ですが、知れば知るほどディスレクシア的なお方です。

慶應義塾には、第二・第三の福沢諭吉を輩出するためにも、
ぜひ「ディスレクシア枠」を設けてほしいです!

2013-08-21

ディスレクシア児指導において、iPadよりも大切なこと


私の仕事もひと段落したので、1日1.5時間の家庭学習を再開です。
神戸のセミナーを受けてパワーアップしました(笑)!

①百マス計算
本人の自信のある分野から。
眼球運動にもなるのではないかと信じて。

②ブレインジム「PACE」
ブレインジムとは、ディスレクシアの子の感覚統合を助けるという簡単なアクティビティ(軽い運動)です。
現在ブレインジム101受講中(私が)で、子供に試しています。
いずれ詳しく書きたいと思いますが、これは面白いかも!
表面に表れる「字の書けなさ」への対症療法にとどまらず、子供の認知に働きかけているような気がします。

③視写
今週からは、先日訳した「ディスレクシアのインスピレーション」。
「ママはこれを読んで感動したから、あんたにも読んでほしいの」と押し売り気味にスタートです。

場数のせいか、ブレインジムのせいかは分かりませんが、前よりも量が書けるようになりました。



④漢字の復習
1学期の漢字の復習。できないものはブロックで作ります。
視写もあって疲れているので、鉛筆で書くのは15漢字、ブロックで作るのは5漢字が限界。


交差の場所から作っていこうとします。
やはり線の密度や交わりを見ているようです。


⑤ブレインジム「∞」
∞の字を書きながら眼球運動。これが意外とできない。
これが出来るようになるころには、図形をとらえる/書く能力がアップすることを期待して。

⑥社会の宿題

自力で解くとあてずっぽうに答えを書いてしまいますが、
読み聞かせれば答えられます。

本人にとっていま一番難しい課題。


⑦音読
「はれときどきぶた」シリーズから。
興味のある内容なら音読もできます。


☆  ☆  ☆

試行錯誤を1年半ほど続け、いろんな人にいろんなことを教えてもらって、私はようやく、ディスレクシア児用学習プログラムとはどうあるべきかをつかみかけてきた気がします。


  • 「字が苦手」の先を、注意深く観察すること。
単に「こんな字も書けないの?!」で止まるのはもちろん×ですが、「字が苦手なんだから字の練習をしようね」も、たぶん×です。
なぜ苦手なのか・・・どのように見えているのか。思い出すのがつらいのか。思い出せても手がそのように動かないのか。見る部分が弱いのか、聞く部分が弱いのか・・・を観察すること。


  • 教え方の引き出しをたくさん持つこと。
ディスレクシアの苦手さは個人差が大きい。加えて、同じ人でも日によって調子が大きく違うし、進歩もする。
「ひとつの方法に決めてそれでおしまい」ではなく、常に観察し続け、それにあわせて新しい教え方を試す。
iPadアプリ学習法に落とし穴があるとしたら、この点にあります。
引き出しのひとつとしてiPadを使うのは効果的でしょうが、「これさえやればディスレクシアを克服」のような魔法のアプリはないのです。


  • 得意(だと本人が思っている)能力を使って、苦手な能力にアプローチすること。
ディスレクシアの場合、発達に凹凸があるはずなので、凸の部分を使って凹にアプローチする。
うちの場合は、算数が得意だと自分で思っているので、百マス計算を使ってウォームアップをしてみました。漢字の書き取りばっかりだとへとへとになってしまいます。


  • 目の前の子供の能力を信じること。
文科省教育で期待されているよりも一見、発達が遅く見えますが、発達が遅いのではなく発達の順番が違うという見方もできます。ディスレクシアの子には年齢相応または年齢以上の自意識があるため、できない自分に劣等感も屈辱感も感じています。ミスは怒らずにさりげなく直し(または、なぜそうしてしまったのかを議論し)、こまめにほめる。


  • その問題を解くことの意義を教える。
ディスレクシアの子は「全体像」を知りたがります。この知識が全体にどうつながるか、この勉強が将来にどうつながるか、といったことを知ると安心して学べるようです。「いいからだまって覚えなさい」は最も学習効果を低めます。





iPadを与えるよりも大切なこと・・・
それは、その答案を書かせた心理状態に着目すること、生徒をよく見て半歩先の指摘をすること、常にポジティブに接し生徒が伸びることを疑わないこと、です。
予備校講師としては十分に知っていたつもりだったのに、実の子だからかディスレクシアだからか、そのことを忘れていました。

2013-07-29

視写を始めて2ヵ月/「こんな簡単な問題も分からないの?」

夏休みはディスレクシアの子にとってはsummer slide(「夏のすべり台」、それまでコツコツ積み上げてきた成果を忘れ去ってしまう時期(泣))らしいので、1日1時間と決めて算数・視写・書き取り・音読の勉強を続けています。




視写は6月から週1回10分続けています。
7月上旬には、間違いはあっても300字書けるようになりました。





遊びに行ったり合宿があったりで少し間があくと、あっという間に書けなくなりました。。
最後は同じ行を繰り返して書いてます。


視写は一応習慣化したのですが、いま最大の課題は別のところにあります。

子は終業式の日、しくしく泣きながら、社会の教科書を目の前に放り出して
「ここに書いてあることが全然わかんない。
読むのをあてられると「読み方が変」ってみんなに笑われるし。
読んでも全然意味がわかんない。ちんぷんかんぷん。」
と告白しました。
本当は社会的事象に関心のある子なだけに、社会の教科書が分からないのは本人にとって屈辱のようです。



試しに社会の教科書を1ページ読ませると、声には出せますが、内容がまったく頭に入っていないようです。


「サピに行ってる子に
『こんな簡単な問題も分からないの?』
ってバカにされて、笑ってごまかしてるけど、
本当は分からないのがくやしい(泣)。
ぼくはこのまま、ずっとバカなの・・・?」とも言います。

家では、自分がディスレクシアであることに納得して、こつこつ読み書きの勉強を続けています。
学校の担任も、完璧ではないものの、少なくとも子を精神的に追い詰めてはいないようです。
でも、ここへきて「クラスメートの言葉」という新たな難問が出てきました。



子の小学校は中学受験熱が高く、クラスの半分以上が受験します。
そんななか、本人の意志により友達にはディスレクシアだと一切言っていない子は、クラスメートにバカにされることも増えてきたようです。

子の名誉のために言うと、勉強以外の場では子は社交的でリーダータイプ、むしろ人気者です。
社交性と勉強のできなさのギャップが激しいことも、周囲の子から厳しい言葉が飛んでくる原因になるようです。
「『もっとがんばりなよ』『もっと字をきれいに書きなよ』とも言われる。でもこれは励ましだから」とも言っていました。
そのセリフは、ディスレクシアの子には最大の禁句のはず。
心の中では、どんなにか悔しい思いをしていることでしょう。



「こんな簡単な問題も分からないの?」は、中学受験組のクラスメートが家で親に言われているセリフに違いありません。
親に言われた言葉がストレスになり、それをそのまま自分よりできない人にぶつけているのでしょう。

実は私も中学受験経験者なので、中学受験がいかにストレスフルな経験かはよくわかります。
でも、だからこそ言いたい。
人を見下して「自分はできる側の人間」と選民意識にひたるための勉強なら、なんの意味もないと。



子は友達の言葉に相当へこんでいますが、字を忘れないための勉強を黙々と続けています。

2013-05-28

ディスレクシアの子に地図の読み方を教える

ディスレクシアの人は地図を読むのが苦手だそうですが、
子の場合も例外ではありません。
方向感覚はあり、一度自分の足で行った場所はだいたい行けて、
それがどちらの方角にあるかも分かっています。
が、地図には相当混乱していました。

明日、学校のテストで、
日本の最北端・最南端・最東端・最西端を答えなければいけないそうなのですが、
この3~4日家で確認しても、なかなか覚えられずにいました。

「日本で一番南はどこ?」と聞くと
「え~と、北はこっちだから南は・・・」
と実際の方角を指そうとするので、
なんで地図上の場所を言えばいいのに、実際の方角を答えようとするんだ?
もしや・・・?!
と思い、次のような方法を試してみました。

これが何ともうまくいったのです!


<日本の最北端を教える方法>

①
巨大な白地図を用意する。
なぜかうちには、巨大な白いボードがあったのです(笑)
これに白地図を描いてあげました。

地図が印刷されたレジャーシートのようなものがあれば、代用できると思います。
ただし、余計な情報ががちゃがちゃ描きこまれていないほうがいいかもしれません。

②
白地図を、実際の東西南北と同じ向きに置く。
これが、とても大事なポイントです。


③
白地図に、覚えたい地名を書いてもらう。




画像が暗くてすみません。。「よなぐにじま」と書いています。




巨大な地図の上に腹ばいになって地名を書くと、
同じ地名暗記でも「机の前での勉強」から
「体を使った遊び」の感覚に近くなるから不思議です。





④
現在地にしるしをつけ、そこに北向きに立ってもらう。


北を指さしてます。



うちは東京在住なので、東京の場所に☆を描き、
そこに北向きに立ってもらいました。

このとき、地図上の北と、実際の北があっていることがポイントです。
なぜなら、ディスレクシアの子は、未知の場所を
「今いる場所からどのような位置関係にあるか」
で覚えるようなのです。



⑤
覚えたい地名の上に立ってもらう。

「日本で一番北はどこ?」と聞かれて、北方領土の上に立っているところ。



これを東西南北について行います。

すると・・・紙の地図の上だと混乱をきわめていた東西南北が、すんなり分かるのです(!!)

実際の北方領土がどの方角にあるかと、地図上の北方領土を
結び付けているらしいのです。




⑥地図が頭に入ったら、地図を立てる。



地図を壁に立てかけた状態で、先ほどと同じ質問をします。
「日本で一番北はどこ?」
一度からだを使って覚えたら、
方角が実際とずれていても答えられます。

立てた状態で答えられたら、紙の上でも答えられます。


「日本で一番西は与那国島」




「ディスレクシアは地図が苦手」というのは、実は
・視点が常に移動している。
・何ごとも、全体像のなかで把握したい。
・未知の場所を「現在地との関係」でとらえようとする。
・地図のように抽象化された形より、「自分との関係」のように具体化された知識のほうが好き。

ということの現れなのでしょうね・・・



ディスレクシアの子には機械的な丸暗記は最も苦手とするところなので、
・北方領土の歴史。もともとは日本人でもロシア人でもない人達が住んでいたが・・・から始まり、現在係争中であること。
・沖ノ鳥島は、島というより単なる岩であること。経済水域のこと。google画像検索で岩の画像も見せました(google画像検索でわかりにくい固有名詞の画像を見せるのは、予備校の英語の授業でも盛り上がります)
・与那国島は台湾のほうが近いこと。尖閣諸島のこと。
といった周辺知識も話しました。

こういう話は楽しく聞いてくれます。
でも、日本最北端・最南端・・・の地名を覚えるには、あまり役に立っていないようです。


私も、ディスレクシア的な世の中の見え方が、少しずつ想像がつくようになってきたかも(笑)?!